転生王女は隣国の冷酷皇太子から逃れて美形騎士と結ばれたい!

Erie

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甘い週末

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エリアスとセシリアのいる湖のほとりの公爵家の別荘は、アルザス領からそれほど遠いところでない距離にある。もっともそれは馬で単騎で行く限りであったが、馬車ではなく、乗馬で旅をすることに慣れていたセシリアはむしろその方が好都合だった。

馬車はお尻が痛くなるんですもの。

いくら公爵家の馬車であろうと豪華なクッションじたてのソファーのような馬車の座席ではない。一応、摩擦ずれを防ぐために直接、平民の馬車のように木に座ることはないが、長時間の移動は辛いものがあった。次女と、お付きの者は、数日前に旅立っていた。

なので、セシリアはエリアスに抱きしめられるような感じで彼の黒馬に乗せられている。

「セシリア様、大丈夫ですか?お水でも飲みますか?」

久しぶりの体の密着に顔を赤くしているセシリアを見てエリアスがいう。

「大丈夫よ、エリアス」

「あと30分ほどで着きます」

「まあ、本当に近いのね?」

馬上から見上げる景色は美しい。どこまでも広がる金色の麦畑を越えて、林を抜けてしばらく走ったところだった。

「ええ。この林にはたくさんのハーブが生息しているので、全く手を加えていません」

可愛らしいリスやウサギや鹿に感嘆をあげるセシリアにエリアスが説明する。

「だから動物たちも人が来てものんびりしています。別に危険な野獣もいませんしね」

「まあ、ここが、セルローの林なのね?貴重なハーブがたくさんあるっていう…」

「ええ。別荘はここを抜けたところにあります。もうエミリアとハンスが着いている頃ですから、ピクニックに行く前に少し休憩をしてそれから出かけましょう」

エリアスの言葉通り、林を抜けたところに城と呼べる公爵家よりはかなりこじんまりとした白い洋館があった。

◇ ◇ ◇

洋館は広間と寝室が3つ、ダンスが踊れそうな客間とサロン、そしてダイニングルーム、そして使用人部屋という感じの間取りで、エリアスとセシリアは同じ部屋で一番豪華で日当たりの良い寝室が用意されていた。

「ここは12世紀にアルザス公爵家の先祖により建てられました。当時の愛妾と過ごす愛の城用だと聞いたことがあります」

「まあ!そうなの?」

「ええ。

「この部屋は当時の贅を託して作られた愛の囁きと呼ばれる主寝室です」

大人の男が三人ぐらい眠れそうな大きな天蓋付きのベッドがメインにある部屋と衣装部屋、そしてお茶や軽い食事をとるためのサロンと浴室ある部屋だ。

「もちろん、新調したものですが、基本的に残せるところは残しています」

エミリアがお茶を運んでくる。

それをサロンでとりながら、エリアスとセシリアは馬上の疲れを癒した。セシリアは乗馬服から軽い仕立てのドレスに着替えさせられ、まとめていた髪は下ろされている。

「旦那様、ピクニックの用意ができましたので、いつでも出かけられます」

「ああ、ありがとう」

ふわふわの白いドレスに同じ生地で作られたレースのリボンをしているセシリアは清楚な可愛らしさを放っていた。

「いつも美しいですが、セシリア様、今日は特に可愛らしい、今夜まで待つのに自信がなくなりそうだ」

エリアスの言葉にセシリアは顔を赤らめた。

「エリアス…ありがとう」

「今日は湖でのんびりして、夕食の後は早めにベッドに行きましょう」

「ええ」

そういうことになるんじゃないかなと思っていたが、露骨にいわれると言葉に詰まってしまう。

沈黙の中でお茶をした後、別荘の目の前の湖まで歩いた。

◇ ◇ ◇

「まあ!綺麗!お魚がたくさんいるわ!」

「ここの魚は王宮とは違い人を襲いませんし、食べても美味しいので、今夜の食事にも出ると思いますよ?」

「そうなの?」

「ええ」

エミリアが用意してくれたピクニック用の食べ物は既にテラスのテープルに用意されており、ワインなども置かれていた。

「ただ、ここに腰掛けて食事をするのでは距離が遠すぎます」

エリアスはそういうとセシリアの体を持ち上げて、自らの膝に乗せた。

「えっ?えっえええええええ」

「私たちの他は誰もいませんから。大丈夫です」

そして、食べ物をつまむとセシリアにアーンするように言い含めた。そして餌付けを開始したのだった。

「セシリア様、あーんしてください」

「今、ここで?」

「お腹が空いているでしょう?」

エリアスがセクシーに微笑む。イケメンオーラ全開で。

お膝抱っこでお食事なんて、本当に好きな人にされるとこんなにドキドキして、胸がいっぱいだわ。

「はい、アーン」

いわれた通り口を開けると、小さなぶどうをセシリアの口に放り込んだ。

「ここのブドウはわが領でも一番のもので、それを元にワインも作られます」

「へえ」

好きな人との甘いデートでは普通に食べるのも大変なことだったのね?

ドキドキしすぎて会話ができない。

「セシリア、可愛い」

そして、彼女に口付ける。

「あの、エリアス、食べないの?」

「あなたを通して、味わえますから」

幸せそうなエリアスの顔を見ている、やめて欲しいとはいえない。

「あなたとのこういう時間は癒されます」

と感慨深げにいわれれば尚更だ。

「エリアス、はっ、恥ずかしいわ」

「私たちは夫婦になるのですよ?これぐらいのことは慣れていかないと」

エリアスは平然というが、セシリアの父親は母親を膝に乗せて、アーン、させるなんてことはしたことがない。仲は良かったが、甘々な雰囲気ではなかった。

「そっ、そういうものなの?」

「ええ、こういう風にあなたの過ごしたいとずっと思っていました。こんな遠いところまで、私と来てくださったあなたに苦労はさせません。世界一幸せな妻にしてみせますよ?」

エリアスに後ろから抱きしめられて頷くしかなかったけれど、彼は幸せそうにしている。

それから他愛もない話をしてのどかなピクニックを過ごした。まあ、ピクニックの半分はセシリアの膝枕で眠りに落ちるエリアスを見ているということになったのだが。

激務なのに無理してここに来てくれたんだわ。

セシリアは、エリアスの顔を皆が胸を熱くしていた。


◇ ◇ ◇

公爵家までとはいかないがそれなりに豪華に作られた海の幸ふんだんの夕食を終えた後、主寝室に先に戻されたセシリアはエミリアに磨きあげられてから「閨の夜着」を着せられて、ベッドに鎮座してた。

「セシリア様、今夜が初夜になられるのですから」

もちろん薄化粧もされている。可愛らしい白いレースの夜着だが、薄い素材のため透けている。

「こんなものを着るの?」

「はい。これがこちらの貴族社会では普通のお支度でございますよ」

そういって平然と支度されて、仕事を少し片付けてから寝室にやってきたエリアスを出迎えた。

「セシリア様‥月の女神のようだ」

エリアスは真っ赤になってベッドにいたセシリアを逞しい胸に抱き、口付けた。

「あなたを愛しています」

「エリアス、私もよ」

「式を上げるまで、あなたを最後まで可愛がることはできませんが、これから良いでしょう?」

彼女の全身に唇を落としていく。

「あっ、エリアス」

「今夜は寝かせませんよ」

そうして数ヶ月ぶりにエリアスに触れられたセシリアは、彼の激しい愛を自らの体で再確認するのだった。































































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