罪の卵

山田ポミエ

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第十五話 恋情

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「ふ、は…ん、っ」

もつれ込むようにベットに雪崩れ込んだ二人はお互いの唇を貪り合う。空白の長い時間を埋めるかのように。

「トモヤ…っ」

お互いこうしてキスするのはいつぶりだろう、身体が熱くてたまらない二人はお互いの衣服を剥ぎ取るのも煩わしく感じる程だった。早く素肌を、体温を感じたい。その一心で。長年すれ違い、今こうして心が合わさった二人を誰も止められない。羽化し、ぞろぞろと増殖していくカマキリの赤ん坊のように。

「あ、にいちゃ、はや、く…」

早くワタルのことが欲しいとせがむトモヤの顕になった素肌、首元にワタルはかぶり付くように唇を這わせる。

「あっ、ひゃ、っ…」

ワタルはトモヤの素肌を吸って、赤い跡を、印つけていく。トモヤは自分のものだという印を。

「にい、ちゃ、ああっ!」

首筋から鎖骨、徐々に下に下りていくわたるの唇は既にピンと立ったトモヤの片方の乳首にしゃぶりついた。もう片方は人差し指で焦らすように愛撫する。トモヤの身体に触れている。その事実がワタルにはまだ信じられずにいた。

「ふ、あ、ああ」

ピクピクと震えるトモヤは、ワタルの頭部を両手で優しく包み込む。

「にいちゃ、なんか…っ」

何か言いかけたトモヤをワタルは乳首をコロコロと舌で転がしながら視線を送る。

「赤ちゃん、みたいで、っ…かわい…」

トモヤは頬をほんのり赤く染めながら悪戯っぽく笑う。その言葉になんだかムッとしたワタルは、乳首への愛撫を強める。ちゅうっ、と強めに乳首を吸い、指先で愛撫するもう片方の乳首もきゅっと摘み上げた。

「あ、にいちゃ、あっ…!」

トモヤは身体を弓のようにしならせてうねる。トモヤの性器は既に立ち上がっていて、切なそうに先端から蜜を垂らしていた。

「生意気なところは昔と変わらないな」

両方の乳首をこねりながら強めに摘み上げると、トモヤは快楽の波をやり過ごすためにシーツや枕をシーツに縋り付く。長い髪の毛が波打った白いシーツに散る。

「その髪は地毛か?」
「う、ううん、人毛の、っ、ウィッグ…」

こちらの方が普通のウィッグより身につけた時自然に見えるのだと、トモヤは言う。ワタルははあはあと息をするトモヤを静かに、だが猛獣のようにトモヤを射るように見下ろしていた。

「随分稼いでるんだな」

乳首を弄りながらトモヤのヘソの周りを舌先で舐める。くすぐったさと焦ったさにトモヤは悶えた。

「ま、まあね、…っん!」
「初めてはどんな奴だった?」

ワタルの言葉にトモヤはピクっと身体を震わせ、突然の質問に戸惑い視線を泳がせて唇を噛み締める。トモヤの異変に気づいたワタルはそのままの姿勢でトモヤを見つめると、トモヤの性器の先端に人差し指を添え蜜が溢れている鈴口をくるくると撫でる。

「ん、あっ…!それ、だめ…!」
「トモヤ、答えろ」

でないとずっとこのままだと言うワタルを蕩けた瞳で見つめるトモヤはゆっくり口を開いた。

「あの人、だよ…」

トモヤの声にワタルはピタッと愛撫する手を止めた。

「あの人?」
「宴で、俺としてた…金髪のひと」

ワタルは宴の最中のことが鮮明にフラッシュバックしカッと脳みそが熱くなるのを感じた。宴でトモヤを抱いていた金髪のいかにも軽そうな男。猛烈な嫉妬が湧き上がる。あいつが?トモヤの初めてを?よりによってそんな奴が今日の相手だったなんて。燃え上がるような嫉妬に苛まれるワタルは片手でトモヤの太ももを這うように撫でる。そんなワタルの様子をトモヤは伺うように見つめる。

「にいちゃ…?っあ!?」
「あいつがお前の?」

あんな奴にトモヤの初めてを。鈴口をぐりっと指先で弄られ、トモヤは焦ったさに身悶えピクピクと身体を震わせる。

「ふ、あっ!ね、怒って、る?ん!?んん…!」
「そうだな」

ワタルは一度鈴口から指先を離し、つうっと根元から亀頭へトモヤの性器を一瞬撫でた。もっとして欲しい。その先が欲しいのに、トモヤの身体は少し怯える心と同時に興奮していた。火照っていた。ワタルにこれから一体どうされるのかと。

「お前は昔からそうだ、悪戯ばかりして…」

ワタルと視線が交わる、その目は獰猛な肉食動物のようでトモヤはそれを見た瞬間かあっと身体がより熱くなるのがわかった。

「に、にいちゃんが悪いんだよっ…俺から離れてくから…あっ!?」
「お仕置きだな」

お仕置き?ドクンとトモヤの心臓が跳ねる。ワタルがゆっくりトモヤの性器に唇を近づける。トモヤにはほんの少しの吐息も熱く感じた。

「ね、触って、よ、っ…!あっ!」
「人にお願いする時はなんて言うんだ?昔教えただろ」

そんなこと、あったな。まだ幼い頃、ちょうだいと下さいの言葉の使い分けをワタルから教えられた遠い昔の思い出。覚えててくれたんだ、嬉しいと同時に興奮している自分がいることにトモヤは胸を震わせる。先程と表情がまるで違う豹変したワタル怖いわけではなく、その先を期待していた。

「あ、っ、お願い、します…っ」
「何を?」

もっと言わせるのか、とトモヤは脳みそからつま先までかあっと体が熱くなって、唇を噛み締める、恨めしそうにワタルを睨むも、この状況に興奮しているのが事実だった。トモヤは躊躇いながらも、ゆっくり口を開いた。

「っ…おねが、ちんこ、触ってぇ…!」

懇願するトモヤの声が部屋に響き渡り、ワタルはその声音に下半身により熱がこもるのを感じた。我慢の限界が近いのはお互い同じだった。ワタルは途端にトモヤの性器にしゃぶりついた。

「ひっ!?ふ、ぁ、ああ…!」

トモヤの甲高い喘ぎ声が室内に響く。一緒に響いているのはそれだけではなく、ワタルがトモヤの性器をじゅるじゅると啜る音だった。ワタルは宴でトモヤを抱いていた金髪のあの男から上書きするつもりで啜る。全部上書きしないと気が済まない、隅から隅まで全部だ。そんなワタルの独占欲を知ってか知らずか、トモヤは快楽に酔いしれながらも嬉しそうに微笑む。

「にいちゃんの、っ口の中…っ、!あつ、い…ひぁ!」

にいちゃんが舐めてくれるなんて、夢みたいだとトモヤは喘ぎ快感に身を委ねてシーツを掴む。やっとこの人に触ってもらえている、求められている。嬉しい。

「あっ、ん!ぁ」

ワタルの口内は性器が溶けてしまいそうなほど熱い。トモヤは白いシーツの上で快楽に身をよがらせる。待ち望んでいた、ずっとこうして欲しかった。誰でもなくにいちゃんがよかったから。ワタルと視線が交わる。獣のような瞳で、トモヤをまっすぐ射るように見つめていた。感じている一部始終を見られていると思うと途端に身体がより熱くなり、ぞくぞくするのがわかった。

「にちゃ、い、い、気持ち、い…!」

ワタルに性器全体を丹念に舐め回された唾液とトモヤ自身の先端から溢れた先走りが混ざり合い、トモヤの性器は照明に照らされてらてらと光る。ワタルにはそれがとても艶かしく感じ、愛撫に拍車をかけた。同時にトモヤの太ももを撫で回すワタルは無我夢中で頭を上下させてじゅぼじゅぼとトモヤの性器を追い込む。口を窄ませ、口内ではレロレロとトモヤの亀頭やカリの周りを舐め回す。

「あ、ああっ、!」

トモヤは内腿をピクピクと痙攣させながらより甲高い声を上げる。ワタルがより愛撫を強めてきたからだ。会陰を焦らすように指先で撫でた後、睾丸も優しく揉まれてトモヤはよがり、快感に震える。

「い、いく、いっちゃ…」

その瞬間トモヤは頭が真っ白になり、ビクビクと大きく身体を震わせ仰け反らせて絶頂を迎える。ワタルは性器から口を離さなかったためワタルの口内に吐精をした。

「は、あ、…あ、!」

トモヤはまだピクピクと身体を震わせながら、快感の高みから突き落とされた余韻に浸りワタルを見つめる。ワタルは残滓まで残さず啜るようにトモヤの性器を根本から上下に扱き、トモヤの性液を嚥下した。

「ん、あっ!に、いちゃ…!」

トモヤははあはあと胸や肩を激しく上下させながら確信する。にいちゃんは俺のだ、だから俺もにいちゃんのものになる。

「もうイったのか」
「だ、だって…っ」

トモヤが少し恥ずかしそうに、枕を掴む。あんな宴で生贄を務めていたのに、この状況では恥じらいを感じるらしい。ワタルは上半身を起こすとそのトモヤの様子を見下ろしながら長年感じていた猛烈な喉の渇きが潤されていくのがわかった。初めてトモヤの精液を口にした、あの日のトモヤはまだ精通していなかったから。そうか、自分がずっと欲していたのは、やはり。

射精をした余韻で肩や胸を大きく上下させ呼吸をしながら、ベットのシーツを乱すトモヤは少し顔を傾かせながらワタルを見てうっすら笑う。頬や身体は火照ってほんのり色づき、成長した青年の肢体は扇状的だった。その姿を見たワタルは途端にトモヤに覆い被さり唇に噛み付くようにキスをする。

「ふぅん!ふ、あ、…っん!」

あれほどトモヤを拒否していたのに、頭の中が一つの気持ちでいっぱいになる。こいつは俺のものだ、その一心で。トモヤの八重歯をべろりと舐めるワタル。トモヤはそれに応えるように、その舌を舐め返した。

「ふ、ひゃ、はぁ…あ!」

トモヤの唾液とワタルの唾液、ワタルの口内に微かに残る精液が混ざり合う。久しぶりのキスは可愛らしいものではなく、野生じみた貪り合うようなキスだ。舌を絡ませあいレロレロと舐め合う。空いた時間を埋めるように唇を貪り合う。

「ひゃ、ふあ、にいちゃ、もっと、俺に触って…」

トモヤに手を取られ自らの胸に置かれると人肌が暖かい。乳首を擦った途端、トモヤが、んっと身体をビクつかせる。

「また乳首触って欲しいのか?」

右手でトモヤの頬を撫で、左手の人差し指で片方の乳暈をくるくると撫でる。先端には触らず、焦らすように。

「あ、にいちゃ、…っ!」

同時にトモヤの白い首筋に吸い付き先程つけたばかりの赤い跡に再び吸い付く。トモヤは自分の所有物だと言わんばかりに。トモヤの男にしては目立たない喉仏がひくひくと動いている。少し恥ずかしそうに、伏せていた視線がこちらに向けられる。瞳の奥には欲情が秘められていた。

「ぅん…!触って、吸ってほし…あっ!」

トモヤがそう言い終わる前に先程とは反対方向の乳首にしゃぶりつき、もう片方はカリカリと引っ掻くようにして刺激する。トモヤはうっとりとワタルの頭を撫で、髪を優しくすくう。

「ひゃ、あぁ…!にいちゃ、ん、…っ、んん!」

ワタルはより乳首に吸い付く力を強め、同時に舌で刺激する。

「んっ…!ふふ、そんなに吸っても何も出な、…んっ!」

指先で愛撫するだけだった片方の乳首をぎゅっと摘むとトモヤはビクッと仰け反った。

「あっ、にいちゃ、っ…それだ、めっ」
「何がダメなんだ?」
「あ、あっ…!」

トモヤの耳元でそう囁きながら両方の乳首を強めに摘んで、つねる。トモヤは身体をくねらせ、トモヤの声に脳髄まで犯されてる心地に喘ぐ。トモヤの性器は先ほどいったにも関わらず再び緩く立ち上がり、ワタルの腹に先端が触れへその辺りを濡らしていた。
溢れて止まらない水源に無理やり蓋をするように、湧き出すトモヤへの想いを抑え続けてきたワタルは長年抑えていたせいか、トモヤを求める手が止まらない。本当に欲しいものを上書きしても無駄だ、悪あがきでしかなかったと、ワタルは思った。

「は、っあ、…」

トモヤはワタルの下半身に目を見やる。赤黒く立ち上がったワタルの性器。トモヤはこくんと喉を鳴らした。

「ね、にいちゃ、ん…」

トモヤがわたるの胸に手を置く。

「俺にも、にいちゃんのこと…気持ちよくさせて?」

ゆっくり上半身を起こすトモヤに答えるようにワタルは身体を起こす。ベットに仰向けになって、とワタルはトモヤにシーツの波の上に倒される。

「…にいちゃん疲れてる?クマがある」

トモヤはワタルの頬に手をそっと添え、もう片方の手をワタルの胸を撫でるように置く。ワタルの心臓の鼓動を感じる。

「俺が癒してあげる」

昔より精悍さの増したワタルの身体を見下ろしたトモヤはたまらなくなり、ワタルの乳首をしゃぶり、舐め始めた。

「…っ」

ちろちろと猫のようにワタルの乳首を愛撫するトモヤの舌をワタルは見つめる。昔はピンク色だった小さい舌が、今は色づいた大人の舌だった。ワタルはその光景にくらくらする感覚を覚える。

「ふ、ん…う」

ちゅぴちゅぴとワタルの乳首を舐めまわすと同時にワタルの呼吸が速くなっていく。にいちゃんが感じているのがわかる、嬉しい。トモヤは愛撫しながら嬉しそうに笑い、つうっと指先でワタルの肌を這うように撫で下半身に移動していくとワタルの性器の根元に手を添える。

「にいちゃんの、ずっと、これが欲しかった…」

トモヤは待ち望んでいたと言わんばかりにうっとり呟くと、ワタルのそそり立った性器にキスをする。

「…っは」

トモヤの唇、その柔らかい感触にワタルはたまらず吐息を漏らす。トモヤは舌を出すと根元から先端へ向かってゆっくり裏筋を舐め上げ始める。自分に奉仕するトモヤをワタルは肩を上下させて呼吸をしながら見つめる。

「トモ、ヤ…」

もう舐め方があの日と全く違った、どうすれば男が喜ぶか、知っている。あの金髪野郎に教わったのか?ワタルの心に再び嫉妬が湧き上がる。同時に、興奮も込み上げてくる自分は、きっともう常軌を逸してるのだろう。

「はぁ、…ふ…ぅ」

裏筋を舐めて先端をべろべろと舐める。トモヤがその動作を繰り返していくうちにワタルの鈴口から先走りが溢れ始める。

「にいちゃんの味がする、おいひぃ」

トモヤは嬉しそうに笑うとじゅるじゅるとわざと音を立てて舐め回す。

身体が覚えている、にいちゃんの味を。昔と変わらない、なんだか嬉しくなる。何なら昔より興奮する、色々覚えたからだろうか。罪悪感も何も知らなかった無邪気な昔に戻れたようで。トモヤは久しく感じなかった自分の心が温かくなっていくのを実感する。にいちゃんのが一番美味しい。

「っ、トモ、ヤ…」

昔はまだ口が小さくて、せいぜい先っぽをはむはむとするしか出来なかったのに。そのトモヤが今自分の性器を咥えている。その事実がワタルの身体をより熱くした。

「ん、…っつう」

トモヤにじゅるっと一層音を立てて強く吸われたところでワタルは射精しそうになったが、同時にトモヤは口を離した。

「…っ、トモ…ヤ」
「だめ、まだいっちゃ」

トモヤは先走りと唾液でべちょべちょになったワタルの性器を優しく扱きながらまるでイタズラを企んでるかのように嬉しそうに笑う。

「もっとにいちゃんのこと、気持ちよくさせて…久しぶりなんだから」

笑うと八重歯が見えるのは昔と変わらない。ワタルはトモヤのその姿に心が締め付けられるのを感じた。トモヤは再び愛おしそうにワタルの性器舐め回すと、カリの周りも丹念に舐め啜る。一方的にやられるだけの状況を悔しく感じたワタルはトモヤの揺れている尻に手を這わせる。

「ふ、はぁ…!」

途端にトモヤの尻がピクンと跳ねる。ワタルはさらに指先を滑らせ、トモヤの後ろの蕾を撫でると先走りや精液が垂れていたのか、既にそこは濡れていた。

「ひゃ、あ…」

くるくると入り口の周りを撫でると、トモヤはワタルの性器を啜りながらもビクビクと身体を震わせた。宴で金髪の男の性器を迎え入れていたせいだろうか、既に入り口は柔らかい。ワタルは再び嫉妬心に駆られ、トモヤの先走りで絡めた指先を蕾に沈ませた。

「んっ!あっ、あ…!」

ワタルはグチュグチュと掻き回すように指を動かし、トモヤの中を暴いていく、

「ふ、あ…むぅ」

トモヤも口腔にワタルの性器を迎え入れた。じゅぽじゅぽと音を立てて啜ると、ワタルがトモヤの中を愛撫する指の動きも激しくなった。

「ん、ふ…んんっ!」

後ろを愛撫する指が一本増やされ、トモヤはびくんと身体を震わせる。トモヤは夢中になって頭を上下させてワタルの性器を啜り続け、口内ではれろれろと舌を動かした。するとワタルに片手で頭を抑えられ、トモヤはより深くワタルの性器を咥え込む。

「ん、…ぐっ…むぅ!」

喉まで入れられて、ちょっと苦しくてえづいてしまう。けど、咥えてるのがにいちゃんなんだと思うと、どんどん身体が熱くなっていく。後ろを弄っている指もワタルのものだと思うとより一層興奮が増していく。今まで誰に抱かれても抱かない感情だった。

「は、っ…トモ、ヤ…」
「んっ、んっ…!…ぅ」

トモヤとワタル、お互いを愛撫し合う二人を誰にも止められない。ワタルは夢中になってトモヤ中をぐちゅぐちゅと音を立てて指を抜き差ししているうちに、どくどくと自分の性器が波打つのを感じた瞬間、トモヤの口内に吐精をした。

「ん、ぅ!…んん!」
「…っ…あ」

トモヤはこくんとワタルの性液を飲み干していく。残滓を搾り出すように根元をゆっくり扱く様は、淫魔のようだった。トモヤはワタルの性器を咥えながら嬉しそうに笑っている。その顔は昔と同じ無邪気な笑顔でワタルの胸にちくりとした僅かな痛みと、押し寄せる愛しさでないまぜになっていた。

「にいちゃんの全然萎えないね」

どれだけ溜まってたの?とトモヤはワタルの性器から口を離すと、唾液と精液が混ざり合った体液が蜘蛛の巣のように糸を引いた。

「うるさい…」

トモヤはふふっと笑うと、ワタルの唇をべろりと舐めた。それを舐め返すワタル。再びお互いの体液が混ざり合う。トモヤはワタルに口付けしながら、ワタルの身体の上にゆっくり跨る。ワタルのいまだに萎えない性器を根元から支え自分の後ろの蕾にゆっくり添える。

「ずっとこうしたかったよ…」

にいちゃん、トモヤは愛おしそうに呟くとワタルの性器をゆっくり体内に迎え入れていく。

「ふ、あっ…!」
「…っう」

先端が入り切ったところでワタルはたまらずトモヤの細い腰を両手で掴むと、ずんっと一気に叩きつけるように腰を打ちつけ挿入をした。

「あっ!?にい、ちゃ…!」

トモヤは突然の衝撃に身悶えし、思わずワタルの両肩を強く掴んだ。肌に爪が食い込んでも、ワタルは咎めない。にいちゃんと一つになるのは初めてだ。心が歓喜に震える。

「あっ、にいちゃ、ああ…ぁっ!」

ワタルが下から腰を突き上げ始める。トモヤはその衝撃とワタルの性器の熱さに身震いした。自分の身体も灰になってしまうんじゃないかと思うほど熱い。

「にいちゃ、あつ、い…あっ…!」
「ふ、は…ぁ」

にいちゃんの呼吸が浅く、激しい。にいちゃんの身体もきっと同じくらい熱いのだろうか。気持ち良くなってくれて、嬉しい。

「ひゃ、あ!にいちゃん、ワタルにいちゃん…!」

トモヤは何度も自分の名前を呼ぶ。

「トモヤ」
「な、にっ…あ」
「唾液をくれ」

はあはあと肩を上下させながらトモヤがうっすら笑う。

「にい、ちゃんのっ…変態」
「お前に言われたくない」

トモヤは腰を動かしながらワタルの顔に自分の顔を近づけると、ゆっくり唾液を垂らす。糸を引いて零れ落ちるそれをワタルは飲み込んだ。溢れた唾液が少しだけワタルの唇から頬に垂れる。トモヤはそれを拭うをように舌でぺろりと舐めた。

「あ、っ…にいちゃ、んの…っ舌…吸いたい、いい?」

同意を伺う言葉はあってないようなもので、トモヤはワタルの頬を優しく包み込んでキスをする。キスに応えながら上半身を起こすワタルは舌を差し出し、トモヤに舌をちゅくちゅくと吸われる。

「ふ、ん…ふぁ」

ぐちゅぐちゅとワタルの性器を飲み込むトモヤのそこは、二人の動きに合わせて淫靡な音を立て続ける。トモヤの中は蕩けそうなぐらい温かくて、ワタルはたまらずゆっくりだった動きが、少しずつ激しくなっていく。

「あ、あっ、にいちゃ、そこ、いいっ…!」

ワタルはトモヤがいいというところを意識して突くと、トモヤはワタルの肩を掴む手の力をより強め、赤い跡がついた首筋、喉をのけ反らせる。ビクビクとトモヤの体が震え、中もきゅうっと締め付けられる感覚にワタルは呼吸がより速くなっていく。

「は、ぁ気持ち、いっ、…で、もねっ、誰として、もっ…にいちゃんのこと…っ!考えていたよ…?」
「っ…は、俺をっ…もっと、怒らせたいのか?」

腰を上下に動かしながら、トモヤふふっと八重歯を見せて笑う。

「俺は、にいちゃんが、いい…っ」

ワタルの肩を掴んでいた腕をより絡め、ワタルにぎゅうっと抱きつくトモヤはワタルの耳元でそう呟く。

「俺が好きなのは、…っ、にいちゃん、だけだよ、っ、今もあの時も…」

ワタルはその言葉にどくんと性器が脈打つのを感じ、唇を噛み締めた。トモヤが欲しい、ワタルはたまらなくなってトモヤをベットに押し倒す。

「ひあっ、んんっ…!」
「じゃあ、俺の好きにしていいんだな?」

シーツに押し付けたトモヤは切なそうな、でも嬉しそうに笑いワタルの頬に手を添える。トモヤの髪の毛はシーツの波に散っていた。

「ぅん、っ!にいちゃんの、好きにして、…ひああっ!」

トモヤが震えている、怖いのではなく、その先を期待して。

「あ、して欲しい…っ、して、おねがい、もっとして…っ!」

ワタルはトモヤの足を掴んで大きく広げ、叩きつけるようにぐちゅぐちゅと腰を打ち付ける。自分たちは、盛った獣みたいだ。今まで抑圧してきたものがはち切れる。こんなの間違ってる、だから忘れよう。そう思ったのに、もう抑えられなかった。ワタルは今ならはっきり確信できた。

「っ…トモヤは、俺のものだ…!誰にも、渡さない…っ」

ワタルの性器を一心に受け止めていたトモヤは一瞬何を言われたのか分かってないようだったが、理解した途端涙を溢れさせて顔を歪めた。

「にい、ちゃんの、ばか、遅いっ、ひゃ、あ…!」
「ごめん」
「俺、ずっと待ってたのに…ああっ!」
「悪かった」

ワタルはトモヤの片脚だけを高く上げ、少し体勢を変えるとぬちゅ、とより一層大きな水音が鳴なり、んっ、とトモヤが喘ぐ。

「どうしたら、許してくれる?」
「か、簡単に、言わないでっ、ん、あ」

とんとんと優しく少し焦らすように動くワタルにトモヤはピクピクと震える。トモヤが手を両腕を開く、顔が涙で濡れている。

「い、いっぱいキスして…抱きしめて、昔みたいに」

人毛だと言うウィッグは、ワタルが激しく腰を打ちつけ、トモヤが頭をシーツに強く押しつけたせいではずれてしまっていた。昔と同じ、黒髪のトモヤ。ウィッグが外れようがもう関係なかった。ウィッグを遠くに放ったワタルはたまらなくなってトモヤを強く抱きしめる。

「トモヤ…っ!」
「ひ、ゃあ!に、いちゃ…ああっ!」

ぱんぱんと腰を打ちつけられ、トモヤの快楽に溺れる顔を一瞬でも見逃したくないと言わんばかりにワタルはトモヤの表情を横目で見つめる。化粧をしていたが、涙と涎と精液でぐちゃぐちゃで、でも唇にはほんのり色が乗っている。ちぐはぐなその姿により一層興奮を覚えて唇に噛み付く。

「ん、ふぅ、う…!」

今日はきっと遠い昔のあの日の続きなんだろう。きっと神様は自分達をこうして交わらせる運命だと定めたに違いない。唇を少し話すとトモヤは黒い髪の毛を振り乱しながらワタルのがいちばん気持ちいいと繰り返し喘ぐ。

「にいちゃ、あっ、あっ!」
「お前は俺のものだ、今も昔も…!」

ワタルは再確認するかのように、そうだろ?とワタルに耳元で囁く。トモヤは背筋がぞくぞくしてワタルの背中を、身体をより一層強く抱きしめる。

「にいちゃんの、だよっ、あっ、俺はにいちゃんのも、のっ…!」

にいちゃんの性器、どんどん膨らんでる。俺で興奮してくれてる。嬉しい、すごくすごく嬉しいと、トモヤはそう思った。

「にいちゃ、すき、大好きっ…!好きっ…!」
「トモヤっ…愛してる…っは」
「俺も愛して、っ…!ひゃ、ああっ!」

ワタルがトモヤの中に吐精するのとほぼ同時に、トモヤも射精をし、ワタルの腹を白く汚した。すっと一緒だ、いつまでも。
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執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代) どのお話も単体でお楽しみいただけます。 ​「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」 ​真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。 ​それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。 「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。 アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。 ​ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。 愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。 ​「……お前のわがままには、最後まで付き合う」 ​針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。 執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。

《完結》僕が天使になるまで

MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。 それは翔太の未来を守るため――。 料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。 遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。 涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。

イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話

タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。 瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。 笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。

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