【R-18】正義のヒーローが悪の組織の女幹部に籠絡されたせいでヒーロー戦隊が壊滅して世界征服危機が訪れるなんてことは絶対起きるわけがない!!

こころ さづき

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006 隠された薬の罠!

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 基地のリビングエリアから自室に戻ったユウトの心は、静かに波立っていた。金属製の壁に囲まれた部屋は冷たく、モニターの青い光が彼の顔を薄く照らしていた。テーブルの上には、ナウラからもらったチョコの箱が開いたまま置かれ、ミルクチョコの甘い香りが微かに漂っている。基地の空気には機械油の匂いが混じり、遠くで換気システムの低いうなり音が響いていた。アキラの言葉——「一般人に深入りするのは危険だぞ」が頭の中で反響し、彼の胸に不快な棘を残していた。

 ユウトはベッドに腰を下ろし、グレーのパーカーのポケットから携帯電話を取り出した。画面にはナウラとのメッセージの履歴が残り、彼女の「ユウトさんに会えるの楽しみにしてるね」という言葉が目に飛び込んでくる。彼の指が電話を握る感触が冷たく、掌に汗が滲んでいた。仲間たちの笑い声が遠くに聞こえ、チョコを食べながら談笑する様子が頭に浮かんだが、彼の心はナウラに引き寄せられていた。アキラの警告を理解しながらも、彼女の甘い声や優しい笑顔が彼の理性に勝っていた。

 彼は深呼吸し、ナウラにメッセージを打ち始めた。

「ナウラ、チョコみんなに渡したよ。喜んでた。ありがとう」
 短い文を送信すると、電話を握ったままベッドに寝転がった。天井の金属パネルが視界に入り、彼の耳に自分の鼓動が響く。ナウラの返信を待つ間、彼の頭には喫茶店での会話が蘇った——彼女の褒める声、興味津々の瞳、そしてコーヒーの香りに混じる甘い香水の匂い。それらが彼の心を温かく、しかし危険なほどに揺さぶっていた。

 ナウラのアパートでは、夜の静寂が部屋を包んでいた。窓から差し込む月光がカーテンを揺らし、埃っぽい空気が彼女の白いセーターにまとわりついていた。彼女はベッドに座り、チョコ作りの残り香が残る部屋で携帯電話を手に持っていた。ユウトからのメッセージが届くと、彼女の唇に勝利の笑みが広がった。 「喜んでたか……良かったね、ユウト」   
 彼女が小さく呟き、指が素早く返信を打ち始めた。
「ユウトさん、良かった!みんなに喜んでもらえて、私も嬉しいよ。ユウトさんが渡してくれたおかげだね。ありがとう」
 彼女の声が甘く響き、メッセージに感謝と親しみを込めた。

 送信後、彼女は電話をテーブルに置き、立ち上がって窓辺に近づいた。月光が彼女の碧色の瞳に反射し、冷徹な喜びがその奥で輝いていた。ユウトが仲間たちにチョコを渡したことで、彼女の影響がライトウイングス全体に広がりつつある——その確信が彼女の胸を満たした。彼女はユウトとの次の接触を計画し、彼の心をさらに深く絡め取る準備を整えた。

 ユウトの電話が振動し、ナウラの返信が届いた。彼が画面を見ると、彼女の言葉に温かい気持ちが広がり、アキラの警告が一瞬遠のいた。「良かった……彼女も喜んでる」と呟き、彼は衝動的に通話ボタンを押した。呼び出し音が数回鳴り、ナウラの声が聞こえてきた。「もしもし、ユウトさん?」。彼女の声が眠たげで、甘く柔らかく響いた。

「ナウラ、ごめん、急に電話して。チョコのこと、直接お礼言いたくてさ」

 ユウトの声が少し緊張し、基地の静寂に溶け込んだ。ナウラが小さく笑い、「ううん、嬉しいよ。ユウトさんの声、聞けて安心する。みんな、どんな感じだった?」と尋ねると、彼の耳に彼女の甘い響きが届いた。彼女の言葉が彼の心をくすぐり、アキラの忠告を押し退けた。

 ユウトがベッドに座り直し、「みんな喜んでたよ。ミサキ——ピンクはハート型のチョコに興奮してたし、タクミ——イエローは美味いって笑ってた。アキラ——レッドも、ビターな味が気に入ったみたい」と答えた。彼の声に仲間への親しみが滲み、ナウラの耳に新たな情報として響いた。彼女は内心でほくそ笑みながら、「へえ、みんな個性的だね。ユウトさんがそんな仲間と一緒で、私、なんだか安心するよ。ユウトさんの分はどうだった?」と優しく続けた。

「俺のミルクチョコ、めっちゃ美味かったよ。甘いの好きだから、最高だった」とユウトが笑うと、ナウラが「良かった!ユウトさんの喜ぶ顔、想像して作ったから、そう言ってもらえて嬉しいな」と返した。彼女の声が甘く絡みつき、彼の心をさらに温めた。彼が「また会って直接お礼言いたいな」と呟くと、ナウラの瞳が輝いた。「うん、私もユウトさんに会いたいよ。ねえ、近いうちにまた会えるかな?」。彼女の声が震え、彼の庇護欲を掻き立てた。

「うん、会おう。怪人が出なければ、時間作れるよ」。ユウトの声が決意に満ち、ナウラが「楽しみにしてるね、おやすみ」と囁くと、電話が切れた。彼は電話を握ったままベッドに横になり、アキラの警告を無視してしまった自分に気付きながらも、ナウラとの絆を選んでいた。

 ナウラはアパートで電話を手に持ったまま、小さく笑った。ユウトの心は完全に彼女の手中にあり、次の接触で基地の秘密にさらに迫れる——その確信が彼女を満たした

 数日後の昼下がり、ユウトとナウラは再び街で会う約束を果たしていた。空は薄い雲に覆われ、柔らかな陽光が街を淡く照らしていた。商店街の喧騒が遠くに聞こえ、風が軽く木々を揺らし、春の訪れを感じさせる穏やかな日だった。二人は街の中心にある小さなレストランでランチを共にすることを決め、木製の看板に「トラットリア・ソーレ」と書かれた店に入った。店内は暖かな照明に照らされ、テーブルにはチェック柄のクロスが敷かれていた。トマトソースの香ばしい匂いと焼きたてのパンの香りが漂い、客たちの笑い声がBGMのように響いていた。

 ナウラは白いブラウスと膝丈のスカートを纏い、髪をゆるく下ろして首筋を露わにしていた。彼女の豊満な胸がブラウス越しに強調され、歩くたびにヒールの音が軽やかに響いた。ユウトはグレーのパーカーに代わり、今日はシンプルな青いシャツとジーンズを選んでいた。彼の少し伸びた黒髪が風に揺れ、緊張と期待が入り混じった表情でナウラを見つめていた。二人は窓際の席に座り、店員が水とメニューを運んでくると、ナウラが「私、パスタにしようかな。ユウトさんは?」と優しく尋ねた。ユウトが「俺もパスタでいいよ。トマトソースのやつ」と答えると、彼女が微笑んで注文を済ませた。

 料理が運ばれてくると、トマトソースのパスタが湯気を立て、オリーブオイルの光沢が麺に絡んでいた。ナウラがフォークを手に持つと、彼女の細い指が器用にパスタを巻き取り、唇に運んだ。「美味しいね、このソース濃厚で大好き」と彼女が笑うと、ユウトも頷いて「うん、うまいよ。こういう店、初めて来た」と答えた。パンの香ばしい匂いが鼻を掠め、トマトの酸味が舌に広がる。二人とも自然に会話を楽しみ、ユウトの緊張が少しずつ解けていくのがナウラの目に映った。

 ランチが進む中、ナウラはユウトの話を引き出すことに集中した。「ねえ、ユウトさん。最近忙しいの?またガジェット作ったりしてる?」と彼女が甘い声で尋ねると、ユウトがパスタを食べながら答えた。「うん、ちょっとね。今は通信機の改良にハマってて、基地の工房で試作してるよ」。彼の声に熱がこもり、ナウラの耳に基地の具体的な情報が再び届いた。彼女は内心でほくそ笑みながら、「すごいね、ユウトさんって本当に頼もしい。私、そういうの全然分からないけど、聞いてるだけでワクワクするよ」と褒めそやした。彼女の瞳が彼を捉え、甘い香水の匂いがテーブル越しに漂った。

 食事が終わり、店員が皿を下げていくと、ナウラが突然カバンを開けて中を探り始めた。彼女の眉がわずかに寄り、演技とはいえ不安そうな表情を浮かべた。

「あれ……?ユウトさん、ごめん、ちょっと待ってね。私、常備薬を家に忘れてきたみたい……」

 彼女の声が震え、わざと弱々しく響いた。彼女がカバンをひっくり返して薬の入ったケースを探すふりをすると、小銭やハンカチがテーブルにこぼれた。ユウトが驚いて、「え、大丈夫か?何の薬?今すぐ必要なら薬局行こうか」と慌てて尋ねた。

 ナウラが首を振って、「ううん、大したことじゃないよ。ただ、頭痛がするとき用にいつも持ってるの。最近ちょっと疲れてて、念のためなんだけど……家に忘れるなんて、私、ドジだね」と小さく笑った。彼女の声に庇護欲を掻き立てる響きを加え、ユウトの純粋な心を揺さぶった。彼が心配そうに、「疲れてるなら無理しないでよ。家、遠いのか?」と尋ねると、ナウラは一瞬考え込むふりをして答えた。

「うーん、歩いて20分くらいかな。でも、ユウトさんと一緒なら、もう少しお話ししたいなって……ねえ、付き合ってくれると嬉しいんだけど」

 彼女の瞳が潤み、彼の手を軽く握った。

 ユウトの頬が赤くなり、「え、うん、付き合うよ。薬取るまで一緒にいるから、大丈夫だよ」と答えた。彼の声に優しさが滲み、ナウラの指の柔らかな感触が彼の掌に残った。彼女は内心で勝利を確信し、「ありがとう、ユウトさん。本当に優しいね。私、安心しちゃうよ」と呟いた。彼女の計画は、ユウトを自分のアパートに誘い込むための第一歩だった。基地の秘密に迫るため、彼の信頼をさらに深め、プライベートな空間で心を開かせる——その計算が彼女の頭を冷徹に支配していた。

 二人はレストランを出て、街の通りを並んで歩き始めた。風がナウラの髪を揺らし、甘い香水の匂いがユウトを包んだ。彼女のヒールの音と彼のスニーカーの足音が重なり合い、アパートへの道程で彼女の罠が静かに進行していた。

 ナウラとユウトは街の通りを歩き、彼女のアパートに到着した。古びたビルの外観は少し色褪せ、階段の手すりに錆が浮かんでいたが、春の風が吹き抜けて穏やかな雰囲気を漂わせていた。ナウラが鍵を開け、「いらっしゃいませ、ユウトさん」と笑うと、ユウトが「ああ、おじゃさせてもらいます」と照れくさそうに答えた。ドアが軋む音を立てて開き、二人は狭い部屋に入った。埃っぽい空気が漂い、窓から差し込む陽光がカーテンを揺らし、木製のテーブルとベッドが簡素に配置されていた。

 ナウラがコートを脱ぎ、白いブラウスとスカートのままカバンをテーブルに置いた。「ちょっと待っててね、薬取ってくるから」と言い、彼女は部屋の奥にある小さな棚へと向かった。ユウトは部屋を見回し、古びた壁のひび割れや、床に散らばる塗装の欠片に目を留めた。空気には彼女の甘い香水の匂いが混じり、彼の鼻を掠める。緊張と好奇心が入り混じった気持ちで、彼はベッドの縁に腰を下ろした。

 ナウラが棚から小さなケースを取り出し、中からビタミン剤の錠剤を一つ取り出した。彼女はそれを常備薬と偽り、ユウトの前でわざとらしく手に持って見せた。「これこれ、忘れてたのこれだよ。頭痛の時用なんだけど、疲れてるときに飲むと落ち着くの」と呟き、キッチンエリアのシンクで水をコップに注いだ。彼女が錠剤を口に放り込み、水を飲む仕草は自然で、喉が動く音が静かな部屋に響いた。飲み終えると、彼女は小さく息をつき、「ふぅ……落ち着いたよ。ユウトさん、付き合ってくれてありがとうね。本当に優しいなぁ」と感謝の笑みを浮かべた。彼女の声が甘く響き、ユウトの心を温めた。

 ユウトが「良かった、大丈夫なら安心したよ」と答えると、ナウラが立ち上がり、「せっかく来てくれたんだし、何か飲むよね?紅茶とコーヒー、どっちがいい?」と尋ねた。彼女の瞳が彼を捉え、長い睫毛が陽光に輝いた。ユウトが少し考え、「コーヒーでいいよ。さっきパスタ食べた後だから」と答えると、ナウラが「了解、すぐ淹れるね」と軽やかにキッチンへと向かった。

 彼女がキッチンに立つと、背を向けたユウトからは見えない場所で、彼女の動きが変わった。ナウラは棚の奥から別の小さな容器を取り出した——ダークドミネーションが開発した特別な薬だ。それは強力な媚薬で、数滴で相手の心を乱し、感情を増幅させる効果があった。彼女の冷徹な頭脳が、この薬をユウトに使うことで彼の心を完全に掌握し、基地の秘密を吐かせる機会を作ると計算していた。彼女はコーヒーを淹れる準備をしながら、ポットに湯を沸かし、豆を挽く香ばしい音でユウトの注意を逸らした。

 ナウラがコーヒーカップに黒い液体を注ぐと、湯気が立ち上り、部屋に濃厚な香りが広がった。彼女は媚薬の容器を開け、数滴をユウトのカップに垂らした。透明な液体がコーヒーに溶け込み、見た目には何の変化もなかった。彼女はもう一杯、自分の分を用意し、こちらには何も加えず、トレイに二つのカップを載せて戻ってきた。「はい、ユウトさんのコーヒーだよ。熱いから気をつけてね」と微笑みながら、彼女がカップをテーブルに置いた。コーヒーの香りがユウトの鼻を満たし、彼女の甘い香水と混じり合った。

「ありがとう、ナウラ」とユウトがカップを手に持つと、彼女が自分の分を手に持って隣に座った。彼女の膝が軽く彼の腿に触れ、その柔らかな感触がユウトの意識を一瞬揺らした。「一緒に飲もうね。私、ユウトさんとこうやって過ごせて、ほんと嬉しいよ」と彼女が呟き、カップに唇を寄せた。ユウトもコーヒーを一口飲み、苦味と微かな甘さが舌に広がった。だが、数秒後、彼の胸が熱くなり、心臓の鼓動が速まるのを感じた。媚薬が静かに効き始めていた。

 ナウラが彼の様子を見逃さず、「ねえ、ユウトさん。基地のこと、また少し聞かせてくれる?ガジェット作るのって、どんな感じなのかな」と甘く尋ねた。ユウトの瞳がわずかに曇り、彼女の声が頭に甘く響いた。彼の理性が揺らぎ、基地の秘密が口をついて出そうになる瞬間が近づいていた。 
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