《完結》拾った仔犬に魔女はおいしく食べられる。ドSの執着が凄すぎて泣きそうです。【R18】

月影ほとり

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 たまたま行き倒れてた少年の顔が女の子と見間違えるほど綺麗で、このまま死なすのも勿体無いと思っただけ。
 しかもたまたま直近で食あたりに合うわ、家が少しばかり散らかり過ぎで足の踏み場がなくなってるわで、億劫だったんだ。
 子どもが1人増えたところで食いぶちに困ることもないし、使えなければ捨てればいいかと思っただけ。
 そう、ただ、それだけだったのに。





「だから、周りにそう言う対象がいなさ過ぎて勘違いしてるんだって!」
「違うって言ってるじゃないですか!!」

 対面に座して、わぁわぁと双方の主張を展開するも結論は一向にまとまらない。

「だいたいだな、いくらおか、おかずがないからって、拾ってやった恩人を性欲処理に使うとはどう言うことだ!!」
「性欲処理じゃありません! 僕は魔女さんのことが女性として好きなんです!」
「えぇ? だって毎夜毎夜と、ただおかずがなかっただけだろう?」
「…………はいぃ?」

 おい、なんだその引きこもりの朴念仁とでも言いたげな失礼な顔は!! 居候のくせに生意気だぞ!

「夜な夜な夜な夜な、性欲強すぎか! 欲求不満かっ! 昔はあんなに可愛かったのに!!」

 わぁわぁと騒ぎ立てながら、私はリトの危険な匂いをちょっとだけ感じていた。前からそうだ。リトはたまに、その綺麗な顔に似合わない怖い顔をする。

「……気づいてたんですか。魔女さんのことだから一生気づかないかも知れないと思ってました」
「いつからか知らんが毎夜されたらさすがに気づくにきまってるだろう! バカにしてんのか!!」
「バカになんてしていませんよ。それに僕は性欲処理で盛ってた訳じゃありません」
「盛っ!?」

 お前いったいどこでそんな言葉を仕入れてんだよ! あ、買い出しの時か? っていやいやそう言うことじゃなくて!!

「僕は魔女さんだから……っ、魔女さんが好きだから、そう言う感情になって、そう言う行為に及んでるんです!」

 …………なんかさも正当みたいな口振りだが、これそのまま受け入れていいやつか?
 パニックに陥る私の手に、唇が触れる。

「好きな人を想ってするのは普通です」

 いやそんな自信満々に言われても……。

「今更魔女さんがいなくなったら僕は肉体的にも精神的にも生きていけません!」

 え、本当に私が好きなの? ってか今肉体的とか言わなかった? 何言ってんだ、もう生きていけるだろ。

「性欲処理対象が私しかいなかっただけだろう?」
「だから、何度言ったらわかるんですか! 僕は魔女さんのことが好きなんです! 女性として恋人にしたい! なんなら結婚して一生世話したい!! 魔女さんを僕だけのものにしたいんです!!」
「いや、でも、今更そんな……っ!」

 拒否ではなく、狼狽えたのが悪かった。
 ギラリと光った瞳が私を捕らえる。

「懸念は消えましたか?」
「え、懸念? あ、え、ま、まぁ、い、一応……? って、え? 何の話しだ?」
「魔女さんが許してくれるなら、僕は今すぐ魔女さんを抱きたいんです」
「え、えぇ!?」

 どれだけ小っ恥ずかしいことを言い出すのか。その綺麗な顔面をどこかにでもぶつけたんじゃなかろうか。

「ち、ち、ち、とりあえずちょっと待て!! え!? お前本気か!? だって私が育……拾ったんだぞ!? いくら歳取らないから外見が変わらないって言ったって、普通そんな目で見られるか!? いや無理だろう!!」

 1人パニックに狼狽まくる最中、突き刺さるような、舐めるようなリトの視線に私は気づいてしまう。
 まざまざと思い出してしまうリトの瞳と声と体温。次いでその息遣いと唇の感触に、身体の奥が震えた。

「…………っ!!」

 ぶるりと、身体の奥底が熱を持つ。きゅうとなる胸に、意志とは別に反応してしまう身体を自覚する。

「…………僕、実は知ってますよ。魔女さんが夜中の僕に影響されて、身体を熱くしてるの」
「ひっ!?」

 ずずいと距離を詰めて来るリトに私は慄く。

「連れないですね、僕がいるのに、1人で楽しんでたんですか……?」
「た、楽っ!? んな訳あるか、あほ! っておい!!」

 綺麗な顔が、私を見下ろして笑っている。
 動揺し過ぎて、有無を言わせないリトにそのまま小屋の奥へと追いやられる。
 すこーしだけ乱れている私を簡素なベッドに押し倒して馬乗りになったリトは、中々見ない悪い顔で私の耳元に顔を寄せた。

「魔女さんをそんな風にしたのは僕なんだから、言ってくれれば良かったのにーー」

 思いもよらないリトの言葉に、私は言葉も失って、青くなって赤くなったーー。





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