どうぞ添い遂げてください

あんど もあ

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後編

 ルア様の転移魔法で魔族国の城に転移すると、何かお城中がキラキラしてる。光が舞い、花びらが踊ってる。
 八年前にルア様に一目惚れしてから何度も押しかけ……お邪魔した城だが、こんなのは初めてだ。
「どうしたんですか? これ」
 きょときょとと見回して花びらをつかまえようと手を伸ばす私。
「結婚式なんだから当然だろう。主だった貴族も集まってる。その後は盛大な宴をするぞ」
「え……。四回目の結婚なのに?」
 きっと親族だけの結婚式だと思ってた。
「スカーレットは一度目だろう。一生の思い出になる結婚式にしなくては」
「あ……ありがとう、ルア様」
 十歳の時、決死のプロポーズを軽くいなされても、諦めないで良かったー! 
 それから八年間粘って粘って、アプローチを続けて、「スカーレットが成人して、王立学園を卒業しても気が変わってなかったら、婚約を飛ばして結婚する」と約束をもぎ取った。

 ほんっとーに! あの日デーモンラビットに殺されなくて良かったー!

 殿下たちを探す時に魔道具を持って行ったので、森に一人残された後、必死で魔弾砲を擊ちまくり、魔斬剣で切りまくったおかげで、森の魔波動の歪みに気づいたルア様が転移して現れてくれて、ルア様との魔格の差を悟ったデーモンラビットたちがあっという間に逃げ去り、私は助かった。
 何が起こったか分かってないボロボロ状態の私に「大丈夫か。よく頑張ったな」と声を掛けてくれて、抱き上げてくれて。それ以来、私はルア様一筋だ。

 ちなみにルア様の三度の離縁の理由は、「飽きたから」。これは別れた妻たち(美人)にも会って確認した。
 寿命が長い魔族なので、五十年も過ぎると飽きてしまうそうだ。さらに、
「何で一度付き合った人とまた付き合うの」
と、この国には『元さや』という概念は無いらしい。安心。

「私、人間で良かった」
「どうした?」
「人間なら、五十年後にルア様に飽きられてもあまり長い間一人で生きなくてもすむでしょう?」
 私はルア様と添い遂げる!と握りこぶしに力を込めると、
「馬鹿な事を言ってないで、着替えて来なさい」
と呆れた声で言われ、控えていた侍女たちに花嫁の化粧室に連れ込まれた。

 

 その時、これからルア様の気合いが入りまくってる煌びやかで華やかな結婚式場に足を踏み入れ、私って思ったより愛されてる?と気付く事になるとは、まだ知らなかった。

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