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第一幕:露光される盤上
足首の残像 ― 指摘された赤(ルージュ)
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「……っ、は、離れて……」
狭い机の下、押し殺した私の声は、千尋さんのブラウスの襟元に吸い込まれて消えた。
150cmの私の身体を、157cmの彼女の質量が完全に封じ込めている。AAAカップの私の胸を圧迫する、Cカップの柔らかな重み。その熱が、私の理性の回路を一つずつ焼き切っていく。
けれど、千尋さんは離れるどころか、さらに顔を近づけてきた。
彼女の指先が、私のダークチョコレート色のツインテールをかき分け、隠していたはずの「そこ」に触れる。
「ねえ、芽衣ちゃん。……耳、真っ赤だよ」
耳元で弾ける、湿った吐息。
「あ……」
反射的に身を竦めたけれど、机の脚が背中に当たり、逃げ場はどこにもない。
彼女の細い指の腹が、熱を持って脈打つ私の耳たぶを、壊れ物を扱うように、けれど執拗に弄んだ。
「将棋の盤面を読んでる時はあんなに冷徹なのに。……こんなところ、すごく正直なんだね。現像するまでもなく、君が今、何を考えてるか丸見えだよ」
指摘された瞬間、顔全体の温度がさらに数度跳ね上がるのを感じた。
頬が、首筋が、そして彼女の指が触れている耳が、沸騰したように熱い。
羞恥心という名の現像液が、私の全身を真っ赤に染め上げていく。
「見ないで……そんなところ、見ないで……っ」
私は両手で顔を覆おうとした。
けれど、彼女は私の手首を掴み、無理やり机の床へと押しつける。
「だめ。……記録(シャッター)を切る前に、目を逸らしちゃ」
彼女の瞳は、一点の曇りもなく私を捉えていた。
150cmの私の脆弱さを、AAAカップの平坦な絶望を、そして何より、耳まで赤くして悦びに震えているこの醜い本性を。
彼女は、私のすべてを「正しい色」として固定しようとしている。
「君のその赤、暗室のライトよりも綺麗だよ。……ねえ、もっと見せて。もっと赤くなって、芽衣ちゃん」
彼女の指先が、耳たぶから顎のライン、そして熱を帯びた首筋へと滑り降りる。
私は、自分の鼓動が図書室全体に響いているのではないかと錯覚するほどの轟音の中にいた。
論理という名の王様は、もう、どこにもいない。
ただ、耳を赤く染め、執行官の指先に震えるだけの、無力な「被写体」がそこに転がっているだけだった。
「……参りました、って。……今度は声に出して、言わせてあげるから」
千尋さんの唇が、私の赤い耳たぶを優しく、けれど深く食んだ。
その瞬間、私の頭の中は露出オーバーの真っ白な閃光(フラッシュ)に包まれ、私はただ、彼女の熱に溶かされるのを待つことしかできなかった。
狭い机の下、押し殺した私の声は、千尋さんのブラウスの襟元に吸い込まれて消えた。
150cmの私の身体を、157cmの彼女の質量が完全に封じ込めている。AAAカップの私の胸を圧迫する、Cカップの柔らかな重み。その熱が、私の理性の回路を一つずつ焼き切っていく。
けれど、千尋さんは離れるどころか、さらに顔を近づけてきた。
彼女の指先が、私のダークチョコレート色のツインテールをかき分け、隠していたはずの「そこ」に触れる。
「ねえ、芽衣ちゃん。……耳、真っ赤だよ」
耳元で弾ける、湿った吐息。
「あ……」
反射的に身を竦めたけれど、机の脚が背中に当たり、逃げ場はどこにもない。
彼女の細い指の腹が、熱を持って脈打つ私の耳たぶを、壊れ物を扱うように、けれど執拗に弄んだ。
「将棋の盤面を読んでる時はあんなに冷徹なのに。……こんなところ、すごく正直なんだね。現像するまでもなく、君が今、何を考えてるか丸見えだよ」
指摘された瞬間、顔全体の温度がさらに数度跳ね上がるのを感じた。
頬が、首筋が、そして彼女の指が触れている耳が、沸騰したように熱い。
羞恥心という名の現像液が、私の全身を真っ赤に染め上げていく。
「見ないで……そんなところ、見ないで……っ」
私は両手で顔を覆おうとした。
けれど、彼女は私の手首を掴み、無理やり机の床へと押しつける。
「だめ。……記録(シャッター)を切る前に、目を逸らしちゃ」
彼女の瞳は、一点の曇りもなく私を捉えていた。
150cmの私の脆弱さを、AAAカップの平坦な絶望を、そして何より、耳まで赤くして悦びに震えているこの醜い本性を。
彼女は、私のすべてを「正しい色」として固定しようとしている。
「君のその赤、暗室のライトよりも綺麗だよ。……ねえ、もっと見せて。もっと赤くなって、芽衣ちゃん」
彼女の指先が、耳たぶから顎のライン、そして熱を帯びた首筋へと滑り降りる。
私は、自分の鼓動が図書室全体に響いているのではないかと錯覚するほどの轟音の中にいた。
論理という名の王様は、もう、どこにもいない。
ただ、耳を赤く染め、執行官の指先に震えるだけの、無力な「被写体」がそこに転がっているだけだった。
「……参りました、って。……今度は声に出して、言わせてあげるから」
千尋さんの唇が、私の赤い耳たぶを優しく、けれど深く食んだ。
その瞬間、私の頭の中は露出オーバーの真っ白な閃光(フラッシュ)に包まれ、私はただ、彼女の熱に溶かされるのを待つことしかできなかった。
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