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179:『竜の祖』集結
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「ふふ。お嬢さん。相手は『竜の祖』の番に加えドラゴンスレイヤーを持つ強敵だ。『竜の祖』と言えど、無傷ではいられない。いや、むしろ致命傷を負わされてもおかしくはないだろ?だから当然こちらもそれなりの対抗手段を講じたんだけど・・・」
イリスはチラリとヴェリエルを見た。
「あんな邪道な物、俺が使うわけないだろう。竜の誇りが許さん。とっくに放棄している。」
ヴェリエルは冷たく言い放った。
「と、こういう訳でね。あーあ、あれを手に入れるのに結構苦労したんだけどなぁ。まぁ・・・今となってはしょうがないか。」
現物を見ることは適わなかったが、ユージィンを弱体化させる何かしらのアイテムがあったことはセレスティアにも伝わった。
「ところで、アンティエルさんはどうしてここに?王都にいましたよね、確か?」
セレスティアは先程からずっと疑問だったことをアンティエルに聞いた。
「うむ。実はな、妾は、魔物が現れる前から探っておったのじゃ。なにせ5番目の弟がなかなか姿を現わせないことが気になっておったからのぉ。」
「え?そんなに前から?」
「ヴェリエルは、妹弟の中では一番礼儀正しい奴故、いまだ挨拶に来ないということは何かがあったのじゃろうと察してはおったのじゃ。そこへ魔物襲撃の件じゃろ?だから繋がってるのではと勘ぐったのじゃ。まぁドンピシャだったがの。」
「アンティエルさん凄い!!」
セレスティアは心底アンティエルの洞察力に感心していた。
「うむ、もっと妾を称えるがよいぞ。」
そしてアンティエルはどこに隠し持っていたかわからぬ扇を取り出して鼻高々になっていた。
「・・・たったそれだけの状況判断で・・・。さすが大姉君です。」
ヴェリエルは、またもや恭しくアンティエルに頭を垂れた。
「とはいえ、妾も半信半疑ではあったのじゃが・・・確信を得たのは、あ奴のおかげだがな。」
そういうと、アンティルが斜め上を向いた方向には、緑色に輝く鱗を持ち鳥のような翼を羽ばたかせてきた竜が飛んで来ていた。ラーファイルだ。そしてその上に見覚えのある人物が三人乗っていた。その内の一人は大きく手を振っていた。印象的な大きな耳が風になびいていた。
「セレスティアさーーーーん!」
それは、兎の獣人族エメリーネであった。隣にはダンフィールがいた。
「エメリーネさん!!!」
「と、ハインツとダンフィールさんも?」
「うーん、なんかついで感が凄い出てるね、セレスティア。」
ハインツは苦笑いになっていた。
「ふふ、500年ぶりだねー姉弟が揃うのは!」
ラーファイルも竜から人型へ姿を変え、皆の顔を見ながら嬉しそうに言った。そしてラーファイルもダンフィールが到来したことによって、この場に『竜の祖』が揃ったのだ。そしてそれは意味のあることだった。
「そうか・・・大姉君これは・・・」
ヴェリエルは、姉アンティルの思惑に気が付いた。それはヴェルエルが諦めていたことだったのだ。
「うむ、魔王化したお主の番を戻さなければいかん。だが、それは我らの力を結束せねばならんからのぉ。だからお主をあのまま放って置けなかったのじゃ。」
「大姉君・・・」
ヴェルエルは懐深いアンティルの言葉に半泣きになっていた。
「何せカイエルとセレスティアがキーパーソンじゃったからな。間に合って良かったのじゃ。」
アンティエルがそう言うと、他の『竜の祖』達も皆頷いていた。
「え?俺??あっ!」
「私??」
カイエルは、一瞬は悩んだが、直ぐに何のことかわかった。だがセレスティアはまだ何のことなのかわかっていなかった。イシュタルはそれに気付いて、セレスティアに耳打ちした。
「カイエルの第三の封印解いたでしょ?」
「え・・あっ!」
セレスティアも流石にそこまで言われてやっと気が付いた。これから何をするのかはわからなかったけれども、カイエルが『竜の祖』の力を取り戻していないと、きっとできないことなのだろうということはセレスティアにもわかった。とはいえ、わかったけれどもそれは同時に肉体関係をもったことがバレバレな訳で、セレスティアは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
イリスはチラリとヴェリエルを見た。
「あんな邪道な物、俺が使うわけないだろう。竜の誇りが許さん。とっくに放棄している。」
ヴェリエルは冷たく言い放った。
「と、こういう訳でね。あーあ、あれを手に入れるのに結構苦労したんだけどなぁ。まぁ・・・今となってはしょうがないか。」
現物を見ることは適わなかったが、ユージィンを弱体化させる何かしらのアイテムがあったことはセレスティアにも伝わった。
「ところで、アンティエルさんはどうしてここに?王都にいましたよね、確か?」
セレスティアは先程からずっと疑問だったことをアンティエルに聞いた。
「うむ。実はな、妾は、魔物が現れる前から探っておったのじゃ。なにせ5番目の弟がなかなか姿を現わせないことが気になっておったからのぉ。」
「え?そんなに前から?」
「ヴェリエルは、妹弟の中では一番礼儀正しい奴故、いまだ挨拶に来ないということは何かがあったのじゃろうと察してはおったのじゃ。そこへ魔物襲撃の件じゃろ?だから繋がってるのではと勘ぐったのじゃ。まぁドンピシャだったがの。」
「アンティエルさん凄い!!」
セレスティアは心底アンティエルの洞察力に感心していた。
「うむ、もっと妾を称えるがよいぞ。」
そしてアンティエルはどこに隠し持っていたかわからぬ扇を取り出して鼻高々になっていた。
「・・・たったそれだけの状況判断で・・・。さすが大姉君です。」
ヴェリエルは、またもや恭しくアンティエルに頭を垂れた。
「とはいえ、妾も半信半疑ではあったのじゃが・・・確信を得たのは、あ奴のおかげだがな。」
そういうと、アンティルが斜め上を向いた方向には、緑色に輝く鱗を持ち鳥のような翼を羽ばたかせてきた竜が飛んで来ていた。ラーファイルだ。そしてその上に見覚えのある人物が三人乗っていた。その内の一人は大きく手を振っていた。印象的な大きな耳が風になびいていた。
「セレスティアさーーーーん!」
それは、兎の獣人族エメリーネであった。隣にはダンフィールがいた。
「エメリーネさん!!!」
「と、ハインツとダンフィールさんも?」
「うーん、なんかついで感が凄い出てるね、セレスティア。」
ハインツは苦笑いになっていた。
「ふふ、500年ぶりだねー姉弟が揃うのは!」
ラーファイルも竜から人型へ姿を変え、皆の顔を見ながら嬉しそうに言った。そしてラーファイルもダンフィールが到来したことによって、この場に『竜の祖』が揃ったのだ。そしてそれは意味のあることだった。
「そうか・・・大姉君これは・・・」
ヴェリエルは、姉アンティルの思惑に気が付いた。それはヴェルエルが諦めていたことだったのだ。
「うむ、魔王化したお主の番を戻さなければいかん。だが、それは我らの力を結束せねばならんからのぉ。だからお主をあのまま放って置けなかったのじゃ。」
「大姉君・・・」
ヴェルエルは懐深いアンティルの言葉に半泣きになっていた。
「何せカイエルとセレスティアがキーパーソンじゃったからな。間に合って良かったのじゃ。」
アンティエルがそう言うと、他の『竜の祖』達も皆頷いていた。
「え?俺??あっ!」
「私??」
カイエルは、一瞬は悩んだが、直ぐに何のことかわかった。だがセレスティアはまだ何のことなのかわかっていなかった。イシュタルはそれに気付いて、セレスティアに耳打ちした。
「カイエルの第三の封印解いたでしょ?」
「え・・あっ!」
セレスティアも流石にそこまで言われてやっと気が付いた。これから何をするのかはわからなかったけれども、カイエルが『竜の祖』の力を取り戻していないと、きっとできないことなのだろうということはセレスティアにもわかった。とはいえ、わかったけれどもそれは同時に肉体関係をもったことがバレバレな訳で、セレスティアは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
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