9 / 9
終.~過去と現在~菜穂海と慶太
しおりを挟む
俺は久々に呼ばれた事に驚きただただ彼女を見つめるしかできなかった
「何そんなに驚いてるの?」
「いや...だって久しぶりじゃないか...」
「そうね...この子が居るとどうしてもね」
そう言って彼女は目線を逸らした
「そうだな..菜穂海だけじゃなくて俺も言ってなかったしな」
「そうね...」
そう言って少し考え込む菜穂海
「ねぇ...慶太今幸せ?」
「ん?いきなりどうしたんだ?」
「だって...私と結婚して色々変わったけどそのまま七海が出来て考えたりする時間も無いままここまで過ごして来たし」
「それについては結婚前にも話したじゃないか...別に婿養子として苗字が変わっても俺の気持ちは変わらないと伝えたはずだよ?」
そう俺の結婚前の名前は野上慶太そう俺は結婚した時婿養子として苗字を変えたのだ
菜穂海もあの夏が終わった時に、七草から母の旧姓の長瀬に変わってたのだ
そう俺達はあの夏の1年後再会を果たしてたのだ
あの後俺は菜穂海に会った時恥ずかしくないようにと勉強を頑張ってた1年が過ぎる頃には学年でも上位になってた
菜穂海は母と一緒に母の実家である旅館を手伝いながら高校に行ってたのだ
そして1年後の花火大会の時...俺は...遅刻した
その日はつい夕方前に眠ってしまい目が覚めたら花火が始まってたのだ
俺は顔を青ざめて急いで財布と携帯だけ握りしめて走った
別にどこで会うとか約束もして無かったけど、居るとしたら神社しかいないとなぜか確信に近い気持ちでいた
俺が神社に着いた時にはもう花火はとっくに終わってしまってた...
俺はその場で座り込みそして泣き出した...
もしかしたら会えたかもしれないのに俺と菜穂海さんが再会出来る唯一の繋がりを自分で棒に振ってしまった後悔に俺は悔やんで悔やんで仕方なかった
そうなる運命だったと言われたらそこまでだろうけどこの時ばかりは俺は運命を恨んだ...
暫く泣いた後俺は立ち上がり帰ろうと歩き出そうとした
カラン...カラン...
石段から誰かが降りてくる音が聞こえた
俺はバッと体を向け石段を見た。暗く石段全体はよく見えなかったが、それでも俺は石段を駆け上がった
聞き間違いかもしれない誰もいないかもしれないそれでも俺は...
石段も半分ほど駆け上がったら人影が見えた
顔はよく見えなかっただが..
「菜穂海!!」
俺は叫んで彼女の名前を呼んで近づいた
そこには去年より大人びた顔立ちの菜穂海がいた
「ごめん...本当にごめん...」
俺はただ謝る事しかできなかった
そんな俺の頭を撫でながら
「私こそごめんね...いきなり居なくなって...」
「俺がちゃんと聴かなかったのがいけなかったんだ!」
「そんなことないよ...それに今日だって本当は...」
俺はそれを聞いた瞬間彼女を抱きしめた離れないように居なくならないように気がついたら腕に力後籠ってた
「い..痛いよ慶太君」
「ごめん!でも離れるとまた...居なくなりそうで...」
「私はここに居るよ...ちゃんと慶太君の目の前にいるから...」
そう言って菜穂海も俺を抱きしめてくれた
俺はあの日言えなかった想いを伝えた
「俺..菜穂海が好きだ!1年かかったけど俺の気持ちは変わらずむしろあの日より菜穂海が好きだ!」
「わ...私も慶太君が...慶太が好きあの日からずっと好き!忘れられなかった何時も考えちゃうの!」
お互いの気持ちを伝え合ったあとそっと口付けをした
1年...その長い時を埋めるように俺達は抱きつき何度も唇を重ねた
周りは真っ暗だったが俺は菜穂海だけは凄く輝いて見えた
その後は遠距離恋愛を続けながら同じ大学に進んだそして大学卒業と共に結婚したのだ
その時菜穂海の母親と祖父母に言われたのが俺の婿養子だ
理由は、旅館の跡取りが欲しいからとの事だった
俺はそんな事より菜穂海と一緒になりたい気持ちの方が強かったし、菜穂海は将来旅館を継いでも俺と一緒に居たいとの事であっさり承諾した
その後俺は税理士として色んなところで経験を積み数年で旅館の専属税理士になったのだ
少しでも菜穂海を支えれるように
そして今の幸せがある
こんなに幸せなのに菜穂海は俺のことをまだ心配してくれてた
「俺にとって菜穂海と七海3人で過ごす今がどれだけ幸せで尊いものかわかって欲しい」
だから俺は菜穂海に今の気持ちを素直に伝えた
「でもまったくコッチに来ようとしなかったから...」
「その事か...単純に理由が無かったってのもあるかな。まぁ...同じこと今日言われたけどな」
「え?そうなの?てっきり私のせいかと...」
「そんなわけ...そうだった!この後七海を母さん達に任せて2人で行かないか?新二達が一緒に飲もうって言ってるんだよ」
「えっと...私も行っていいの?」
「何言ってんだよ?あたりまえだろ?昔の同級生にも会えるだろうしそれに...俺の妻じゃないか」
「そ...そうだね...私慶太の妻だもんね♪」
そう言って菜穂海はさっきまでの不安そうな顔とは違い嬉しそうに微笑んだ
「それじゃ早く帰って行くか」
「うん!」
これからも俺達には色々あるだろうけど、それでもあの時みたいに時間がかかることは無いだろう
そしていつかまた今日みたいに思い出したりして話すんだろうな...
そして今ならあの日逃げ出してしまって残された君にも言えるのかな?
あの日の君はとても綺麗で花火みたいな素敵な笑みをしてた
ってな
「何そんなに驚いてるの?」
「いや...だって久しぶりじゃないか...」
「そうね...この子が居るとどうしてもね」
そう言って彼女は目線を逸らした
「そうだな..菜穂海だけじゃなくて俺も言ってなかったしな」
「そうね...」
そう言って少し考え込む菜穂海
「ねぇ...慶太今幸せ?」
「ん?いきなりどうしたんだ?」
「だって...私と結婚して色々変わったけどそのまま七海が出来て考えたりする時間も無いままここまで過ごして来たし」
「それについては結婚前にも話したじゃないか...別に婿養子として苗字が変わっても俺の気持ちは変わらないと伝えたはずだよ?」
そう俺の結婚前の名前は野上慶太そう俺は結婚した時婿養子として苗字を変えたのだ
菜穂海もあの夏が終わった時に、七草から母の旧姓の長瀬に変わってたのだ
そう俺達はあの夏の1年後再会を果たしてたのだ
あの後俺は菜穂海に会った時恥ずかしくないようにと勉強を頑張ってた1年が過ぎる頃には学年でも上位になってた
菜穂海は母と一緒に母の実家である旅館を手伝いながら高校に行ってたのだ
そして1年後の花火大会の時...俺は...遅刻した
その日はつい夕方前に眠ってしまい目が覚めたら花火が始まってたのだ
俺は顔を青ざめて急いで財布と携帯だけ握りしめて走った
別にどこで会うとか約束もして無かったけど、居るとしたら神社しかいないとなぜか確信に近い気持ちでいた
俺が神社に着いた時にはもう花火はとっくに終わってしまってた...
俺はその場で座り込みそして泣き出した...
もしかしたら会えたかもしれないのに俺と菜穂海さんが再会出来る唯一の繋がりを自分で棒に振ってしまった後悔に俺は悔やんで悔やんで仕方なかった
そうなる運命だったと言われたらそこまでだろうけどこの時ばかりは俺は運命を恨んだ...
暫く泣いた後俺は立ち上がり帰ろうと歩き出そうとした
カラン...カラン...
石段から誰かが降りてくる音が聞こえた
俺はバッと体を向け石段を見た。暗く石段全体はよく見えなかったが、それでも俺は石段を駆け上がった
聞き間違いかもしれない誰もいないかもしれないそれでも俺は...
石段も半分ほど駆け上がったら人影が見えた
顔はよく見えなかっただが..
「菜穂海!!」
俺は叫んで彼女の名前を呼んで近づいた
そこには去年より大人びた顔立ちの菜穂海がいた
「ごめん...本当にごめん...」
俺はただ謝る事しかできなかった
そんな俺の頭を撫でながら
「私こそごめんね...いきなり居なくなって...」
「俺がちゃんと聴かなかったのがいけなかったんだ!」
「そんなことないよ...それに今日だって本当は...」
俺はそれを聞いた瞬間彼女を抱きしめた離れないように居なくならないように気がついたら腕に力後籠ってた
「い..痛いよ慶太君」
「ごめん!でも離れるとまた...居なくなりそうで...」
「私はここに居るよ...ちゃんと慶太君の目の前にいるから...」
そう言って菜穂海も俺を抱きしめてくれた
俺はあの日言えなかった想いを伝えた
「俺..菜穂海が好きだ!1年かかったけど俺の気持ちは変わらずむしろあの日より菜穂海が好きだ!」
「わ...私も慶太君が...慶太が好きあの日からずっと好き!忘れられなかった何時も考えちゃうの!」
お互いの気持ちを伝え合ったあとそっと口付けをした
1年...その長い時を埋めるように俺達は抱きつき何度も唇を重ねた
周りは真っ暗だったが俺は菜穂海だけは凄く輝いて見えた
その後は遠距離恋愛を続けながら同じ大学に進んだそして大学卒業と共に結婚したのだ
その時菜穂海の母親と祖父母に言われたのが俺の婿養子だ
理由は、旅館の跡取りが欲しいからとの事だった
俺はそんな事より菜穂海と一緒になりたい気持ちの方が強かったし、菜穂海は将来旅館を継いでも俺と一緒に居たいとの事であっさり承諾した
その後俺は税理士として色んなところで経験を積み数年で旅館の専属税理士になったのだ
少しでも菜穂海を支えれるように
そして今の幸せがある
こんなに幸せなのに菜穂海は俺のことをまだ心配してくれてた
「俺にとって菜穂海と七海3人で過ごす今がどれだけ幸せで尊いものかわかって欲しい」
だから俺は菜穂海に今の気持ちを素直に伝えた
「でもまったくコッチに来ようとしなかったから...」
「その事か...単純に理由が無かったってのもあるかな。まぁ...同じこと今日言われたけどな」
「え?そうなの?てっきり私のせいかと...」
「そんなわけ...そうだった!この後七海を母さん達に任せて2人で行かないか?新二達が一緒に飲もうって言ってるんだよ」
「えっと...私も行っていいの?」
「何言ってんだよ?あたりまえだろ?昔の同級生にも会えるだろうしそれに...俺の妻じゃないか」
「そ...そうだね...私慶太の妻だもんね♪」
そう言って菜穂海はさっきまでの不安そうな顔とは違い嬉しそうに微笑んだ
「それじゃ早く帰って行くか」
「うん!」
これからも俺達には色々あるだろうけど、それでもあの時みたいに時間がかかることは無いだろう
そしていつかまた今日みたいに思い出したりして話すんだろうな...
そして今ならあの日逃げ出してしまって残された君にも言えるのかな?
あの日の君はとても綺麗で花火みたいな素敵な笑みをしてた
ってな
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる