私を捨てなかった陰キャな幼馴染と付き合ったら甘えんぼうだった

海音²

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プロローグ

元陰キャな彼と付き合うまで⑶

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明日退院することになった
あの日以降、陸は私に会いに来なかった
別に来ないなら来ないでいいんだけど...
少し口寂しいだけだし...
そう思いながら今日も私はネット小説を読み漁ってた

気がついたら外はオレンジ色に染まってた
時計を見ると5時を回ってた
そう言えばもう4月で日もだいぶ長くなってることに気がついた
後2時間ほどで今日の面会時間も終わる
今日も陸は来なかった
多分次会うのは職場復帰のときだろう
私はそんな風に思ってた

面会終了30分を切った頃慌てた様子で陸がやってきた

「何しに来たのよ?」
「なんで連絡してこないんだよ?」
「いきなり何よ?」
「来なかったんだから連絡ぐらいくれよ!」
「なんで私がしないといけないわけ?私言ったよね?もう来ないでって?」
「ならなんで今俺が入ってきた時嬉しそうにしたんだよ!」
「っ...!?そ...それは...そう!なにか食べ物持ってきたかと思ったからよ!」
「それでも!....連絡くれよ...」

なんでそんなこと言うのよ...
まるで私が悪いみたいじゃん...

「うぅ....私悪くないし....くすん...くるないったじゃん....」
「わ...悪かった!俺が勝手に拗ねて怒ってごめんだから泣かないでくれよ?...そ、そうそうプリンあるから食べよ?なっ?」

なんで泣いてるのかわからない
色々言われて悔しいのと来てくれたのが嬉しいのとなんか子供扱いされてる怒りで
感情がめちゃくちゃになってく...

「陸が悪いんだからね!!プリン食べるけど子供扱いしないでよ...すんっ...」
「子供扱いしてるつもり...そうだなごめん...」
「もういいから...早くちょうだい...」

私はプリンを受け取り食べた
久々のプリンは味があまり感じなかった...
私は食べ終わるとあの日の事に着いて話そうと思った
もちろん断るつもりで

「ねぇ...あの日陸が言ったことだけど...やっぱり私「ごめん!」り...え?」
「あの日俺嘘ついてた」
「うそ?」
「実は...あの日に好きになったんじゃないんだよな...」
「何よ今更...」
「なんとなく言われそうなのわかってるからちゃんと言いたいんだ...実はずっと前から...それも小学校の頃から好きだった...でも俺海里見たいに周りと仲良くなれなかったし....中学の時には海里も周りも一気に変わっていってるのに俺はどうしたらいいか分からないまま気がついたら海里が遠くに感じるようになって...その頃ぐらいからか俺が背後霊とか言われるようになったのも...それでもいつか振り向かせたくて大学入った時に1人だったから周りに声掛けて色々教えて貰ったりしてみたり?
なんか今更かよ?的な事も思ったけどそれでも変わろうと頑張ったんだぞ?」

陸は私の話を遮り恥ずかしそうに照れながら話してくれた...

「なら言ってくれたら良かったのに...」
「きっとその時にはもう遠くに感じて言いづらくてさ....まさか同じ職場になるなんて思ってなかったから最初見た時俺勝手に運命だと感じてたんだよ...だってそうだろ?なんだかんだ大学から離れてたのにこうしてまた一緒に居れるとか...」
「...」
「まぁ...そんな訳で俺の気持ちを整理するためにもあの日サラッと言ってみたわけ、別に気にしなくてもいいから
だからちゃんともう一度言わせてくれ
海里好きだ小さい頃からずっと好きだ。
お前と歩いて恥ずかしくないようにオシャレとか色々出来るようになったから...
付き合ってくれないか?」
「私は...」

私は今の陸をどう思ってるんだろ....
昔の陸をどう思ってただろ?

「私は...陸の事よく分からない...今と昔が違いすぎるし...ずっとそんな風に思われてたのも初めて知ったし...」
「今はそれでいいんだ。ただ、迷惑じゃなければこれから先も一緒に居たいし傍で見てほしい」
「何よそれ?...告白じゃなくてプロポーズみたいじゃない...」
「そんなんじゃないから...その...」

なんか慌てながらチラッとスマホを見る陸

「俺が惚れさせるから俺のものになれ!」
「ぷっ!いきなり何言い出すのよ!?」
「え?...あれ?ちょっと待って今のなし!...えっと...」
「さっきからスマホチラチラ見て何見てるの?」
「え?いや...これは...あはは....」
「ん!みせなさい!」

そう言ってスマホを受け取ろうと手を伸ばした
陸は観念して渋々渡してきた

「ったく何見てるのよ....」 

スマホには女性がキュンと来るセリフ集ってよく分からないサイトを開いてた

「り....陸?」
「いいだろ?初めてでなんて言えばいいかわかんなかったんだから」
「ぷっ...陸...ぷぷっ...無理..もう無理...あはは!!バカじゃん素直すぎるでしょ?こんなの言われてコロッとなるならボッチとかいないよ...あはははは!!」
「ちょ!流石に笑いすぎだろ!?真剣に悩んで決めたのに...」
「ごめんごめん...あーおかし♪こんな言葉使わなくても良いんだからね?」

そう言って私は陸の首に手を回し引き寄せ
耳元で囁いた

「私の為に変わってくれてありがと♪陸私の事大切にしてね♪」

そう言って陸から離れた
陸は顔を真っ赤にしてこちらを見ていた

「ほらね?そんな言葉使わなくてもいいでしょ?」
「...それって...つまり...」
「そこまで私の為にしてくれるんなら付き合ってもいいかなと思っただけよ!!それに今のは...陸の為にお手本見せただけだし!ちゃんと私を惚れさせなさいよ?」
「わかった頑張るから俺...でも...付き合ってくれるならせっかくのお手本もう使う事ないよ?」
「あんたねぇそこは...まぁ良いわよそれで...」

なんかなし崩し的な部分ばかりだけど、こうして私達は付き合うことになった。
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