ユガミニティ

munu

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001 飛べ

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世界を自分のものだと思い込み、私は今日まで生きてきた。

地上24階のタワーから見下ろす街並み。私の故郷。

この街は好きだ。愛している。けれど不安なのだ。この街が私を愛しているのかどうか、わからない。

「戯言はいいから、さっさと飛べよ」

先輩の姿が宙に現れて、風に飛ばされ消えていく。私だけの妄想。

先輩は分かっていた。そして破壊と狂気に従事した。今はいない。失敗したのだ。

ランニングシューズを空に踏み出し、私は賭けに出る。

この世界が私のものなら、私はここで死なない。抑止力が働いて、世界が私を助けるのだ。

そう信じて。
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