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再会と始まり
待てない私は、時間を早送りします
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視界に広がる光景は、酷い有様だった。
見覚えのある建物が燃えている。王道ファンタジーから1ミリも逸れることが無い美しいお城が無残に崩壊している。炎がまるで生き物のようにうねり、その建物を飲み込んでいる。
見張り台を兼ねた塔が折れるさまがひどくゆっくりと視界に映りこむ。まるで映画のワンシーンのように。
それを私は少し離れた場所から見ている。自分の実家である王城が崩壊する様を。
地に足は付いていない。でも、驚くことはしない。だって、これが夢なのはわかっているから。
【みんな燃えちゃったの】
いつの間にか隣に並んだ、もう一人の私が呟いた。
今日もまた、日本にいた頃のすがたのまま。肩まである黒髪が、燃え上がる炎を受けて靡いている。
【みんな死んじゃったのっ】
今度は、身を引き裂かれるような叫び声だった。
心臓をぎゅっと握られたように胸が痛い。でも、そう叫んだもう一人の私は、もっと辛いのだろう。両手で胸を押さえながら崩れ落ちる。
そして声を上げて泣き始めた。
それはガチ泣きなんてものじゃない。大粒の涙を流して、わぁわぁと声をあげるもう一人の先を見て、壊れてしまうんじゃないかと心配になってしまうほど。
あまりの痛々しさに、同じようにしゃがみ込んで手を伸ばす。地に足が付いていないのに、座り込むのはとても不思議な感覚だなと、どうでも良いことがふと頭の隅でよぎる。
───ねぇ、泣かないで。
声を掛けたくても、やっぱり今日も私は声を発することができない。そして、触れることもできない。私の手は、虚しくすり抜けてしまう。
途方に暮れて、視線を彷徨わしてしまう。そうすれば、また今回も、回廊を走り抜けるカーディルが視界に移りむ。そして、もう一人の私も。
もう一人の私は、カーディルに手を引かれ走っている。いや、引きずられていると言った方が正しい。
嫌だと泣き叫んでいるように見える。そしてカーディルの手を一生懸命に振りほどこうともしている。でもカーディルは、もう一人の私に構うことなくただひたすらに、前方を向き走る。
でも、もう一人の私を無視しているわけではない。それどころじゃないのだ。次々と襲い掛かる魔物を斬り捨てるのに忙しいのだ。
もう一人の私の髪はすみれ色。そして腰まである。それが走るたびに揺れて、炎に焼かれている。そうか、だから髪を切ったのだ。
【……あそこで死なせてくれたら、どれだけ良かったか……】
くしゃりと顔を歪めたまま、もう一人の私は呟いた。
涙でぐしゃぐしゃになって、酷い顔だ。そして、もう一人の私は、視線を燃え盛る王城に移して、こう言った。
【……でもね、結局、死んじゃったんだ。意味なかったよね。ふっ……ははっ】
心の底から馬鹿にするような笑い声をあげたもう一人の私は、そのまま狂ったように笑いだした。
でも、その黒い瞳からは大粒の涙を流している。───泣きながら笑っているのだ。
それは今まで感じたことのない恐怖。狂気に満ちたもう一人の私が、とても恐ろしい生き物に見える。
…………嫌だっ、怖い。こんなところに居たくないっ。
誰か、助けてっ。誰か、もう一人の私を助けてっ。
───そう声にならない声で叫んだ瞬間、見えない力で私は現実へと引き戻された。
「姫さまっ」
「きゅーっ」
肩を強く揺さぶられ、目を覚ました。薄闇の中、視界一杯にカーディルの顔が映る。隙間から、マリモも見える。
「……カーディル……さん?」
うっかり以前のように呼び捨てのまま、名を呼びかけて、慌てて敬称を追加する。
「良かった。目を覚ましてくれて」
すり寄るマリモを片手で抱き寄せれば、あなたは、ほっとしたような笑みを浮かべた。そしてそのまま、私に触れようと手を伸ばす。
でも、そこで、はっと我に返ったように慌てて、一歩ベッドから身を引く。
「不躾な態度をお許しください。うなされておりました」
「……ううん、起こしてくれてありがとう」
すぐに綺麗に一礼したあなたに、そう声を掛ける。少しの寂しさは、気付かないことにする。
顔を上げたあなたを良く見れば、目の下に深い影がる。……多分、もう一人の私が倒れてからよく眠れてなかったのだろう。青い顔、こけた頬。あなたのほうが今にも倒れてしまいそうだ。
そして気付いてしまった。
さっきの焦燥に駆られた表情。感情のまま私に手を伸ばそうとしたところ。そして、夢で見たあなたの姿。
ああ……今だからわかる。あなたは、もう一人の私のことを好きなのだ。
私がカーディルに恋心を抱いたのは、元の世界とお別れする直前だった。
その日は私の17歳の誕生日だった。友達からの誘いを断り、大急ぎで帰った。そして、玄関の扉を開けた瞬間、あなたが居た。
とても不思議な光景だった。
日本のこじんまりとした民家に、聖騎士の恰好をしたあなたがいたのだから。
瞬きを5回した。ついでに、ほっぺたも、つねってみた。でも夢じゃなかったし、あなたは消えたりもしなかった。少々、肩を震わせて私を見ていた。あれ、笑いを堪えていたんだよね。それから───。
『はじめまして、利恵さま。私の名前は、カーディル=ゲイニィ。あなたに剣を捧げる者です』
そう言って、優雅に貴方は膝を付き、私を見上げた。
『あなたをお迎えに参りました』
そして、あなたの手に触れた瞬間、私の心臓はトクンと撥ねた。そしてそれは、自分が恋に落ちる音だった。
それからあなたは、自分の剣を抜くと、両手で私に向かって掲げた。
『今より私は貴方だけの騎士。命を賭してあなたを御守り致します。この身は、今よりあなた様の剣となり、盾となるもの。あなた様に降りかかる災いは、すべて私が引き受けましょう。どうかこの誓いをあなたの胸にお納めください』
中二病顔負けの台詞を流暢に紡いだそれは、自分の魂の一部を私に捧げる契約でもあった。
あの時、私はただ照れくさくって、もじもじとしてしまうだけだった。
でも、伸ばされた手をきちんと取ってしまった。
……もし、あの意味をちゃんと私が理解していれば、あなたを失わずにいられたのだろうか。
「───……何か飲み物をお持ちしましょうか?」
いつの間にか顔を覆っていた私に、カーディルの労わる声が降ってくる。
「……ううん、いらない」
そぉっと顔を上げて、ゆるく首を振れば、カーディルはちらりと窓に目を向けて口を開く。
「今はまだ夜更けです。もう少しお休みください。……また、うなされたら、私が起こして差し上げますから」
儀礼的な言葉を吐いて、カーディルは唯一の灯りであるランタンを手にしてすぐに部屋を去ろうとする。まるでここにいることが間違いと思っているかのように。
「待ってっ」
ドアノブに手を掛けたカーディルを私は慌てて身を起こして引き留める。
そうすれば、カーディルはすぐさま振り返ってくれた。たったそれだけのことが、今は妙に嬉しい。
でも、ごめん。ごめんね、カーディル。私は、今からあなたにとても辛いお願い事をする。
「私、夢を見たの」
「……怖い夢でしたか?」
ええ、とっても。とっても、怖い夢。
「お城が燃えていた。たくさんの魔物が、お城を取り囲んでいたの。……あなたも、夢の中にいた」
まっすぐに見つめてそう言えば、あなたは引き寄せられるかのように、こちらに足を向ける。
「あなたは私の手を掴んでた。私はとっても嫌がって……でも、あなたは離してくれなかった」
「……なっ」
「ねえ、あれは夢だったのかな?」
「………っ」
「夢じゃないんだよね?」
「………っ」
カーディルは一生懸命に表情を消そうとしている。でも、それは失敗に終わった。
ぎゅっと握りしめている拳が小刻みに震えている。アイスブルーの瞳が悲し気に揺れている。
「ねぇ、あの日、なにがあったの?教えて」
「辛い記憶です。傷が治ったら話します。そでまでは、どうか───」
「嫌。今、話して」
濁す言葉を遮断して、私はきっぱりとそう言った。すぐにあなたは、頬を張られたかのように、くしゃりと顔を歪めた。
カーディル、ごめん。本当にごめん。
あの悪夢の光景を見て、夢の中で壊れたように泣いていた私を見て、なんとなく状況は察している。
でも、辛い話は、夢の中で知るより、あなたの口から聞きたいの。
「……わかりました」
カーディルは深い溜息を付いた後、ゆっくりと頷いてくれた。アイスブルーの瞳は、もう揺れることはなかった。
聞きたくない事実を、言いたくない真実を教えてくれるあなたは、やっぱり優しい人だった。
見覚えのある建物が燃えている。王道ファンタジーから1ミリも逸れることが無い美しいお城が無残に崩壊している。炎がまるで生き物のようにうねり、その建物を飲み込んでいる。
見張り台を兼ねた塔が折れるさまがひどくゆっくりと視界に映りこむ。まるで映画のワンシーンのように。
それを私は少し離れた場所から見ている。自分の実家である王城が崩壊する様を。
地に足は付いていない。でも、驚くことはしない。だって、これが夢なのはわかっているから。
【みんな燃えちゃったの】
いつの間にか隣に並んだ、もう一人の私が呟いた。
今日もまた、日本にいた頃のすがたのまま。肩まである黒髪が、燃え上がる炎を受けて靡いている。
【みんな死んじゃったのっ】
今度は、身を引き裂かれるような叫び声だった。
心臓をぎゅっと握られたように胸が痛い。でも、そう叫んだもう一人の私は、もっと辛いのだろう。両手で胸を押さえながら崩れ落ちる。
そして声を上げて泣き始めた。
それはガチ泣きなんてものじゃない。大粒の涙を流して、わぁわぁと声をあげるもう一人の先を見て、壊れてしまうんじゃないかと心配になってしまうほど。
あまりの痛々しさに、同じようにしゃがみ込んで手を伸ばす。地に足が付いていないのに、座り込むのはとても不思議な感覚だなと、どうでも良いことがふと頭の隅でよぎる。
───ねぇ、泣かないで。
声を掛けたくても、やっぱり今日も私は声を発することができない。そして、触れることもできない。私の手は、虚しくすり抜けてしまう。
途方に暮れて、視線を彷徨わしてしまう。そうすれば、また今回も、回廊を走り抜けるカーディルが視界に移りむ。そして、もう一人の私も。
もう一人の私は、カーディルに手を引かれ走っている。いや、引きずられていると言った方が正しい。
嫌だと泣き叫んでいるように見える。そしてカーディルの手を一生懸命に振りほどこうともしている。でもカーディルは、もう一人の私に構うことなくただひたすらに、前方を向き走る。
でも、もう一人の私を無視しているわけではない。それどころじゃないのだ。次々と襲い掛かる魔物を斬り捨てるのに忙しいのだ。
もう一人の私の髪はすみれ色。そして腰まである。それが走るたびに揺れて、炎に焼かれている。そうか、だから髪を切ったのだ。
【……あそこで死なせてくれたら、どれだけ良かったか……】
くしゃりと顔を歪めたまま、もう一人の私は呟いた。
涙でぐしゃぐしゃになって、酷い顔だ。そして、もう一人の私は、視線を燃え盛る王城に移して、こう言った。
【……でもね、結局、死んじゃったんだ。意味なかったよね。ふっ……ははっ】
心の底から馬鹿にするような笑い声をあげたもう一人の私は、そのまま狂ったように笑いだした。
でも、その黒い瞳からは大粒の涙を流している。───泣きながら笑っているのだ。
それは今まで感じたことのない恐怖。狂気に満ちたもう一人の私が、とても恐ろしい生き物に見える。
…………嫌だっ、怖い。こんなところに居たくないっ。
誰か、助けてっ。誰か、もう一人の私を助けてっ。
───そう声にならない声で叫んだ瞬間、見えない力で私は現実へと引き戻された。
「姫さまっ」
「きゅーっ」
肩を強く揺さぶられ、目を覚ました。薄闇の中、視界一杯にカーディルの顔が映る。隙間から、マリモも見える。
「……カーディル……さん?」
うっかり以前のように呼び捨てのまま、名を呼びかけて、慌てて敬称を追加する。
「良かった。目を覚ましてくれて」
すり寄るマリモを片手で抱き寄せれば、あなたは、ほっとしたような笑みを浮かべた。そしてそのまま、私に触れようと手を伸ばす。
でも、そこで、はっと我に返ったように慌てて、一歩ベッドから身を引く。
「不躾な態度をお許しください。うなされておりました」
「……ううん、起こしてくれてありがとう」
すぐに綺麗に一礼したあなたに、そう声を掛ける。少しの寂しさは、気付かないことにする。
顔を上げたあなたを良く見れば、目の下に深い影がる。……多分、もう一人の私が倒れてからよく眠れてなかったのだろう。青い顔、こけた頬。あなたのほうが今にも倒れてしまいそうだ。
そして気付いてしまった。
さっきの焦燥に駆られた表情。感情のまま私に手を伸ばそうとしたところ。そして、夢で見たあなたの姿。
ああ……今だからわかる。あなたは、もう一人の私のことを好きなのだ。
私がカーディルに恋心を抱いたのは、元の世界とお別れする直前だった。
その日は私の17歳の誕生日だった。友達からの誘いを断り、大急ぎで帰った。そして、玄関の扉を開けた瞬間、あなたが居た。
とても不思議な光景だった。
日本のこじんまりとした民家に、聖騎士の恰好をしたあなたがいたのだから。
瞬きを5回した。ついでに、ほっぺたも、つねってみた。でも夢じゃなかったし、あなたは消えたりもしなかった。少々、肩を震わせて私を見ていた。あれ、笑いを堪えていたんだよね。それから───。
『はじめまして、利恵さま。私の名前は、カーディル=ゲイニィ。あなたに剣を捧げる者です』
そう言って、優雅に貴方は膝を付き、私を見上げた。
『あなたをお迎えに参りました』
そして、あなたの手に触れた瞬間、私の心臓はトクンと撥ねた。そしてそれは、自分が恋に落ちる音だった。
それからあなたは、自分の剣を抜くと、両手で私に向かって掲げた。
『今より私は貴方だけの騎士。命を賭してあなたを御守り致します。この身は、今よりあなた様の剣となり、盾となるもの。あなた様に降りかかる災いは、すべて私が引き受けましょう。どうかこの誓いをあなたの胸にお納めください』
中二病顔負けの台詞を流暢に紡いだそれは、自分の魂の一部を私に捧げる契約でもあった。
あの時、私はただ照れくさくって、もじもじとしてしまうだけだった。
でも、伸ばされた手をきちんと取ってしまった。
……もし、あの意味をちゃんと私が理解していれば、あなたを失わずにいられたのだろうか。
「───……何か飲み物をお持ちしましょうか?」
いつの間にか顔を覆っていた私に、カーディルの労わる声が降ってくる。
「……ううん、いらない」
そぉっと顔を上げて、ゆるく首を振れば、カーディルはちらりと窓に目を向けて口を開く。
「今はまだ夜更けです。もう少しお休みください。……また、うなされたら、私が起こして差し上げますから」
儀礼的な言葉を吐いて、カーディルは唯一の灯りであるランタンを手にしてすぐに部屋を去ろうとする。まるでここにいることが間違いと思っているかのように。
「待ってっ」
ドアノブに手を掛けたカーディルを私は慌てて身を起こして引き留める。
そうすれば、カーディルはすぐさま振り返ってくれた。たったそれだけのことが、今は妙に嬉しい。
でも、ごめん。ごめんね、カーディル。私は、今からあなたにとても辛いお願い事をする。
「私、夢を見たの」
「……怖い夢でしたか?」
ええ、とっても。とっても、怖い夢。
「お城が燃えていた。たくさんの魔物が、お城を取り囲んでいたの。……あなたも、夢の中にいた」
まっすぐに見つめてそう言えば、あなたは引き寄せられるかのように、こちらに足を向ける。
「あなたは私の手を掴んでた。私はとっても嫌がって……でも、あなたは離してくれなかった」
「……なっ」
「ねえ、あれは夢だったのかな?」
「………っ」
「夢じゃないんだよね?」
「………っ」
カーディルは一生懸命に表情を消そうとしている。でも、それは失敗に終わった。
ぎゅっと握りしめている拳が小刻みに震えている。アイスブルーの瞳が悲し気に揺れている。
「ねぇ、あの日、なにがあったの?教えて」
「辛い記憶です。傷が治ったら話します。そでまでは、どうか───」
「嫌。今、話して」
濁す言葉を遮断して、私はきっぱりとそう言った。すぐにあなたは、頬を張られたかのように、くしゃりと顔を歪めた。
カーディル、ごめん。本当にごめん。
あの悪夢の光景を見て、夢の中で壊れたように泣いていた私を見て、なんとなく状況は察している。
でも、辛い話は、夢の中で知るより、あなたの口から聞きたいの。
「……わかりました」
カーディルは深い溜息を付いた後、ゆっくりと頷いてくれた。アイスブルーの瞳は、もう揺れることはなかった。
聞きたくない事実を、言いたくない真実を教えてくれるあなたは、やっぱり優しい人だった。
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