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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
あの日のやり直し①
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さてさて、さんざん悩んだ私が出した結論はこれだった───。
「バルドゥールさん、歯ぁ、食いしばってくださいっ」
そう言うが早いが私は拳を振り上げて、状況を飲み込めていないバルドゥールの頬に渾身の一撃を食らわした。
瞬間、ごぎゅっと肉を抉る独特の嫌な音と、びぃーんと電気が走るような痺れに襲われた。
ちなみに前者はバルドゥールが受けた衝撃で、後者は私が受けたもの。
手加減なしで叩きつけた拳は見事にバルドゥールの頬にクリーンヒットした。次いで、どうだ参ったかという爽快感が体中を駆け巡ると思った。けれど、予想に反して、電気のようなビリビリとした痛みで、それどころではなかった。
余りの痛みに、正直、拳を抑えてのたうち回りたかったけれど、かそれはかなりカッコ悪いので、根性で痛みを抑え込む。そして痛めた拳をそっと背に隠して、何食わぬ顔をする。
その間、バルドゥールは口を半開きにして、唖然としている。まったくもって私の行動に理解ができないといった様子だ。
そんな彼に向かい、私は反対の手を突き出した。
「初めましてバルドゥールさん、私、異世界から来た、五十鈴 朱里って言います」
不貞腐れた口調を隠すことはしない。もっと言うなら、きっと口調だけではなく、顔もやさぐれているだろう。
でも、そんなこと咎められたって、隠しようがない。本音を言えば未成年じゃなければ、ヤケ酒の一杯でも飲んでから、こうしたい気分だった。
ああ、もう本当に、我ながらお人好しすぎる。あれだけのことをされておきながら、結局、自分から手を差し伸べるなんて。甘やかすにも程がある。
────でも、どうあっても、この結論しか出せなかった。
今だから言えるけれど、私は本当は母親のことが大好きだった。例え、私の存在が利用する為だけにあったとしても、私は母親に抱きしめてほしかった。髪を撫でてほしかった。
【お願い、私を嫌いにならないで。捨てないで。ずっと側に居て】
そう口に出して、母の胸に飛び込みたかった。でも、できなかった。跳ねのけられるのが怖かった。母に嫌われることを私は何よりも恐れていた。
子供が当たり前にできることをさせてくれない母を憎いと思った。恨んでいた。でも、それは愛情の裏返しだった。
私はいつだって母親を求めていた。
再会したあの日だって、本当は嬉しかった。また母に会えたこと、母が私を探してくれたことに、泣きたくなるほど喜びを感じていた。………でも、それは一瞬のうちに砕かれてしまったけれど。
そして今、目の前にいるバルドゥールは、見捨てないで、置いていかないでと、幼かった私と同じような顔を浮かべている。
そんな彼に切っ先を向けるのは、過去の自分に向けるようなものだった。───私は、救われたかったあの頃の私を、救いたかった。
それともう一つ。あのお調子者はとんだ策士だった。あの時、ルークは私にリンさんという枷を付けたのだ。
私が死んだら、リンさんはこの世界で独りぼっちになってしまう。元に戻るかわからない、でも、もし目覚めた時、自分の自我が崩壊している間に、同じ異世界の人間が命を落としたことを知ったら、どう思うのだろう。最悪、リンさんは、再び壊れてしまうのかもしれない。
そのことに、なんで気づいてしまったのだろうと舌打ちしたくなる。そしてあの時、敢えて口にださなかったルークは、本当に本当に意地が悪い。
と、まぁそんなこんな昇華できない思いはある。でも、あと一度だけ、これは私にとって、最大の譲歩であり、最も納得できる落としどころであった。
…………ただ、やっぱり殴られたことについては、軍事規則だろうが何だろうが、どうあっても不問に処すことはできないので、ここは、平等に【おあいこ】にさせてもらった。
バルドゥールは唇は切れてはいなかったけれど、頬は少し赤い。痛みと赤みが比例しているなら、絶対に私の拳の方が痛いだろう。そのことが、ちょっと腑に落ちない。
そんなことを考えながらじっとバルドゥールを見下ろしていると、彼は静かに立ち上がった。
そして私と向かい合わせになると思いきや、すっと音もなく膝を付いた。そして、差し出したままの私の手を両手で取り、額に押し付けた。
「私の名前はバルドゥール・ガネーシュ。時空の監視者であり、朱里の盾となり剣となるもの。朱里………貴殿と出会えた幸運を、神に感謝する。そして、もう一度新たに始めることができるこの僥倖を胸に刻もう」
真摯に言葉を紡ぐ彼には、今までの威圧的な姿勢ではない。
もしかして、バルドゥールはこんなふうな出会い方をしたかったのかも、と思わせるぐらい、その言葉はずっと前から用意されていたような、丁寧で澱みのないものだった。
息を呑む私に、バルドゥールはさらに言葉を重ねた。
「朱里、約束する。二度と同じ過ちは繰り返さない。ただどうか、お前に触れることを許してほしい」
その言葉を、よくよく噛み砕いてみたら、これまで通り抱かせてくれと言っている。
とどのつまり私の生活は何ら変わりがない。なのに、凛とした声で言い切られてしまえば、私のほうがたじろいでしまう。
そして私は、諦めと、どうにでもなれっというヤケクソな気持ちと、ほんの少しだけある前向きな気持ち胸に、こくりと頷きながら口を開いた。
「………優しく……なら」
条件付きとはいえ、彼の願いを聞き入れた瞬間、私は五十鈴朱里ではなく、この世界で生きるアカリとなった。
そしてバルドゥールは、恭しく私の手の甲に口づけを落とし、立ち上がった。
「アカリ」
向かい合わせになった途端、顎に手を添えられ、名を呼ぶ声と共に口づけをされる。
条件反射で体をこわばらせた私に、彼は反対の手で優しく髪を梳き、そっと頬に大きな手を添える。
「約束は守る。だから……どうか力を抜いてくれ」
その囁きが耳朶に響けば、彼の舌が私の唇をなぞる。そして、そっと私の口内に差し入れられた舌は、暴れまわることなく私の舌を絡めとる。
「………ん……はぁ」
遠くで甘い声が聞こえたと思ったけれど、それは私の声だった。それと同時に、これが同じ人間がすることなのかという、素直な驚きを感じてしまう。
それぐらい私に触れるバルドゥールは優しく繊細で、温かなものだった。
現実と心が追い付かないまま、ふわりと体が浮く。そして静かにベッドに寝かされた。そのままてっきりバルドゥールは私に覆いかぶさると思いきや、彼はベッドの端に腰を下ろし、私の手を取った。
ちなみに取られたほうの手は、バルドゥールを殴ったほうだった。
「折れてはいないようだな」
………咄嗟に手を隠したことは、バレバレだったようだ。
指の付け根をさすりながら、ほっとした表情を浮かべたバルドゥールだったが、私の手を握ったまま眉間には、うっすら皺を刻んでいる。
少し前なら、その表情からは感情を読み取れなかったけれど、今ならこれは私の手を案じているというのがわかる。
「痛むか?」
がっつり痛いけれど、殴られた相手に、殴った拳を心配されるのはバツが悪い。【おあいこ】という結末で水に流したのだから、これ以上このことに触れられたくない私は、自分から、するりと手を抜き取った。
「全然、痛くないですよ」
もうこの話は終わりにしましょうという意味も込めて私は、ほんの少しだけ唇の端を持ち上げた。そうすれば、バルドゥールは数拍考えた後、私の夜着のリボンに手をかけた。
そして、壊れ物を扱うような繊細な手つきで、私の身体からするりと夜着を剥ぎ取った。
「バルドゥールさん、歯ぁ、食いしばってくださいっ」
そう言うが早いが私は拳を振り上げて、状況を飲み込めていないバルドゥールの頬に渾身の一撃を食らわした。
瞬間、ごぎゅっと肉を抉る独特の嫌な音と、びぃーんと電気が走るような痺れに襲われた。
ちなみに前者はバルドゥールが受けた衝撃で、後者は私が受けたもの。
手加減なしで叩きつけた拳は見事にバルドゥールの頬にクリーンヒットした。次いで、どうだ参ったかという爽快感が体中を駆け巡ると思った。けれど、予想に反して、電気のようなビリビリとした痛みで、それどころではなかった。
余りの痛みに、正直、拳を抑えてのたうち回りたかったけれど、かそれはかなりカッコ悪いので、根性で痛みを抑え込む。そして痛めた拳をそっと背に隠して、何食わぬ顔をする。
その間、バルドゥールは口を半開きにして、唖然としている。まったくもって私の行動に理解ができないといった様子だ。
そんな彼に向かい、私は反対の手を突き出した。
「初めましてバルドゥールさん、私、異世界から来た、五十鈴 朱里って言います」
不貞腐れた口調を隠すことはしない。もっと言うなら、きっと口調だけではなく、顔もやさぐれているだろう。
でも、そんなこと咎められたって、隠しようがない。本音を言えば未成年じゃなければ、ヤケ酒の一杯でも飲んでから、こうしたい気分だった。
ああ、もう本当に、我ながらお人好しすぎる。あれだけのことをされておきながら、結局、自分から手を差し伸べるなんて。甘やかすにも程がある。
────でも、どうあっても、この結論しか出せなかった。
今だから言えるけれど、私は本当は母親のことが大好きだった。例え、私の存在が利用する為だけにあったとしても、私は母親に抱きしめてほしかった。髪を撫でてほしかった。
【お願い、私を嫌いにならないで。捨てないで。ずっと側に居て】
そう口に出して、母の胸に飛び込みたかった。でも、できなかった。跳ねのけられるのが怖かった。母に嫌われることを私は何よりも恐れていた。
子供が当たり前にできることをさせてくれない母を憎いと思った。恨んでいた。でも、それは愛情の裏返しだった。
私はいつだって母親を求めていた。
再会したあの日だって、本当は嬉しかった。また母に会えたこと、母が私を探してくれたことに、泣きたくなるほど喜びを感じていた。………でも、それは一瞬のうちに砕かれてしまったけれど。
そして今、目の前にいるバルドゥールは、見捨てないで、置いていかないでと、幼かった私と同じような顔を浮かべている。
そんな彼に切っ先を向けるのは、過去の自分に向けるようなものだった。───私は、救われたかったあの頃の私を、救いたかった。
それともう一つ。あのお調子者はとんだ策士だった。あの時、ルークは私にリンさんという枷を付けたのだ。
私が死んだら、リンさんはこの世界で独りぼっちになってしまう。元に戻るかわからない、でも、もし目覚めた時、自分の自我が崩壊している間に、同じ異世界の人間が命を落としたことを知ったら、どう思うのだろう。最悪、リンさんは、再び壊れてしまうのかもしれない。
そのことに、なんで気づいてしまったのだろうと舌打ちしたくなる。そしてあの時、敢えて口にださなかったルークは、本当に本当に意地が悪い。
と、まぁそんなこんな昇華できない思いはある。でも、あと一度だけ、これは私にとって、最大の譲歩であり、最も納得できる落としどころであった。
…………ただ、やっぱり殴られたことについては、軍事規則だろうが何だろうが、どうあっても不問に処すことはできないので、ここは、平等に【おあいこ】にさせてもらった。
バルドゥールは唇は切れてはいなかったけれど、頬は少し赤い。痛みと赤みが比例しているなら、絶対に私の拳の方が痛いだろう。そのことが、ちょっと腑に落ちない。
そんなことを考えながらじっとバルドゥールを見下ろしていると、彼は静かに立ち上がった。
そして私と向かい合わせになると思いきや、すっと音もなく膝を付いた。そして、差し出したままの私の手を両手で取り、額に押し付けた。
「私の名前はバルドゥール・ガネーシュ。時空の監視者であり、朱里の盾となり剣となるもの。朱里………貴殿と出会えた幸運を、神に感謝する。そして、もう一度新たに始めることができるこの僥倖を胸に刻もう」
真摯に言葉を紡ぐ彼には、今までの威圧的な姿勢ではない。
もしかして、バルドゥールはこんなふうな出会い方をしたかったのかも、と思わせるぐらい、その言葉はずっと前から用意されていたような、丁寧で澱みのないものだった。
息を呑む私に、バルドゥールはさらに言葉を重ねた。
「朱里、約束する。二度と同じ過ちは繰り返さない。ただどうか、お前に触れることを許してほしい」
その言葉を、よくよく噛み砕いてみたら、これまで通り抱かせてくれと言っている。
とどのつまり私の生活は何ら変わりがない。なのに、凛とした声で言い切られてしまえば、私のほうがたじろいでしまう。
そして私は、諦めと、どうにでもなれっというヤケクソな気持ちと、ほんの少しだけある前向きな気持ち胸に、こくりと頷きながら口を開いた。
「………優しく……なら」
条件付きとはいえ、彼の願いを聞き入れた瞬間、私は五十鈴朱里ではなく、この世界で生きるアカリとなった。
そしてバルドゥールは、恭しく私の手の甲に口づけを落とし、立ち上がった。
「アカリ」
向かい合わせになった途端、顎に手を添えられ、名を呼ぶ声と共に口づけをされる。
条件反射で体をこわばらせた私に、彼は反対の手で優しく髪を梳き、そっと頬に大きな手を添える。
「約束は守る。だから……どうか力を抜いてくれ」
その囁きが耳朶に響けば、彼の舌が私の唇をなぞる。そして、そっと私の口内に差し入れられた舌は、暴れまわることなく私の舌を絡めとる。
「………ん……はぁ」
遠くで甘い声が聞こえたと思ったけれど、それは私の声だった。それと同時に、これが同じ人間がすることなのかという、素直な驚きを感じてしまう。
それぐらい私に触れるバルドゥールは優しく繊細で、温かなものだった。
現実と心が追い付かないまま、ふわりと体が浮く。そして静かにベッドに寝かされた。そのままてっきりバルドゥールは私に覆いかぶさると思いきや、彼はベッドの端に腰を下ろし、私の手を取った。
ちなみに取られたほうの手は、バルドゥールを殴ったほうだった。
「折れてはいないようだな」
………咄嗟に手を隠したことは、バレバレだったようだ。
指の付け根をさすりながら、ほっとした表情を浮かべたバルドゥールだったが、私の手を握ったまま眉間には、うっすら皺を刻んでいる。
少し前なら、その表情からは感情を読み取れなかったけれど、今ならこれは私の手を案じているというのがわかる。
「痛むか?」
がっつり痛いけれど、殴られた相手に、殴った拳を心配されるのはバツが悪い。【おあいこ】という結末で水に流したのだから、これ以上このことに触れられたくない私は、自分から、するりと手を抜き取った。
「全然、痛くないですよ」
もうこの話は終わりにしましょうという意味も込めて私は、ほんの少しだけ唇の端を持ち上げた。そうすれば、バルドゥールは数拍考えた後、私の夜着のリボンに手をかけた。
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