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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
喧嘩にもならない私たち②
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いつでも就寝できるよう、今、この部屋の灯りは先程よりも落としてある。でも、触れ合うほど近くに居れば、相手の表情はしっかりと見える。それは言い換えると、私の表情も相手に分かってしまうということ。
「アカリ、何かあったのか?」
「………………」
バルドゥールの腕の中にすっぽり抱かれていれば逃れることは不可能で、私は視線だけを逸らして俯いた。
そうすれば、彼の鍛え上げられた褐色の肌が否が応でも視界に入ってしまう。
今日に限ってバルドゥールのシャツのボタンは全部はずされている。でも交接の後の余熱を引きずっているからというわけではない。
ただ単に、今日はシャツのボタンをはめる時間すら惜しんだだけのことだろう。………私を問い詰める時間を、少しでも多く取る為に。
そりゃ、まぁ確かに、いつも通りにしようと思ってはいたけれど、やっぱりそうはできなかった。
ということで無言という返事では彼が納得しないのは致し方ないこと。そんなバルドゥールは、私の名をもう一度呼ぶと無理強いではない力加減で私の顎に手をかけた。
否が応でも絡み合う視線。でも私は居心地の悪さに無意識に唇を噛み締めてしまう。
「俺に何か不満があるのか?それとも何か心配事でもあるのか?上手く言葉にできなくても良い。思っていることを話してくれないか?」
問いかけるバルドゥールの口調は、こちらが申し訳ないと思う程、憂えたものだった。でも、素直に今の気持ちを彼に伝えたとして、何の解決になるのだろう。ただの八つ当たりになってしまうだけなので、私はその場をやり過ごす適当な言葉を吐いてしまう。
「えっと、…………その、何でもないです」
視線を逸らしたと同時に、視界の隅でバルドゥールの指先がピクリと撥ねるのが見えた。やっぱりこんな適当な返事では彼は納得しないようだ。
けれど、今回はそれ以上、追及されることはなかった。ただ、いつも丁寧に身体を拭く彼でも、さすがにここまではしないのに、私の指先を持ち上げると一本一本拭き始める。そして、別の話題を口にした。
「ルークの屋敷へ通う件だが、用意は整った」
「…………そうですか」
「3日後、ルークが馬車を寄越すから、お前はそれでリンの元へ会いに行け」
「…………はい」
ようやっとリンさんの元へ通える算段が付いたというのに、私の声は自分でも驚くほど浮かないものだった。
ここはこれ以上バルドゥールに不審に思われないよう、もう少し嬉しそうな声を上げるべきなのだが、このタイミングで切り出されてしまうと、なんとなくご機嫌取りをされているように感じてしまう。
彼だってきっと、この話を今するつもりはなかったはずだ。今、指の間まで丁寧に拭いているのは、他に言いたいことがあるからで。これが時間稼ぎというくらいは、私にだって伝わっている。
言いたいことがあるならはっきり言えば良いのに。そう言いかけて、すぐにその言葉を飲み込んだ。これまで色んなことをしでかしたバルドゥールが感情のまま、私に向かって好き勝手なことを言えるはずかない。
それに彼は私の機嫌を損ねたら、自分自身に返ってくることをちゃんと気付いている。だからきっとこれからも、バルドゥールは私に不満があっても何も言わない。私達は喧嘩をすることすらできない関係なのだろう。この先、ずっとずっと他人行儀のまま。
そう思ったら、わけのわからない憤りが胸の中で湧き、気付いたらバルドゥールの手から自分の手を抜き取っていた。
「…………もう、良いです。バルドゥールさん」
「アカリ」
小さく首を横に振りながらそう言えば、困惑と詰責が入り混じった声で名を呼ばれてしまった。
少し前までは、私はバルドゥールのことを憎んでいた。関係を築くなど考えもしなかった。嫌で嫌で逃げ出したかった。だから、彼がどう受け取るかなんて気にせず憎まれ口を叩くことができた。
でも今は違う。ちゃんと相手がどう受け止めるか考えて言葉にしなければならない。でも、泣きたくても涙が出てこないもどかしさを抱えた今、私はそうわかっていても敢えて憎まれ口を叩いてしまった。
「お仕事とはいえ、そこまで気を遣っていただかなくても大丈夫です」
そう言った瞬間、バルドゥールは私の肩を痛いほど掴んだ。そして、そのまま私はベッドに押し倒されてしまった。
「お前、本当にそんなふうに思っているのか?」
ぞっとする程低い声で問われ、彼が本気で怒ったことを知る。
ああ、やってしまった。これではまるで、小さな子が親の興味を引きたがっている状態だ。そしてバルドゥールは訳が分からないまま、鬱憤晴らしをされて、我慢の限界が来てしまったのだ。
だから、適当な言い訳をして、彼の怒りを鎮めないといけない。そうわかっていても、喉がからからに乾き、声がでない。
けれど、バルドゥールは私が意固地になって、何も言わないのだと思っているのだろう。肩を掴む手に更に力が籠った。
「お前を抱いているのは仕事だけだと…………本当に、それだけだしかないと思っているのか?」
バルドゥールが一言一言、言葉を紡ぐたびに、部屋の空気が張り詰めていく。ついさっきまで、互いの触れ合う息で熱気が籠っていたというのに。
そんなふうによその意識を飛ばしても、バルドゥールは片手で私の顎を掴み、強い眼差しで容赦なく追及する。
「答えろ、アカリ」
有無を言わせないバルドゥールの口調と金色の瞳に捉えられ、自分の心臓が大きく跳ねあがる。暴れまわる心臓の音と共に、かつて受けた痛みや凌辱を思い出し、自分の意志とは関係なく身体が震える。
感情に任せて、あんなこと言わなければ良かった。そう強く後悔をした瞬間、彼は掴んだ私の手に更に力を込めながら、息が触れ合うほぼ顔を近づけて別のことを問いかけた。
「……………俺が怖いか?」
頷いたら、手を離してくれるのだろうか。それとも、彼の怒りを余計に煽ってしまうのか。どちらを選択しても最悪な状況しか思い浮かばない私は、あの日交わした約束を逆手に、とても卑怯なことを言ってしまった。
「約束を破る気ですか?」
優しくするなら触れても良い。その約束は、私にとって伝家の宝刀だった。そしてそのずるい私の問い掛けに、彼は痛みを堪えるように顔を歪めたあと、すぐに視線を逸らした。
「そう………そうだったな」
掴んでいた手を離して身を起こしたバルドゥールは私に背を向け、こちらが心配になる程長い息を吐いた。そして再び私を見つめた表情は、一切の感情が消えたものだった。
「お前が仕事と思うならそれで良い。アカリ、長く時間を取らせて悪かった」
そう言ってバルドゥールは私の掛布を整えると静かに立ち上がった。次いで音もなく荷物をまとめ、扉へと向かっていく。
立ち去っていく足音は一定のリズムで、止まることは無い。そしてギィっと扉が開き───。
「アカリ、おやすみ」
いつも通り彼は就寝の挨拶をする。その口調に怒りはなかったけれど、いつもより硬いものだった。そして、私の言葉を待たず部屋を出て行った。
立ち去った扉を見つめて、何故だろう。私はその扉に向かって思いっきり枕を投げつけたい衝動に駆られてしまった。
「アカリ、何かあったのか?」
「………………」
バルドゥールの腕の中にすっぽり抱かれていれば逃れることは不可能で、私は視線だけを逸らして俯いた。
そうすれば、彼の鍛え上げられた褐色の肌が否が応でも視界に入ってしまう。
今日に限ってバルドゥールのシャツのボタンは全部はずされている。でも交接の後の余熱を引きずっているからというわけではない。
ただ単に、今日はシャツのボタンをはめる時間すら惜しんだだけのことだろう。………私を問い詰める時間を、少しでも多く取る為に。
そりゃ、まぁ確かに、いつも通りにしようと思ってはいたけれど、やっぱりそうはできなかった。
ということで無言という返事では彼が納得しないのは致し方ないこと。そんなバルドゥールは、私の名をもう一度呼ぶと無理強いではない力加減で私の顎に手をかけた。
否が応でも絡み合う視線。でも私は居心地の悪さに無意識に唇を噛み締めてしまう。
「俺に何か不満があるのか?それとも何か心配事でもあるのか?上手く言葉にできなくても良い。思っていることを話してくれないか?」
問いかけるバルドゥールの口調は、こちらが申し訳ないと思う程、憂えたものだった。でも、素直に今の気持ちを彼に伝えたとして、何の解決になるのだろう。ただの八つ当たりになってしまうだけなので、私はその場をやり過ごす適当な言葉を吐いてしまう。
「えっと、…………その、何でもないです」
視線を逸らしたと同時に、視界の隅でバルドゥールの指先がピクリと撥ねるのが見えた。やっぱりこんな適当な返事では彼は納得しないようだ。
けれど、今回はそれ以上、追及されることはなかった。ただ、いつも丁寧に身体を拭く彼でも、さすがにここまではしないのに、私の指先を持ち上げると一本一本拭き始める。そして、別の話題を口にした。
「ルークの屋敷へ通う件だが、用意は整った」
「…………そうですか」
「3日後、ルークが馬車を寄越すから、お前はそれでリンの元へ会いに行け」
「…………はい」
ようやっとリンさんの元へ通える算段が付いたというのに、私の声は自分でも驚くほど浮かないものだった。
ここはこれ以上バルドゥールに不審に思われないよう、もう少し嬉しそうな声を上げるべきなのだが、このタイミングで切り出されてしまうと、なんとなくご機嫌取りをされているように感じてしまう。
彼だってきっと、この話を今するつもりはなかったはずだ。今、指の間まで丁寧に拭いているのは、他に言いたいことがあるからで。これが時間稼ぎというくらいは、私にだって伝わっている。
言いたいことがあるならはっきり言えば良いのに。そう言いかけて、すぐにその言葉を飲み込んだ。これまで色んなことをしでかしたバルドゥールが感情のまま、私に向かって好き勝手なことを言えるはずかない。
それに彼は私の機嫌を損ねたら、自分自身に返ってくることをちゃんと気付いている。だからきっとこれからも、バルドゥールは私に不満があっても何も言わない。私達は喧嘩をすることすらできない関係なのだろう。この先、ずっとずっと他人行儀のまま。
そう思ったら、わけのわからない憤りが胸の中で湧き、気付いたらバルドゥールの手から自分の手を抜き取っていた。
「…………もう、良いです。バルドゥールさん」
「アカリ」
小さく首を横に振りながらそう言えば、困惑と詰責が入り混じった声で名を呼ばれてしまった。
少し前までは、私はバルドゥールのことを憎んでいた。関係を築くなど考えもしなかった。嫌で嫌で逃げ出したかった。だから、彼がどう受け取るかなんて気にせず憎まれ口を叩くことができた。
でも今は違う。ちゃんと相手がどう受け止めるか考えて言葉にしなければならない。でも、泣きたくても涙が出てこないもどかしさを抱えた今、私はそうわかっていても敢えて憎まれ口を叩いてしまった。
「お仕事とはいえ、そこまで気を遣っていただかなくても大丈夫です」
そう言った瞬間、バルドゥールは私の肩を痛いほど掴んだ。そして、そのまま私はベッドに押し倒されてしまった。
「お前、本当にそんなふうに思っているのか?」
ぞっとする程低い声で問われ、彼が本気で怒ったことを知る。
ああ、やってしまった。これではまるで、小さな子が親の興味を引きたがっている状態だ。そしてバルドゥールは訳が分からないまま、鬱憤晴らしをされて、我慢の限界が来てしまったのだ。
だから、適当な言い訳をして、彼の怒りを鎮めないといけない。そうわかっていても、喉がからからに乾き、声がでない。
けれど、バルドゥールは私が意固地になって、何も言わないのだと思っているのだろう。肩を掴む手に更に力が籠った。
「お前を抱いているのは仕事だけだと…………本当に、それだけだしかないと思っているのか?」
バルドゥールが一言一言、言葉を紡ぐたびに、部屋の空気が張り詰めていく。ついさっきまで、互いの触れ合う息で熱気が籠っていたというのに。
そんなふうによその意識を飛ばしても、バルドゥールは片手で私の顎を掴み、強い眼差しで容赦なく追及する。
「答えろ、アカリ」
有無を言わせないバルドゥールの口調と金色の瞳に捉えられ、自分の心臓が大きく跳ねあがる。暴れまわる心臓の音と共に、かつて受けた痛みや凌辱を思い出し、自分の意志とは関係なく身体が震える。
感情に任せて、あんなこと言わなければ良かった。そう強く後悔をした瞬間、彼は掴んだ私の手に更に力を込めながら、息が触れ合うほぼ顔を近づけて別のことを問いかけた。
「……………俺が怖いか?」
頷いたら、手を離してくれるのだろうか。それとも、彼の怒りを余計に煽ってしまうのか。どちらを選択しても最悪な状況しか思い浮かばない私は、あの日交わした約束を逆手に、とても卑怯なことを言ってしまった。
「約束を破る気ですか?」
優しくするなら触れても良い。その約束は、私にとって伝家の宝刀だった。そしてそのずるい私の問い掛けに、彼は痛みを堪えるように顔を歪めたあと、すぐに視線を逸らした。
「そう………そうだったな」
掴んでいた手を離して身を起こしたバルドゥールは私に背を向け、こちらが心配になる程長い息を吐いた。そして再び私を見つめた表情は、一切の感情が消えたものだった。
「お前が仕事と思うならそれで良い。アカリ、長く時間を取らせて悪かった」
そう言ってバルドゥールは私の掛布を整えると静かに立ち上がった。次いで音もなく荷物をまとめ、扉へと向かっていく。
立ち去っていく足音は一定のリズムで、止まることは無い。そしてギィっと扉が開き───。
「アカリ、おやすみ」
いつも通り彼は就寝の挨拶をする。その口調に怒りはなかったけれど、いつもより硬いものだった。そして、私の言葉を待たず部屋を出て行った。
立ち去った扉を見つめて、何故だろう。私はその扉に向かって思いっきり枕を投げつけたい衝動に駆られてしまった。
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