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《番外編※お気に入り1000人突破のお礼》♪この世界での入浴方法
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まず最初に、これは『侍女達と過ごす午後』と『あなたと初めての外出』の間のお話です。侍女と仲良くなったアカリちゃんと、諸々の理由で吹っ切れてしまったバルさんとのやり取りを楽しんで貰えたら幸いです(o*。_。)oペコッ
ではこちらを↓↓↓どうぞ(/・ω・)/
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
「お風呂あるんですか!?」
何気ない会話から、この世界にもお風呂があることを知った私は、目を見開いて叫んでしまった。途端に、リリーとフィーネはもっと驚いた顔をしてしまった。
「…………はい。ございます」
しばらくの間の後、フィーネはそう頷いてくれた。でも、しまったという表情を浮かべている。それは私が次に口にする言葉を予測してのものだろう。
「入りたいです、私。………ものっすごく。できれば、絶対」
そして私はフィーネの気持ちに気付いていても、遠慮なく自分の気持ちを吐露させてもらった。
だって、お風呂だ。元の世界では当たり前にあったもの。そして私の唯一の贅沢だったのだ。毎日違う入浴剤を入れて楽しんでいた、あの至福の時間がこの世界にも存在していたのだ。
でもきっとこの世界は、ガスや水道といったライフラインが整備されていないから、ボタン一つでお湯を沸かすことなんてできないだろう。だから、気ままに入ることが難しいのはわかる。
でも、是が非でも入りたい。何なら水汲みくらい自分でやる。だから、どうしても入りたい。
そんな気持ちからじっとリリーとフィーネを見詰めていたら、彼女達はとても困った様子で、でも同時にこう言った。
「アカリ様、ではお館様に直接お願いしてみてはいかがでしょうか?」と。
─────その日の夜。
「バルドゥールさん、お風呂に入りたいです」
「風呂?」
「はい。駄目ですか?」
思わず前のめりになってそう問い掛ければ、バルドゥールは渋面を作ってしまった。
就寝時間間近になってバルドゥールはこの部屋にやってきた。ちなみに今日は軍服ではなく、ゆったりとした部屋着だった。
疲れて帰ってきて帰宅早々にお願いをするのは気が引ける。けれど、今日はどうやらくつろいだ格好なので私は少々強めに訴えてみる。
そして、返事を催促するようにバルドゥールの袖を少し引っ張った途端、彼は渋い表情のまま、絞り出すようにこう言った。
「駄目ではないが……………」
「ないが?」
普段ならバルドゥールの表情を読んで主張を引っ込める私だけれども、今回はそうもいかない。
なにせ数カ月ぶりに風呂に入れるかどうかの瀬戸際なのだ。そしてここで引いてしまえば次の機会はないかもしれない。
そんな気持ちから、じっとバルドゥールを見つめれば、彼は眉間に皺を寄せながら口を開いた。
「風呂はタイル張りだ。床は硬くて滑りやすい。万が一お前が足を滑らせてしまっては、怪我をしてしまうだろうし、最悪、頭でも打ってしまったら大変なことになる」
「…………………なりません」
てっきり、お風呂の準備が大変だからとか、異世界の人間は入浴はすると体調を崩す可能性があるから、という理由で却下されると思っていた。
けれどバルドゥールから出てきた理由は、まさかの3歳児に向けるもの。
…………5歳児から3歳児に格下げされた私の心情をどう言葉で表せば良いのだろうか。正直今すぐには思い浮かばない。
でも、元の世界ではほぼ毎日お風呂に入っていたこと。入浴の際には一度も転んだことがないこと。お風呂に入ることは、私にとって至福の時間だということを、言葉を選びながら丁寧に伝えてみた。
その間バルドゥールは、じっと私の話に耳を傾けていた。そして、観念したように小さく息を吐いた。瞬間、私の主張が通ったことに気付いて思わず口元が綻んでしまった。けれど───。
「わかった。なら、」
今日もまた【、】で区切られた言葉に、嫌な予感がする。
「一緒に入ろう」
「無理です!!」
そう力いっぱい拒否した私だったけれど、残念ながらバルドゥールの耳には届いてくれなかった。
場所は変わって、ここはバルドゥールのお屋敷のとある場所。まぁ、お風呂と呼ばれるところ。
水色と白のタイルが格子模様に配置された床。壁には幾何学模様のタイル。日中は換気の為に窓を開け放っているだろう。けれど、今は鎧戸で塞がれている。
でも、壁に取り付けられたランプのお陰でとても明るかった。ただ浴槽からふんわりと湯気が上がっているせいで、全体的に不明瞭な視界になっている。
そう、不明瞭。だけれど、手を伸ばせば触れることができるくらいの範囲の視界はとても明瞭だったりもする。
そんな中、私はバルドゥールと一緒に居る。彼の腕に抱かれて。
「…………バルドゥールさん」
「どうした?」
「なんで、バルドゥールさんだけ服…………というか、腰に布を巻いているんですか?」
「脱いでも良いが、お前はそれで良いのか?」
「っ!?」
お風呂は一糸まとわぬ姿で入るもの。でも私は、バルドゥールの裸を見たいわけではない。だから私は彼の言葉に何も言い返せない。
けれど、はいそうですかとも言えない私は、精一杯、逆転の発想でバルドゥールに訴えてみる。
「私の身体にも…………その……布っぽい何かを巻いてください」
「駄目だ」
「何でですか!?」
「俺が見たいからだ」
「………………そんなぁ」
きっぱりと言い切られて情けない声しか出すことができない。そんな私をバルドゥールは目を細めて見つめるだけ。そしてしっかりとした足取りで、私を抱えたまま湯船に身体を沈めた。
「うわぁ.........きれい」
揺れる水面に視界を移せば、風呂の底には一面に敷き詰められた透明感のある色とりどりの石が敷き詰められていた。
「この石を熱して、水を張った浴槽に入れるんだ。…………ん?アカリの世界では、風呂とはこういうものではないのか?」
「いいえ、違います」
「.........そうか」
何かを考えるように少し間を置いて頷いたバルドゥールだったけれど、結局それ以上私に質問をすることは無かった。
こういう時に何も言わない彼は、いつも何を思っているのだろうと、いつも考えてしまう。
私が過ごしていた元の世界のことなど興味がないのだろうか。それともその話をすれば、私が戻りたいと言い出すことを懸念しているからなのだろうか。………多分、その両方なのだろう。
でも、今回は私も元の世界のお風呂の仕組みを説明できないので、この話題がすぐ終わったことに、ほっとする。
ということをぼんやりと考えていたら、バルドゥールは慣れた様子で浴槽の端に置いてある石鹸を手に取った。次いで、私を浴槽の淵に座らせた。とても嫌な予感がする。
「バルドゥールさん、私、自分で洗えますっ」
「駄目だ。アカリ、危ないから動くな」
慌てて声を荒げて浴槽に戻ろうとすれば、あっさりとバルドゥールはそれを制してしまった。そして当然と言わんばかりに、とんでもないことを口にした。
「俺が洗う。お前は倒れないように、ここに掴まっていろ」
ここ、と言いながらバルドゥールは私の手を自分の肩に置いた。
「でっでも………………それは、ちょっと」
「アカリ、俺が一緒に居るのに、どうしてお前が自分で身体を洗う必要があるんだ?」
諦め悪く湯船に戻ろうとすれば、今度はバルドゥールの口調は咎めるものに変ってしまった。そんな彼に勝てるわけもなく............私は、彼の大きな手で体中を洗われることになってしまった。
「…………んっ…………んんっ」
バルドゥールの肩に手を置いていても、膝から下は湯船に使っている。そして、彼の手が動くたびに、私の足が震え、ぱしゃぱしゃと水が跳ねる音を立ててしまう。
バルドゥールは私の身体を洗っている。でも、その大きな手は、私の胸の先端を円を描くように執拗に刺激する。
「アカリ、人ばらいをしているから、声を押さえる必要などない」
「………そんなこと………言われても………あっ、んっ、ああっ」
お風呂というのは、どこの世界でも音が響くもの。そして私は、自分のあられもない声が響いてしまうのが恥ずかしくて必死に唇を噛み締めて堪えている。
けれどバルドゥールは淡々と私の努力を打ち砕くような、そんな酷い言葉を吐く。絶対に頷けるわけがないよいうのに。
無理だという意思を伝える為に首を横に振れば、バルドゥールはにやりと意地の悪い笑みを浮かべて、私の両足を大きく開いてしまった。
「バルドゥールさん、そこはっ」
慌てて足を閉じようとしたけれど、既に私の足の間に彼の顔がある。そして、ぬるりとした刺激が私の花芯を襲った。途端に、びくんと身体が撥ねる。
「………………ど、どうして?」
そんなことをするの?今日は10日目なんかじゃないのに。
後半の言葉は喘ぎ声に変ってしまい、言葉として発することはできなかった。
けれど私の問い掛けは、バルドゥールにちゃんと伝わったようで、すぐに顔を上げてくれた。ただその答えは、耳を疑うものだった。
「布で洗うなんてとんでもない。こうして洗うのが一番良い」
「そんなっ…………んっ…………んっ…………はぁ」
バルドゥールが今していることは、洗うという行為とは程遠いもの。そして私も、入浴という行為からかけ離れた状態になってしまっている。
「駄目っ、やめてください。このままだと…………んっ」
「大丈夫だ。そのまま達してしまえば良い」
私の秘部から溢れる雫を舐め上げながらバルドゥールはあっさりとそんなことを言う。そして、太い指がくちゅりと音を立てて私の中に埋め込まれれれば、もう我慢の限界だった。
「ああっ、………んっ………あっ、あっ、ああっ」
びくんとびくんと自分の意志とは関係なく身体が撥ね、そのまま私は崩れるように彼の腕の中に倒れ込んでしまった。
ただ、こうなることは予測していたのだろう。バルドゥールは驚く様子もなく、私を軽々と受け止めてくれた。
「すまない。肩が少し冷えてしまったな」
そんなことを言いながら、彼は私を抱き直す。そして私を首まで深く湯船に沈めてくれた。
でもそうしているバルドゥールは何だかとても苦しそうだった。まるで何かを堪えているかのよう。
されるがままの状態でその理由が何なのか考えた結果、一つだけ思い当たることがあった。でも、すぐに違うと打ち消す。………だって、今日は10日目ではないのだから。彼が私を求めるわけがない。
ということをぼんやりと考えている間に、私はバルドゥールの手によってあっという間に髪も洗われ、ついでに夜着も着せられ、気付けば風呂を後にしていた。
自室に戻るために、バルドゥールは私を抱いて歩いている。なのに、私はふわふわと身体が浮いているような気がする。まだお湯の中に浮かんでいるようだ。
廊下の明かりは薄暗く、等間隔に灯された蝋燭の炎が揺らめいていて、私の取り巻く世界が全部、ふわふわ、ゆらゆらと揺れているよう。
そんなことを考えながら、バルドゥールの歩調にあわせて、うつらうつらし始めていたら────。
「アカリ様、どうされたのですか?」
フィーネの気遣う声で、はっと我に返ってしまった。そして、視線を彼女に移せば、フィーネはまだお仕着せのまま、籠を抱えていた。良く見れば、その中身は私の身体を拭くときに使う白い布だった。
「ああ…………ついつい長湯をして、のぼせてしまったらしい。これは貰っていこう」
しれっとそんなことを言いながら、フィーネから籠を受け取るバルドゥールに思わず睨んでしまう。
のぼせてしまったのは認める。けれど、そうさせたのは他ならぬ彼なのだ。まるで私が勝手にのぼせたかのような発言には、ちょっと物申したい。
でも、フィーネがいるこの場ではさすがに躊躇ってしまう。
「…………さようですか。では、何か飲み物をお持ちします」
半信半疑の表情を浮かべるカイナだったけれど、結局それ以上追求することはせず、一礼して私達を見送った。
部屋に戻ったバルドゥールは、濡れた私の髪をそれはそれは丁寧に拭いている。
そんなことまでしてもらうのは申し訳ないし、ついさっきまであんな場所でとんでもない淫らなことをした後なので、とても気まずい............というより、気恥ずかしい。できれば一秒でも早く一人になりたいところ。
でもそれより前に私は、これだけは主張しなければならない。
「バルドゥールさん、私、お風呂は独りで入りたいです」
身体を捻って私の背後にいるバルドゥールを見詰めれば、彼は驚いたように目を丸くした。
「アカリ、何を言っているんだ?この世界では、風呂とはこういうものだ。良く覚えておけ」
「…………違うと思います」
ジト目で睨みながらそう言えば、バルドゥールは声を上げて笑った。でもすぐ、私の耳元に唇を寄せてこう囁いた。
「また入ろう、アカリ」
「はい!?」
素っ頓狂な声を上げて首を横に強く振る。けれど、バルドゥールの瞳は有無を言わせない何かを秘めて、絶対に譲らないと強く物語っていた。
それから入浴の際には彼と一緒なのかと聞かれると、私は答えられないし、赤面するしかない。
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読んでいただきありがとうございました(*´▽`*)
これからも楽しんで貰えるよう、更新頑張ります(o*。_。)oペコッ
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何気ない会話から、この世界にもお風呂があることを知った私は、目を見開いて叫んでしまった。途端に、リリーとフィーネはもっと驚いた顔をしてしまった。
「…………はい。ございます」
しばらくの間の後、フィーネはそう頷いてくれた。でも、しまったという表情を浮かべている。それは私が次に口にする言葉を予測してのものだろう。
「入りたいです、私。………ものっすごく。できれば、絶対」
そして私はフィーネの気持ちに気付いていても、遠慮なく自分の気持ちを吐露させてもらった。
だって、お風呂だ。元の世界では当たり前にあったもの。そして私の唯一の贅沢だったのだ。毎日違う入浴剤を入れて楽しんでいた、あの至福の時間がこの世界にも存在していたのだ。
でもきっとこの世界は、ガスや水道といったライフラインが整備されていないから、ボタン一つでお湯を沸かすことなんてできないだろう。だから、気ままに入ることが難しいのはわかる。
でも、是が非でも入りたい。何なら水汲みくらい自分でやる。だから、どうしても入りたい。
そんな気持ちからじっとリリーとフィーネを見詰めていたら、彼女達はとても困った様子で、でも同時にこう言った。
「アカリ様、ではお館様に直接お願いしてみてはいかがでしょうか?」と。
─────その日の夜。
「バルドゥールさん、お風呂に入りたいです」
「風呂?」
「はい。駄目ですか?」
思わず前のめりになってそう問い掛ければ、バルドゥールは渋面を作ってしまった。
就寝時間間近になってバルドゥールはこの部屋にやってきた。ちなみに今日は軍服ではなく、ゆったりとした部屋着だった。
疲れて帰ってきて帰宅早々にお願いをするのは気が引ける。けれど、今日はどうやらくつろいだ格好なので私は少々強めに訴えてみる。
そして、返事を催促するようにバルドゥールの袖を少し引っ張った途端、彼は渋い表情のまま、絞り出すようにこう言った。
「駄目ではないが……………」
「ないが?」
普段ならバルドゥールの表情を読んで主張を引っ込める私だけれども、今回はそうもいかない。
なにせ数カ月ぶりに風呂に入れるかどうかの瀬戸際なのだ。そしてここで引いてしまえば次の機会はないかもしれない。
そんな気持ちから、じっとバルドゥールを見つめれば、彼は眉間に皺を寄せながら口を開いた。
「風呂はタイル張りだ。床は硬くて滑りやすい。万が一お前が足を滑らせてしまっては、怪我をしてしまうだろうし、最悪、頭でも打ってしまったら大変なことになる」
「…………………なりません」
てっきり、お風呂の準備が大変だからとか、異世界の人間は入浴はすると体調を崩す可能性があるから、という理由で却下されると思っていた。
けれどバルドゥールから出てきた理由は、まさかの3歳児に向けるもの。
…………5歳児から3歳児に格下げされた私の心情をどう言葉で表せば良いのだろうか。正直今すぐには思い浮かばない。
でも、元の世界ではほぼ毎日お風呂に入っていたこと。入浴の際には一度も転んだことがないこと。お風呂に入ることは、私にとって至福の時間だということを、言葉を選びながら丁寧に伝えてみた。
その間バルドゥールは、じっと私の話に耳を傾けていた。そして、観念したように小さく息を吐いた。瞬間、私の主張が通ったことに気付いて思わず口元が綻んでしまった。けれど───。
「わかった。なら、」
今日もまた【、】で区切られた言葉に、嫌な予感がする。
「一緒に入ろう」
「無理です!!」
そう力いっぱい拒否した私だったけれど、残念ながらバルドゥールの耳には届いてくれなかった。
場所は変わって、ここはバルドゥールのお屋敷のとある場所。まぁ、お風呂と呼ばれるところ。
水色と白のタイルが格子模様に配置された床。壁には幾何学模様のタイル。日中は換気の為に窓を開け放っているだろう。けれど、今は鎧戸で塞がれている。
でも、壁に取り付けられたランプのお陰でとても明るかった。ただ浴槽からふんわりと湯気が上がっているせいで、全体的に不明瞭な視界になっている。
そう、不明瞭。だけれど、手を伸ばせば触れることができるくらいの範囲の視界はとても明瞭だったりもする。
そんな中、私はバルドゥールと一緒に居る。彼の腕に抱かれて。
「…………バルドゥールさん」
「どうした?」
「なんで、バルドゥールさんだけ服…………というか、腰に布を巻いているんですか?」
「脱いでも良いが、お前はそれで良いのか?」
「っ!?」
お風呂は一糸まとわぬ姿で入るもの。でも私は、バルドゥールの裸を見たいわけではない。だから私は彼の言葉に何も言い返せない。
けれど、はいそうですかとも言えない私は、精一杯、逆転の発想でバルドゥールに訴えてみる。
「私の身体にも…………その……布っぽい何かを巻いてください」
「駄目だ」
「何でですか!?」
「俺が見たいからだ」
「………………そんなぁ」
きっぱりと言い切られて情けない声しか出すことができない。そんな私をバルドゥールは目を細めて見つめるだけ。そしてしっかりとした足取りで、私を抱えたまま湯船に身体を沈めた。
「うわぁ.........きれい」
揺れる水面に視界を移せば、風呂の底には一面に敷き詰められた透明感のある色とりどりの石が敷き詰められていた。
「この石を熱して、水を張った浴槽に入れるんだ。…………ん?アカリの世界では、風呂とはこういうものではないのか?」
「いいえ、違います」
「.........そうか」
何かを考えるように少し間を置いて頷いたバルドゥールだったけれど、結局それ以上私に質問をすることは無かった。
こういう時に何も言わない彼は、いつも何を思っているのだろうと、いつも考えてしまう。
私が過ごしていた元の世界のことなど興味がないのだろうか。それともその話をすれば、私が戻りたいと言い出すことを懸念しているからなのだろうか。………多分、その両方なのだろう。
でも、今回は私も元の世界のお風呂の仕組みを説明できないので、この話題がすぐ終わったことに、ほっとする。
ということをぼんやりと考えていたら、バルドゥールは慣れた様子で浴槽の端に置いてある石鹸を手に取った。次いで、私を浴槽の淵に座らせた。とても嫌な予感がする。
「バルドゥールさん、私、自分で洗えますっ」
「駄目だ。アカリ、危ないから動くな」
慌てて声を荒げて浴槽に戻ろうとすれば、あっさりとバルドゥールはそれを制してしまった。そして当然と言わんばかりに、とんでもないことを口にした。
「俺が洗う。お前は倒れないように、ここに掴まっていろ」
ここ、と言いながらバルドゥールは私の手を自分の肩に置いた。
「でっでも………………それは、ちょっと」
「アカリ、俺が一緒に居るのに、どうしてお前が自分で身体を洗う必要があるんだ?」
諦め悪く湯船に戻ろうとすれば、今度はバルドゥールの口調は咎めるものに変ってしまった。そんな彼に勝てるわけもなく............私は、彼の大きな手で体中を洗われることになってしまった。
「…………んっ…………んんっ」
バルドゥールの肩に手を置いていても、膝から下は湯船に使っている。そして、彼の手が動くたびに、私の足が震え、ぱしゃぱしゃと水が跳ねる音を立ててしまう。
バルドゥールは私の身体を洗っている。でも、その大きな手は、私の胸の先端を円を描くように執拗に刺激する。
「アカリ、人ばらいをしているから、声を押さえる必要などない」
「………そんなこと………言われても………あっ、んっ、ああっ」
お風呂というのは、どこの世界でも音が響くもの。そして私は、自分のあられもない声が響いてしまうのが恥ずかしくて必死に唇を噛み締めて堪えている。
けれどバルドゥールは淡々と私の努力を打ち砕くような、そんな酷い言葉を吐く。絶対に頷けるわけがないよいうのに。
無理だという意思を伝える為に首を横に振れば、バルドゥールはにやりと意地の悪い笑みを浮かべて、私の両足を大きく開いてしまった。
「バルドゥールさん、そこはっ」
慌てて足を閉じようとしたけれど、既に私の足の間に彼の顔がある。そして、ぬるりとした刺激が私の花芯を襲った。途端に、びくんと身体が撥ねる。
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そんなことをするの?今日は10日目なんかじゃないのに。
後半の言葉は喘ぎ声に変ってしまい、言葉として発することはできなかった。
けれど私の問い掛けは、バルドゥールにちゃんと伝わったようで、すぐに顔を上げてくれた。ただその答えは、耳を疑うものだった。
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バルドゥールが今していることは、洗うという行為とは程遠いもの。そして私も、入浴という行為からかけ離れた状態になってしまっている。
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ただ、こうなることは予測していたのだろう。バルドゥールは驚く様子もなく、私を軽々と受け止めてくれた。
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そんなことを言いながら、彼は私を抱き直す。そして私を首まで深く湯船に沈めてくれた。
でもそうしているバルドゥールは何だかとても苦しそうだった。まるで何かを堪えているかのよう。
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ということをぼんやりと考えている間に、私はバルドゥールの手によってあっという間に髪も洗われ、ついでに夜着も着せられ、気付けば風呂を後にしていた。
自室に戻るために、バルドゥールは私を抱いて歩いている。なのに、私はふわふわと身体が浮いているような気がする。まだお湯の中に浮かんでいるようだ。
廊下の明かりは薄暗く、等間隔に灯された蝋燭の炎が揺らめいていて、私の取り巻く世界が全部、ふわふわ、ゆらゆらと揺れているよう。
そんなことを考えながら、バルドゥールの歩調にあわせて、うつらうつらし始めていたら────。
「アカリ様、どうされたのですか?」
フィーネの気遣う声で、はっと我に返ってしまった。そして、視線を彼女に移せば、フィーネはまだお仕着せのまま、籠を抱えていた。良く見れば、その中身は私の身体を拭くときに使う白い布だった。
「ああ…………ついつい長湯をして、のぼせてしまったらしい。これは貰っていこう」
しれっとそんなことを言いながら、フィーネから籠を受け取るバルドゥールに思わず睨んでしまう。
のぼせてしまったのは認める。けれど、そうさせたのは他ならぬ彼なのだ。まるで私が勝手にのぼせたかのような発言には、ちょっと物申したい。
でも、フィーネがいるこの場ではさすがに躊躇ってしまう。
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半信半疑の表情を浮かべるカイナだったけれど、結局それ以上追求することはせず、一礼して私達を見送った。
部屋に戻ったバルドゥールは、濡れた私の髪をそれはそれは丁寧に拭いている。
そんなことまでしてもらうのは申し訳ないし、ついさっきまであんな場所でとんでもない淫らなことをした後なので、とても気まずい............というより、気恥ずかしい。できれば一秒でも早く一人になりたいところ。
でもそれより前に私は、これだけは主張しなければならない。
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身体を捻って私の背後にいるバルドゥールを見詰めれば、彼は驚いたように目を丸くした。
「アカリ、何を言っているんだ?この世界では、風呂とはこういうものだ。良く覚えておけ」
「…………違うと思います」
ジト目で睨みながらそう言えば、バルドゥールは声を上げて笑った。でもすぐ、私の耳元に唇を寄せてこう囁いた。
「また入ろう、アカリ」
「はい!?」
素っ頓狂な声を上げて首を横に強く振る。けれど、バルドゥールの瞳は有無を言わせない何かを秘めて、絶対に譲らないと強く物語っていた。
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