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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
★不測の事態と過去の罪③(バルドゥール目線)
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自分を見下ろす男は、凍てつく空気を放ちながら、この国で最も高貴な色とされる深紫の衣装を纏い不遜に笑う。けれど、この男が真っ白な軍服に身を包んでいたことを自分は憶えている。
「…………懐かしい名だ。その名で呼ばれると、若返ったような気がするな」
玉座に頬杖を付いたまま、どこか遠くを見つめる王の表情は、かつて隊長と呼ばれていたもの。自分達と同じ時空の監視者のそれだった。
ただ、王がただの時空の監視者であった頃と今の自分達が置かれている状況は全く違っていた。
当時───遡ること、20年程前。時空の監視者達はデュールシュタン国親衛隊に所属する軍人だった。そして隣国と領地をめぐる小競り合いが続いていた。そんな緊迫した状況で、いつ現れるかわからない異世界の女性の為に、複数人の軍人を遊ばせるほどの余裕はこの国にはなかった。
時空の監視者達は次々と戦場に送られていった。そして、時間を置かずに訃報が届いた。そうして、時空の監視者はフィル元隊長だけになってしまった。
彼が戦場に送られなかった理由はただ一つ。直系ではないが王族の血を引く人間だったから。
そんな明日をも知れない状況の中、堕天の花園に一人の異世界の女性が現れた。
いつの時代でも、異世界の女性は時空の監視者を選ぶ権利はある。けれど、その時はたった一人の異世界の女性と、たった一人の時空の監視者しかいなかった。
選ぶ余地も選ばれる余地もないまま、フィル元隊長は、異世界の女性を保護した、だが…………結果として死なせてしまった。
そしてフィル元隊長は、官職達や軍人達に糾弾された。それはそれは徹底的に。散々、今は戦時中。異世界の女性に現を抜かすなど愚かな行為だと非難していたはずなのに。
しかも追い打ちをかけるように前国王が病に倒れてしまった。いや、実際のところ暗殺───隣国の間者に毒を盛られたのに違いない。前国王が病に倒れたのを皮切りに、王族たちも次々と病に倒れたのだから。そして皮肉なことに王族の血を引くものはフィル隊長だけだけになってしまった。
そしてフィル隊長は、時空の監視者でありながら王となった。
その後、まるで死に場所を探すかのように、周りの静止を振り切り、戦場の前線に立った。疲弊した兵を鼓舞し、自らも剣を取り戦った。国王を象徴する深紫のマントの下は、常に時空の監視者の軍服を纏っていた。
それでも戦況は一向に好転することはなく悪化の一途を辿った。けれど、ここで隣国から予期せぬ申し出があった。
和睦───条件は一つだけ。隣国の第一王女との結婚。
猛々しく戦場の前線に立つ王の姿は、遠く離れた隣国の王都まで届いていた。もちろん王女の元にも。そして王女は、王を望んだ。まるで宝石やドレスをねだるように。それに、両国ともに争い続けることに疲れ果てていたのも事実。これ以上の損害を出すよりは、和睦という形をとった方が、隣国にとっても利があるものだった。
男娼王………そう、フィル元隊長は揶揄された。隣国の者にも、自国の者にも。
そんな嘲りも非難も、フィル元隊長は冷笑で受け流し、和睦を結んだ。そして、リュクスが時空の監視者となるまで、10年以上の年月、この人はたった一人の時空の監視者で居続けた。
異世界の女性を殺し、異国の王女を娶った男。これが齢15で時空の監視者になった自分が持っていた知識の全てだった。
正直言って複雑な気持ちだった。
時空の監視者になったばかりの自分に映るこの男は、既に世継ぎも産まれ、揺るがない王でもあった。そして、隊長を兼任する恐ろしい程美しく気高く、そんな過去があるなど思えない絶対的な支配者に見えた。
あの頃、まだ今の詰所ではなく、王城の一室が時空の監視者に宛がわれた場所で、そこで隊長とリュクスと共に過ごした日々は今も色褪せずにここにある。陽だまりのような穏やかさではなく、常に緊張を強いられる日々。けれど、たった3人しかいない時空の監視者には妙な連帯感があった。
そんな自分の感情を知ってか知らずか、眼前にいる自分の元上司は懐かしそうに口元を綻ばせた。
「皆、健勝か?リュクスは自分で茶を淹れることを覚えたか?他の連中のことは良くわからんが………まさか未だに当直をカードゲームで決めているのか?あれは悪習だ。お前の代で、あれは終わりにしろ。それから────」
「そのようなこと、今話すことではないでしょう」
的外れなことをつらつらと話し始めたフィル元隊長に我慢ができず、思わず遮れば、彼は面白くなさそうに鼻を鳴らした。
「ふっ、お前が仕向けたというのに、随分なことだ」
「そんなこと、仕向けた覚えはございません」
「なら、何を仕向けようとした?答えろ、バル」
「………………あなたが高みの見物をされていることが我慢できなかっただけです。フィル元隊長、こうなったはあなたの責任です。許せの一言で済まされるものではないです」
飾らない本音を口にすれば、王の仮面を脱ぎ捨てたフィル元隊長は、ほんの少しだけ苦い顔をした。
「誰が好き好んで高みの見物などしたいものか。無関係を貫いた方が物事が上手く進むことがあるだけだ。それに、お前達とて、私とは関わり合いたくないだろう?」
自虐的なことを口にするフィル元隊長の言葉は、紛れもなく、この人の本心なのであろう。
けれど、自分には逃げ口上に聞こえてならなかった。だから逃げ去ろうとするこの人の肘を掴むように、核心を付いた問いを投げつけた。
「あなたの心は、今、どこにあるのですか?」
「つまらぬことを聞くな。………………心の置き場所など、とうに消え失せている」
吐き捨てるようにそう呟いた彼の瞳に映るのは、かつて異世界の女性と共に過ごした時間なのだろう。
後で聞いた話だ。フィル隊長は異世界の女性を殺してしまったわけではない。死を望む異世界の女性の望みを叶えただけだった。
そして哀しいことに、異世界の女性は今わの際でこう言ったのだ。『嫌だ、死にたくない』と。
必死に手を伸ばし、フィル隊長に懇願したそうだ。助けてと。そして、フィル隊長は彼女を抱いた。けれど、間に合わなかったのだ。異世界の女性はフィル隊長に抱かれながら息を引き取った。己のものを包み込むそれから熱が消え失せていくさまは、どんなに恐ろしかったであろう。
今ならこの人の苦しみがわかる。痛みも辛さも、遣る瀬無さも。けれど今は、彼の心に寄り添う時ではない。
「フィル元………いえ、今は隊長と呼ばせてください。フィル隊長、あなたは私達にとって、一言では言い表せない憎悪と敬意が入り混じった複雑な存在です」
「だろうな」
吐息のような笑い声が謁見の間に響いた。その声をかき消すように、自分は声を張り上げた。
「あなたは、時空の監視者の地位を確固たるものにしてくれた存在です」
そう、近衛隊から独立させ、一つの部隊としての地位を与えてくれた。時空の監視者は軍人ではあるが、護るのは国ではなく、異世界の女性。そう大々的に宣言してくれた。
だからアカリやルークの元に居るリンという女性を保護できた。何より、この人の過去を聞いていたから、自分を拒み続けるアカリを抱き続けることができた。けれど────。
「ですが、あなたのたった一つの我儘が、何の罪もない異世界の女性を危機にさらしていることも事実です」
この人はたった一つだけ罪を犯した。取り返しのつかない大きな大罪を犯したのだ。
「…………懐かしい名だ。その名で呼ばれると、若返ったような気がするな」
玉座に頬杖を付いたまま、どこか遠くを見つめる王の表情は、かつて隊長と呼ばれていたもの。自分達と同じ時空の監視者のそれだった。
ただ、王がただの時空の監視者であった頃と今の自分達が置かれている状況は全く違っていた。
当時───遡ること、20年程前。時空の監視者達はデュールシュタン国親衛隊に所属する軍人だった。そして隣国と領地をめぐる小競り合いが続いていた。そんな緊迫した状況で、いつ現れるかわからない異世界の女性の為に、複数人の軍人を遊ばせるほどの余裕はこの国にはなかった。
時空の監視者達は次々と戦場に送られていった。そして、時間を置かずに訃報が届いた。そうして、時空の監視者はフィル元隊長だけになってしまった。
彼が戦場に送られなかった理由はただ一つ。直系ではないが王族の血を引く人間だったから。
そんな明日をも知れない状況の中、堕天の花園に一人の異世界の女性が現れた。
いつの時代でも、異世界の女性は時空の監視者を選ぶ権利はある。けれど、その時はたった一人の異世界の女性と、たった一人の時空の監視者しかいなかった。
選ぶ余地も選ばれる余地もないまま、フィル元隊長は、異世界の女性を保護した、だが…………結果として死なせてしまった。
そしてフィル元隊長は、官職達や軍人達に糾弾された。それはそれは徹底的に。散々、今は戦時中。異世界の女性に現を抜かすなど愚かな行為だと非難していたはずなのに。
しかも追い打ちをかけるように前国王が病に倒れてしまった。いや、実際のところ暗殺───隣国の間者に毒を盛られたのに違いない。前国王が病に倒れたのを皮切りに、王族たちも次々と病に倒れたのだから。そして皮肉なことに王族の血を引くものはフィル隊長だけだけになってしまった。
そしてフィル隊長は、時空の監視者でありながら王となった。
その後、まるで死に場所を探すかのように、周りの静止を振り切り、戦場の前線に立った。疲弊した兵を鼓舞し、自らも剣を取り戦った。国王を象徴する深紫のマントの下は、常に時空の監視者の軍服を纏っていた。
それでも戦況は一向に好転することはなく悪化の一途を辿った。けれど、ここで隣国から予期せぬ申し出があった。
和睦───条件は一つだけ。隣国の第一王女との結婚。
猛々しく戦場の前線に立つ王の姿は、遠く離れた隣国の王都まで届いていた。もちろん王女の元にも。そして王女は、王を望んだ。まるで宝石やドレスをねだるように。それに、両国ともに争い続けることに疲れ果てていたのも事実。これ以上の損害を出すよりは、和睦という形をとった方が、隣国にとっても利があるものだった。
男娼王………そう、フィル元隊長は揶揄された。隣国の者にも、自国の者にも。
そんな嘲りも非難も、フィル元隊長は冷笑で受け流し、和睦を結んだ。そして、リュクスが時空の監視者となるまで、10年以上の年月、この人はたった一人の時空の監視者で居続けた。
異世界の女性を殺し、異国の王女を娶った男。これが齢15で時空の監視者になった自分が持っていた知識の全てだった。
正直言って複雑な気持ちだった。
時空の監視者になったばかりの自分に映るこの男は、既に世継ぎも産まれ、揺るがない王でもあった。そして、隊長を兼任する恐ろしい程美しく気高く、そんな過去があるなど思えない絶対的な支配者に見えた。
あの頃、まだ今の詰所ではなく、王城の一室が時空の監視者に宛がわれた場所で、そこで隊長とリュクスと共に過ごした日々は今も色褪せずにここにある。陽だまりのような穏やかさではなく、常に緊張を強いられる日々。けれど、たった3人しかいない時空の監視者には妙な連帯感があった。
そんな自分の感情を知ってか知らずか、眼前にいる自分の元上司は懐かしそうに口元を綻ばせた。
「皆、健勝か?リュクスは自分で茶を淹れることを覚えたか?他の連中のことは良くわからんが………まさか未だに当直をカードゲームで決めているのか?あれは悪習だ。お前の代で、あれは終わりにしろ。それから────」
「そのようなこと、今話すことではないでしょう」
的外れなことをつらつらと話し始めたフィル元隊長に我慢ができず、思わず遮れば、彼は面白くなさそうに鼻を鳴らした。
「ふっ、お前が仕向けたというのに、随分なことだ」
「そんなこと、仕向けた覚えはございません」
「なら、何を仕向けようとした?答えろ、バル」
「………………あなたが高みの見物をされていることが我慢できなかっただけです。フィル元隊長、こうなったはあなたの責任です。許せの一言で済まされるものではないです」
飾らない本音を口にすれば、王の仮面を脱ぎ捨てたフィル元隊長は、ほんの少しだけ苦い顔をした。
「誰が好き好んで高みの見物などしたいものか。無関係を貫いた方が物事が上手く進むことがあるだけだ。それに、お前達とて、私とは関わり合いたくないだろう?」
自虐的なことを口にするフィル元隊長の言葉は、紛れもなく、この人の本心なのであろう。
けれど、自分には逃げ口上に聞こえてならなかった。だから逃げ去ろうとするこの人の肘を掴むように、核心を付いた問いを投げつけた。
「あなたの心は、今、どこにあるのですか?」
「つまらぬことを聞くな。………………心の置き場所など、とうに消え失せている」
吐き捨てるようにそう呟いた彼の瞳に映るのは、かつて異世界の女性と共に過ごした時間なのだろう。
後で聞いた話だ。フィル隊長は異世界の女性を殺してしまったわけではない。死を望む異世界の女性の望みを叶えただけだった。
そして哀しいことに、異世界の女性は今わの際でこう言ったのだ。『嫌だ、死にたくない』と。
必死に手を伸ばし、フィル隊長に懇願したそうだ。助けてと。そして、フィル隊長は彼女を抱いた。けれど、間に合わなかったのだ。異世界の女性はフィル隊長に抱かれながら息を引き取った。己のものを包み込むそれから熱が消え失せていくさまは、どんなに恐ろしかったであろう。
今ならこの人の苦しみがわかる。痛みも辛さも、遣る瀬無さも。けれど今は、彼の心に寄り添う時ではない。
「フィル元………いえ、今は隊長と呼ばせてください。フィル隊長、あなたは私達にとって、一言では言い表せない憎悪と敬意が入り混じった複雑な存在です」
「だろうな」
吐息のような笑い声が謁見の間に響いた。その声をかき消すように、自分は声を張り上げた。
「あなたは、時空の監視者の地位を確固たるものにしてくれた存在です」
そう、近衛隊から独立させ、一つの部隊としての地位を与えてくれた。時空の監視者は軍人ではあるが、護るのは国ではなく、異世界の女性。そう大々的に宣言してくれた。
だからアカリやルークの元に居るリンという女性を保護できた。何より、この人の過去を聞いていたから、自分を拒み続けるアカリを抱き続けることができた。けれど────。
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