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私と司令官さまのすれ違い
鉄格子越しの再開②
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司令官さまは、マーカスが悪どいことをしていると言った。
だから、とっても、とっても、とぉーっても穿った考え方をしてしまうと、私がここに採用されたのは、そういう理由からだったともいえる。
考えたくない。でも、クソうざいくらいピッタリとピースが当てはまってしまう。なるほどねと妙に納得してしまう自分だっている。
思わず、うんうんと頷きたくなる私だけど、司令官さまは、眉間に皺をよせるだけ。
「どういうことだ?」
動揺するそぶりもなく淡々とそんなことを言う司令官さまに、もっと意地の悪い気持ちになってしまう。……違う。そうじゃない。本音の本音は、私は今の言葉を否定して欲しいのだ。
でも、素直にそんなことは言えない私は、わざと煽るようなことを言ってしまう。
「司令官さま、私と初めて会ったのって面接の時じゃないですよね?私が……マーカスから振られた時、そこにいたんですよね?なんで、あんな人気のないところにいたんですか?」
「………………」
司令官さま、何も答えない。つまり、それが答えだった。
落胆を隠すことができない。たったそれだけの事なのに、ひどく傷つく自分が滑稽だ。そんな気持ちを認めたくない私は、再び、問いを重ねてしまった。
「あの時、司令官さまはマーカスを尾行していたんじゃないんですか?そして、振られた私を見て、利用できると思っていたんですよね?」
なんて底意地の悪い質問なんだろう。なんて嫌な言葉を紡いでしまっているのだろう。
自分で口にして吐き気がする。
こんなこと言うつもりじゃなかった。ごめんなさいって、今すぐ謝るべきだ。忘れてくださいって懇願すべきだ。
………そう、頭ではわかっている。わかっているけれど、割り切って考えられるほど、私はできた人間じゃない。
そして、自分の感情をコントロールできるほど、大人でもなかった。子供みたいな感情で、ただ『違う、そうじゃない』という言葉が欲しいだけなのに、それを言ってくれない司令官さまに、ひどく裏切られた気持ちになってしまう。
そして、とうとうこんなことまで言ってしまった。
「私をここに採用したのって、マーカスと繋がりがあると思ったからなんですよね?」
「………違う」
やっと欲しい言葉を貰えたのに、もう遅いと駄々っ子のような気持ちになってしまう。
「嘘つき」
その途端、司令官さまの顔が引き攣った。
そのまま激情に任せて怒鳴られると思った。でも、司令官さまは無言のまま、痛みを堪えるような顔をする。そして、悲しいことに無言は肯定でもある。
「一生懸命口説いてくれてありがとうございました。イケメンに口説かれるなんて、こんなことでもない限り経験することはないですから。私もある意味貴重な体験をさせていただきました。でも、もう、そんな嘘、言わなくてもいいですよ。それに、私、もう用済みだからクビですよね?引継ぎはウィルさんがいるから、私は───」
「シア、いい加減にしろっ。………本気で怒るぞ」
鉄格子を掴み、静かにそう言い放った司令官さまから私は視線を逸らす。
「自分で自分を卑下するようなことを二度と口にするな。それに私は、君を解雇するつもりはない」
怒りを滲ませながら、きっぱりと言い切ってくれた司令官さまの言葉は、本当は怖いはずなのに、とても嬉しい。
でも、もう一人の自分は、とっても素直じゃなくて、そう言わせたのは、あなたじゃないか。そう思わせたのも、あなたなんですよ。と勝手気ままに叫んでくれる。
せめぎ合う感情が今にも爆発しそうで、私は自分の胸をぎゅっと両手で押さえた。
そうすれば、司令官さまは、労わるような口調で私の名を呼ぶ。そして再び口を開く。
「シア、君を採用したのは、そんな理由じゃない。もちろん君のお父上からの推薦状もあった。けれど、君の経歴だって採用する基準を満たしていた。多種多様な業種を経験した君なら、私の秘書を任せられると思ったんだ」
「……本当にそれだけですか?」
「…………………」
なんで、ここで黙ってしまうんだろう。
一番知りたい部分だけを隠されて、どうやって素直になればいいんだろう。できるわけがない。
今、私の心の中は沢山の気持ちが渦巻いている。
私の為に怒ってくれて、心配してくれて、とても嬉しかった気持ち。
突然キスされて驚いて戸惑って、でも、不快じゃない不思議気持ち。
他の女性と一緒に居るのを見てしまい、とても苦しくなった気持ち。
───多分、この持て余すほどの激しい感情の総称を恋というのだろう。
でも、私はそれに気付いたのに……向き合うことから、逃げてしまった。
恋なんて二度としないという勝手に自分を縛った言葉を言い訳にして、誤魔化してしまった。
そして大事なことから目を逸らしてしまった私は、更にズルくて卑怯なこと───司令官さまに、軽蔑してもらおうと思ってしてしまった。
「司令官さま、この際だから言っておきますけれど、私、マーカスのこと忘れるつもりはないですよ」
ベッドから降りて、きちんと背筋を伸ばして。きっととても醜い顔をして、そう言った。
「それに、失恋したことも、こんなことになってしまったことも、可愛そうだと同情されたくもないです。……辛いとか苦しいっていうのは、私だけの気持ちだから、司令官さまにとやかく言われたくないんですよ」
「…………迷惑だったのか?」
絞り出すようなその言葉に私はゆっくりと頷いた。
「ええ、そうです。私はずっとずっとマーカスのことを想ってつらい気持ちでいたいんです。そして10年後とか20年後まで恋もしない結婚もしない私を見て、どんなに私がマーカスのことを好きだったか思い知って欲しかったんですっ。そして言ってやりたかったんですよ。あなたは遊びだったのかもしれないけれど、私は本気だったって」
「そんな意味のないことは、やめるべきだ」
ここにきて、そんな正論を口にする司令官さまに、私は眉を吊り上げた。そして、乾いた笑い声が出た。
「ははっ……まだ、そんなこと言うんですか?」
言ったそばから、今度は本気の笑いが出た。
「あはっ、あははっははっ。そうですよね。完璧な司令官さまから見たら、私なんて、みっともない哀れな小娘にしか見えませんよね?でも、マーカスを好きだったこの気持と時間は、何の取り柄もない私のたった一つの宝物だったんですよ」
今まで誰にも言ってなかった心の一番底にあった気持ちを吐き出して、感情が高ぶって、冷静じゃいられなくて、気付けば私は鉄格子の前に来ていた。
そして、そのままそれを握って、全身でこう叫んだ。
「もう出ていってくださいっ」
「シア、落ち着け。君は今、すごく動揺している。温かい飲み物を用意するから、少し待っていなさい」
「要りませんっ。司令官さまが出て行ってくれたら、私は落ち着きますっ」
そう言って背中を押して、追い出すことができるなら、今すぐそうしていただろう。
でも、ここは牢屋。そして私は鉄格子の中にいる。だから、司令官さまの意志で出て行ってもらわなければ、私はどうすることもできない。
………なんてことを思う必要なんてなかった。
「わかった。君の気持ちを優先させよう。ただ、これだけは言っておく。私は一度も君を利用としたことはない。………明日、それを証明しよう」
司令官さまは、そう言ってあっさりと背を向けた。
「まっ、待ってください」
堪らない気持ちで呼びかければ、司令官さまはぴたりと足を止め、振り向いてくれた。
「………薬膳茶………執務室の窓側の棚の一番上の引き出しにあります。……良かったら、飲んでください」
司令官さまは少しだけ笑って、わかったと頷いた。でも、今度は振り向くことなく本当に去って行った。
だから、とっても、とっても、とぉーっても穿った考え方をしてしまうと、私がここに採用されたのは、そういう理由からだったともいえる。
考えたくない。でも、クソうざいくらいピッタリとピースが当てはまってしまう。なるほどねと妙に納得してしまう自分だっている。
思わず、うんうんと頷きたくなる私だけど、司令官さまは、眉間に皺をよせるだけ。
「どういうことだ?」
動揺するそぶりもなく淡々とそんなことを言う司令官さまに、もっと意地の悪い気持ちになってしまう。……違う。そうじゃない。本音の本音は、私は今の言葉を否定して欲しいのだ。
でも、素直にそんなことは言えない私は、わざと煽るようなことを言ってしまう。
「司令官さま、私と初めて会ったのって面接の時じゃないですよね?私が……マーカスから振られた時、そこにいたんですよね?なんで、あんな人気のないところにいたんですか?」
「………………」
司令官さま、何も答えない。つまり、それが答えだった。
落胆を隠すことができない。たったそれだけの事なのに、ひどく傷つく自分が滑稽だ。そんな気持ちを認めたくない私は、再び、問いを重ねてしまった。
「あの時、司令官さまはマーカスを尾行していたんじゃないんですか?そして、振られた私を見て、利用できると思っていたんですよね?」
なんて底意地の悪い質問なんだろう。なんて嫌な言葉を紡いでしまっているのだろう。
自分で口にして吐き気がする。
こんなこと言うつもりじゃなかった。ごめんなさいって、今すぐ謝るべきだ。忘れてくださいって懇願すべきだ。
………そう、頭ではわかっている。わかっているけれど、割り切って考えられるほど、私はできた人間じゃない。
そして、自分の感情をコントロールできるほど、大人でもなかった。子供みたいな感情で、ただ『違う、そうじゃない』という言葉が欲しいだけなのに、それを言ってくれない司令官さまに、ひどく裏切られた気持ちになってしまう。
そして、とうとうこんなことまで言ってしまった。
「私をここに採用したのって、マーカスと繋がりがあると思ったからなんですよね?」
「………違う」
やっと欲しい言葉を貰えたのに、もう遅いと駄々っ子のような気持ちになってしまう。
「嘘つき」
その途端、司令官さまの顔が引き攣った。
そのまま激情に任せて怒鳴られると思った。でも、司令官さまは無言のまま、痛みを堪えるような顔をする。そして、悲しいことに無言は肯定でもある。
「一生懸命口説いてくれてありがとうございました。イケメンに口説かれるなんて、こんなことでもない限り経験することはないですから。私もある意味貴重な体験をさせていただきました。でも、もう、そんな嘘、言わなくてもいいですよ。それに、私、もう用済みだからクビですよね?引継ぎはウィルさんがいるから、私は───」
「シア、いい加減にしろっ。………本気で怒るぞ」
鉄格子を掴み、静かにそう言い放った司令官さまから私は視線を逸らす。
「自分で自分を卑下するようなことを二度と口にするな。それに私は、君を解雇するつもりはない」
怒りを滲ませながら、きっぱりと言い切ってくれた司令官さまの言葉は、本当は怖いはずなのに、とても嬉しい。
でも、もう一人の自分は、とっても素直じゃなくて、そう言わせたのは、あなたじゃないか。そう思わせたのも、あなたなんですよ。と勝手気ままに叫んでくれる。
せめぎ合う感情が今にも爆発しそうで、私は自分の胸をぎゅっと両手で押さえた。
そうすれば、司令官さまは、労わるような口調で私の名を呼ぶ。そして再び口を開く。
「シア、君を採用したのは、そんな理由じゃない。もちろん君のお父上からの推薦状もあった。けれど、君の経歴だって採用する基準を満たしていた。多種多様な業種を経験した君なら、私の秘書を任せられると思ったんだ」
「……本当にそれだけですか?」
「…………………」
なんで、ここで黙ってしまうんだろう。
一番知りたい部分だけを隠されて、どうやって素直になればいいんだろう。できるわけがない。
今、私の心の中は沢山の気持ちが渦巻いている。
私の為に怒ってくれて、心配してくれて、とても嬉しかった気持ち。
突然キスされて驚いて戸惑って、でも、不快じゃない不思議気持ち。
他の女性と一緒に居るのを見てしまい、とても苦しくなった気持ち。
───多分、この持て余すほどの激しい感情の総称を恋というのだろう。
でも、私はそれに気付いたのに……向き合うことから、逃げてしまった。
恋なんて二度としないという勝手に自分を縛った言葉を言い訳にして、誤魔化してしまった。
そして大事なことから目を逸らしてしまった私は、更にズルくて卑怯なこと───司令官さまに、軽蔑してもらおうと思ってしてしまった。
「司令官さま、この際だから言っておきますけれど、私、マーカスのこと忘れるつもりはないですよ」
ベッドから降りて、きちんと背筋を伸ばして。きっととても醜い顔をして、そう言った。
「それに、失恋したことも、こんなことになってしまったことも、可愛そうだと同情されたくもないです。……辛いとか苦しいっていうのは、私だけの気持ちだから、司令官さまにとやかく言われたくないんですよ」
「…………迷惑だったのか?」
絞り出すようなその言葉に私はゆっくりと頷いた。
「ええ、そうです。私はずっとずっとマーカスのことを想ってつらい気持ちでいたいんです。そして10年後とか20年後まで恋もしない結婚もしない私を見て、どんなに私がマーカスのことを好きだったか思い知って欲しかったんですっ。そして言ってやりたかったんですよ。あなたは遊びだったのかもしれないけれど、私は本気だったって」
「そんな意味のないことは、やめるべきだ」
ここにきて、そんな正論を口にする司令官さまに、私は眉を吊り上げた。そして、乾いた笑い声が出た。
「ははっ……まだ、そんなこと言うんですか?」
言ったそばから、今度は本気の笑いが出た。
「あはっ、あははっははっ。そうですよね。完璧な司令官さまから見たら、私なんて、みっともない哀れな小娘にしか見えませんよね?でも、マーカスを好きだったこの気持と時間は、何の取り柄もない私のたった一つの宝物だったんですよ」
今まで誰にも言ってなかった心の一番底にあった気持ちを吐き出して、感情が高ぶって、冷静じゃいられなくて、気付けば私は鉄格子の前に来ていた。
そして、そのままそれを握って、全身でこう叫んだ。
「もう出ていってくださいっ」
「シア、落ち着け。君は今、すごく動揺している。温かい飲み物を用意するから、少し待っていなさい」
「要りませんっ。司令官さまが出て行ってくれたら、私は落ち着きますっ」
そう言って背中を押して、追い出すことができるなら、今すぐそうしていただろう。
でも、ここは牢屋。そして私は鉄格子の中にいる。だから、司令官さまの意志で出て行ってもらわなければ、私はどうすることもできない。
………なんてことを思う必要なんてなかった。
「わかった。君の気持ちを優先させよう。ただ、これだけは言っておく。私は一度も君を利用としたことはない。………明日、それを証明しよう」
司令官さまは、そう言ってあっさりと背を向けた。
「まっ、待ってください」
堪らない気持ちで呼びかければ、司令官さまはぴたりと足を止め、振り向いてくれた。
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