不思議なショートストーリーたち

フジーニー

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厨二病ランキング

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俺の名前は黒崎零夜(くろさき・れいや)
……本名は佐藤太郎だけど、そんな平凡な響きはもう封印した。

中学2年の冬、俺はついに「覚醒」した。  
右目に宿る邪王真眼が疼き始めた瞬間、世界の理が歪み、  
俺は選ばれし闇の使徒だと確信した。

それからというもの、  
俺は毎日、学校の屋上でマント(実際は体育館の黒いカーテン)を翻し、  
虚空に向かって咆哮を上げる。

「愚かなる光の眷属どもよ……この俺が、終焉の調べを奏でてやろう……!」

……誰も見てないけど。

でも、俺は知っている。  
この世界には、同じ病に侵された者たちがいる。  
そして、彼らこそが、真のライバルであり、同志だ。

だから俺は決めた。  
「厨二病ランキング」を作成する。  
俺の主観で、完全に俺基準で、  
厨二病度の頂点を決める。

─────────────────

**厨二病ランキング トップ10**

**10位:ライト厨二(入門者レベル)**  
・「俺、実はちょっと変わってるんだよね……」  
・黒いTシャツにドクロプリント  
・Twitterのプロフに「闇を愛する者」  
→ まだ自覚が薄い。黒歴史確定コースの入り口。

**9位:ポエム厨二**  
・ノートに「漆黒の夜に溶けゆく魂……」みたいな短歌  
・LINEの名前を「†堕天使†零」  
・雨の日に窓辺で物思いに耽る  
→ 言葉の暴力が始まってる。危険水域。

**8位:必殺技厨二**  
・ビニ傘を剣に見立てて「絶・闇滅閃!」  
・体育の授業で「これが俺の全力だ……!」と奇声  
・指パッチンで「爆ぜろリアル!」  
→ 小鳥遊六花を崇拝しすぎ。感染力高め。

**7位:眼帯厨二**  
・理由もなく右目に眼帯  
・「この目は封印されてるんだ……」  
・実際はただのコンタクトの乾燥  
→ 視力0.3以下確定。黒歴史の象徴アイテム。

**6位:包帯厨二**  
・腕にぐるぐる包帯  
・「これ以上暴走したら……世界が終わる」  
・実際は昨日転んで擦りむいただけ  
→ 包帯の消費量が異常。親が心配するレベル。

**5位:設定厨二(重症)**  
・自分だけの世界観を100ページノートに  
・「俺は実は古代の竜の末裔で……」  
・家系図まで作ってる  
→ ここまで来ると才能。ライトノベル投稿待ったなし。

**4位:DQN系厨二(暴走型)**  
・「俺、喧嘩強ぇから……」  
・指ぬきグローブ+シルバーアクセ過多  
・実際は弱いのにイキってる  
→ リアルで殴られると即ログアウト。

**3位:サブカル厨二(上級)**  
・「メジャーはクソ。俺はアンダーグラウンドしか認めねぇ」  
・誰も知らないマイナー海外バンドのTシャツ  
・「お前らにはわかんねぇよな……」  
→ 他人を見下す厨二。精神的優位性を求める病。

**2位:こじらせ永続厨二**  
・もう社会人なのに「我が名は……」  
・会社の飲み会で「エル・プサイ・コングルゥ」  
・上司に「狂気のマッドサイエンティスト」と名乗る  
→ 治癒不可能。黒歴史が人生になる。

**1位:俺(黒崎零夜)**  
……って、思ってた。

でも、ある日。  
屋上でいつものように虚空に叫んでたら、  
隣のクラスの地味子が、  
ため息混じりに一言。

「……佐藤くん、まだやってんの?」

俺の邪王真眼が、一瞬、普通の右目に戻った。

彼女は昔、俺がノートに書いた「終焉の黙示録」の設定を、  
全部読んで笑ってた子だった。

「……お前、覚えてたのかよ」

「忘れるわけないじゃん。  
 超面白かったもん」

その瞬間、  
俺の中で何かが、静かに砕けた。

ランキング1位は、  
結局、  
「過去の自分を笑えるやつ」  
だったのかもしれない。

─────────────────

今でも時々、  
雨の日に窓辺でポエムを呟きたくなる。  
でも、スマホを取り出して、  
昔のノートを写真で撮って、  
「黒歴史供養」とタグ付けして投稿する。

それで十分だ。

だって、  
厨二病は、  
「病」なんかじゃなくて、  
ただの「青春の味」  
なんだから。

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