34 / 53
なぜ猫は犬に進化したのか
しおりを挟む
太古の昔、約5000万年前の更新世あたり。
まだ哺乳類が「どっちに進化しようかな~」と迷っていた時代のことだ。
森の高い木の上で暮らすミアキスという、イタチっぽい先祖たちがいた。
みんな木の枝をピョンピョン跳び回り、鳥の巣から卵をパクパク、夜は葉っぱの上で丸まって寝る。
超快適インドア生活。
そんな中、二匹のミアキスが運命の分岐点を迎えた。
ミアキスA(後の猫先祖・通称:クロ先輩)
「俺、絶対木から降りねえ。
ここ日陰で涼しいし、落ち葉ベッドふかふかだし、爪研ぎ放題だし、
何より人間みたいなデカい奴に見つからなくて済む。最高じゃん」
ミアキスB(後の犬先祖・通称:ワンコ先輩)
「は? 外の世界広すぎだろ!
草原走り回って風感じて、仲間と群れて狩りして、
夜は遠吠えでストレス発散!
あれこそ真の自由だぜ!」
二人は大ゲンカ。
木の上で取っ組み合い。
A「インドアこそ至高!」
B「アウトドアこそ人生!」
結局、ミアキスたちは完全に分裂した。
Aグループ → 爪を研ぎまくり、瞬発力特化、単独行動、木の上生活 → 猫ルート
Bグループ → 持久力特化、群れで協力、尻尾フリフリ、地面生活 → 犬ルート
……のはずだった。
ところが、数千万年後。
人類が農耕を始め、穀物倉庫ができた頃。
リビアヤマネコ(猫の直系祖先)が、ネズミ退治要員として人間の家に住み着き始めた。
その中の一匹、名前をクロ(当代のクロ先輩)と呼ぼう。
クロは毎晩、ネズミを10匹も捕まえては、
人間の前にドヤ顔で置いてくる。
人間の反応はいつもこれ。
「わー、すごいね! また獲物持ってきたの? えらいえらい~」
→ 頭を軽く撫でて終了。
一方、同じ家で飼われている犬(名:ポチ)は、
「お手」「お座り」「伏せ」をするだけで、
「おお~いい子! よしよしよし~!!」
おやつ3個。
散歩で外連れ出してもらえる。
夜はベッドの横で丸まって寝る特等席。
クロ、観察を続ける。
ある夜、ポチが人間の膝の上で爆睡しているのを見て、
クロは衝撃を受けた。
「待てよ……
俺、毎日命がけでネズミ狩ってるのに、
評価は『えらいね』で終わり。
あいつはただ尻尾振って『ワン!』って言うだけで、
おやつ3個+膝上独占権……?
これ、進化の方向、完全に間違ってね?」
クロは一晩中考えた。
そして、歴史を変える決断をした。
翌朝、クロは人類史上初の「スリスリ作戦」を実行。
人間の足元に体を擦りつけ、
ゴロゴロ喉を鳴らし、
尻尾をピンと立てて「にゃ~ん」と甘えた声を出した。
人間の反応、爆発。
「うわあああ! クロちゃん、今日は甘えてる~!! かわいいいいい!!」
→ 即座に抱き上げられ、頭ナデナデ30分コース。
おやつ2個追加。
膝の上に招待される。
その日からクロの生活は激変。
狩り回数は半減したが、
幸福度(人間からの撫で回数×おやつ個数)は3.7倍に跳ね上がった。
他の猫たちも次々に気づき始めた。
「スリスリ作戦」
「膝上占領戦術」
「夜中突然ダッシュ→急停止(人間をビビらせて注目を集める)」
「箱があれば入る(人間の『かわいい』スイッチを強制発動)」
「寝てるふりからの急襲ハグ」
こうして猫たちは、
「待ち伏せ型ハンター」から
「膝上型ハンター」へと大進化を遂げた。
一方、犬陣営は危機感を覚えた。
ポチ(犬リーダー)
「最近、猫が俺たちのポジション食ってるぞ……
尻尾振って媚び売ってるだけなのに、
人間、めっちゃ喜んでるじゃん……
俺たちもスリスリするか?」
犬たち、試しに全力スリスリ。
結果:人間が「痛い痛い! 重い重い!」と転倒。
家具が倒れる。
大惨事。
犬リーダー、ため息。
「……やめとこう。
俺たちは俺たちの道を行く」
だから今でも、
猫は人間の膝の上でドヤ顔で丸まっている。
犬は「え? 俺も乗っていいですか……?」と遠慮がちに尻尾を振っている。
進化の歴史は本当に残酷で笑える。
結論。
猫は犬に進化したんじゃない。
犬が独占していた『人間の愛情リソース』を、
猫が華麗に横取りしただけだ。
そして今、猫たちは思う。
「狩り? めんどくさい。
膝の上の方がコスパ最強」
これが、
猫が「犬ポジション」を一部乗っ取った、
人類史上最もずる賢い進化の物語である。
まだ哺乳類が「どっちに進化しようかな~」と迷っていた時代のことだ。
森の高い木の上で暮らすミアキスという、イタチっぽい先祖たちがいた。
みんな木の枝をピョンピョン跳び回り、鳥の巣から卵をパクパク、夜は葉っぱの上で丸まって寝る。
超快適インドア生活。
そんな中、二匹のミアキスが運命の分岐点を迎えた。
ミアキスA(後の猫先祖・通称:クロ先輩)
「俺、絶対木から降りねえ。
ここ日陰で涼しいし、落ち葉ベッドふかふかだし、爪研ぎ放題だし、
何より人間みたいなデカい奴に見つからなくて済む。最高じゃん」
ミアキスB(後の犬先祖・通称:ワンコ先輩)
「は? 外の世界広すぎだろ!
草原走り回って風感じて、仲間と群れて狩りして、
夜は遠吠えでストレス発散!
あれこそ真の自由だぜ!」
二人は大ゲンカ。
木の上で取っ組み合い。
A「インドアこそ至高!」
B「アウトドアこそ人生!」
結局、ミアキスたちは完全に分裂した。
Aグループ → 爪を研ぎまくり、瞬発力特化、単独行動、木の上生活 → 猫ルート
Bグループ → 持久力特化、群れで協力、尻尾フリフリ、地面生活 → 犬ルート
……のはずだった。
ところが、数千万年後。
人類が農耕を始め、穀物倉庫ができた頃。
リビアヤマネコ(猫の直系祖先)が、ネズミ退治要員として人間の家に住み着き始めた。
その中の一匹、名前をクロ(当代のクロ先輩)と呼ぼう。
クロは毎晩、ネズミを10匹も捕まえては、
人間の前にドヤ顔で置いてくる。
人間の反応はいつもこれ。
「わー、すごいね! また獲物持ってきたの? えらいえらい~」
→ 頭を軽く撫でて終了。
一方、同じ家で飼われている犬(名:ポチ)は、
「お手」「お座り」「伏せ」をするだけで、
「おお~いい子! よしよしよし~!!」
おやつ3個。
散歩で外連れ出してもらえる。
夜はベッドの横で丸まって寝る特等席。
クロ、観察を続ける。
ある夜、ポチが人間の膝の上で爆睡しているのを見て、
クロは衝撃を受けた。
「待てよ……
俺、毎日命がけでネズミ狩ってるのに、
評価は『えらいね』で終わり。
あいつはただ尻尾振って『ワン!』って言うだけで、
おやつ3個+膝上独占権……?
これ、進化の方向、完全に間違ってね?」
クロは一晩中考えた。
そして、歴史を変える決断をした。
翌朝、クロは人類史上初の「スリスリ作戦」を実行。
人間の足元に体を擦りつけ、
ゴロゴロ喉を鳴らし、
尻尾をピンと立てて「にゃ~ん」と甘えた声を出した。
人間の反応、爆発。
「うわあああ! クロちゃん、今日は甘えてる~!! かわいいいいい!!」
→ 即座に抱き上げられ、頭ナデナデ30分コース。
おやつ2個追加。
膝の上に招待される。
その日からクロの生活は激変。
狩り回数は半減したが、
幸福度(人間からの撫で回数×おやつ個数)は3.7倍に跳ね上がった。
他の猫たちも次々に気づき始めた。
「スリスリ作戦」
「膝上占領戦術」
「夜中突然ダッシュ→急停止(人間をビビらせて注目を集める)」
「箱があれば入る(人間の『かわいい』スイッチを強制発動)」
「寝てるふりからの急襲ハグ」
こうして猫たちは、
「待ち伏せ型ハンター」から
「膝上型ハンター」へと大進化を遂げた。
一方、犬陣営は危機感を覚えた。
ポチ(犬リーダー)
「最近、猫が俺たちのポジション食ってるぞ……
尻尾振って媚び売ってるだけなのに、
人間、めっちゃ喜んでるじゃん……
俺たちもスリスリするか?」
犬たち、試しに全力スリスリ。
結果:人間が「痛い痛い! 重い重い!」と転倒。
家具が倒れる。
大惨事。
犬リーダー、ため息。
「……やめとこう。
俺たちは俺たちの道を行く」
だから今でも、
猫は人間の膝の上でドヤ顔で丸まっている。
犬は「え? 俺も乗っていいですか……?」と遠慮がちに尻尾を振っている。
進化の歴史は本当に残酷で笑える。
結論。
猫は犬に進化したんじゃない。
犬が独占していた『人間の愛情リソース』を、
猫が華麗に横取りしただけだ。
そして今、猫たちは思う。
「狩り? めんどくさい。
膝の上の方がコスパ最強」
これが、
猫が「犬ポジション」を一部乗っ取った、
人類史上最もずる賢い進化の物語である。
12
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる