不思議なショートストーリーたち

フジーニー

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トメ子86歳!喧嘩上等!

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近所のスーパー「フレッシュマート」で、毎週火曜日は「シニア割引デー」
85歳以上は全品5%オフ、86歳以上はさらにポイント3倍。  
だからトメ子(86歳)は、毎週火曜の朝イチで店に突撃する。  
今日もカゴに山盛りだ。  
納豆3パック、豆腐2丁、キャベツ1玉、特売の鶏もも肉1kg、そしてなぜか「特大サイズの唐辛子チューブ」

レジに並ぶと、前のおばちゃん(たぶん80歳くらい)が店員に文句を言ってる。

「この納豆、賞味期限があと3日しかないじゃないの! 交換して!」

店員の若いバイト君、困り果てて「すみません、在庫が……」と頭を下げる。

トメ子は後ろから一喝。

「おいおい、嬢ちゃん。賞味期限3日残ってりゃ上等だろ。  
私なんか人生の賞味期限あと何日か分かんねぇんだからよ!」

周りがシーンとなる。

おばちゃんが振り返って睨む。

「あなたに言われたくないわよ! あんたこそ、いつもカゴに山積みにして若い人に迷惑かけてるじゃない!」

トメ子、ニヤリ。

「迷惑? ふん。  
86歳の私が元気で買い物に来てるってことは、この街がまだ平和だって証拠だろ。  
文句あるなら、直接言いに来な!」

おばちゃん、顔を真っ赤にして「このババア!」と叫ぶ。

ここでトメ子、満を持して宣言。

「喧嘩上等!  
かかってきな、婆さん!」

店内が一瞬凍りつく。  
バイト君が「え、えっと……お客様……」と青ざめる。

しかし、次の瞬間――

トメ子が素早くカゴから「特大唐辛子チューブ」を取り出し、蓋をパカッと開ける。  
そして、おばちゃんに向かって……チュッ!

いや、チューブを絞っただけなのに、なぜか唐辛子ミストが噴射!  
店内の空気が一瞬で地獄の激辛空間に!

おばちゃん「ひぃぃぃっ! 目が! 目がぁぁ!」  
周りの客「うわっ辛っ!」「鼻が!」「誰だこれ!」  
バイト君、涙目で「消防署に……通報を……」

トメ子だけは平然。  
鼻つまんで深呼吸しながら、ドヤ顔。

「これが86歳の『辛え人生』の味だ!  
文句あるなら、次はわさびチューブでいくぞ!」

結局、店長が飛んできて大謝罪。  
トメ子は「まぁいいよ、今日はこれで許してやる」と、ポイント3倍のレシートを握りしめて悠々と退店。

外に出ると、近所の爺さん(88歳)がベンチで待ってた。

「トメ子、またやったのかい?」

「当たり前だろ。  
今日も街の平和を守ってきたぜ」

爺さん、ため息。

「平和じゃねぇよ……スーパーが戦場になってる……」

トメ子、笑いながら肩を叩く。

「心配すんな。  
86歳の私がいる限り、この街は絶対に退屈しねぇからな!  
次は薬局のポイントデーで暴れるか!」

爺さん「やめろぉぉ……」

こうして、トメ子86歳の「喧嘩上等」伝説は、今日も続くのであった。

――スーパーの前で、誰かが呟いた。

「…あの人、実は元ヤクザの姐さんだったってマジ?」

トメ子(遠くから)「おい、今の聞こえたぞ! かかってきな!」
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