116 / 137
115話 大切なもの
しおりを挟む
僕にとって大切なもの。
それは、ユナやユナの家族、アトラト学園の生徒会だ。
それらを守るためにはどうしたらいいだろうか。
とりあえずは、情報が必要である。
「もう少ししっかり考えてみるよ。図書館に行ってくる」
母親はそれを引き止めようとはしない。
ただ、静かに「わかった。いってらっしゃい」とだけ言ったのだった。
図書館に来た理由は二つある。
一つは、上流貴族とは何なのだろうという資料と歴史。
もう一つは、無属性魔法に関する深い知識が欲しかった。
無我夢中で上流貴族の歴史に関する本を読み漁っていく。
ひらがなと漢字でつづられた本はやはりカタカナだけの一般文字とは読めるスピードが違う。
言葉の一つ一つを丁寧にしまいこむように覚えていき、偏らないように組み立てていった。
_____そもそも、上流貴族の祖先は勇者が国を作り上げたときの四英傑、そして勇者の子孫が最終的に権力を持ち始めた。
勇者の子孫は上流貴族第一位となり、四英傑の子孫たちはそれぞれ第二から五位となっている。
また、その過程で貴族同士の戦乱や市民らによる暴動などを受け、上流貴族は現在の形へとおさまっていった。
「アルフェ・ミトラス・アトラト・セリーナ・バレイヤ」
この五人が上流貴族の祖先と言われていて、この国の五柱の神としても知られている。
そして、この五人に共通して言えることがあったのだ。
「それぞれ、無属性魔法を作った人物である」
ということ。
そして、彼らが作った五種類の無属性魔法は今でも上流貴族それぞれの家に受け継がれている。
おとぎ話のように思えた話はあながち嘘ではなかったのかもしれない。
少なくとも、ただ上流貴族だったわけではないことは分かる。
そして、二百年ほどに一回の周期で五つの家の子供が同じ年に生まれることがある。
その中でも千年前ほどの事変は珍しいらしい。
その時にも、上流貴族の五つの家は同じ年に生まれた子供がいた。
ちょうど市民からの暴動が強くなり、上流貴族の地位は揺らいでいた時期だった。
その時に旅に出ていた人は自宅へ帰ろうとするとその事実にあぜんとした。
「帰る家、いや、都市そのものが何かにえぐられたかのように更地になってしまっている」
それを読んだとき、僕はその話を聞いたことがあったような気がしたのだ。
『千年前に使われなくなった遺跡があったんだけどね……』
無属性魔法大全をハルカさんからもらったときに聞いていたはずだ。
もしかすると、その遺跡は海底に沈んだのではなく、海底に移動させられたのではないだろうか?
もしも、この推測が本当に起こったとするのならば……。
とんでもないことが起こるかもしれない。
_____上流貴族がこれからどうなっていくのかは、決してわからない。
それは、これから先にこれ以上の事が起きるかもしれない、と言っているようにもみえた。
それは、ユナやユナの家族、アトラト学園の生徒会だ。
それらを守るためにはどうしたらいいだろうか。
とりあえずは、情報が必要である。
「もう少ししっかり考えてみるよ。図書館に行ってくる」
母親はそれを引き止めようとはしない。
ただ、静かに「わかった。いってらっしゃい」とだけ言ったのだった。
図書館に来た理由は二つある。
一つは、上流貴族とは何なのだろうという資料と歴史。
もう一つは、無属性魔法に関する深い知識が欲しかった。
無我夢中で上流貴族の歴史に関する本を読み漁っていく。
ひらがなと漢字でつづられた本はやはりカタカナだけの一般文字とは読めるスピードが違う。
言葉の一つ一つを丁寧にしまいこむように覚えていき、偏らないように組み立てていった。
_____そもそも、上流貴族の祖先は勇者が国を作り上げたときの四英傑、そして勇者の子孫が最終的に権力を持ち始めた。
勇者の子孫は上流貴族第一位となり、四英傑の子孫たちはそれぞれ第二から五位となっている。
また、その過程で貴族同士の戦乱や市民らによる暴動などを受け、上流貴族は現在の形へとおさまっていった。
「アルフェ・ミトラス・アトラト・セリーナ・バレイヤ」
この五人が上流貴族の祖先と言われていて、この国の五柱の神としても知られている。
そして、この五人に共通して言えることがあったのだ。
「それぞれ、無属性魔法を作った人物である」
ということ。
そして、彼らが作った五種類の無属性魔法は今でも上流貴族それぞれの家に受け継がれている。
おとぎ話のように思えた話はあながち嘘ではなかったのかもしれない。
少なくとも、ただ上流貴族だったわけではないことは分かる。
そして、二百年ほどに一回の周期で五つの家の子供が同じ年に生まれることがある。
その中でも千年前ほどの事変は珍しいらしい。
その時にも、上流貴族の五つの家は同じ年に生まれた子供がいた。
ちょうど市民からの暴動が強くなり、上流貴族の地位は揺らいでいた時期だった。
その時に旅に出ていた人は自宅へ帰ろうとするとその事実にあぜんとした。
「帰る家、いや、都市そのものが何かにえぐられたかのように更地になってしまっている」
それを読んだとき、僕はその話を聞いたことがあったような気がしたのだ。
『千年前に使われなくなった遺跡があったんだけどね……』
無属性魔法大全をハルカさんからもらったときに聞いていたはずだ。
もしかすると、その遺跡は海底に沈んだのではなく、海底に移動させられたのではないだろうか?
もしも、この推測が本当に起こったとするのならば……。
とんでもないことが起こるかもしれない。
_____上流貴族がこれからどうなっていくのかは、決してわからない。
それは、これから先にこれ以上の事が起きるかもしれない、と言っているようにもみえた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる