空から来た少年

ジャム

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本編

ハワイ旅行・六日目 噛み跡

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次の日
白夜「明日には帰るのか・・・」

「そうだね・・・楽しかった!」

瞳「私はもっと居たい!」

光「俺はもう帰りたい・・・」

豹谷父「光~?なんでだ?」

光「四六時中誰かといると疲れる。部屋でゲームしたい」

豹谷母「ゲームもいいけど、勉強もやるんだよ?宿題やってないんだから」

瞳「・・・」

光「・・・」

白夜「・・・」

「・・・」

僕たちは宿題と聞きなにも言わなくなった

豹谷父「黙秘かw」

しばらくの沈黙の後

白夜「折角旅行に来てるのに宿題の話はやめようw」

光「そ、そうだよね!あと二日間!全力で楽しもう!」

瞳「うん!!」

豹谷母「もうw」

そして朝食を済ませ海に来た

白夜「悠斗!今日はしっかり日焼け止め塗ろうな!」

「うん!」

僕はビーチチェアに座り白夜に背中に塗ってもらった

白夜「日焼け止めって変な匂いだよなw」

「そう?」

白夜「なんか・・・ツーンとするw・・・終わりっと!はい!前を向いて!」

僕が向きを変えると足から塗ってくれた

「じ、自分でやるよ」

白夜「いえいえwお客様はそのままでお願いしますw私がやらせていただきますw」

そういい身体中に塗ってくれた

白夜「これで大丈夫かな?」

「うんwありがとうw」

白夜「おう!」

しばらくビーチチェアに座って日焼け止めを身体に馴染ませていた

白夜「飲み物持ってくるな!」

「うん!」

白夜は露店に向かって行った
僕は空をみた

「いい天気・・・」

今日もいい天気だ
暑いけど吹く風はとても気持ちよく肌を撫でる

狼「へい!兄ちゃん!」

空を見ていた時、僕の視界に知らない狼獣人が入ってきた

狼「よかったら俺と遊ば・・・」

「結構です」

狼獣人が話している途中でお断りした
こういうのはさっさと断るのが一番だ

虎「いいじゃん!遊ぼうよ!」

今度は虎獣人が話しかけてきた
どうやら、この狼獣人とお友達みたいだ

「結構です。連れがいますので」

狼「でも、今いないってことはどこかに行ってるんだろう?なら、その間だけでも遊ぼうよ!」

「すぐに戻ってきますので」

虎「・・・その連れって・・・本物?」

「???」

どういう意味?

狼「・・・噛み跡ないし・・・つがい・・・ではないよな?」

噛み跡?
なにそれ
どういうこと?

「あの・・・どういう意味ですか?」

狼「・・・なにも知らないのか?wまぁ人間って生き物は獣人に関してあまり知らないらしいよなw」

そういうと僕の足を触ってきた
僕はその手を払った

「や、やめてください」

虎「どうせ一人でナンパ待ちだったんだろう?駆け引きして俺たちを試してるだけだろう?」

「え?ち、違いますよ!」

狼「そうだったのかwなら、素直になれよw」

そういい僕の腕を掴み引き寄せると抱きしめてきた

「っ!?離して!」

僕は暴れたが耳元で

狼「俺がお前のセフレになってやろうか?」

「は、はぁ!?」

狼「ナンパ待ちしてたんだろう?でも、すまないがお前に運命は感じなかったんだwだから・・・セフレならいいぞ?w」

「お、お断りします!」

狼「クンクン・・・なんだwもうやってるのかw」

虎「そうなのか?」

狼「ああwこいつ、他のオスの匂いがするw」

え!?
なんでわかったの!?
でも、ハワイに来てからそんなにやってないし・・・
てか、ハワイに来てるのになんでナンパされてるの!?

「離して!!」

僕は無理やり離れる

狼「でも、噛み跡がないんだ。そいつとはつがいじゃないだろう?」

「か、噛み跡とつがいが関係あるんですか?」

虎「・・・人間にはわからないだろうが、獣人は運命の相手に会うと噛み跡を付けるんだ。それがつがいになった者同士の証なんだよ」

なに・・・それ・・・
知らない・・・聞いてないよ・・・

狼「って!ことで!いいよな?w」

そういい腕を引かれた

僕は・・・白夜が好きだ
白夜も僕の事好きなはず
でも、噛み跡なんて付けられてない

虎「ホテルならすぐそこだ」

「・・・」

噛み跡を付けないってことは・・・運命の相手じゃないってこと?
でも、白夜は僕に運命を感じたって・・・
でも・・・

僕は狼獣人に腕を引っ張られホテルのある方向に向かって行った

白夜「そいつを離せ!!」

「!?白夜!?」

振り向くと白夜が牙をむき出しにしていた

白夜「そいつは俺のだ!!」

狼「お?セフレくんか?」

虎「ほう・・・白豹か・・・なるほど、これはキープしておきたいよな」

狼「ああ!白い毛並み・・・羨ましいな~」

白夜「黙れ!!そいつからその手を離せって言ってるんだよ!!」

虎「でも、つがいじゃないだろう?」

白夜「つがいだ!!」

狼「じゃあなんで跡がないんだ?」

白夜「それは・・・」

白夜はその問いに答えなかった

虎「答えられない・・・よな?この子には運命だとかなんとか言ったんじゃないのか?」

狼「いい毛並みを持ってるからって・・・強欲すぎないか?w」

白夜「・・・」

虎「確かに人間って珍しいから傍に置いておきたいのはわかる。でも、運命の相手に出会ったら必要なくなるんだ。なら、俺たちにも貸してくれよ。夕方には返すよ」

そういい僕は腕を引かれた

「・・・」

話を聞く限りだと、つがい・・・
運命の相手には噛み跡を残す・・・みたいだ
でも、僕は噛まれたことなんてない
ってことは・・・運命の相手じゃ・・・ない?

「・・・」

僕は白夜を見た
白夜は俯いていた

「白夜・・・」

狼「ってことでこの子は少し借りるぞw」

「・・・」

僕は裏切られた気持ちだった
僕を傍に置いてるのは好きとかではなく、ただ、セフレとしてだったんだなって・・・

「・・・っ!?」

僕は狼獣人に引っ張られていた時、空いている腕を反対方向に引っ張られた
そして温かい感覚に包まれた

「白夜・・・?」

そのぬくもりは毎日感じているぬくもりだ
そして・・・いつも嗅いでる匂いだ

白夜「こいつは返してもらう」

白夜の目はとても怖かった
牙を剥き出し、目は狼獣人と虎獣人を睨みつけている

狼「おいおいwいいじゃないかw少しくらいw」

虎「自分の物にしたい気持ちはわかる。でも、つがいじゃないならお前が一人占めできないんだぞ?いつか捨てることになる」

白夜「こいつはつがいだ!!」

狼「じゃあ、なんで噛み跡がついてないんだ?」

白夜「それはお前たちに関係ない!」

僕を抱きしめる腕に力が入る

「白夜・・・」

狼「・・・はぁ・・・うぜぇ・・・」

虎「ああ。折角ハワイに来てるのに・・・」

白夜「なら他を当たれ。こいつに今度近づいたら・・・」

狼「へ~い。もう面倒だから近づきませ~ん」

虎「チッ!」

そして二人はどこかへ行ってしまった

白夜「悠斗!?大丈夫か!?」

「う、うん・・・大丈夫」

白夜「ケガは!?痛いところはないか!?」

「な、ないよ」

白夜「よかった・・・」

そういい抱きしめてくる
僕はそのぬくもりを喜べなかった

「・・・」

白夜「・・・戻ろう」

「うん・・・」

僕たちはホテルに戻った
部屋に入り

「・・・うわっ!?」

僕はベッドに投げ飛ばされた
そして白夜が覆いかぶさってきた

「は、白夜?」

白夜「・・・」

「ど、どうし・・・いっ!?」

どういたのか聞こうとしたら首を噛まれた

「い!痛い!!」

白夜「フー・・・フー・・・」

噛む力は増していく

「離して!!痛い!!」

白夜「フー・・・フー・・・」

白夜は離すどころか噛む力を強くしていく

「いっ・・・」

牙が肌に食い込む
肌を何かが流れていくのがわかった
きっと・・・

白夜「フー・・・フー・・・」

「痛いよ・・・っ!?」

噛まれている状態で白夜が僕のズボンを脱がしてきた

「こ、この状態でやるの!?正気!?」

白夜「黙れ!!」

「っ!?」

白夜は僕を睨みつけると叫ぶ

白夜「ほいほい他のオスに着いて行くんじゃない!!」

「つ、着いて行きたくて行ったわけじゃない!」

白夜「じゃあなんで抵抗しないんだ!」

「それは白夜が悪いんだよ!」

白夜「俺が悪いだって!?ふざけるな!!」

「ふざけてない!!」

白夜「お前は俺のつがいなんだぞ!他のオスに目移りするんじゃねぇよ!!」

「本当は運命なんて感じてないんでしょう!」

白夜「はぁ!?」

「噛み跡を残すのはつがいの証って聞いたよ!それをしなかったってことは、運命なんて感じてないってことでしょう!」

白夜「・・・」

「白夜がそんな奴だとは思わなかった!裏切者!!」

白夜「っ!!」

バシンッ!

僕は頬を叩かれた

白夜「俺の気持ちも知らないくせに勝手なことを言うな!!」

「っ!?」

そして僕の胸倉を掴んできた

白夜「俺が今まで噛み跡を残さなかったのは、お前を傷つけるからだ!そんなこと・・・俺はしたくない」

「・・・」

白夜「お前は運命の相手だ。だからこそ、傷つけないために・・・何度も堪えたんだ・・・それを・・・知った口を言いやがって!!」

そういうと僕を持ち上げベッドから投げ飛ばされた

「い・・・」

白夜「人間にはわからないだろうがな。獣人はつがいに噛み跡を残して自分の物だって証明をするんだ。それがある限りつがいは自分の物なんだ」

「じゃあ・・・なんで付けないんだよ!なんで話してくれなかったの!」

白夜「じゃあ話したら噛んでよかったのか!言ったら噛ませてくれたのか!」

「そんなのその時じゃないとわからないでしょう!他人から聞かされる方が一番傷つくんだよ!!」

白夜「っ!」

白夜は俯いた
僕は立ち上がり部屋を飛び出した
部屋から出ると廊下に豹谷さんがいた

豹谷父「何を騒いでる・・・その跡は・・・」

「・・・すみません・・・」

僕は涙を流した

豹谷父「・・・俺の部屋に行ってなさい。後は俺が・・・ね?」

「・・・はい・・・」

僕は豹谷さんに促され豹谷さんの部屋に向かった
部屋に入ると遥人さんがお茶を飲んでいた・・・
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