肉食獣人は肉食だった

ジャム

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再会は突然訪れた

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次の日

ピンポーン

インターホンが鳴って僕は制服姿にフードを被って玄関からでた

大神「おはよう!」

「おはよう!」

そこには親友で幼馴染の大神 将司(おおかみ まさし)がいた

大神「遥斗のピンチに颯爽と参上!!この将司様が全力でお守りします!」

とヒーローみたいなポーズを決めていた

「あ~はいはい。じゃ、行こうか!」

大神「スルーするなよ・・・」

いつもの大神をスルーして学校へ向かった
道中、昨日のことを色々聞かれた

大神「その人にお礼は?」

「しようと思ったんだけど、断られたし・・・あ、お礼は言ったよ?」

大神「そうか・・・もう会うこともないだろうけど、もし、会うことがあったら、お礼すればいいんじゃないか?」

「そうだね・・・」

ドクンッ!

まただ・・・
あの・・・獅子瓦?さんのことを思い出すと心臓が痛いほど強く脈打つ

大神「どうした?具合悪いのか?」

「大丈夫・・・ちょっと、不整脈が・・・」

大神「は?」

心配していた大神だがいきなりへんな声を出した

大神「不整脈って・・・病院行った方がいいんじゃないか?」

「やっぱりそう思う?」

大神「ああ、なにかの病気があったら大変だろう?今日、学校終わったら行くか?付き合うぞ?」

「そうだね・・・そうしようかな・・・」

そうして僕たちは学校に着いた

猫沢「八神!大神!おはよう!」

「おはよう!」

大神「おはよう!」

この獣人は猫獣人の『猫沢 巡』(ねこざわ めぐる)同じクラスのオス獣人だ

猫沢「大神と登校なんて珍しいな?朝練でいつも一人なのに」

大神「今日は朝練サボっちゃったw」

本当は護衛?で一緒に登校してくれたんだけど・・・嘘つかせちゃったな・・・
僕は小声で大神に

「ごめんね・・・」

大神「気にするな!」

そういうと僕の背中を叩いた

猫沢「そういえば、知ってるか?」

と、猫沢が聞いてきた

「ん?なにが?」

猫沢「二年の最強獣人が今年、初登校してきたらしいぞ?」

僕たちは教室に向かいながら聞いていた

大神「二年?それって獅子瓦先輩?空手部の」

獅子瓦?昨日の?同姓同名の可能性があるし・・・
昨日の人のわけないよね
それに学校で噂になってるのは『人助けなんてしない残酷非道の最強獣人』だし・・・
昨日の人は僕を助けてくれたし、多分違う人。

猫沢「そう!俺、会いたくないな・・・」

大神「お前は会う機会ないだろう・・・俺なんて、部活で嫌でも会うんだぞ・・・こえ~よ・・・」

「でも、噂でしょう?そんなの鵜呑みにしちゃダメでしょう・・・」

猫沢「まぁそうだけど・・・」

大神「遥斗は昔からブレないなw」

噂は噂・・・
それが真実とは限らない
そうこうしているうちに自分のクラスに着いた
クラスの入り口には何人かが集まっていた

猫沢「どうしたんだ?」

熊沢「ああ、八神。お前、なにかしたのか?」

この獣人は『熊沢 翔』(くまざわ かける)熊獣人で僕の友達で学級委員長

「なにかあったの?」

そう聞くと熊沢は親指を僕の席に向けた
僕の席に腰を掛けているネクタイの赤い制服を着た獅子瓦さんがいた

「え!?」

僕は声を上げた
その声に獅子瓦さんは気づいて僕に近づいてきた

獅子瓦「よう。昨日ぶりだな」

僕よりも背の高い昨日の獣人がいた

「え、あ、え?」

いきなりのことで言葉がでない・・・

獅子瓦「・・・こい」

そういうと僕の腕を掴んだ

大神「あ、ちょっと!」

大神が獅子瓦先輩の腕を掴んだ

獅子瓦「ああ?お前は?」

まるで今にも殺しそうな顔で大神を見る先輩
大神は一瞬ひるんだが

大神「あ、あの、こいつになんの用ですか?」

獅子瓦「お前に関係あるか?」

大神「ない・・・ですが・・・」

このままだと巻き込んじゃう

「大神、大丈夫だよ。」

そういうと大神は先輩の腕を放した
そして僕は先輩に連れられて屋上に来てしまった

「あの・・・昨日はありがとうございました」

獅子瓦「ああ。気にするな。」

「その・・・何か用でも・・・あるんですか?」

獅子瓦「・・・ちょっと確かめたいことがあってな」

そういうと先輩は僕に近づいて来た
僕は後ろに下がり背中が壁に当たった
そして先輩の左腕が僕の顔の横に置かれた
壁ドン・・・ってやつ・・・まさか経験することになるとは・・・

ドクンッ!

また・・・不整脈が・・・

先輩と目が合う
茶色い綺麗な瞳・・・吸い込まれそうな感覚になる

ドクンッ!ドクンッ!

先輩を見ると鼓動が強くなり早くなる

ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!

次第に早くなり苦しくなる
その間ずっと無言で僕を見つめてくる先輩
僕は先輩を見ながら
かっこいい・・・獅子ってだけあって顔立ちもイケメン・・・
僕は右手で自分の胸を掴んだ
先輩のことを考えると・・・苦しい・・・
先輩は僕の行動を観察するかのように見てから

獅子瓦「やっぱり、お前も同じなのか・・・」

「え?同じって・・・?」

それを聞いて先輩は驚いている

獅子瓦「え!?お前、胸が苦しいんだろう?」

「え、はい・・・不整脈だと・・・思います・・・」

獅子瓦「ふせ・・・なんだ?」

「不整脈です。心臓が規則正しく動かない状態です。」

獅子瓦「それは不整脈じゃなくて・・・」

そこまで言うと先輩は話すのをやめた

「???」

獅子瓦「何でもない・・・」

そういうと手をどけて少し離れた

「なんで僕の席に?」

獅子瓦「お前を探していた」

「なんでですが?」

獅子瓦「それは・・・昨日の今日だから、大丈夫かなって」

「そうなんですね。ありがとうございます」

少し挙動が変?な感じがするけど、まぁ、先輩のことあまりしらないし。
そして学校の鐘がなった

キーンコーンカーンコーン

獅子瓦「あ、予鈴か・・・」

「行かないと・・・」

獅子瓦「そうだな。じゃあ、また」

そういうと先輩は階段を下りていった
僕は鼓動を鎮めてから教室に向かった
教室に帰ったら猫沢、熊沢、大神が話しかけてきた
一斉に話しかけてきてよくわからないが、要するに心配していたってことかな
僕は三人にお礼をいって席に着いた・・・


~獅子瓦視点~
(はぁ・・・自覚なしか・・・天然なんだな・・・)

不整脈の原因を言おうと思ったが、自分で理解してもらわないとって思って言わなかった
多分、今のあいつに言っても「は?」って言われるだけだろうし・・・
少しずつ理解させていこう

(それにしても・・・かわいいな~)

不整脈を病気だと思う天然なところ・・・かわいい・・・
あいつのことを考え始めるともう「かわいい」以外の感情が出てこない

(もっと近くに居たい・・・もっと・・・もっと・・・)

我慢だ・・・運命なんだからいつかは必ず傍に居られるようになる!
でも、待ちきれなさそう・・・

(はぁ・・・あいつが早く気づけば進展が早くて助かるんだけどな・・・)

まぁ、ゆっくり・・・そう、ゆっくり・・・
自分にそう言い聞かせていたらクラスには俺しかいなかった

(あれ?え!もう下校の時間!?やばい!あいつが帰っちまう!)

気が付いたらもう下校の時間・・・
気をつけないと・・・
お昼誘おうと思ってたんだけどな・・・
てか、あいつ、部活はどこに入ってるんだ?
俺はあの子を探して各部活を巡った・・・
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