肉食獣人は肉食だった

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壊れた心

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「遥斗?リンゴ持ってきたぞ?おいしそうだぞ?」

遥斗「・・・」

あれから遥斗は精神科に入院している
襲われたショックで心が壊れてしまったらしい

「リンゴ、皮は剥く派?剥かない派?俺は剥かない方が好きなんだ!」

遥斗「・・・」

「・・・そうだ!検査で妊娠はしてないってよ!よかったな!」

遥斗「・・・」

「・・・あいつら成人してるから性犯罪でムショに入ったよ。狸は少年院に・・・」

遥斗「・・・」

「学校での件もようやく片付いていつでも登校してきていいってさ」

遥斗「・・・」

「・・・今日この後大神たちが見舞いに来てくれるってよ!よかったな!」

遥斗「・・・」

「今回、大神にはすごい迷惑かけたし・・・お礼しないとな・・・」

遥斗「・・・」

遥斗が襲われて二か月・・・
一言も話さない遥斗・・・
身体に異常はないらしい
ただ、精神が持たなかったらしい・・・

先生『もしかしたらこのままずっと・・・』

『なんとかならないんですか!!』

先生『なんとも・・・心が酷く傷ついてしまっているようで・・・』

『そんな・・・』

先生『・・・話かけていれば・・・可能性はありますが・・・もとに戻るのは・・・低いと思います』

「・・・」

俺は医者から話を聞いたとき辛かった
あの時、なんで遥斗を連れて行かなかったのか・・・
なぜ、一人にしたのか・・・
後悔しかない・・・

「・・・」

遥斗「・・・」

大神「失礼します・・・」

その時、大神と猫沢と熊沢が来た

「おお・・・来たか」

猫沢「先輩・・・八神は?」

「・・・」

大神「・・・遥斗・・・」

熊沢「・・・」

遥斗は無言のまま目の前を見ているだけだった

熊沢「もとに戻る・・・よな?」

「・・・可能性は・・・低いらしい・・・」

猫沢「じゃあ、一生このまま・・・ってことも・・・」

大神「やめろ!!」

大神が大声をだした

大神「遥斗は戻って来る!!絶対・・・絶対・・・」

そう言いながら涙を流す大神

「・・・」

猫沢・熊沢「・・・」

大神「・・・先輩は・・・どうするんですか?」

「なにがだ・・・」

大神「遥斗のことですよ」

「・・・俺は元に戻るまで・・・ずっと待つ・・・いつまでも」

大神「・・・わかりました」

そういうと大神は病室を出て行った
猫沢と熊沢も出て行った

「・・・」

俺は遥斗の視界に顔を入れて笑顔で話し続けた
夏の思い出やテストのこと・・・
そして月日が流れて・・・

・・・一年後・・・
「遥斗?今日はクレープ持ってきたぞ?」

遥斗「・・・」

「・・・これ覚えてるか?お前にあげたやつだぞ?」

遥斗「・・・」

「お前w最初はいらないって言ってたのに食べたら子供みたいに『おいしい!』なんて言ってさw」

遥斗「・・・」

「・・・あ、そうだ!千葉で出会った白熊の家族覚えてるか?」

遥斗「・・・」

「その家族、ここの近くに住んでたんだよ!会ったときびっくりしたよ!遥斗のこと聞かれてさ・・・」

遥斗「・・・」

「ちょっと色々あって入院してますって言ったんだけど・・・よかったかな?」

遥斗「・・・」

「よかったらお見舞いにって言ってたんだけど・・・それはお断りしておいたからな?こんな状態で会いたくないだろうって思ったし・・・あ、連絡先もらったから元に・・・元に戻ったら、連絡、して、やれ、よ、な・・・」

遥斗「・・・」

「詳しくは話してないから、心配、して、たぞ・・・」

遥斗「・・・」

「・・・う・・・」

俺は泣いた
遥斗の前では泣かないと決めたのに・・・
笑顔で話しかけると決めたのに・・・

「うぅ・・・遥斗・・・俺、お前の声が、聞きたい・・・」

遥斗「・・・」

「お前と話したい・・・お前と色んな所に行きたい・・・そして・・・」

遥斗「・・・」

「お前と結婚して・・・子供もたくさん作って・・・千葉のあの家に住んで・・・のんびりと暮らしたい・・・」

遥斗「・・・」

「千葉の家な。改築したんだ。防犯はばっちり。オートロックに監視カメラ。今の時代の最先端の家になったぞ?」

遥斗「・・・」

「遥斗にも見てもらいたい・・・」

遥斗「・・・」

「・・・俺・・・そろそろ帰るな?明日からテストなんだよ・・・」

遥斗「・・・」

「今回も満点取ってお前に自慢してやるからな!w」

遥斗「・・・」

「・・・じゃぁ・・・な」

俺は遥斗にキスをして病室を出た・・・

・・・三か月後・・・
「もう少しでクリスマスだな・・・」

遥斗「・・・」

「そういえば、お前とはまだクリスマス過ごしてなかったなw」

遥斗「・・・」

「去年、プレゼント用意しておいたんだぞ?」

遥斗「・・・」

「今年も用意してあるからな?楽しみにしておけよ?」

遥斗「・・・」

「・・・俺、まだ進路決めてないんだよな・・・もうこの時期からじゃ間に合わないだろうけどさ」

遥斗「・・・」

「千葉で就職しようと思ってたんだが、お前を置いてはいけない・・・だから、悩んでるんだよな・・・」

遥斗「・・・」

「・・・一応な?生活は困ってないからしばらくは就職しなくていいかなって思ってるんだけどなw」

遥斗「・・・」

「そうすれば、お前といられる時間が多くなるから・・・そしたら・・・」

俺はまた泣きそうになった
それを我慢して

「そしたらもとに戻れる可能性も高くなるかもしれないだろう?」

遥斗「・・・」

「・・・さて、そろそろ帰ろうかな・・・寒くなってきたから暖かくな?じゃあな!」

・・・クリスマス・・・
「メリークリスマス!!」

遥斗「・・・」

「今年は・・・ほら!チョコレートのホールケーキにしてみたぞ!うまそうだろう?」

遥斗「・・・」

「早く食べないと全部食べちゃうぞ?」

遥斗「・・・」

「・・・ホントに、食べ、ちゃう、ぞ?」

遥斗「・・・」

「・・・クリスマスなんだから・・・奇跡くらい・・・起きてもいいだろう・・・」

俺はサンタなんて信じてないけど・・・
でも・・・今回だけはサンタを信じたい

(クリスマスという奇跡が起こる日なんだから・・・遥斗を・・・遥斗と話をさせて・・・)

そして俺はそのまま寝てしまった・・・

・・・次の日・・・
???『きて・・・お・・・おき・・・おきて?』

『う~ん・・・誰だ?』

???『起きてよ・・・風邪を引くよ?』

『遥斗か・・・寒くないから平気だよ・・・』

遥斗『そうなの?さすが獣人だねw』

『ああ。人間と違って寒さには強いんだよ!暑さには弱いけどな・・・』

遥斗『確かに、暑そうだもんねw』

『・・・これって夢か?』

遥斗『夢?』

『ああ、お前はずっと入院してるんだよ・・・』

遥斗『・・・そうか・・・どのくらい?』

『一年と・・・三か月くらいかな?』

遥斗『そんなに・・・正晴はずっとそばに居てくれたんだね』

『当たり前だろうw俺の最愛の人なんだからw』

遥斗『嬉しいwでも、いつまでも待つのは辛いでしょう?』

『そう思うなら早く戻って来いよw』

遥斗『・・・そうだね・・・』

『今度は絶対に守って見せる!約束する!だから戻ってきてくれ!』

遥斗『・・・』

『・・・』

遥斗『でも、怖いんだ・・・また・・・襲われるんじゃないかって・・・』

『俺が・・・俺が、守る!絶対だ!もう二度とあんな目には会わせない!!』

遥斗『・・・僕、正晴を信じるよ!』

『ああ!信じてくれ!』

そして・・・

「ん・・・ん?夢・・・だよな・・・」

奇跡なんて起きるわけがない・・・
まぁ、遥斗とまた話せただけでもよかったと思うべきなのかな・・・
夢でだけど・・・

「夢で話せたんだったら・・・現実でも話させろよ・・・」

遥斗「ん!このケーキおいしい!!」

「だろう?特注だからな!・・・え?」

遥斗「ん?」

「は、ると?」

遥斗「ん?なに?」

俺は目の前で起きていることが理解できなかった

「夢・・・か?」

遥斗「夢?なんの?」

俺は自分の頬を思いっきり抓った

「いたっ!」

遥斗「ちょ!?なにしてるの?」

「夢じゃ・・・ない?」

遥斗「フフフw夢じゃないよ?ほら!」

というと遥斗の手が俺の頬に触れる

遥斗「ね?夢じゃないでしょ?w」

「!!!遥斗・・・遥斗!!!」

俺は遥斗に抱き着いた

遥斗「うわっ!ケーキが落ちちゃったよ!?」

「遥斗・・・遥斗!!!」

遥斗「・・・正晴・・・心配かけちゃったね・・・ごめんね?」

「うぅ・・・遥斗だ・・・ホントに遥斗だ・・・」

遥斗「・・・正晴」

俺は強く・・・強く抱きしめた
遥斗も強く抱きしめてきた
そして

大神「遥斗!メリークリスマ・・・遥斗!?」

遥斗「あ、大神!メリークリスマス!」

大神「・・・遥斗!!」

と、大神は遥斗に抱き着いた

猫沢「ん?どうしたの・・・八神!!」

熊沢「ん? !!八神?!もとに・・・?」

遥斗「ん?うん?」

二人も遥斗に抱き着いた

遥斗「み、みんな?!危ないよ!」

大神「おかえり・・・ずっと待ってたんだぞ!!!」

遥斗「ただいま・・・ごめんね?」

猫沢「本当だよ・・・マイペースなのもいい加減にしてよね・・・」

遥斗「・・・ごめん・・・」

熊沢「ホント・・・八神は・・・」

遥斗「・・・ごめんってば・・・」

俺は医者を呼びに行った

先生「うむうむ・・・問題はなさそうですね。戻ってきてよかったですね!」

「退院はいつ?」

先生「そうですね・・・一週間後にはできると思います」

みんなが大喜びしている
もちろん・・・俺も・・・

大神「やったな!」

遥斗「うん!」

そして三人は帰って行った

「・・・」

遥斗「・・・」

「お、おかえり・・・」

遥斗「た、ただいま・・・」

なにを話したらいいのかわからない・・・
でも、これだけは言いたい

「・・・愛してる」

遥斗「・・・今も?」

「当たり前だ!」

遥斗「・・・ありがとう!」

そういうと泣きながら抱きしめ合った・・・
この奇跡をサンタに・・・神に感謝しながら・・・
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