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本編
傍に・・・居て・・・
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寮に着き部屋に入った
僕はベッドに降ろされたが先輩から離れたくなくて先輩の制服を掴んでいた
獅子丸「安心しろ。どこにも行かないよ。ここに居る」
「・・・」
獅子丸「信用できないか?」
「・・・」
獅子丸「ほら・・・いるだろう?」
そういい僕の肩を抱きしめる
僕は先輩に身体を預けて泣いた
「止まらない・・・ごめんなさい・・・」
獅子丸「いいんだ。もっと泣け。俺が全部受け止めてやる」
抱きしめる手が強くなる
僕は更に涙が出てくる
一体どれだけ出てくるんだ・・・
止めたいのに止められない・・・
前は我慢できたのに・・・今は我慢ができない・・・
止められない・・・
獅子丸「よしよし・・・」
「うぅ・・・」
僕ってこんなに泣き虫だったのかな・・・
どのくらい泣いただろうか・・・
窓から夕陽が差し込んできていた
そのころにはさすがに泣き止んでいた
獅子丸「なぁ?」
「・・・はい・・・」
獅子丸「お前は運命って信じるか?」
「運命・・・ですか?」
獅子丸「ああ」
「・・・」
運命・・・
人の意思とは関係なく幸や不幸をめぐり合わせること・・・
「わからないです・・・」
獅子丸「・・・」
「もし・・・今までの生活が運命なら・・・僕は・・・信じたくないです・・・」
獅子丸「じゃあ、これから起こる幸運は?」
「これから・・・?」
獅子丸「ああ。それはどうだ?」
「・・・もし・・・もし、幸運が訪れるなら・・・信じてみても・・・いいかなとは思います」
獅子丸「そうか!」
そういうと立ち上がり僕の前に来て目線を僕に合わせた
「???」
獅子丸「俺はお前に運命を感じた!」
「運命・・・?」
獅子丸「運命のつがいだ!」
「・・・」
獅子丸「俺がお前を幸せにする!だから俺の傍にいてくれ!」
「・・・信じて・・・いいんですか?」
獅子丸「信じてくれ!」
「・・・わかりました」
獅子丸「!」
「僕も・・・先輩に・・・傍に・・・いて・・・ほしいです・・・」
獅子丸「ああ!ずっと傍にいる!絶対に守って見せる!」
そういうと顔が近づいてきた
僕は目を瞑った
そして・・・
「っ!」
獅子丸「・・・」
先輩の鼻が僕の鼻に当たった
獅子丸「えへへwキスはまだしないぞw」
「・・・」
キスされると思っていた僕は顔が熱くなった
獅子丸「もう少し、互いを知ってからな!」
「はい」
獅子丸「まだいた方がいいか?」
「いえ・・・」
獅子丸「・・・」
先輩は僕の頬を触って
獅子丸「どうしてほしい?」
「・・・」
僕は俯いた
獅子丸「お前はどうしてほしい?もっと一緒にいたいか?」
「・・・いてほしい・・・です」
獅子丸「わかった!」
そういうと僕の隣に座って肩を抱いてきた
「すみません・・・」
獅子丸「いいんだ!」
「でも・・・僕のわがままで・・・」
獅子丸「わがままだなんて思ってない。むしろ、うれしく思うよ!」
そして僕は先輩の膝に頭を置いた
獅子丸「お?早速甘えてくれるのか?」
「僕・・・ずっとこうしてみたかったんです・・・」
獅子丸「・・・」
「両親は僕を愛してなかった・・・『人間だから』『オメガだから』って・・・」
獅子丸「・・・」
「でも、それが普通だと思っていました。この『教育』も普通のことだと・・・」
獅子丸「・・・」
「でも、ここに来る前にテレビで見たんです。家族の幸せって話を。それでは僕の家庭にはない『幸せ』がありました。それから僕の家庭は普通じゃないのかも・・・って思うようになりました・・・」
獅子丸「・・・」
「でも、まだ実感・・・というのか・・・感覚がわからなくて・・・」
獅子丸「もう話すな・・・」
「僕・・・怖くなって・・・」
獅子丸「もういい・・・」
「怖いんです・・・幸せを知ってしまったら・・・失うのが・・・」
獅子丸「もういいんだ!!」
そういい僕を起こし抱きしめた
獅子丸「もう・・・いいんだ・・・もう忘れろ・・・」
「うぅ・・・先輩・・・」
獅子丸「これからは未来のため・・・幸せのために生きよう・・・一緒に・・・」
「はい・・・!」
僕は先輩の腕の中で涙を流しながら返事をした
僕はベッドに降ろされたが先輩から離れたくなくて先輩の制服を掴んでいた
獅子丸「安心しろ。どこにも行かないよ。ここに居る」
「・・・」
獅子丸「信用できないか?」
「・・・」
獅子丸「ほら・・・いるだろう?」
そういい僕の肩を抱きしめる
僕は先輩に身体を預けて泣いた
「止まらない・・・ごめんなさい・・・」
獅子丸「いいんだ。もっと泣け。俺が全部受け止めてやる」
抱きしめる手が強くなる
僕は更に涙が出てくる
一体どれだけ出てくるんだ・・・
止めたいのに止められない・・・
前は我慢できたのに・・・今は我慢ができない・・・
止められない・・・
獅子丸「よしよし・・・」
「うぅ・・・」
僕ってこんなに泣き虫だったのかな・・・
どのくらい泣いただろうか・・・
窓から夕陽が差し込んできていた
そのころにはさすがに泣き止んでいた
獅子丸「なぁ?」
「・・・はい・・・」
獅子丸「お前は運命って信じるか?」
「運命・・・ですか?」
獅子丸「ああ」
「・・・」
運命・・・
人の意思とは関係なく幸や不幸をめぐり合わせること・・・
「わからないです・・・」
獅子丸「・・・」
「もし・・・今までの生活が運命なら・・・僕は・・・信じたくないです・・・」
獅子丸「じゃあ、これから起こる幸運は?」
「これから・・・?」
獅子丸「ああ。それはどうだ?」
「・・・もし・・・もし、幸運が訪れるなら・・・信じてみても・・・いいかなとは思います」
獅子丸「そうか!」
そういうと立ち上がり僕の前に来て目線を僕に合わせた
「???」
獅子丸「俺はお前に運命を感じた!」
「運命・・・?」
獅子丸「運命のつがいだ!」
「・・・」
獅子丸「俺がお前を幸せにする!だから俺の傍にいてくれ!」
「・・・信じて・・・いいんですか?」
獅子丸「信じてくれ!」
「・・・わかりました」
獅子丸「!」
「僕も・・・先輩に・・・傍に・・・いて・・・ほしいです・・・」
獅子丸「ああ!ずっと傍にいる!絶対に守って見せる!」
そういうと顔が近づいてきた
僕は目を瞑った
そして・・・
「っ!」
獅子丸「・・・」
先輩の鼻が僕の鼻に当たった
獅子丸「えへへwキスはまだしないぞw」
「・・・」
キスされると思っていた僕は顔が熱くなった
獅子丸「もう少し、互いを知ってからな!」
「はい」
獅子丸「まだいた方がいいか?」
「いえ・・・」
獅子丸「・・・」
先輩は僕の頬を触って
獅子丸「どうしてほしい?」
「・・・」
僕は俯いた
獅子丸「お前はどうしてほしい?もっと一緒にいたいか?」
「・・・いてほしい・・・です」
獅子丸「わかった!」
そういうと僕の隣に座って肩を抱いてきた
「すみません・・・」
獅子丸「いいんだ!」
「でも・・・僕のわがままで・・・」
獅子丸「わがままだなんて思ってない。むしろ、うれしく思うよ!」
そして僕は先輩の膝に頭を置いた
獅子丸「お?早速甘えてくれるのか?」
「僕・・・ずっとこうしてみたかったんです・・・」
獅子丸「・・・」
「両親は僕を愛してなかった・・・『人間だから』『オメガだから』って・・・」
獅子丸「・・・」
「でも、それが普通だと思っていました。この『教育』も普通のことだと・・・」
獅子丸「・・・」
「でも、ここに来る前にテレビで見たんです。家族の幸せって話を。それでは僕の家庭にはない『幸せ』がありました。それから僕の家庭は普通じゃないのかも・・・って思うようになりました・・・」
獅子丸「・・・」
「でも、まだ実感・・・というのか・・・感覚がわからなくて・・・」
獅子丸「もう話すな・・・」
「僕・・・怖くなって・・・」
獅子丸「もういい・・・」
「怖いんです・・・幸せを知ってしまったら・・・失うのが・・・」
獅子丸「もういいんだ!!」
そういい僕を起こし抱きしめた
獅子丸「もう・・・いいんだ・・・もう忘れろ・・・」
「うぅ・・・先輩・・・」
獅子丸「これからは未来のため・・・幸せのために生きよう・・・一緒に・・・」
「はい・・・!」
僕は先輩の腕の中で涙を流しながら返事をした
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