出会ったのは喫茶店

ジャム

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本編

不器用なお誘い

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夏休み一日目
先輩は大会のため北海道に向かう日だ

獅子丸「陽翔・・・」

「先輩・・・」

僕たちは抱きしめあっていた
永遠の別れってわけではないのに離れるのが寂しいのだ
一週間くらい帰ってこないらしいし

獅子丸「毎日連絡するからな・・・」

「待ってます・・・」

マスター「別に永遠の別れじゃないんだから・・・」

「父さんにはこの寂しさはわからないよ・・・」

マスター「寂しさって・・・」

獅子丸母「まぁ、僕にはなんとなくわかるけどねw」

「気を付けて行ってきてください」

獅子丸「ああ・・・」

そういうとキスをしてきた
マスターと先輩のお母さんは目をそらしてくれていた

獅子丸「・・・よし!行ってくる!」

「はい!行ってらっしゃい!!」

そういい先輩は両親と車に乗って行ってしまった

「・・・」

僕は寮に入った

熊下「別れはすんだ?w」

「!?熊下・・・いたんだw」

熊下「それはいるよwまだ帰らないもんw」

「えっと・・・明日だっけ?」

熊下「うん!」

熊下兄弟は沖縄出身で明日には里帰りする
犬橋は今朝、北海道に里帰りした

「犬橋は北海道か・・・先輩の大会みるのかな?」

熊下「あ~・・・見るって言ってたような・・・」

「そうなんだ・・・」

熊下「糸色も行けばよかったんじゃないか?」

「そうもいかないよ」

熊下「なんで?」

「お金かかるし・・・」

熊下「でも、校長先生が出してくれるだろう?」

「だからってそれに甘えるのは・・・それに、まだ長距離の移動は僕には無理だよ・・・」

熊下「そうか・・・飛行機に乗らないといけないもんな・・・」

「うん・・・」

熊下「まぁ、全国放送だし!ここのテレビでも見れるんだから!」

「まぁね・・・」

本当はテレビ越しじゃなくちゃんと見たかったけど・・・

熊下「さて・・・準備がまだ残ってるから部屋に戻るね!」

「うん!」

僕も部屋に戻ることにした
部屋に入りベッドに腰を下ろした

「・・・」

近くに先輩がいない・・・
それだけですごく不安になる

「・・・先輩・・・」

僕はベッドの上でうずくまった
別に一生会えないわけじゃない・・・
でも・・・それでも・・・

「離れてるのは・・・寂しいよ・・・」

僕は泣きそうになるのを堪えた
本当は泣きたい
でも、泣いても仕方ない事だ

「・・・ん?」

僕は机に目をやると一枚の白い紙があった

「何だろう・・・」

それは手紙だった
僕は手紙を開けた
そしたら何かが落ちた

「・・・これ!」

それは前にも見たことがある

「優待チケット・・・と・・・なんのチケット?」

なんでこれが?
僕は手紙を読んだ

『陽翔へ
あまり無理なことは言えなかったから手紙で伝えることにする
ホントは一緒に来てほしかった・・・
でも、お前には長距離の移動は無理かもしれないと思って言えなかった・・・
もし・・・もし、来てくれるなら・・・このチケットを使ってくれ。
前にも渡した優待券だ。それと飛行機のチケットも一緒に入れておく。
無理に来いとは言わない。
これは俺のわがままだ。
だから、無理なら無理しなくていい。
お前が応援してくれている
そう思うだけで俺は頑張れる!
じゃあ、行ってくる!

獅子丸一輝』

「!!」

僕は衣類と貴重品を鞄に適当に詰め込み部屋を飛び出した
廊下で熊下とすれ違った

熊下「おわっ!糸色!?どこに行くんだ!?」

「北海道!やっぱり先輩の傍に居たい!」

そういい僕は寮を出た

(今ならまだ間に合う!!)

そして校門を出たとき

???「陽翔!!」

「!?先輩!?」

そこには先輩がいた

獅子丸「よかった・・・気づいてくれたんだな!」

「なんでここに!?」

獅子丸「まだ時間があったからなwギリギリまで待ってみようと思ってな!」

それを聞き僕は先輩に飛びついた

「先輩!!」

獅子丸「陽翔・・・」

そういい抱きしめる

「言ってくださいよ!」

獅子丸「言いたかったよ。でも、無理はさせられないから・・・」

「先輩の頼みなら一緒に行きますよ!!」

獅子丸「でも・・・」

「確かに少し無理はします・・・でも、先輩と一緒に居られるならそんなことぐらい我慢できます!!」

獅子丸「そうか・・・ありがとう!」

その時クラクションが鳴った

マスター「出れるなら行くぞ!」

獅子丸「いけるか?」

「はい!」

そういうと僕の手を握り車に向かって二人で走った

獅子丸「ありがとな!」

「こちらこそ!」

そして車に乗り空港に向かった・・・
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