異世界の恋

ジャム

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はじめての世界

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三日後
あいかわらず帰る方法がわからずにいた

獅子丸「今日は仕事がないから」

「わかりました」

獅子丸「ちょっと、出かけてみるか?この世界のことも少しは知っとかねぇと」

「え、でも・・・」

獅子丸「帽子とフード被ればバレないだろう」

「・・・」

獅子丸「出かけたくないのか?」

「出かけたいですが、迷惑じゃないですか?」

獅子丸「バレなければ面倒にはならねぇだろう」

そういうと二人は出かけた
外は周り獣人ばかり
お店、公園、いろんなところを見て回ったが、人間は一人もいなかった

「あれ!すごい!」

獅子丸「ん?気球か?お前の世界にはないのか?」

「ないわけではないですが、飛んでるのは見たことないです!」

遥斗は楽しそうに笑っていた
それを見ていた獅子丸もなぜか少し笑顔になっていた
しばらく公園を回ってから

獅子丸「なにか食べるか」

「はい」

二人は喫茶店に入った
メニューを注文して席に座った
店員が料理をもってきてくれた

店員「お待たせしました。イチゴパフェとホットドッグです!」

と、パフェを遥斗にホットドッグを獅子丸の前に置いた
獅子丸はそれを交換して二人は食べ始めた

「甘い物がお好きなんですね」

獅子丸「ああ。」

「普通の料理は食べないんですか?」

獅子丸「食うときは食う」

「そうですか」

二人は静かに食べていた
周りは不思議そうにこちらを見ていた
遥斗は帽子を深く被り室内なのにフードを被っている
怖い雰囲気のライオンはパフェを食べている
という異様な光景なのだからしかたない
そのとき、狼原さんが話しかけてきた

狼原「お、お前!こんなところでなにしてるんだ!」

獅子丸「食事だけど」

狼原「食事って・・・ひとまず移動するぞ!」

狼原は獅子丸と遥斗を連れて人気のないところへ行った

狼原「獅子丸!お前はなにを考えてるんだ!」

獅子丸「なにって、山神にこの世界のことを教えるついでに出歩いてるだけだが」

狼原「お前な・・・もし遥斗くんのことが周りにバレたら大変なことになるんだぞ!わかっているのか!」

獅子丸「わかってるよ。だから、帽子とフードで顔を隠してるんだろう」

狼原「こんなのでごまかせるはずないだろう!!」

獅子丸「でも、普通にバレなかったし」

狼原「はぁ~・・・今回たまたまバレなかったからよかったが・・・なにかあったらどうするつもりだ」

獅子丸「大丈夫だろう。それに何か起きたら俺が・・・」

狼原は獅子丸の話を遮り

狼原「お前が騒ぎを起こせば間違いなく遥斗くんが危ないんだよ!」

獅子丸「だからっていつまでも家に閉じこめておくのも可哀そうだろう」

狼原「!!・・・お前の口から『可哀そう』なんて聞くときがくるとはな・・・」

「あ、あの!すみませんでした!」

遥斗は頭を下げた

狼原「遥斗くんが謝ることじゃないよ。全部この馬鹿が悪いから」

獅子丸「誰が馬鹿だ!」

狼原「馬鹿に馬鹿って言ってなにが悪い!この馬鹿!!」

獅子丸「この!」

獅子丸は懐に手を入れた
狼原は腰に手を当てた
しばらくにらみ合いが続き

獅子丸「・・・すまなかった」

狼原「こっちもちょっと言い過ぎた・・・」

「・・・」

狼原「とにかく、帰ろう」

獅子丸「ああ」

三人は家に帰った
家に着き狼原が口を開いた

狼原「ちゃんと遥斗くんにご飯食べさせてるか?」

獅子丸「ああ」

狼原「・・・遥斗くん。ここ三日間なに食べた?」

「昨日はケーキ食べました。あとはクレープとか」

狼原はため息をついた

狼原「やっぱり・・・」

そういうと狼原は獅子丸を見つめた

獅子丸「なんだよ」

狼原「誰でも甘い物を主食にしてるわけじゃないんだよ・・・」

獅子丸「どんなもの買えばいいかわからねぇんだよ」

狼原「はぁ・・・じゃあ、これから買い物にいくよ。このままでは遥斗くんが可哀そう」

獅子丸「ああ。」

狼原「じゃあ、遥斗くんはお留守番よろしくね!」

「はい。わかりました」

二人は出かけていった
遥斗はいつも通りテレビを見ることにした

(今日は楽しかったな~でも、本当に人間はいなかった・・・)

そのころ二人は

狼原「お前変わったな」

獅子丸「そうか?」

狼原「喫茶店にいたときのお前、楽しそうだった」

獅子丸「・・・」

狼原「それに、遥斗くんに対してなんか優しいというか、そんな感じがする」

獅子丸「そうか」

狼原「まさか、惚れた・・・わけではないよな?」

獅子丸「・・・さぁな」

狼原「さぁなって・・・お前な・・・」

獅子丸「俺にもわからねぇんだよ・・・」

狼原は獅子丸の話を静かに聞いていた

獅子丸「最初はただ世話しないとっていう責任感みたいな感じだったんだが、最近はなんかわかんねぇ感情を感じるんだよ・・・」

狼原(それって恋なんでは?)

狼原はクスリと笑った

獅子丸「な、なんだよ」

狼原「いや、嬉しくてね」

獅子丸「あ?」

狼原「人との関係を極端に嫌うお前が、関心を示すなんてなw」

獅子丸はすこし照れた

狼原「まぁ、ひとまず、当分の食料を買っていかないと」

獅子丸「ああ」

二人は買い物を済ませて家に帰った

「おかえりなさい」

狼原「ただいま!」

獅子丸「ああ」

狼原「いろいろ買ってきたから、なにか作るね!」

「あ、僕作りますよ」

二人は驚いた

獅子丸「お前・・・料理できんのか?」

「はい。人並には」

狼原「へえ、すごいね!じゃあ、お願いしようかな」

「はい。じゃ、用意しますね」

遥斗は料理をしていた

獅子丸「意外だな」

狼原「人間も料理するんだね」

そして料理ができた

「できました」

遥斗はカレーを三人分もってテーブルにおいた

狼原「カレーだ!おいしそう!」

獅子丸「・・・」

「カレー、お嫌いですか?」

獅子丸「いや・・・そんなことはない」

みんなでカレーを食べた

狼原「!!おいしい!」

獅子丸「!!ホントだ」

「よかったです」

食事を終え、狼原は帰った
獅子丸と遥斗は一緒にお風呂に入っていた

獅子丸「今日はどうだった?」

「楽しかったです。」

獅子丸「それはよかった」

「はい」

獅子丸「また明日から仕事でいねぇけど、材料もあるから大丈夫だろ?」

「はい」

しばらく沈黙がはしる
風呂からあがりベッドに入った二人

(ここに来てからいつも一緒にお風呂に入って、一緒に寝て・・・この世界では当たり前のことなのかな?)

獅子丸(なんで、一緒にいたいんだろう・・・なんなんだ、この感情・・・)

そして二人は眠りについた

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