異世界の恋

ジャム

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それから一週間後
家に狼原が来ていた

狼原「決まったのか?」

獅子丸「ああ」

狼原「・・・聞かなくても答えはわかる・・・毛がツヤツヤだし・・・」

二人は照れた

狼原「とりあえず、聞いとくけど、どうするつもりだ?」

獅子丸「遥斗は渡せない」

狼原「じゃあ、仕事をやめるんだな?」

獅子丸「それも、できない。俺はこの仕事以外しらないからな」

狼原「じゃあ、山奥でくらすのか?」

獅子丸「それは現実的に無理だ」

狼原「じゃあ、どうするつもりだ」

獅子丸「俺はこいつに戦闘戦術を教えるつもりだ」

狼原「は!?!?!?」

獅子丸「自分の身を守ることができるぐらいにはするつもりだ」

狼原「お前・・・なに言ってるのかわかってるのか!?」

獅子丸「ああ」

狼原「一般人をそっちの世界に引き込むつもりか!」

獅子丸「そんなつもりはない。護身程度に教えるだけだ」

狼原「それが無理だって言ってるんだよ!少しは考えろよ!」

獅子丸「この一週間考えた。だが、遥斗を手放すつもりはない。俺も仕事はやめられない。山奥なんて不可能だ。」

狼原「お前な・・・遥斗くんは普通じゃないんだぞ!獣人じゃなく人間なんだぞ!そんな生き物が生活するにはこの世界は厳しすぎるんだぞ!!」

獅子丸「そうだな・・・たしかに厳しいと思う。だが、俺はこいつを守るって決めたんだ」

狼原「番にでもなるつもりか」

獅子丸「いつかはそのつもりだ」

狼原「・・・もう何を言っても無駄・・・か」

狼原は頭を抱えた

「あ、あの・・・」

狼原「どうしたんだい?」

狼原は笑顔で遥斗に答えた

「僕、証と離れたくないんです・・・だから、強くなって自分ぐらいは守れるようになりたいんです」

狼原「でもね。それは難しいんだよ。この世界は人間のいない世界。だから、君が生きていくには政府機関の保護が一番なんだよ。無理に強くなる必要もないし、外敵から身を守ることもできる」

「でも・・・それでも、僕はそばにいたいです・・・」

狼原「はぁ・・・わかった。そこまで言うなら私はなにも言わない」

獅子丸「すまない」

狼原「だが覚えておいてほしい。もし、遥斗くんのことが周りにバレるようなことがあれば政府機関は必ず動くからな。それは私にも止められないだろう」

「・・・」

獅子丸「・・・」

狼原「せっかく結ばれた二人を私も引き裂きたくないからね!」

笑顔で言う狼原

獅子丸「すまない・・・」

狼原「私もできる限り協力はする。もしもの時を考えておかないと」

獅子丸「ああ」

狼原「獅子丸・・・お前はとんでもない道を進もうとしている・・・覚悟はできているんだよな?」

獅子丸は頷いた
これまでにないくらい真剣な顔で
それをみてため息をつきそのあと笑顔になる狼原

狼原「戦闘戦術は私が教えよう」

二人は驚いた

獅子丸「は?なんで?」

狼原「君の戦闘戦術は殺しの戦術だ。遥斗くんに殺しをさせるつもりなのか?」

獅子丸はうなだれた

狼原「護身術なら警察公認のほうがいいだろう」

獅子丸は言葉が出なかった
自分の手で教えたかったが、狼原に正論を言われたからだ

「証がいいなら、よろしくお願いします」

獅子丸「ああ。警察公認なら法にも引っかからないし、そのほうがいいだろう」

狼原「じゃあ、そういうことで、来週から始めよう。今週はいろいろ忙しくてね」

そういうと狼原は帰っていった

獅子丸「・・・」

「・・・」

二人の間に沈黙がはしる
それを破ったのは遥斗だった

「僕、頑張ります!強くなって・・・いつか・・・」

ここで言葉が詰まる遥斗

獅子丸「いつか?」

「なんでもないです」

獅子丸「?」

そして二人はそばにいることができるようになったのあった・・・
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