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本編

本当の恐怖、騒ぐ心

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「しつこいね~君、生まれてくる種族間違えてない?w」

狼「ああ?」

「執着心の強い熊獣人の方がよかったんじゃない?」

狼「お、俺は熊獣人と狼獣人のハーフだ!」

「ふ~ん?興味のない情報ありがとうw」

狼「テメェ・・・」

宇佐野「伏見・・・これ以上刺激しない方がいいよ!」

「手遅れだと思うよ?wもうご立腹みたいだしw」

狼獣人は顔を真っ赤にして毛が逆立っている

狼「お前ら!!絶対逃がすな!!宇佐野は二度と反抗できない程度でいいが、この人間は絶対に殺せ!!!!」

「怖~いw」

狼「テメェはあの世で恐怖を思い知れ!!」

「恐怖・・・ねw本当の恐怖を知らない奴がなにを言うのか・・・」

狼「うるせぇ!!」

僕はネクタイを外し宇佐野に目隠しをした

宇佐野「え!?なに!?」

「逃げれそうにないからさ~ここで本当の『恐怖』を教えておこうと思ってw」

宇佐野「でも、なんで目隠し!?」

「君はまだ・・・いや、見て欲しくないの・・・」

宇佐野「なにを・・・?」

「本当の『恐怖』を・・・だから目隠ししててほしいんだ」

宇佐野「・・・」

「僕からのお願い・・・聞いてくれる?」

宇佐野「・・・わかった」

「ありがとうw僕がいいよって言うまで外さないでね?」

狼「また小細工を・・・」

「小細工なんてしてないよ?wこれからが・・・本当の『恐怖』の始まりだ!!!」


・・・宇佐野視点・・・
真っ暗だ・・・
目隠しされてなにも見えない
頼れるのは嗅覚と聴覚のみ・・・
伏見が叫んだと思ったらものすごい熱気が立ち込め周りの獣人たちが騒ぎ出した

獣人「うわ!!!!!」

獣人「ば、化け物だ!!!!」

獣人「嫌だ!!!!死にたくない!!!!」

ものすごい悲鳴が僕の耳に響いてくる
僕は目隠しを外そうとした

???「外すな!!!」

「!?」

聞き覚えのない図太く低い声が聞こえた

???「外したら後悔する・・・だからよせ!!」

僕はその声に恐怖し目隠しを外せなくなった
周りでは悲鳴と鳴き声が聞こえる
僕は真っ暗の中、ただうずくまり震えることしかできなかった

先輩「よせ・・・やめてくれ・・・頼む・・・」

先輩の声が聞こえた

???「お前は恐怖を知っているのだろう?ならこのくらいどうってことはないだろう?」

先輩「い、嫌だ・・・頼む・・・もう関わらない・・・もう宇佐野にも近づかない・・・だから・・・死にたくない・・・」

???「そんな言葉だけで助かるほど世界は甘くねぇんだよ・・・後悔は過ぎてからするもんなんだよ!」

そして

先輩「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

先輩の声が公園に響きわたった・・・
そして静寂が訪れた

「あ、あの・・・もう・・・」

伏見「もう少し待ってね?」

「うん・・・」

しばらくすると目隠しを外された

「お待たせ~」

そこにはいつもの笑顔の伏見がいて周りには獣人たちと先輩が倒れていた


・・・陽斗視点・・・
「もう大丈夫だよw」

そういい手を差し伸べる
その手を握り立ち上がる宇佐野

宇佐野「これは・・・なにが・・・」

「本当の『恐怖』とはなにか指導?してあげたんだよw」

宇佐野「先輩たちは・・・」

「死んでないよwただ気を失ってるだけw」

宇佐野は少し安心したような顔をしていた

宇佐野「あと・・・さっきの人・・・」

「ん?」

宇佐野「なんか・・・聞いたことない声で・・・」

「それは僕でしょう?w」

宇佐野「全然違うよ!すごく低くて・・・なんか地獄から聞こえてきたみたいだった・・・」

「だから僕でしょう?ここにはこの人たちと僕たちしかいないんだからw」

宇佐野「そうだけど・・・」

「まぁ、助かったんだしいいじゃん?w帰ろう?」

そういい僕達は歩き出した
宇佐野は何かを考えながら歩いていた

「なに考えてるの?」

宇佐野「色々・・・」

「ふ~ん」

何を考えてるかは大体検討はつく
いくら考えてもきっと答えにはたどり着けない
でも・・・いつかは知ってしまうんだろうな・・・
知ってしまったとき・・・

(君は・・・君で居られるかな?)

理の外のことを知ってしまった人は自我が崩壊する
稀に平気な人もいるが・・・彼はどうだろう・・・
僕は楽しみなのと不安な気持ちがした

「・・・怖がってる・・・?」

宇佐野「ん?なにか言った?」

「なんでもないよw」

そんなはずない
僕が怖がるなんて・・・
こんな『普通じゃない』僕が・・・

(まだ・・・残ってるのかな・・・)

人としての心・・・
役目のみが僕を突き動かしている
でも・・・この子・・・宇佐野に会ってから僕の中に何かが生まれた
それが何なのかはわからない
でも、悪い気はしない
むしろ嬉しいし気持ちが昂る

宇佐野「ねぇ・・・」

「ん?」

その時宇佐野が深刻そうな顔で僕に問いかけてきた

宇佐野「君は・・・何者なの?」

「・・・」

宇佐野「あんな人数をあっという間に・・・それにすごい悲鳴だった・・・」

「・・・」

宇佐野「あんなの普通の人にできるわけないよ・・・」

「・・・」

宇佐野「ねぇ・・・教えてよ・・・知りたいんだ!」

「・・・知ってしまったら知らなかった頃には戻れない・・・」

宇佐野「え・・・?」

「知ってどうするの?wどうもならないでしょう?w」

宇佐野「でも・・・ずっとモヤモヤするのは・・・嫌だよ・・・」

「知らない方が幸せなこともある。これは僕から君への忠告だよ」

宇佐野「・・・」

僕は歩きだした
宇佐野はついては来なかった

「・・・終わったんだね・・・」

それでいい・・・
この方がお互いのためなんだから
でも・・・

ポタッポタッ

目から涙が出てきた

「・・・うぅ・・・」

なんでこんなに悲しいんだ・・・
宇佐野と別れるのが・・・辛い・・・

「くっ・・・うぅ・・・」

涙が止まることはなかった

「だから・・・嫌なんだ・・・人は・・・」

僕は泣きながら囁いた
人は一人では生きて行けない・・・
それは今までの経験で痛いほど痛感してきた
でも、僕は一人でいる道を選んだ
いや、選ぶしかなかった・・・
でも、ここにきて・・・

「なんで・・・なんでっ・・・」

彼に・・・宇佐野に出会ってしまった
それが僕を変えた
悪影響だ・・・
だだの邪魔でしかない
僕の目的に『彼』はいらない
でも・・・

「心が・・・欲している・・・」

僕の心が宇佐野を欲しがっている
友達として・・・
親友として・・・
恋人として・・・

「こんな感情・・・邪魔なだけなのに・・・」

僕はこの感情を振り払うように頭を振った
無駄なのはわかっている
でも、何もしないではいられないのだ・・・

「クソ・・・」

壁に寄りかかり涙を流す・・・
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