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本編

守護者

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猫「お前にとってこいつは最大の弱点だろう?」

「・・・」

猫「お前が死んでさえくれればこいつは解放してやるよ」

「口から血が出てるんだけど・・・これは?」

猫「あ?ああ。『大切な人のことは話さない』とか『お前たちに勝てるような奴じゃない』とか言ってたからつい手が出ちまってな。まぁ、死んでねぇからいいだろう?」

「・・・」

猫「それよりこいつの命は今後のお前の行動で決まる」

「最後に質問!」

猫「なんだ?」

「宇佐野のいる場所は?」

猫「???それを聞いてどうするんだ?」

「いいからw」

猫「港区にある建物だ。そこが俺たちの拠点だ」

「そっか・・・あの人のところに居るんだ・・・」

僕はスマホを地面に捨てた

猫「さて・・・冥土へのお土産も持ったんだ。もう終わりにしようぜ?」

「そうだね・・・終わりにしようかw」

そういいダーツを何本も投げた
そのダーツはものすごいスピードでリーダー猫獣人の周りの奴ら全員の頭に刺さった

猫「・・・!?」

「どうしたの?目で追えなかった?w」

猫「ど、どうなってるんだ!?」

「雑魚がいくら束になって来ようが雑魚は雑魚・・・それ以上にはなれないのw」

猫「いいのか!?俺が連絡しないとこの兎がっ!!」

言い終わる前に僕はダーツを猫獣人の頭に投げた

ドサッ!

「構わないよ?だって・・・僕が助けにいくからねw」

そして僕は高台を飛び降り港区に向かった・・・


・・・宇佐野視点・・・
「いっ・・・」

茶猫「クソガキが・・・生意気な口ききやがって・・・」

黒猫「やめておけ。まだガキだ。これ以上やったら死んじまう」

茶猫「どうせ殺すんでしょう?ならいいじゃないですか」

黒猫「こいつは保険だ。あいつがしくじったときのな」

茶猫「あれだけの人数を引き連れて行って失敗すると思いますか?」

黒猫「どのような事態でも『絶対』はない。だからそれを見越して準備をするんだ」

茶猫「さすが・・・兄貴・・・考えてることが違いますね!」

黒猫「何年ここにいると思ってんだよ・・・それぐらい考えろ。でも、ガキ一人に手こずるようなヘマをするほどあいつも雑魚じゃねぇ。もうじき連絡が来るだろうよ」

茶猫「その時はこいつを殺すんですね!」

黒猫「ああ。親もいねぇみたいだし、親のいるところに送ってやらないとな」

伏見が死ぬのか・・・?
そうは思えない・・・
でも・・・

???「どうだ。連絡は来たか?」

黒猫「お頭!」

お頭「連絡は?」

黒猫「いえ・・・まだ・・・」

お頭「早く連絡もらえねぇと金が・・・」

そう言いながら部屋を出て行った

茶猫「ボス・・・機嫌わるいですね」

黒猫「それはそうだろう・・・大金が目の前にぶら下がってるんだ・・・イラつきもするさ」

「フッ!」

茶猫「ああ?なにがおかしい?」

「伏見はそう簡単にやられたりしない・・・」

茶猫「・・・」

「伏見は・・・必ずここに・・・グハッ!」

黒猫「黙れガキ・・・お前から先に親御さんところに行くか?」

「ゲホッ!ゲホッ!」

痛い・・・
助けて・・・

「伏見・・・」

と涙を流した
その時

パリーン!!

大きなガラスが割れたと思ったら大きな四足歩行の獣が入ってきた

獣「グルルルル」

茶猫「な、なんだ!?」

黒猫「し、知るか!いいから撃て・・・グハッ!!」

獣は黒猫の首元に噛みつき引き千切った

茶猫「兄貴!!このっ!?」

次に瞬きしたときには茶猫の顔が獣の口に入るときだった
そして・・・

ガブッ!!

僕は目を閉じ顔を逸らした
これ以上見たくない・・・

獣「動くな・・・」

あの時聞いた声だ・・・
図太く低い声・・・
そういうと手足の拘束を解いてくれた

獣「乗れ」

「え・・・」

獣「生きたいなら乗れ!!」

「は、はい!!」

そして僕は急いで背中に乗った
乗った瞬間窓から飛び出した

「うわっ!」

獣「落ちるなよ」

そして建物の大きな門の入り口に着いた

獣「降りろ」

「はい・・・」

僕が降りると

獣「去れ!」

「!?」

獣「お前のような奴がいていい場所じゃねぇ!!去れ!!」

そういうと獣は建物のなかに入って行った
僕は・・・


・・・お頭視点・・・
「わしの金が・・・」

おのれ・・・誰がこのようなことを・・・
わしはライフルを片手に窓から構えた
スコープにはあの兎獣人が映っている

「金にならぬならせめて・・・わしの憂さ晴らしになれ・・・」

そして引き金を引こうとしたとき視界が真っ暗になった

「???」

???「相変わらず汚い商売しておりますな~w」

「!?誰だ!」

わしの横には存在するはずのない人物がいた


・・・陽斗視点・・・
「こんばんわ~」

お頭「お主・・・」

「相変わらずだね~w」

目の前には亀獣人がいた

お頭「!?なぜ!?なぜお主がおる!?それも・・・姿が・・・」

「アハハwやっぱりあなただったか~」

お頭「・・・なぜおるのだ・・・お前は何年も前に・・・」

「さぁ?w今はどうでもいいじゃん?w」

そういうと僕は蹴りを入れた

お頭「いたた・・・お主は相変わらずの乱暴者よの・・・」

「いえいえwあなたほどではw」

お頭「それにわしの部下は・・・?」

「後ろ後ろw」

そういうと後ろを確認する

お頭「な!?」

そこには死体がたくさん転がっていた

「もう少し手ごたえがないとね~」

お頭「お主・・・一体なにがあってこんなことを・・・」

「それはあんたが僕の友人を痛めつけてくれたからでしょう?」

お頭「それだけがお主の目的か?」

「・・・」

お頭「そんなにあの兎が大事か・・・!?」

僕は亀獣人に接近してダーツを首元に当てた

「長年生きてるからわかるだろうけどさ~。あまり関わると・・・殺すよ?」

お頭「!?」

「お金と命・・・どっちが大事か・・・考えなよ。折角長生きしてるんだから~w」

僕は亀獣人の肩を叩き離れた

お頭「お主は・・・なぜ・・・?」

「だから、あんたが~」

お頭「そうではない・・・なぜ、おるのか聞いているのだ」

「・・・」

お頭「お主は・・・なぜ若い姿でおるのだ」

「・・・今、学園がシッチャカメッチャカでさ~・・・もう大変なんだよ~」

お頭「あの学園長・・・まさか!?礎を・・・!?」

「そう!そのせいで僕は力が半分しかないし~・・・礎の探知も難しいんだよね~」

お頭「そんなことが・・・わしもそれは知らなんだ・・・」

「知らなんだって・・・請けたんでしょう?殺しを?」

お頭「ああ。確かに請けた・・・ものすごい大金だったからな・・・でも、礎が関わっていると知っていたら請けなかったわい・・・」

「ふ~ん・・・じゃあ、落とし前・・・どうする?」

お頭「・・・」

「僕を狙うなら納得はいく。でも宇佐野は関係ないよね~?」

お頭「それは・・・」

「宇佐野を狙うように指示したのは・・・あなた?」

お頭「・・・」

「そうか~・・・残念だよ・・・」

お頭「ま、待ってくれ!」

「なにを待つの?」

お頭「この埋め合わせは必ずする!だから命は!!」

「嫌だな~殺さないよ~w」

お頭「え?」

「あなたにはまだ利用価値がある。価値がある限りは生きていてもらわないとね?『守護の亀』さん?」

お頭「わしはまだ・・・?」

「お役目はしっかり果たしてるみたいだからねw邪魔して来ない限り殺したりはしないよw僕も殺したくてやってないしw」

お頭「でも・・・ここまでやっておいて・・・」

「やられたらやり返す・・・これってあなたのお言葉だよね?」

お頭「っ!」

「命があるだけありがたいと思って欲しいな~?」

お頭「・・・わかった・・・」

「うんwいい返事だね!あとついででいいんだけど・・・協力してよw」

お頭「協力?」

「うん!学園長の企み・・・わかったら教えてよw」

お頭「わかった。それは急務で行う・・・」

「よろしく~」

そういい窓に向かって歩いた

お頭「一つ聞きたいんだが・・・」

「な~に?」

お頭「なぜ『礎の守護神』である主がわざわざ?」

「それだけ大変なことが起きているってことだよw」

お頭「・・・そうか・・・では、こちらも役目は果たす・・・心配なされるな」

「アハハwよろしくね~」

そして僕は窓から飛び出した


・・・亀視点・・・
「たく・・・主は・・・昔から加減と言う物を知らぬな・・・」

パンパン!

わしは手を叩いた
そしたら死んだ奴らの時間が巻き戻り生き返った

部下「あれ・・・お頭・・・俺は・・・」

「気にするな・・・」

部下「それより!早くターゲットを!」

「よい!もう手出しはするな・・・また死にたくはないだろう?」

部下「はい・・・」

「ほかの奴らにも伝えるのだ。『伏見 陽斗』と『宇佐野 吉助』には関わるなと・・・」

部下「わかりました・・・」

「・・・はぁ・・・わしももう歳だわい・・・」

いや・・・主が化け物になったのかもしれぬ・・・

「力を使いすぎると・・・身を亡ぼすぞ・・・それはお主が一番知っているであろう・・・主よ・・・」
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