出会ったのは森の熊さん

ジャム

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敵討ち

次の日の夕方

「はぁ・・・はぁ・・・くそ!どこだ!ルズルフ!!」

僕は飛刀を片手にルズルフを追っていた
残り8本・・・
これで必ず仕留める!!

・・・今朝・・・
ルズルフ「おはよう」

「・・・おはようございます・・・」

僕はポーチと飛刀を装備してキッチンに居た

ルズルフ「ど、どうした?調子でも悪いのか?」

「・・・悪いように見えますか?」

ルズルフ「ああ、具合悪いなら休んだそうが・・・っ!」

シュルル シュトン!
飛刀がルズルフの右頬をかすめ壁に刺さる

ルズルフ「ハ、ハルト・・・?」

「その名前で呼ぶな!!!!」

ルズルフ「!?」

「僕の名前は『アルト・ジャムル・レムリック』!!あんたが殺した、『ハルト・ジャムル・レムリック』の双子の弟だ!!!」

ルズルフ「!!」

「全部思い出した!なぜここに来たのかも。全部!!!」

そういうと僕は飛刀を右手に持った

「あんたを・・・ルズルフを殺すためだ!!」

ルズルフ「・・・」

「最初は弱ったふりをして懐に入るつもりだったが、まさか、崖から落ちて記憶を失うとはね・・・」

ルズルフ「・・・記憶を無くしてたのは本当だったのか・・・」

「ああ。でも、もうそんなのはどうでもいい!思い出したからね・・・思い出してしまった・・・」

ルズルフは僕に近寄ろうとした
僕は飛刀を構える

「僕はあんたを殺すためにここまで来た・・・だから・・・殺す!!」

そういうと飛刀を投げる

シュルルル ガキンッ!

ルズルフは剣で飛刀を防ぎ窓から飛び出して逃げた

「逃がさない!!」


・・・現在・・・
「もう少し体力をつけておくべきだったか・・・」

僕はルズルフを追いかけたが体力がつきて木にもたれかかっていた
なぜ思い出してしまったんだ・・・
なぜ今なんだ・・・
好きになる前に思い出していれば・・・
いや、思い出さなせれば・・・
でも、この怒りを思い出してしまった

「絶対に復讐してやる・・・」

懺悔や罪はそのあといくらでも償ってやる!
今はあいつを・・・ルズルフを探して殺す!!


~ルズルフ視点~
やはりそうだったか・・・
俺は手紙の内容を思い出していた

『ハルト様には双子の弟が存在していた。その方がお屋敷に火を付け行方不明となった』

たぶん、俺に復讐をしてから自分も死ぬつもりだ
それだけの覚悟で来たってことか・・・

「くそ!!なんでだよ!!」

なんで好きになってしまったんだよ!!
好きにならなければ・・・
思い出さなければよかったのに・・・
いや・・・これは俺の・・・罪か・・・
でも、あいつには死んでほしくない!
少しでいい、話ができれば・・・

「ハルト!!話しを!」

シュルルル シュトン!

飛刀が俺の顔の近くを通り木に刺さる
声で俺の場所を把握したのか?
でも、森に声がこだまして位置の特定はできないはず・・・
でも、間違いなく狙ってきている・・・
あいつの飛刀は残り・・・7本か?
何とか本数を減らして話し合いができれば・・・
俺は移動しながら

「話を聞いてくれ!!少しでいい!!」

シュルルル ガキンッ!

危ない・・・
まさか後ろから飛んでくるとは・・・
音で気づけなかったら・・・死んでたな・・・
残り6本・・・



~アルト視点~
なかなかしぶといな・・・
話し合い?ハルトを殺しておいて・・・

ルズルフ「ハルト!!話を聞いてくれ!!少しでいい!!」

音が森に木霊する・・・でも、声は一か所からしかしないもの・・・
それをたどればどこにいるかわかる
見つけた
僕は飛刀を投げる

シュルルル ガキン!

防がれた・・・
さすが伝説の傭兵・・・簡単には殺せないか・・・
飛刀は残り5本・・・
さすがにこのままではまずいな・・・

ルズルフ「頼む!!聞いてくれ!!」

シュルルル ガキン!
シュルルル シュトン!

二本いっぺんに投げたが外したか・・・
残り3本・・・
もしかして・・・わざと本数を減らさせている?
可能性としてはあり得る・・・
でももしそうなら、なぜそんなことを?
ルズルフなら本気を出せば僕くらい殺せるはず・・・

「・・・」

考えるな!!
考えたら手元が鈍る!
集中しろ!あいつを殺すことだけを!!

ルズルフ「一回だけでいい!!ちゃんと話したい!」

「何を話すつもり!!言い訳なら聞きたくない!!」

ルズルフ「確かに言い訳かもしれない!!でも、話さないといけないんだ!」

シュルルル ガキン!

「聞きたくない!!兄を殺しておいてのうのうと生き延びているあなたを許せない!!」

シュルルル シュトン!

残り一本・・・

ルズルフ「ああ。確かに俺が殺したようなものだ・・・でも、直接殺したわけではない!!」

シュルルル ガキン!

もう・・・飛刀はない・・・
僕はその場に木を背にして座り込んだ

ザッザッザッ

「お出ましか・・・」

ルズルフ「もう飛刀はないだろう・・・」

「はい・・・もう飛刀はないです・・・僕の負けです・・・」

僕は泣いた
負けた悔しさと殺さなくて済んだ複雑な心境だった

ルズルフ「話・・・聞いてくれるか?」

「はい・・・最後に聞きますよ」

ルズルフ「ありがとう・・・」

そういうと僕の前に座り話始めた

ルズルフ「あの時、賊に襲われたのは言っただろう?そのあと居場所を突き止めてから向かったらハルト様はもうなくなっていたんだ・・・で、気が付いたら皆殺しにしていた・・・我に返りハルト様に駆け寄ろうとしたらハルト様と目があってその目からは恨みを感じた・・・俺は怖くなって逃げてしまった・・・すべてから・・・」

そういうとルズルフは涙を流した

「僕はその場にいたんですよ・・・あなたと目が合ったのも僕ですよ・・・」

ルズルフは驚いている

ルズルフ「な、んで?」

「なんであそこにって?僕もさらわれたんですよ・・・兄と間違われて・・・そして僕が兄ではないと知ると部屋に閉じ込められた・・・しばらくしたら兄が連れてこられた・・・そして目の前で・・・おもちゃに・・・」

ルズルフ「・・・」

「で、あんたがきたんですよ!そして全員を・・・兄も殺したんですよ!!」

ルズルフ「そんなわけ・・・あの時にはもう・・・」

「まだ生きてたんですよ!あんたが暴れなければ、兄は死なずにすんだ!!」

ルズルフ「そ、んな・・・」

僕は隠し持っていた飛刀を右手で握りルズルフに飛びついき馬乗りになった
ルズルフは僕の手を左手で押さえていた

「あんたがあの時暴れたから、奴らが兄を殺した!あんたが殺したのも同じだ!!」

ルズルフ「っ!」

僕は全体重をかけて飛刀をルズルフに刺そうとした
でも、ルズルフは片手で押さえつつ、右手で僕の頬を撫でた

ルズルフ「そうだったのか・・・すまなかった・・・こんな言葉じゃ納得しないだろうけど・・・お前がいいなら俺の命をお前にやる・・・だから、お前は生きてくれ・・・頼む・・・」

「っ!!」

そして僕は・・・

ザシュ!!!
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