ショウカンビト

十八谷 瑠南

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リリィの答え②

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ナナは、リリィの言葉に圧倒されていたがようやく口を開いた。
「あなたに願い事はないの?何も望まないの?」
「何もない。何もないのよ。ナナ」
その即答にナナは、驚いて目を見開いたまま顔を下に向けた。
「私・・・初めて、人を見誤ったわ」
リリィは、ふうっと小さく息を吐いた。
「それは私のこと?」
「違う。今まで私が鈴を渡したこの時代の人」
「ねえ、ナナ、この時代の人はみんな願い事があった?」
「ええ。平和なのにみんな何かしら願いごとがある。渡したらすぐ使っていたわ。私が姿を消す前にね」
「例えばどんな願いごとがあったの?」
「一生暮らせる分のお金がほしいとか、仕事で手柄をあげたいとか、いじめをなくしてほしいとか・・・色々」
「ふうん。そっか」
「でも」
ナナは顔を上げた。
「リリィと話していて私が叶えた願いは別に叶えなくても良かったんじゃないかと思えてきたわ。だって、どれも叶える必要なんてなかったんだもの。みんな本当に恵まれている人ばかりだった。平和すぎて病む人が多い時代なのだと思っていたけど、そうじゃなかった。私、ずっと見誤っていた」
ナナはリリィを見つめた。
「願いを叶えるのではなくて、その人たちに教えてあげるべきだったのね。あなたは恵まれているって」
そう言ったナナの顔はもうリリィを哀れんでなどいなかった。
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