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3 親友とその弟
悪役令嬢は見る専です 43
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そんな私に助け船を出してくれたのはセバスだった。
「お嬢様がこの城の周りに侵入者用のトラップを仕掛けていたんです。私はただの付き添いです」
「そう! セバスの言う通り!」
そう言ってしまってから、自分の発言が胡散臭さを醸し出したことに気がついた。折角セバスがフォローしてくれたのに、これでは台無しだ。
「侵入者用のトラップですか……。ですが、見張りなら兵士たちが交代で夜通しやりますので必要ないのでは?」
「それは……」
素直に、ここの兵士の能力に不安があるから自分で侵入者への対策をとっているなんて、この城の住人に言えるわけがない。でも、黙っているのは変なので、何かそれらしい理由を言わなければ……。
そう考えていると、またしてもセバスが助けてくれた。
「お嬢様は、ご存じの通り、魔王をも倒した人類史上最強のお方です。そんなお嬢様の代わりなど、誰にも勤まりません。ですから、お嬢様は身を守ることはすべてご自身で行われているのです」
思わず「そう! セバスの言う通り!」と叫びそうになったが、私は学習する女。同じ過ちは二度としない。なるべく、は。
セバスの言葉に賛同するようなことは言わなかったが、代わりに、偉そうにふんぞり返っておいた。
「そうでしたか。こちらとしても、魔王を倒されたお方が守ってくれるのでしたら安心して眠れます」
そう言葉では言っているが、内心、どう思っているのだろうか。逃げると言っていたので、私が魔法の力で城を守っていると知れば、逃げるのが難しくなったと感じているのかもしれない。でも、私はアルフくんの結婚に関して、本人の意に添うように協力するとは言った。それに、私自身も親友であるアルシュの弟には幸せになってほしい。ただ、だからといって駆け落ちと言う選択肢が正解だとは思わない。確かに、駆け落ちという言葉は甘美で魅惑的なのだが、それはあくまでおとぎ話だからであって、駆け落ちしたからそれで終わりではない。駆け落ちして全てを失ったその先で生きていかなければならない。それが辛いことぐらい、私にも分かる。でも、私は彼らに何ができるのだろうか。
「それでは、私たちはこれで……」
そう言って、二人は踵を返して来た道を引き返そうとしている。
やはり、私の存在が彼らの愛の障壁に……。壁は高ければ高い方が燃えると言ったが、無駄に壁がありすぎても本人たちが萎えてしまうだけだ。そして、私は、まさにこの無駄な障壁になってしまっている。それなら、仕方ない。そもそも、ここの前王たちには嫌われているし、アルシュには協力すると言ってしまった。もう、乗りかかった船なのだ。それに、ここで偶然であったのも何かの縁なのだろう。
「二人とも、ちょっと待ちなさい。話ぐらい聞くわよ」
私の言葉に振り向く二人だが、セバスは小さなため息をついていた。本来なら他国の事情に関わってほしくなかったと言ったところか。
「お嬢様がこの城の周りに侵入者用のトラップを仕掛けていたんです。私はただの付き添いです」
「そう! セバスの言う通り!」
そう言ってしまってから、自分の発言が胡散臭さを醸し出したことに気がついた。折角セバスがフォローしてくれたのに、これでは台無しだ。
「侵入者用のトラップですか……。ですが、見張りなら兵士たちが交代で夜通しやりますので必要ないのでは?」
「それは……」
素直に、ここの兵士の能力に不安があるから自分で侵入者への対策をとっているなんて、この城の住人に言えるわけがない。でも、黙っているのは変なので、何かそれらしい理由を言わなければ……。
そう考えていると、またしてもセバスが助けてくれた。
「お嬢様は、ご存じの通り、魔王をも倒した人類史上最強のお方です。そんなお嬢様の代わりなど、誰にも勤まりません。ですから、お嬢様は身を守ることはすべてご自身で行われているのです」
思わず「そう! セバスの言う通り!」と叫びそうになったが、私は学習する女。同じ過ちは二度としない。なるべく、は。
セバスの言葉に賛同するようなことは言わなかったが、代わりに、偉そうにふんぞり返っておいた。
「そうでしたか。こちらとしても、魔王を倒されたお方が守ってくれるのでしたら安心して眠れます」
そう言葉では言っているが、内心、どう思っているのだろうか。逃げると言っていたので、私が魔法の力で城を守っていると知れば、逃げるのが難しくなったと感じているのかもしれない。でも、私はアルフくんの結婚に関して、本人の意に添うように協力するとは言った。それに、私自身も親友であるアルシュの弟には幸せになってほしい。ただ、だからといって駆け落ちと言う選択肢が正解だとは思わない。確かに、駆け落ちという言葉は甘美で魅惑的なのだが、それはあくまでおとぎ話だからであって、駆け落ちしたからそれで終わりではない。駆け落ちして全てを失ったその先で生きていかなければならない。それが辛いことぐらい、私にも分かる。でも、私は彼らに何ができるのだろうか。
「それでは、私たちはこれで……」
そう言って、二人は踵を返して来た道を引き返そうとしている。
やはり、私の存在が彼らの愛の障壁に……。壁は高ければ高い方が燃えると言ったが、無駄に壁がありすぎても本人たちが萎えてしまうだけだ。そして、私は、まさにこの無駄な障壁になってしまっている。それなら、仕方ない。そもそも、ここの前王たちには嫌われているし、アルシュには協力すると言ってしまった。もう、乗りかかった船なのだ。それに、ここで偶然であったのも何かの縁なのだろう。
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私の言葉に振り向く二人だが、セバスは小さなため息をついていた。本来なら他国の事情に関わってほしくなかったと言ったところか。
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