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スラッガー 3
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やはり、持つべきものは真面目な友だ。
岡本塁と書いてあるノートは、綺麗に文字が揃えられており、文字の形も綺麗なものだ。
一方、重心太郎と書かれたノートは、配列もバラバラだし、文字もかろうじて読める程度だ。このノートを元にテスト勉強なんて、絶対にしたくない。
そんな俺とは正反対で、元々、字が綺麗なオカは、ノートに文字を書いていても楽しいのだろう。だから、つまらない授業でも起きているし、何の役に立つのかも分からないことをノートに書いているに違いない。
そもそも、俺は、教科書と教師の雑学をノートに写しているだけの行為に、何かしらの意味を見出せない。
そんな俺が、ノートに文字を書かなければいけない理由は、ただ一つ。それは、ノート提出があるからだ。この世からノート提出なんてものがなくなれば苦労はしないのに、悪しき文化だ。教師だって、生徒一人一人のノートをチェックするなんて苦行のはずなんだから、そんなもの廃止にしてしまえばいいのに。
そんなことを思いながらも、借りたノートを見ながら自分のノートに文字を書いていった。これでノート提出で点数が貰えるのだから、我慢しなければならない。オカほど成績が良くない俺は、この点数が重要になってくる。赤点を取るような学力ではないが、万が一、赤点を取ってしまい、補習を受けるなんて、オカが黙って見ているはずがない。休日だろうと構わず御節介をしにくるだろう。
でも、短時間でノートを写し終える量ではないと分かると、やる気が一瞬でなくなってしまった。
「やめだやめ。これは後からにしよう。それより、オカはこれからどうするよ」
ノートを写し終えることはなく、一度、自分のカバンにしまった。やる気がなくなったと言うのは本音だが、建前として、オカを待たせるわけにはいかない。俺が居眠りをしていた授業は、今日の最後の授業だ。これから、放課後になる。オカの放課後を奪う訳にはいかないので、帰って写し、次の日に返すと言う算段なのだが……そうなった日は、1日もなかったりする。
「今日も図書館に行こうか」
授業は終わっても、勉強は終わらない。特に、今は中間テスト1週間前で、部活動もみんな試験休みに入っている。おかげで、より一層、勉学に励む期間として、オカが張り切っているというわけだ。そんな張り切っているオカに巻き込まれる俺の身にもなってほしい。
そんな乗り気じゃない俺の態度も優秀なオカは読み取っていた。
「今日はやめておくか?」
「行くよ。どうせ、帰ってから勉強なんてしないんだから」
俺の性格上、家で勉強なんてしていない。オカに分からない部分を聞きながら勉強した方が効率がいい。そう気が付いてから、一人で勉強する機会はかなり減った。いや、なくなったと言っても過言ではない。
「それはよかった。いつもの席は取ってあるから、来ないと思われて他の人に入られる前に行かなくちゃ」
「もう指定席みたいになっているからな……。それに、そこまで心配しなくても、誰も図書館で勉強しに来る奴なんていないって」
そう言っても、オカが納得してくれるはずもなく、俺も早足で1年4組の教室を出た。
岡本塁と書いてあるノートは、綺麗に文字が揃えられており、文字の形も綺麗なものだ。
一方、重心太郎と書かれたノートは、配列もバラバラだし、文字もかろうじて読める程度だ。このノートを元にテスト勉強なんて、絶対にしたくない。
そんな俺とは正反対で、元々、字が綺麗なオカは、ノートに文字を書いていても楽しいのだろう。だから、つまらない授業でも起きているし、何の役に立つのかも分からないことをノートに書いているに違いない。
そもそも、俺は、教科書と教師の雑学をノートに写しているだけの行為に、何かしらの意味を見出せない。
そんな俺が、ノートに文字を書かなければいけない理由は、ただ一つ。それは、ノート提出があるからだ。この世からノート提出なんてものがなくなれば苦労はしないのに、悪しき文化だ。教師だって、生徒一人一人のノートをチェックするなんて苦行のはずなんだから、そんなもの廃止にしてしまえばいいのに。
そんなことを思いながらも、借りたノートを見ながら自分のノートに文字を書いていった。これでノート提出で点数が貰えるのだから、我慢しなければならない。オカほど成績が良くない俺は、この点数が重要になってくる。赤点を取るような学力ではないが、万が一、赤点を取ってしまい、補習を受けるなんて、オカが黙って見ているはずがない。休日だろうと構わず御節介をしにくるだろう。
でも、短時間でノートを写し終える量ではないと分かると、やる気が一瞬でなくなってしまった。
「やめだやめ。これは後からにしよう。それより、オカはこれからどうするよ」
ノートを写し終えることはなく、一度、自分のカバンにしまった。やる気がなくなったと言うのは本音だが、建前として、オカを待たせるわけにはいかない。俺が居眠りをしていた授業は、今日の最後の授業だ。これから、放課後になる。オカの放課後を奪う訳にはいかないので、帰って写し、次の日に返すと言う算段なのだが……そうなった日は、1日もなかったりする。
「今日も図書館に行こうか」
授業は終わっても、勉強は終わらない。特に、今は中間テスト1週間前で、部活動もみんな試験休みに入っている。おかげで、より一層、勉学に励む期間として、オカが張り切っているというわけだ。そんな張り切っているオカに巻き込まれる俺の身にもなってほしい。
そんな乗り気じゃない俺の態度も優秀なオカは読み取っていた。
「今日はやめておくか?」
「行くよ。どうせ、帰ってから勉強なんてしないんだから」
俺の性格上、家で勉強なんてしていない。オカに分からない部分を聞きながら勉強した方が効率がいい。そう気が付いてから、一人で勉強する機会はかなり減った。いや、なくなったと言っても過言ではない。
「それはよかった。いつもの席は取ってあるから、来ないと思われて他の人に入られる前に行かなくちゃ」
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そう言っても、オカが納得してくれるはずもなく、俺も早足で1年4組の教室を出た。
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