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5 魔王、戦う
まさか魔王が異世界で 13
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武器屋に入ると、鉄と革の強い臭いが鼻孔を突き刺すように漂ってきた。
「武器屋なんて何年ぶりだろうか……」
「そうなんだ。あぁ、魔王だから武器なんて必要ないもんね」
「そういう訳じゃない。俺の世界では武器なんて必要なかったんだ」
「武器が必要じゃないって……それじゃあ、どうやって魔物を倒すの?」
「そもそも、何で人間は魔族を倒そうとするんだ?」
「それは……人間を襲うから」
魔王もそうだが、この世界の魔族は人間を倒す対象としてみている。
「それがおかしいんだ」
「おかしいって?」
「魔族が人間を襲うのがだよ」
そう、人間が魔族を倒そうとするのは分かる。だが、魔族が人間を襲うのはおかしい。
「もちろん、人間が襲ってきたら魔族も反撃する。だが、殺そうとはしない」
「殺そうとしないって……そんなことは」
「そう、この世界ではそんなことはない。それがおかしいんだ」
魔族は人間と敵対はしているが殺そうとしない。なぜなら……。
「人間に魔族は必要ないが、魔族には人間が必要なんだ」
「……どういうこと?」
まあ、人間には普通、理解できないか。
「魔族は人間より優れた生き物だが、人間に依存して生きている」
「……依存?」
「そう、依存だ。魔族は人間を糧としている。人間で例えると、牛や鶏、野菜や果実といったものだ」
「糧……つまり、魔族にとって人間は食べ物ってこと?」
「そうだ。飲み込みが早いじゃないか、小娘」
頭が固そうな人間ではなくてよかった。これなら説明もスムーズに進みそうだ。
「でも、私たち人間が食べ物だって言うんなら、人間を襲うのは正しいんじゃない? 肉を食べるためには牛や鶏を殺さないといけないし、野菜や果物も生きている訳だから……」
小娘にしてはいい質問だ。
「少し例えが悪かったな。魔族にとっての人間は牛の肉ではなく牛乳と言った方が正しかった」
「つまり、人間を殺す必要はないってこと?」
「そう言うことだ」
この小娘、見た目によらず、なかなか賢いようだ。この世界でも、魔法を使うにはそれなりの知識が必要なのだろうか。
「それなら、魔族は人間の何を食べるというの?」
「いい質問だ。魔族は人間の何を糧としているのか。それは感情だ。魔族はそれぞれの種によって様々な人間の感情を糧としている。例えば、サキュバスなら性欲といったようにな」
「確かに……魔族は悪感情に近寄ってくると教会からも教えられました」
なるほど、この世界には教会があるようだ。そこで教えられたということは、もしかすると、この世界には学校がないのかもしれない。人間への平等な教育も今後の課題になってきそうだ。
「そう言うわけだから、魔族は人間を殺してもなんの特もない。むしろ不利益だ。だから、俺は人間同士の争いをなくすために人間から武器を取り上げ、そして支配し、より多くの人間を感情豊かに育つように支配した」
「それって……」
そう人間は支配から逃れようとする生き物。それなのに……。
「人間は一向に勇者を選出して攻め込んでこなくなった。支配から逃れることもなく、あまつさえこの俺、魔王を讃え始めた。何がいけなかったんだ……」
「いけないというか……争いもなく、平和に暮らせるのはとてもいいことじゃ……」
「いいことなわけがあるか! 魔族に支配されていたんだぞ? そんな不自由を認めるはずがない!」
言いたいことはたくさんあるが、前の世界のことをいくら考えても無駄だ。今はこの世界で戦うことを考えなければ。
「それより、剣だ。小娘、この俺に見合う最高の剣を選べ」
「えぇ、私? 私、魔法使いだから剣とかあんまり詳しくないんだけどな……」
そう言いながらも、ちゃんと剣を選んでくれている。
「武器屋なんて何年ぶりだろうか……」
「そうなんだ。あぁ、魔王だから武器なんて必要ないもんね」
「そういう訳じゃない。俺の世界では武器なんて必要なかったんだ」
「武器が必要じゃないって……それじゃあ、どうやって魔物を倒すの?」
「そもそも、何で人間は魔族を倒そうとするんだ?」
「それは……人間を襲うから」
魔王もそうだが、この世界の魔族は人間を倒す対象としてみている。
「それがおかしいんだ」
「おかしいって?」
「魔族が人間を襲うのがだよ」
そう、人間が魔族を倒そうとするのは分かる。だが、魔族が人間を襲うのはおかしい。
「もちろん、人間が襲ってきたら魔族も反撃する。だが、殺そうとはしない」
「殺そうとしないって……そんなことは」
「そう、この世界ではそんなことはない。それがおかしいんだ」
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「人間に魔族は必要ないが、魔族には人間が必要なんだ」
「……どういうこと?」
まあ、人間には普通、理解できないか。
「魔族は人間より優れた生き物だが、人間に依存して生きている」
「……依存?」
「そう、依存だ。魔族は人間を糧としている。人間で例えると、牛や鶏、野菜や果実といったものだ」
「糧……つまり、魔族にとって人間は食べ物ってこと?」
「そうだ。飲み込みが早いじゃないか、小娘」
頭が固そうな人間ではなくてよかった。これなら説明もスムーズに進みそうだ。
「でも、私たち人間が食べ物だって言うんなら、人間を襲うのは正しいんじゃない? 肉を食べるためには牛や鶏を殺さないといけないし、野菜や果物も生きている訳だから……」
小娘にしてはいい質問だ。
「少し例えが悪かったな。魔族にとっての人間は牛の肉ではなく牛乳と言った方が正しかった」
「つまり、人間を殺す必要はないってこと?」
「そう言うことだ」
この小娘、見た目によらず、なかなか賢いようだ。この世界でも、魔法を使うにはそれなりの知識が必要なのだろうか。
「それなら、魔族は人間の何を食べるというの?」
「いい質問だ。魔族は人間の何を糧としているのか。それは感情だ。魔族はそれぞれの種によって様々な人間の感情を糧としている。例えば、サキュバスなら性欲といったようにな」
「確かに……魔族は悪感情に近寄ってくると教会からも教えられました」
なるほど、この世界には教会があるようだ。そこで教えられたということは、もしかすると、この世界には学校がないのかもしれない。人間への平等な教育も今後の課題になってきそうだ。
「そう言うわけだから、魔族は人間を殺してもなんの特もない。むしろ不利益だ。だから、俺は人間同士の争いをなくすために人間から武器を取り上げ、そして支配し、より多くの人間を感情豊かに育つように支配した」
「それって……」
そう人間は支配から逃れようとする生き物。それなのに……。
「人間は一向に勇者を選出して攻め込んでこなくなった。支配から逃れることもなく、あまつさえこの俺、魔王を讃え始めた。何がいけなかったんだ……」
「いけないというか……争いもなく、平和に暮らせるのはとてもいいことじゃ……」
「いいことなわけがあるか! 魔族に支配されていたんだぞ? そんな不自由を認めるはずがない!」
言いたいことはたくさんあるが、前の世界のことをいくら考えても無駄だ。今はこの世界で戦うことを考えなければ。
「それより、剣だ。小娘、この俺に見合う最高の剣を選べ」
「えぇ、私? 私、魔法使いだから剣とかあんまり詳しくないんだけどな……」
そう言いながらも、ちゃんと剣を選んでくれている。
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