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6 アペルピシアという魔王
まさか魔王が異世界で 25
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「今日は宴会だぁ!」
昨日と同じ酒場に戻ってきた俺とミラは、二人では食べきれないほどの料理に囲まれていた。
「あ、宴会っていっても、アペ君はお酒飲んじゃダメだからね。子供にはまだ早いから」
俺の神経を逆なでするような発言だ。それほど浮かれているということなのだろう。
「俺を子供と言うが、森の中で魔物に襲われて半べそかいていた小娘はどこのどいつだろうな」
「な、泣いてないし!」
「さあ、どうかな……」
泣いていたかどうかは分からないが、絶望していたことに変わりない。勇者の従者として、敵を前にして勝利を諦めるなど、あってはならないことだ。
「そんな意地悪なことを言うんだったら、この料理、全部私が食べちゃうんだからね!」
「好きに食べるといい。この俺、魔王の慈悲を有り難く食すのだな」
「むぅ……」
頬を膨らませて威嚇しようが事実は変わらない。
俺はこの世界に来て、この体になって、たったの二日で無一文から脱却した。というのも、俺が一撃で倒したイノシシの魔物の主、あの森の主を倒し、その戦利品として大きな牙を町の役所に渡すことで俺たちは大金を受け取った。この宴会の料理はもちろん、俺が買ってもらった剣の代金を差し引いても十分余るほどの大金だ。ただ、残念ながら、子供にこんな大金を持たせるのは危ないとミラに取り上げられたので手元にはないのだが……。
「これで今日からは宿も別々にできるな」
「そ、それはダメだよ!」
「なぜだ? 一緒に寝れないとかいうくだらない理由なら却下する」
「うぅ……それは……」
このまま、一緒に寝れない以外の理由が出てこなければ、これから俺の安眠が約束される。ただ、そこは人間。しぶとさでは他の追随を許さない。
「そ、そうだ! 大金が入ってきたからって、あんまり無駄遣いしちゃだめだよ。今後、強い武器に変えたり、薬代とか、あとは狩りができない日だってあるかもしれないんだから。無駄遣いしないでちゃんとちゃんと残しておかないと!」
一理ある。一理あるのだが、目の前にあるこの料理の山を前にすると、説得力は一気に下がる。
「こ、これはお祝いみたいなものだから! 今日だけの特別だから!」
「まあ、いい。憑依影装がある限り、触れることはできないんだからな」
音を遮断できないのが残念だが、変なことをされる心配はない。
「それより、注文した料理は残すなよ。貴重な食料だ。無駄にはするな」
「大丈夫だよこれくらい」
この量を胃袋に納めて明日の魔物退治は大丈夫なのかという心配はあるのだが、それよりも食べ物を無駄にして捨てるほうが問題だ。
昨日と同じ酒場に戻ってきた俺とミラは、二人では食べきれないほどの料理に囲まれていた。
「あ、宴会っていっても、アペ君はお酒飲んじゃダメだからね。子供にはまだ早いから」
俺の神経を逆なでするような発言だ。それほど浮かれているということなのだろう。
「俺を子供と言うが、森の中で魔物に襲われて半べそかいていた小娘はどこのどいつだろうな」
「な、泣いてないし!」
「さあ、どうかな……」
泣いていたかどうかは分からないが、絶望していたことに変わりない。勇者の従者として、敵を前にして勝利を諦めるなど、あってはならないことだ。
「そんな意地悪なことを言うんだったら、この料理、全部私が食べちゃうんだからね!」
「好きに食べるといい。この俺、魔王の慈悲を有り難く食すのだな」
「むぅ……」
頬を膨らませて威嚇しようが事実は変わらない。
俺はこの世界に来て、この体になって、たったの二日で無一文から脱却した。というのも、俺が一撃で倒したイノシシの魔物の主、あの森の主を倒し、その戦利品として大きな牙を町の役所に渡すことで俺たちは大金を受け取った。この宴会の料理はもちろん、俺が買ってもらった剣の代金を差し引いても十分余るほどの大金だ。ただ、残念ながら、子供にこんな大金を持たせるのは危ないとミラに取り上げられたので手元にはないのだが……。
「これで今日からは宿も別々にできるな」
「そ、それはダメだよ!」
「なぜだ? 一緒に寝れないとかいうくだらない理由なら却下する」
「うぅ……それは……」
このまま、一緒に寝れない以外の理由が出てこなければ、これから俺の安眠が約束される。ただ、そこは人間。しぶとさでは他の追随を許さない。
「そ、そうだ! 大金が入ってきたからって、あんまり無駄遣いしちゃだめだよ。今後、強い武器に変えたり、薬代とか、あとは狩りができない日だってあるかもしれないんだから。無駄遣いしないでちゃんとちゃんと残しておかないと!」
一理ある。一理あるのだが、目の前にあるこの料理の山を前にすると、説得力は一気に下がる。
「こ、これはお祝いみたいなものだから! 今日だけの特別だから!」
「まあ、いい。憑依影装がある限り、触れることはできないんだからな」
音を遮断できないのが残念だが、変なことをされる心配はない。
「それより、注文した料理は残すなよ。貴重な食料だ。無駄にはするな」
「大丈夫だよこれくらい」
この量を胃袋に納めて明日の魔物退治は大丈夫なのかという心配はあるのだが、それよりも食べ物を無駄にして捨てるほうが問題だ。
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