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6 アペルピシアという魔王
まさか魔王が異世界で 33
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「だ、大丈夫ですか!?」
ミラがすぐに駆け寄って心配している。
意識はない。だが、心臓は動いているし、呼吸もしている。命の危険はないだろう。
それより、この人間がどこから飛んできたのかが問題だ。
こいつが飛んできたのは、この群衆の向こう側から。もちろん、自信の力で飛んできたわけではない。魔族の攻撃によって吹き飛ばされたのだろう。つまり……。
「戦いが始まったか……」
最後尾のこの場所では様子は見えないが、なにやら群衆が騒ぎ出しているのだけは分かる。戦いが始まって人間たちが奮起しているのだろうか。それとも、この人間が吹き飛ばされたのを見て驚愕で震えているのだろうか。
ともかく、戦いが始まっていることは間違いない。問題は、この戦いの最前線にどうやって行くか……。
「お嬢ちゃん、ここは危険だ! 坊主を連れてお母さんのところに行くんだ!」
俺たちのことを心配してくれているのは有り難いんだが、それは余計なお世話というものだ。
もとより、俺はもちろん、ミラも戦う気満々だ。逃げるなんて選択肢はない。
「実はな、俺も戦士なんだよ」
「何してるんだ! 早く逃げろ!」
剣を取り出して見せたが、全く信じてくれていない。まあ、仕方ない。人間は見た目で判断する生き物だから。この俺が勇者の体に入り込んだ魔王で、さらに俺の姉だと思われているミラはその勇者と戦いを共にした従者。素質だけで考えれば、ここにいる誰よりも今のこの状況を対処するのに相応しい二人だ。
ただ、俺たちは最後尾で、現在、何もする事が出来ない。
そう思っていると、前方から次々と人間が吹き飛んで来た。
今度は、意識がある。ただ、飛ばされてきた人間は全員負傷している。再び戦える状態ではない。
「戦えなくなった奴は全員逃げろ! 自力で歩ける奴は歩けない奴に肩を貸してやれ!」
だが、飛ばされてきた人間は、誰も動こうとはしない。
子供の言葉には従わないということか? いいや、子供とはいえ、的確な指示をしたはずだ。
「どういうことだ……」
それは飛ばされて負傷した人間の顔を見たら分かった。最初に飛ばされてきた意識のない人間以外、その全員の顔が恐怖に支配されていた。
「弱い。人間は弱くて無様だ。この程度のことで我を恐れ、恐怖するのだから。そんな人間が我に楯突くとは……」
町の門の方を見ると、あれほどいた人間はもう数名しか残っていなかった。あれだけの数が後方へと飛ばされてしまったのだ。そして、それを行ったのは、たった一人の魔族だった。
ミラがすぐに駆け寄って心配している。
意識はない。だが、心臓は動いているし、呼吸もしている。命の危険はないだろう。
それより、この人間がどこから飛んできたのかが問題だ。
こいつが飛んできたのは、この群衆の向こう側から。もちろん、自信の力で飛んできたわけではない。魔族の攻撃によって吹き飛ばされたのだろう。つまり……。
「戦いが始まったか……」
最後尾のこの場所では様子は見えないが、なにやら群衆が騒ぎ出しているのだけは分かる。戦いが始まって人間たちが奮起しているのだろうか。それとも、この人間が吹き飛ばされたのを見て驚愕で震えているのだろうか。
ともかく、戦いが始まっていることは間違いない。問題は、この戦いの最前線にどうやって行くか……。
「お嬢ちゃん、ここは危険だ! 坊主を連れてお母さんのところに行くんだ!」
俺たちのことを心配してくれているのは有り難いんだが、それは余計なお世話というものだ。
もとより、俺はもちろん、ミラも戦う気満々だ。逃げるなんて選択肢はない。
「実はな、俺も戦士なんだよ」
「何してるんだ! 早く逃げろ!」
剣を取り出して見せたが、全く信じてくれていない。まあ、仕方ない。人間は見た目で判断する生き物だから。この俺が勇者の体に入り込んだ魔王で、さらに俺の姉だと思われているミラはその勇者と戦いを共にした従者。素質だけで考えれば、ここにいる誰よりも今のこの状況を対処するのに相応しい二人だ。
ただ、俺たちは最後尾で、現在、何もする事が出来ない。
そう思っていると、前方から次々と人間が吹き飛んで来た。
今度は、意識がある。ただ、飛ばされてきた人間は全員負傷している。再び戦える状態ではない。
「戦えなくなった奴は全員逃げろ! 自力で歩ける奴は歩けない奴に肩を貸してやれ!」
だが、飛ばされてきた人間は、誰も動こうとはしない。
子供の言葉には従わないということか? いいや、子供とはいえ、的確な指示をしたはずだ。
「どういうことだ……」
それは飛ばされて負傷した人間の顔を見たら分かった。最初に飛ばされてきた意識のない人間以外、その全員の顔が恐怖に支配されていた。
「弱い。人間は弱くて無様だ。この程度のことで我を恐れ、恐怖するのだから。そんな人間が我に楯突くとは……」
町の門の方を見ると、あれほどいた人間はもう数名しか残っていなかった。あれだけの数が後方へと飛ばされてしまったのだ。そして、それを行ったのは、たった一人の魔族だった。
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