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6 アペルピシアという魔王
まさか魔王が異世界で 34
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「もっと生きのいい生け贄はいないのか? これでは我の気は収まらないぞ」
牛のような獣の顔をしたミノタウロスのような獣人型の魔族は怒りを露わにしていた。
あの屈強な体。その太い腕で、人間の成人男性は軽々と吹き飛ばされたのだろう。
しかも、この魔族だけにやられて、奥にいる魔族は傍観していて手を出していない。それがさらなる恐怖を与えている。
確かに、魔力は強大だ。あの魔王には劣るが、この憑依影装では防ぐことが出来ないだろう。つまり、この2日で得た力が頼りになる。
そう分析していると、獰猛な闘牛のような目と視線が合ってしまった。
「なんだ、この町は! 子供まで戦場に駆り出すとは。そこまで戦力のない町だったとは。そんな町の住人に我が軍団の一角が倒されたなど、あってはならない!」
どうやら、あの森の主はこいつの配下にあったようだ。そもそも、あの森の主に上がいるというのなら、俺の支配下にならなかったのも納得がいく。
それに、あの主を倒したせいでこいつらが攻めてきているというのなら、この俺にひゃ戦う理由がちゃんとある。
「まあ、あやつを倒した者が名乗り出なくてもよい。どうせ、この町の人間は全員俺の供物になるんだからな! まずはそこの子供から食ってやろう!」
標的はどうやら俺になったようだ。でも、それは好都合。俺が招いた戦いならば、終わらせるのも俺の役目だ。
迫り来る猛獣に切っ先を向けるように剣を構えた。しかし、切っ先はすぐに別の者を指した。
「おっちゃん!」
「時間を稼ぐ! そのうちに坊主は逃げるんだ!」
正義感の強い人間だ。だが、今はミノタウロスの魔族と距離が測れなくなり邪魔だ。そして、邪魔だと思ったのは俺だけではなかった。
「邪魔だ人間! どけ!」
その声と共に、俺を守ろうとした人間は吹き飛んでいった。
「次はお前だ! 小僧!」
あの人間が前に出てきたせいで、パワースラッシュを当てるための距離が掴めなかった。おかげで、パワースラッシュの攻撃待機時間を待つどころかスキルの発動だって出来ていない。
「吹き飛べ!」
豪腕が腰の入った回転と共にパンチを繰り出した。
とりあえず、攻撃を防ぎたいのだが、剣ではただ折れてしまう。逃げるのももう間に合わない。
だめだ、と思ったそのときだった。
「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
その声で、俺の前に障壁が現れた。
「そんな貧弱な守り、破るのは造作もない!」
そのままパンチを繰り出すと、障壁は砕け、それによって少しパンチの軌道がズレたので致命傷は免れた。ただ、当たったからには、体は宙に浮かんで飛ばされていた。
牛のような獣の顔をしたミノタウロスのような獣人型の魔族は怒りを露わにしていた。
あの屈強な体。その太い腕で、人間の成人男性は軽々と吹き飛ばされたのだろう。
しかも、この魔族だけにやられて、奥にいる魔族は傍観していて手を出していない。それがさらなる恐怖を与えている。
確かに、魔力は強大だ。あの魔王には劣るが、この憑依影装では防ぐことが出来ないだろう。つまり、この2日で得た力が頼りになる。
そう分析していると、獰猛な闘牛のような目と視線が合ってしまった。
「なんだ、この町は! 子供まで戦場に駆り出すとは。そこまで戦力のない町だったとは。そんな町の住人に我が軍団の一角が倒されたなど、あってはならない!」
どうやら、あの森の主はこいつの配下にあったようだ。そもそも、あの森の主に上がいるというのなら、俺の支配下にならなかったのも納得がいく。
それに、あの主を倒したせいでこいつらが攻めてきているというのなら、この俺にひゃ戦う理由がちゃんとある。
「まあ、あやつを倒した者が名乗り出なくてもよい。どうせ、この町の人間は全員俺の供物になるんだからな! まずはそこの子供から食ってやろう!」
標的はどうやら俺になったようだ。でも、それは好都合。俺が招いた戦いならば、終わらせるのも俺の役目だ。
迫り来る猛獣に切っ先を向けるように剣を構えた。しかし、切っ先はすぐに別の者を指した。
「おっちゃん!」
「時間を稼ぐ! そのうちに坊主は逃げるんだ!」
正義感の強い人間だ。だが、今はミノタウロスの魔族と距離が測れなくなり邪魔だ。そして、邪魔だと思ったのは俺だけではなかった。
「邪魔だ人間! どけ!」
その声と共に、俺を守ろうとした人間は吹き飛んでいった。
「次はお前だ! 小僧!」
あの人間が前に出てきたせいで、パワースラッシュを当てるための距離が掴めなかった。おかげで、パワースラッシュの攻撃待機時間を待つどころかスキルの発動だって出来ていない。
「吹き飛べ!」
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とりあえず、攻撃を防ぎたいのだが、剣ではただ折れてしまう。逃げるのももう間に合わない。
だめだ、と思ったそのときだった。
「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
その声で、俺の前に障壁が現れた。
「そんな貧弱な守り、破るのは造作もない!」
そのままパンチを繰り出すと、障壁は砕け、それによって少しパンチの軌道がズレたので致命傷は免れた。ただ、当たったからには、体は宙に浮かんで飛ばされていた。
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