【悲報】異世界から日本に帰ってきたら幼女魔王が付いて来たんだが！？〜農家なのでスローライフをご所望します〜

２章、スローライフと幼女

１５、ロリ吸血鬼が来た

それは、結界を作った日の夜……確か深夜２時ごろだった気がする


「( ˘ω˘)スヤァ」


　私は自室の、一人で寝るにしてはちょっとサイズが大きなベッドでまどろみの中にいた。　この家に来てからまだ数えるほどしか使っていないのに、この質感にはもう慣れている自分がいることに驚いている


　それにしても、怖いくらい静かなんですが……この後何か起きないといいんだけど


「……けてぇー！　めっちゃ避けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！」


　私は、先ほどの思考がトリガーだったと言わんばかりに窓の外から聞こえるアニメ声によって、半ば強制的に目を覚まさせられた。


「うにゅ……こんな時間から一体なｎ……」


ドォォォォォォォォン！！！


　私の足元あたりから爆発じみた轟音がした。　えっ何何何？

　

　慌てて飛び起き、四つん這いになりながら事故現場？　の状況を確認する


「うゅ……にゃんとか逃げ切れたわね」


　そこには、緋色のツインテールに深紅の瞳、そして黒を基調としたメイド服を身にまとっている幼女が座っていた。　見た目はロリ魔王と同年代……いや、若干この娘の方が年下な気がする。


　てか可愛いなこの子も。　ロリ魔王とは違う……純粋な幼さがはっきりと言って尊い。


　……ん？　よくよく見たら口元にちっこいキバみたいなのが生えてるんですが。　おまけに背中にはコウモリみたいな小さい翼も生えてるぞ……

　

「何よ？　そんなにじろじろ見つめてると……吸っちゃうわよ？」


　やっぱり、この娘は吸血鬼だ。　普通の人間はキバを見せながら上目遣いで「吸っちゃうわよ」なんて言う訳がない


　あ、吸血鬼というのは……


「あら失礼、まだ名乗っていなかったわね。　わたしはティアラ・スカーレット　<超越者デイウォーカー>っていう種族の<吸血幼女ノスフェロリ>よ。」


　ティアラちゃんはその場で三角座りをする


「<デイウォーカー>？　<ノスフェロリ>？　それはいったい何なの？」

「簡単に説明すると、とある人物からから力を授かって太陽や銀や十字架やニンニクを克服して、なおかつ吸血鬼界の頂点に立った者のことよ」


　おっと……またスペックがヤバい人が来たぞ。

　私はティアラちゃんの言葉を聞いて、その場で少し後ずさりをしてしまった


「えっと……あなたも誰かの血を吸って仲間を増やすことが出来るの……？」


　ティアラちゃんは「いいえ」と首を横に振った。　あれ？　今の吸血鬼さんってそういう能力とか持ってないの？


「わたしに血を吸われると、全吸血鬼と相互的な主従関係を結ぶことが出来るようになるだけよ」

「相互的な主従関係……？」


　訳のわからない言葉に私は首をかしげた。　主従関係って一方的に結ぶものだよね……？


「この場合だと、お互いの能力を共有することっていう意味になるわ」

「命令権はあるの？」

「あるわよ。　ただし、拒否権も同伴することになるわよ」


　……つまり、相手を一方的に使役できるわけではないということか。　


「理解したかしら？　まあ、分からないことがあったら何でも聞きなさい。　わたし、メイドとしてこれから一緒に暮らすのだから」

「……うん？　今何て言ったの？」


　後半部分でなんか聞き捨てならないことを言ってたような……


　ティアラちゃんはちょっとだけ顔を火照らせた。　

「に……２回も言わせないでよっ！　わたしはこれからメイドとして、ここで暮らｓ」


「なにごとなのじゃぁぁぁぁぁぁ！！！」