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184・神引きにはキャラソンを添えて
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「何、だと……!?」
「おお……っ!!」
愕然とする翼人たち、そして目を輝かせる俺たちが見守る中で。空中にキラキラと宝石をまき散らしながら、どこからともなく字幕が浮かび上がってくる。来た。来た来た来た! これは宝石騎士におけるお約束、いわゆる勝ち確BGM!!
*+:。.。 Believe 。.。:+*
歌:ジルコン=ラタナキリ
「っしゃあああッ!!」
拳を突き上げて俺は吠えた。バックに流れる曲は全然そんな雰囲気じゃないけど。壮大な、けれどどこかに切なさも帯びた、胸を打つような弦楽の調べ。哀切でありながらアップテンポなイントロが、相対するふたり、いや、この闘技場の空気すべてを支配していく。
♪冷たい夜の影に 小さな炎が灯った
♪太陽でも月でもない ちっぽけな灯り
♪意味なく価値も知られず ただ在っただけの光は
♪けれど確かに 温かかった
あからさまに憔悴した様子のフォルコが、やみくもに羽弾を乱打する。だがジルコンは指も動かさず、まとった魔力だけですべてを跳ね返す。
「ぐっ、おいふざけんなッ、アリかよこんなん!?」
「残念ながら、アリなんだよ! 世界の正義は我にあり、だ!」
もはや形勢は、誰の目にも明らかだった。夜の暗闇を裂いて、光の弾丸みたいにジルコンが詰める。
♪何も要らない なんて言わない
♪偽りも真実も この手で掴み取るだけ
♪揺らぎかけても 砕け散っても
♪お前が信じてくれる
「くっそ、出鱈目だ、畜生ッ……ぐぁっ!」
「こ……こんな、こんなこと……ッ! あり得ない、人間如きにフォルコが負けるなど……間違っているッ!!」
誰の目にも崖っぷちの様相を呈し始めたフォルコのありさまに、翼人たちが動揺にざわめく。もはや俺たちに敵意を向ける余裕すらないようだ。
「へっへーん! 間違ってようが間違ってなかろうが、結果は結果! ガチャはこの世界における絶対なんだよコノヤロー!」
「それ、よりによってお前が言う?」
ここぞとばかりにエイグルを煽り倒す俺に、ミマが呆れたようにツッコミを入れる。いやわかってるけど! 単発で推しのSSR引くなんて生まれて初めてなんだ、自慢させてくれよ!
なんて言ってるうちに曲はサビにさしかかる。苦しげな顔で空中に跳ね上がろうとしたフォルコの爪を、ジルコンがピンポイントで弾き飛ばした。空を奪われた翼人はよろめきながら地に足を着く。
♪いつか
♪たったひとつだけ キセキを願えるのならば
♪輝きもきらめきも すべて捧げてもいい
♪だから選んでくれ お前が求めてくれ どうか
♪たったひとりの 俺を
「くそ、くそッくそッ!! 畜生ッ!!」
「終わりだ!!」
「ぐっ、ああああっ!!」
剣がきらめく軌跡を描き、フォルコの翼をざっくりと斬りつける。追い打ちでかけた足払いに、フォルコの長身はぐるんと反転した。
「ジルコンッ!!」
「殿下っ!!」
騎士サマたちが一斉に上げた叫びは、明らかな歓喜の色に満ちていた。
一瞬の間を置いて、俺たちの目に映ったのは。
フォルコの翼を踏みつけ、喉元に剣先を突きつけるジルコンの姿だった。
「おお……っ!!」
愕然とする翼人たち、そして目を輝かせる俺たちが見守る中で。空中にキラキラと宝石をまき散らしながら、どこからともなく字幕が浮かび上がってくる。来た。来た来た来た! これは宝石騎士におけるお約束、いわゆる勝ち確BGM!!
*+:。.。 Believe 。.。:+*
歌:ジルコン=ラタナキリ
「っしゃあああッ!!」
拳を突き上げて俺は吠えた。バックに流れる曲は全然そんな雰囲気じゃないけど。壮大な、けれどどこかに切なさも帯びた、胸を打つような弦楽の調べ。哀切でありながらアップテンポなイントロが、相対するふたり、いや、この闘技場の空気すべてを支配していく。
♪冷たい夜の影に 小さな炎が灯った
♪太陽でも月でもない ちっぽけな灯り
♪意味なく価値も知られず ただ在っただけの光は
♪けれど確かに 温かかった
あからさまに憔悴した様子のフォルコが、やみくもに羽弾を乱打する。だがジルコンは指も動かさず、まとった魔力だけですべてを跳ね返す。
「ぐっ、おいふざけんなッ、アリかよこんなん!?」
「残念ながら、アリなんだよ! 世界の正義は我にあり、だ!」
もはや形勢は、誰の目にも明らかだった。夜の暗闇を裂いて、光の弾丸みたいにジルコンが詰める。
♪何も要らない なんて言わない
♪偽りも真実も この手で掴み取るだけ
♪揺らぎかけても 砕け散っても
♪お前が信じてくれる
「くっそ、出鱈目だ、畜生ッ……ぐぁっ!」
「こ……こんな、こんなこと……ッ! あり得ない、人間如きにフォルコが負けるなど……間違っているッ!!」
誰の目にも崖っぷちの様相を呈し始めたフォルコのありさまに、翼人たちが動揺にざわめく。もはや俺たちに敵意を向ける余裕すらないようだ。
「へっへーん! 間違ってようが間違ってなかろうが、結果は結果! ガチャはこの世界における絶対なんだよコノヤロー!」
「それ、よりによってお前が言う?」
ここぞとばかりにエイグルを煽り倒す俺に、ミマが呆れたようにツッコミを入れる。いやわかってるけど! 単発で推しのSSR引くなんて生まれて初めてなんだ、自慢させてくれよ!
なんて言ってるうちに曲はサビにさしかかる。苦しげな顔で空中に跳ね上がろうとしたフォルコの爪を、ジルコンがピンポイントで弾き飛ばした。空を奪われた翼人はよろめきながら地に足を着く。
♪いつか
♪たったひとつだけ キセキを願えるのならば
♪輝きもきらめきも すべて捧げてもいい
♪だから選んでくれ お前が求めてくれ どうか
♪たったひとりの 俺を
「くそ、くそッくそッ!! 畜生ッ!!」
「終わりだ!!」
「ぐっ、ああああっ!!」
剣がきらめく軌跡を描き、フォルコの翼をざっくりと斬りつける。追い打ちでかけた足払いに、フォルコの長身はぐるんと反転した。
「ジルコンッ!!」
「殿下っ!!」
騎士サマたちが一斉に上げた叫びは、明らかな歓喜の色に満ちていた。
一瞬の間を置いて、俺たちの目に映ったのは。
フォルコの翼を踏みつけ、喉元に剣先を突きつけるジルコンの姿だった。
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