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第八話 旅立ちという名の落とし穴
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ルシウスとの修行を終えてからさらに三ヶ月後。
俺がアリスに助けられてから、もう一年経ったことになる。
「なんていうか、早いもんだな。時間が過ぎるのって」
「まぁそうね。私達にとって、一年なんて誤差だもの」
「その感覚は、まだ俺にはわからないかなぁ」
俺はアリスに呼ばれ、中庭で紅茶を飲んでいた。
紅茶の席に呼ばれたのは初めてではない。
三ヶ月前、俺がルシウスから一撃入れた後初めて呼ばれたのだが、それからちょくちょく誘いを受けるようになっていた。
いつものように他愛の無い話をしていたら、背後に気配を感じた。
執事服に身を包んだ初老の男、ルシウスだ。
実年齢は相当上の筈なのに、その身体に衰えは無く、服の上からでも鍛えられた肉体が伺える。
「アリス様。出立の準備が整いました」
「ええ。わかったわ」
「ん?どっかに出かけるのか」
この空間から出入りすることは、空間魔法を使うことができるアリスだけだ。
だがアリス曰く、自分が外に長時間出ていると面倒なことになるらしく、歪みを閉じる作業の時以外は出ない。
だからアリスが自分から外に出ようとするのは珍しい。
「出かけるのは貴方よ」
違った。俺だった。
アリスお嬢様はいつも説明が足りない。
ちなみに、何度かルシウスの買い出しに荷物運びとして呼ばれたのだが、王国内では俺は死んだことになっていた。
まぁ、毎日依頼を受けに来ていた人が一年も音沙汰が無ければ、そうなるのも無理はないか。
「説明は必要かしら」
「是非とも」
そんな面倒くさそうな顔をしないでほしい。
これだけの情報で内容を理解出来るのなんてルシウスぐらいだ。
「私が歪みを閉じて回っているのは前に言ったわよね」
「ああ。『災禍の魔獣』が歪みの中を通って移動してるから、歪みを閉じて行動を制限する……だったか」
アリスはええと頷く。
「その歪みは私が千里眼を使って探しているの。もうわかりやすい場所に出来た歪みはほとんど閉じ終わったわ。後はダンジョンとか、地下にある歪みなのだけれど」
「千里眼じゃむりなのか」
「千里眼は断片的にしか見れないから、地下だとピンポイントで合わせないと何も見えないの。だから前のように直接ダンジョンに乗り込むしかないわ」
「なるほど。それで俺に歪みを探しに行けと。ん? それって俺が一人で行っても意味無くね」
「心配無いわ。自分の眷属の場所は千里眼で直ぐに把握出来るもの。貴方が歪みを見つければ、私がそこに飛ぶわ」
「そっか。なら、行きますか」
立ち上がり、ルシウスから荷物を受け取った俺に、アリスが声をかける。
「あら、いつもみたいに質問責めはしないのね」
「もう一年も一緒に住んでるからな。詳しく話さないのは、話したく無いことだってことぐらいはわかる」
「……そう」
アリスは俯き、少し申し訳なさそうな顔をしたが、直ぐに向き直る。
そして、悪戯っ子っぽい笑みを浮かべてこれから行く場所について話しだした。
「まず貴方に行ってもらうのは、一年前に私と出会った洞窟よ。眷属が暴れて地形が変わったせいで、あそこの歪みはまだ塞げていなかったから。今の時間だとそうね、上手くいけば面白いことになるんじゃないかしら」
「もう嫌な予感しかしないわけだが」
「ルシウスに鍛えてもらったのなら、死にはしないでしょう」
「死ぬも何も不死者なんだけどな」
まぁ、不死者を殺すも手段がないわけでもないのだが。
「今回の調査が終わったら、そのまま冒険者として歪みを探してもらうことになるわ。私はある程度貴方を観測しているけれど、現地での問題は自力で解決しなさい」
それと……とアリスは最後に付け加えた。
「“アレ”は極力使わないこと」
声音は重く、念を押すようにアリスは言った。
「わかってるわかってる。俺もあんなのはもうごめんだ」
その言葉に、俺は素直に頷いた。
頷いた瞬間。穴に落とされた。
荷物と一緒に落ちる中見えたのは、優雅に紅茶を飲みながら、これから起きる出来事に期待し、笑みを浮かべるアリスの姿だった。
落とすなら言って欲しかった。
本当に、お嬢様は説明が足りない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「行きましたな」
ユウが落ちた穴を見つめながら、ルシウスは呟いた。
「あら、“二人目”の弟子が心配なのかしら」
「はは。ご冗談を」
ルシウスは笑っているが、その目が笑っていないことをアリスは見逃さない。
ルシウスはユウを嫌っている。
ユウが人間で、しかも自分に対しての態度が軽いことが主な原因だろうが……。
「まぁ、あれだけシゴきましたからな。冒険者としても、手段さえ選ばなければSランク程度の依頼なら問題なくこなせるでしょう」
続けられたルシウスの言葉に、アリスは意外そうに目を見開いた。
人間嫌いである筈のルシウスが、人を褒めるのはそれ程までに珍しい。
「意外ね。貴方が彼を褒めるなんて」
「元々あの小僧は、魔力操作に長けておりました。アリス様の眷属となった今では、最早完成の域ににあると言っていい。神器も無く、魔法のみで今まで生きてきただけのことはありますが、余程魔法を教えた者の腕が良かったのでしょう」
この世界の戦闘では、魔法による影響も大きいが、最も重要視されているのはそれ以外の戦闘手段である。
魔法は誰しもが適正の2種類を使うことができる。
“誰でも”魔力と技量があれば相手と同程度の魔法が使えるのだ。
それが当たり前の世界では、魔法一本で生きていこうとする者など、余程の馬鹿か自信家のみである。
もちろん、魔法は重要な戦闘手段だ。
だが本来、戦う相手との魔法の相性も分からなければ、使える魔力の量も限られている。
そんな中、自身の適正魔法のみで対処出来る事柄などたかが知れている。
その為、剣士など武術を学ぶ者は高い戦闘能力を持っていると言っていい。
あらゆる武術は全て、“対魔法”を想定して編み出されているのだから。
「Sランク冒険者と言うと、“人族基準”では英雄レベルね。なら、勇者や魔王と比べたらどうかしら」
「勿論。話にもなりません」
ルシウスは即答した。
アリスにも予想出来た答えだ。
人族では、Sランクに達した冒険者は、勇者に匹敵する英雄だともてはやされる。
だが、それは大きな勘違いだ。
未だ人族と魔族の戦争は続いているが、この百年。
勇者は内政に躍起となり、魔王はそもそも人族を敵と見ておらず“災禍の魔獣”に目を向けた。
今では最前線で小競り合いを続けるだけの規模に収まっている。
つまる所。勇者と魔王が“本気”で戦う姿を見たものが少なくなったのだ。
只の人の力が“匹敵する”と思われる程に。
アリスの目から見ても、ユウの力は凡人だ。
身体能力は勿論。本来の魔力量も多くはない。
冒険者としてなら、良くてBランクになれるかどうか。
眷属化の影響が大きいとは言え、一年で、それも魔法のみでSランクの力があると評価される程に伸びたのは、純粋に褒めるべき所だ。
だが、彼と同じ勇者の強さは、その比ではない。
彼がもし、“勇者としての役割”を任されれば、“まともな手段”ではなし得る事が出来ないだろう。
「なら、私達は見届けましょうか。凡人の勇者が、世界をどう変えるのか」
所詮自分は“傍観者”。
舞台に上がらない観客。
だからせめて、自分だけは見届けよう。
「この世界は、どんな結末を迎えるのかしらね」
俺がアリスに助けられてから、もう一年経ったことになる。
「なんていうか、早いもんだな。時間が過ぎるのって」
「まぁそうね。私達にとって、一年なんて誤差だもの」
「その感覚は、まだ俺にはわからないかなぁ」
俺はアリスに呼ばれ、中庭で紅茶を飲んでいた。
紅茶の席に呼ばれたのは初めてではない。
三ヶ月前、俺がルシウスから一撃入れた後初めて呼ばれたのだが、それからちょくちょく誘いを受けるようになっていた。
いつものように他愛の無い話をしていたら、背後に気配を感じた。
執事服に身を包んだ初老の男、ルシウスだ。
実年齢は相当上の筈なのに、その身体に衰えは無く、服の上からでも鍛えられた肉体が伺える。
「アリス様。出立の準備が整いました」
「ええ。わかったわ」
「ん?どっかに出かけるのか」
この空間から出入りすることは、空間魔法を使うことができるアリスだけだ。
だがアリス曰く、自分が外に長時間出ていると面倒なことになるらしく、歪みを閉じる作業の時以外は出ない。
だからアリスが自分から外に出ようとするのは珍しい。
「出かけるのは貴方よ」
違った。俺だった。
アリスお嬢様はいつも説明が足りない。
ちなみに、何度かルシウスの買い出しに荷物運びとして呼ばれたのだが、王国内では俺は死んだことになっていた。
まぁ、毎日依頼を受けに来ていた人が一年も音沙汰が無ければ、そうなるのも無理はないか。
「説明は必要かしら」
「是非とも」
そんな面倒くさそうな顔をしないでほしい。
これだけの情報で内容を理解出来るのなんてルシウスぐらいだ。
「私が歪みを閉じて回っているのは前に言ったわよね」
「ああ。『災禍の魔獣』が歪みの中を通って移動してるから、歪みを閉じて行動を制限する……だったか」
アリスはええと頷く。
「その歪みは私が千里眼を使って探しているの。もうわかりやすい場所に出来た歪みはほとんど閉じ終わったわ。後はダンジョンとか、地下にある歪みなのだけれど」
「千里眼じゃむりなのか」
「千里眼は断片的にしか見れないから、地下だとピンポイントで合わせないと何も見えないの。だから前のように直接ダンジョンに乗り込むしかないわ」
「なるほど。それで俺に歪みを探しに行けと。ん? それって俺が一人で行っても意味無くね」
「心配無いわ。自分の眷属の場所は千里眼で直ぐに把握出来るもの。貴方が歪みを見つければ、私がそこに飛ぶわ」
「そっか。なら、行きますか」
立ち上がり、ルシウスから荷物を受け取った俺に、アリスが声をかける。
「あら、いつもみたいに質問責めはしないのね」
「もう一年も一緒に住んでるからな。詳しく話さないのは、話したく無いことだってことぐらいはわかる」
「……そう」
アリスは俯き、少し申し訳なさそうな顔をしたが、直ぐに向き直る。
そして、悪戯っ子っぽい笑みを浮かべてこれから行く場所について話しだした。
「まず貴方に行ってもらうのは、一年前に私と出会った洞窟よ。眷属が暴れて地形が変わったせいで、あそこの歪みはまだ塞げていなかったから。今の時間だとそうね、上手くいけば面白いことになるんじゃないかしら」
「もう嫌な予感しかしないわけだが」
「ルシウスに鍛えてもらったのなら、死にはしないでしょう」
「死ぬも何も不死者なんだけどな」
まぁ、不死者を殺すも手段がないわけでもないのだが。
「今回の調査が終わったら、そのまま冒険者として歪みを探してもらうことになるわ。私はある程度貴方を観測しているけれど、現地での問題は自力で解決しなさい」
それと……とアリスは最後に付け加えた。
「“アレ”は極力使わないこと」
声音は重く、念を押すようにアリスは言った。
「わかってるわかってる。俺もあんなのはもうごめんだ」
その言葉に、俺は素直に頷いた。
頷いた瞬間。穴に落とされた。
荷物と一緒に落ちる中見えたのは、優雅に紅茶を飲みながら、これから起きる出来事に期待し、笑みを浮かべるアリスの姿だった。
落とすなら言って欲しかった。
本当に、お嬢様は説明が足りない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「行きましたな」
ユウが落ちた穴を見つめながら、ルシウスは呟いた。
「あら、“二人目”の弟子が心配なのかしら」
「はは。ご冗談を」
ルシウスは笑っているが、その目が笑っていないことをアリスは見逃さない。
ルシウスはユウを嫌っている。
ユウが人間で、しかも自分に対しての態度が軽いことが主な原因だろうが……。
「まぁ、あれだけシゴきましたからな。冒険者としても、手段さえ選ばなければSランク程度の依頼なら問題なくこなせるでしょう」
続けられたルシウスの言葉に、アリスは意外そうに目を見開いた。
人間嫌いである筈のルシウスが、人を褒めるのはそれ程までに珍しい。
「意外ね。貴方が彼を褒めるなんて」
「元々あの小僧は、魔力操作に長けておりました。アリス様の眷属となった今では、最早完成の域ににあると言っていい。神器も無く、魔法のみで今まで生きてきただけのことはありますが、余程魔法を教えた者の腕が良かったのでしょう」
この世界の戦闘では、魔法による影響も大きいが、最も重要視されているのはそれ以外の戦闘手段である。
魔法は誰しもが適正の2種類を使うことができる。
“誰でも”魔力と技量があれば相手と同程度の魔法が使えるのだ。
それが当たり前の世界では、魔法一本で生きていこうとする者など、余程の馬鹿か自信家のみである。
もちろん、魔法は重要な戦闘手段だ。
だが本来、戦う相手との魔法の相性も分からなければ、使える魔力の量も限られている。
そんな中、自身の適正魔法のみで対処出来る事柄などたかが知れている。
その為、剣士など武術を学ぶ者は高い戦闘能力を持っていると言っていい。
あらゆる武術は全て、“対魔法”を想定して編み出されているのだから。
「Sランク冒険者と言うと、“人族基準”では英雄レベルね。なら、勇者や魔王と比べたらどうかしら」
「勿論。話にもなりません」
ルシウスは即答した。
アリスにも予想出来た答えだ。
人族では、Sランクに達した冒険者は、勇者に匹敵する英雄だともてはやされる。
だが、それは大きな勘違いだ。
未だ人族と魔族の戦争は続いているが、この百年。
勇者は内政に躍起となり、魔王はそもそも人族を敵と見ておらず“災禍の魔獣”に目を向けた。
今では最前線で小競り合いを続けるだけの規模に収まっている。
つまる所。勇者と魔王が“本気”で戦う姿を見たものが少なくなったのだ。
只の人の力が“匹敵する”と思われる程に。
アリスの目から見ても、ユウの力は凡人だ。
身体能力は勿論。本来の魔力量も多くはない。
冒険者としてなら、良くてBランクになれるかどうか。
眷属化の影響が大きいとは言え、一年で、それも魔法のみでSランクの力があると評価される程に伸びたのは、純粋に褒めるべき所だ。
だが、彼と同じ勇者の強さは、その比ではない。
彼がもし、“勇者としての役割”を任されれば、“まともな手段”ではなし得る事が出来ないだろう。
「なら、私達は見届けましょうか。凡人の勇者が、世界をどう変えるのか」
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