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きみのミルクを飲ませてくれないか
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突然異世界へ転移させられた。いわゆる神隠し、というやつらしい。神様の気まぐれ。そんなもので私胡桃の人生はがらりと変わってしまった。
転移の際、神様が通訳機能を付与してくれた。そのままポイっと異世界へ投げちゃうのは流石に可哀想だから、ということで与えてくれた。言葉を話せたとしても、この世界の習慣や常識は住んでいた日本とは全く違うため、たまに認識違いが起きる。外国人と現地人に齟齬が起きるのと同じだ。私の場合は異世界人だけれども…。
大分生活にも慣れ、この世界のことがわかってきた。
この世界へ来て半年ほど。こんなに早くここの生活に慣れたのは、私を支えてくれた人がいたからだ。この王都で活躍する騎士団副団長ヘレフォード。転移した時に最初にお世話になったのが国が管轄する騎士団である。そのヘレフォードが、私がこの国で世界で生活していくためのサポート役を自ら買って出てくれたのである。平の騎士だと流石に任せられないし、団長以上だと中々本業が忙しく時間が取れないだろう。副団長なら間が取れてちょうどいいという話になった。
最初この国に転移してきて動揺している私に、親身になって支えてくれた。訳がわからないまま始まった新しい生活。新しい環境。友達も親も、知り合いも誰一人としていない。孤独な環境。取り乱して、夜な夜な枕を濡らし、次の日に目が真っ赤になって腫れている私の瞼を、何も言わずに大きな冷たい手でそっと撫でてくれた。落ち込んでいる時には、そっと側にいてくれた。環境変化のストレスで、彼に当たり散らして、酷い言葉をかけたこともあった。でもそれを彼は全て受け止めてくれた。
こんな包容力で身も心も包み込まれて、惚れない女がいたら教えてほしい。実際に包み込まれたこともある。彼の前で大泣きした時はぎゅうっと抱きしめられた。彼のあの分厚い胸板の中に。すっぽりと。
まぁそれは全部、騎士団としての与えられた仕事を真面目にこなしているだけに過ぎないんだろうけど…。
「あぁ~、ヘレフォード様……すき、かっこいいよぉ」
騎士団の紺色の制服に身を包まれた彼を思い出して1人悶絶する。ベッドの上で枕を抱きしめながら、落ち着かせるためにふぅーっと息を吐く。
今日は一緒にディナーに行く予定である。あぁドキドキする。息を何度吐いても治らないこの心臓。静まれ、私の心よ。
いつもよりおしゃれな、ドレスコードがあるレストランに連れて行ってくれるらしい。その時に着るドレスやら靴やら一式前回の買い物に連れ行ってくれた時に買ってくれた。クローゼットにかけたそれらドレスを見つめる。
「コレってデート……なのかなぁ」
――そうだったらいいのに
ドレスの下にある新しい靴をチラと見た。赤みのある、落ち着いた褐色のパンプスを選んだのは、彼の髪の色と同じだったからだ。
流石にドレスの色を赤褐色に選ぶ勇気はなかったから、せめてなにか他の物には彼の色を入れたかった。
――――――――――――
いつも行っている屋台や食堂とは違った、落ち着いた大人なお店でディナーをとった。想いを寄せるヘレフォード様と。
「最後にデザートも食べていこう。ここのは絶品だよ」
「甘いもの大好き!」
薄暗い店内に灯る蝋燭の光が、とても幻想的なロマンチックな雰囲気にさせてくれる。だけど、私は色気より食い気だ。この世界のご飯は美味い。このお店で出てきたもの全て綺麗に平らげた。ましてやデザート。こんなオシャンなお店のなんてもう絶品中の絶品だろう。食べる前からわかる。
「おいし~い!ほっぺたが落ちそう」
「それは今日胡桃を誘った甲斐があったな」
眩しそうに、もぐもぐとデザートをすくったスプーンを口に入れる私の顔を見つめるヘレフォード副団長。外で訓練することが多いからか肌は小麦色に焼けて、ざらりとした赤褐色の髪が馴染んでいる。
彼のベーゼルナッツの少し緑味がかかった神秘的で優しい瞳をもっと見たくて、彼の目にかかるその髪をそっと耳にかけたい衝動に駆られる。その湧きあがった思いを、スプーンを口に入れる手に力を込め、押しとどめた。
(彼のことが好きなのが、胸が苦しい……)
ヘレフォードはきっと胡桃のことをそういった対象には見ていないのだろう。きっと、妹みたいな、親戚の子どもの面倒を見る兄のような、そんな風に見ているのだ。だっていつも一線は越えない。
「さぁ、家まで送るよ」
食事が終わると胡桃の家まで送り届けてくれる。出かける時は毎回だ。家の中に入ってくることはない。家の前まで、が彼の引いた一線であるのだろう。
「ヘレフォード様、いつもありがとう」
まだ彼と離れたくなくて、送ってくれると言う彼の好意を今まで断ったことはない。
ヘレフォードにこの思いを伝えたいと思ったことはある。だけど、断られたらきっとこの心地いい関係が終わってしまう。それが怖くて自分から何も言えない。
「好き」と彼に言えたら、この苦しい胸の痛みから解放されるのだろうか。それとも断られ、さらに激しい胸の痛みを味わうことになるのだろうか。
解りたいけど解りたくない。この生ぬるい心地の場所から動き出せないでいる自分が歯痒い。
「胡桃、お願いがあるんだが、聞いてくれるか」
家の前まで送り届けたら、次回の約束を取り付けて解散となるのがいつもなのだが。真剣な眼差しで胡桃を見つめるヘレフォード。彼の甘いナッツの、この瞳に見つめられるのが自分は弱い。どんな願い事も叶えてしまいたくなる。
(この雰囲気で、このシチュエーションで、もしかして、こっ告白とか?好きって言ってくれたり、付き合って欲しいとか言ってくれるのかな?)
もしかして、もしかして、と胸が高鳴り少し早口になる。期待感で、そしてさっき食べたディナーでお腹いっぱいで気持ち悪くなってきた。
「お願いってなに?」
「実は、その……」
とても言いにくそうに、耳を赤くして口に手を当てながら目を逸らす。
そしてこう言った。
「……ミルクを飲ませてくれないか」
「………………は?」
――……みるく?ミルク?ミルクってなんだっけ?
全く思考が、言葉が理解できない。予想していた言葉とはかけ離れた問いかけに、脳が追いつかない。
「…………えっと、ミルクって飲むミルク?」
「あぁ、そうだ」
――ミルクだ。牛乳?え?わけわからん!
「え、ミルク……今飲みたいってこと?」
「…………飲ませてくれるか?」
長い前髪を片手でかき上げ、照れた顔を見せるヘレフォード。そんな顔もめちゃくちゃカッコいいが、なぜ今ミルクなんだ。言ってることは全然カッコよくない。
お店から歩いたから、喉が乾いちゃったのかな?全然わけがわからないが、無理矢理自分を納得させる。家の冷蔵庫に牛乳があったはずだから、それを飲ませよう。うん、そうだ。そうしよう。マジでわけわからんタイミングだが。
「…………うち、よっていく?」
「……いいのか?」
「いいよ、はいって」
通常時であれば家の中にヘレフォードを入れるのに緊張したりする場面だが、「ミルクを飲ませて欲しい」と言う彼の言葉に動揺してそれどころじゃなかった。
キッチンへ向かい、その胡桃の後ろの後をついてくるヘレフォード。冷蔵庫を開けて、牛乳を取り出そうとする。
「ミルクじゃなくて、紅茶でも……」
いいけど、と続けようとしたその唇をヘレフォードの熱い唇によって閉ざされた。
「……っ!」
突然の甘く、柔らかい感触。顎をヘレフォードの右手で固定され、左手は腰に巻かれてぐいっと体を寄せられた。固くて、弾力のあるその男の体に接した胡桃の体が、カッと熱くなる。
「あっんっ、ふぁ、んんぅ」
何度も角度を、向きを変えて唇を啄まれる。ヘレフォードの舌が胡桃の舌を追いかけ、捕まってじゅるじゅると吸われる。
胡桃の中からとろっとしたものが溢れ出るのを感じた。きゅっとあそこを締めようとしてももう遅い。次々と溢れてくる。その快感に体が耐えられず、そして次の快感を待ち望み、胡桃の腰が揺れる。
腰に回っていたヘレフォードの筋張った大きな手が、背中をゆっくりと這う。それだけで胡桃は快感を拾ってしまい、びくびくと体がはねた。
「あぁっん、んん」
ヘレフォードの右手が胡桃の顎から、首筋、鎖骨をなぞり、ふっくらとした膨らみへと到達した。大きな手のひらがくっと胡桃の胸を掴む。そしてゆっくりとした手つきで全体を揉み込んでいく。
「ぃっあぁ……」
服の上から乳首をきゅっんと摘まれて、胡桃は声を上げた。くりくりと先を転がされ、なすすべもなくまた声をあげた。
「あっあっ……ぁあっん、やだぁ」
「嫌じゃないだろ、こんなに気持ちよさそうにして」
背中を這っていた手も胡桃の反対の乳首を攻め始めた。いつの間にか胡桃の背は冷蔵庫近くの壁に押し付けられ、逃れられない。
ヘレフォードの右膝が胡桃の股の間に押し込まれ、足を閉じられなくされてしまった。
「……湿ってるな?ここ……」
「ゃっ、ちがっ……」
どこがと言われなくてもわかる。その言葉に、羞恥心でかぁっと顔が熱くなるのを感じた。
「違う?……じゃあ確かめさせて」
そう言って、するっとパンツの中に手を入れると、クチュと音が鳴る。
「すっごいな。胡桃の、ぬるぬるだ」
「うそっ、ぃやぁあっ」
「嘘じゃない、ほら」
パンツの中に入れた、胡桃の愛液で濡れた指を見せつけてくる。そして、れろーっと舌を出して指についた愛液を舐めとった。
「これが胡桃の味か……甘い」
胡桃は恥ずかしくなり両手で顔を覆ったが、ヘレフォードがそれを許さない。両手を開かれ、ぐいっと顎をひかれた。
「隠すなよ。俺を見るんだ、胡桃」
茶色の暖かな瞳が、いつもよりギラギラと光って肉食獣のようだ。
履いていたスカートもパンツも下ろされ、濡れそぼった胡桃のものがあらわになる。
その上にある小さな突起をくりくりっとヘレフォードが指の腹で弄る。
「ンンッぅ、あっあっ、ダメ、ダメ、くるっ」
「ん?もうイクか?いいよ、イッて」
「アッアッ……あぁっーイクッ」
ヒクヒクと濡れたひだが痙攣する。ヘレフォードの体にしがみつき、はーはーと息を吐く。
「感じやすいんだな。エロい」
ヘレフォードはするりとしゃがみ込み、絶頂を一度体験した場所へと中指と人差し指を進めた。んぁっと声を上げたが、すんなりとそこはヘレフォードのゴツゴツとした指2本を受け入れた。ぐちぐちと音を立てて前後に動かしながら、ヘレフォードの舌が指を入れたその上の突起に触れた。
「ひぁっ!ンぁ……んっあぅ、んん」
胡桃の体はすぐに次の絶頂へと昇り詰める。指を3本に増やされ、中はぎちぎちに埋まっている。
「これ、きもちいな?」
れろれろと突起を舐めながら、ヘレフォードは胡桃を見上げる。胡桃は嬌声を上げるばかりで答えられない。答えるまで許さない、と言わんばかりに執拗に弱いところを攻められる。時折、「胡桃?」と、顔を見られながら問いかけられる。
「ゃだ、またっ、あっあっ」
「いいよ、イケよ。俺のできもちよくなって、思いっきりイケ」
指を動かされたままぢゅーっと突起を吸われて、大きすぎる快感に甘い声を上げながら胡桃の意識は真っ白に弾け飛んだ。立っていられなくなった胡桃はヘレフォードに体をあずけた。そんな胡桃の体をヘレフォードはぎゅっと抱きしめた。
落ち着いたが、まだ意識がふわふわとしている胡桃の体を持ち上げ、片足を上げさせて背中を壁に押さえつけた。
ガチャガチャとベルトをはずしてズボンを緩め、下着の中からガチガチに勃ったそれを胡桃にあてがった。
「なぁ、いいよな?ミルク飲ませてくれるって言ったよな?」
「…………ぅぇっ?……う、ん?」
まだ意識がしっかりしてないところに質問され、理解が追いつかない。
――またミルク?どういう意味なの……
「ん、もう我慢できない、いれるな?」
「ぅ、はぁッ、ンン」
ずりゅっと、思ったよりすんなりと入った。出し入れされ、胡桃のイイところを探る。
「胡桃?どこが、きもちいい?」
「ふゃ、……ヘレフォードさまっ、あっ、も、まって、まってぇ」
ズン、ズンと一定のリズムで奥を探られ、悶えることしか出来ない。ヘレフォードの腰の動きを少しでも止めようと、彼の腰あたりに手を当て押さえた。だが、鍛え上げた彼の体はそんな制止では止まらない。
「浅いところがイイ?」
奥を探っていたものが、入り口の浅い部分を出入りする。
「ひ、ぅあっん、んっ、もぅ……あっあっ、なんでぇ」
「はぁ、かわいいな。あぁ、すぐいっちゃいそうだ」
かわいい、きれいだ、と耳元で何度も囁かれ、舌で耳をねぶられる。ヘレフォードにされるすべてが、胡桃を絶頂へと押し上げる。
「また、イクッ、いっちゃうっ」
「俺も、あぁっ、イク……」
きゅーっと胡桃が中を締め、どくどくとヘレフォードが痙攣して胡桃の中にその欲を吐き出した。
お互いにはぁはぁと息を切らし、落ち着くまでヘレフォードが胡桃の体を支え、優しく抱きしめる。
「胡桃、寝室へ行こう」
そう言うと、ヘレフォードは繋がったままぐいっと胡桃の体を持ち上げた。
「わぁあっ!ちょっとヘレフォードさまっ」
――いきなりすぎるっ
持ち上げられ、ヘレフォードのものがグッと奥まで届いた。さっき達した彼のものはまだまだ固さと太さを保ったまま、胡桃の中を貫く。
「んんっ、やだっ、こわいぃ」
いきなりの浮遊感に恐怖心が湧き、ぎゅうっとヘレフォードの体につかまった。そうすると、さらに繋がった場所が密着し、ググっと最奥へと到達した。それに合わせて体が震える。
寝室はこっちかな?と耳元で問いかけられ、それだけで感じてしまう。ヘレフォードが一歩進むたびに体が揺れて、その振動に体が疼いた。
寝室のドアノブを開き、いつもの紳士な彼とは違って少し乱暴にドアを足で押し開けた。そんないつもとは違った彼の一面を見て、思わずキュンと胸がときめく。
――いやいや!キュンじゃないよ、自分!この状況やばいでしょ。どうなってるの…
ジェットコースター並みの速さの展開に思考が、ヘレフォードから与えられる甘く切ない疼きに体が、ついていけていない。
ベッドにヘレフォードがどすんと勢い良く座った。その衝撃が胡桃の奥へと伝わり、胡桃は「ああっー!」と声を上げて軽く達してしまった。
――今の、絶対わざとじゃん!
なんなのとキッと睨みつけてやると、ヘレフォードはニヤニヤと悪い顔をして舌舐めずりをした。
――めちゃくちゃ悪い顔してる!紳士な騎士様はどこへ行ったんだ。
今度はベッドの真ん中へと繋がったままそっと寝かせてくれた。そっと頬に手が触れて、大切な宝物の感触を確かめるように慎重に上から下へなぞられる。
さっきの悪い騎士顔は消えて、真剣な眼差しを向けてくる。
「胡桃」
何かを確かめるようにそう呼びかけられる。ゴクリとヘレフォードの喉仏が動く。彼の声に緊張が宿っている。
ふぅと一息吐いて、彼はその緊張を取り除こうとした様だが、少し落ち着く程度で全ての緊張を乗り除くことは敵わなかったようだ。
「胡桃。好きだ……愛してる」
喉奥から絞り出すような、少し苦しさを滲んだ声。
――うそ、ヘレフォード様が私を好き?
あいしてる?、と小さく復唱した胡桃。声に出したことで胸の奥にその言葉が染み込んだ。
それと同時に、じわっと胡桃の目から涙が溢れ出てきた。
「胡桃、好きなんだ」
「わ、わたしも、」
「!胡桃っ」
すき、と続いたはずの声はヘレフォードが性急に口付けで掻き消えた。何度も何度も唇を奪われる。
「ンッあっんん、ふぁっ、んちゅ」
ちゅ、ちゅ、ちゅ、と音を立ててお互いに唇を求め合う。どちらともわからない唾液が2人の口から溢れ出る。
ヘレフォードが口付けながら、腰をいやらしく動かし始めた。ぐりっぐりっと奥をヘレフォードのもので捏ねるように動かされ、奥の弱いところを擦り上げられると、たまらず胡桃の腰が揺れた。ビリビリと痺れるような甘い感覚から逃れようと揺れる腰を、許さないとばかりにヘレフォードの両手で腰を固定され、さらに強くパンっパンっと叩きつけられた。
「ンッンッ、んんっーー!!」
口をキスで塞がれており、声を出してその与えられる快楽を逃すことも出来ず、快感が胡桃の体に蓄積される。
――あぁっ、またいっちゃう……!
もう何度目だろう。快感の波に身を委ねる。胡桃の中が収縮し、ヘレフォードのものを締めるつける。
「クッ!そんな締めつけると、ぅぅっ、出る」
最奥へと打ち付けたヘレフォードのものが中で放たれた。
「えっ?」
下腹部からじわっと熱い何かが上がってきている感触があった。それが上へ上へと這い上がり、両胸へと集中した。
「なにこれぇ、むねがっ……あついょぉ」
「あぁ、きたか」
はじめての感覚に怯える胡桃を落ち着かせるように、頭を撫で、ちゅ、ちゅ、と顔にキスを降らせた。そして、胡桃の両方のおっぱいを優しく揉み込む。
「ふぁぁっ」
乳輪部分から乳首がぐりぐりと強めに摘まれて、全体を捏ねなられる。乳首の固い芯の部分をもみほぐすように念入りに弄られる。乳首の中心が柔らかくなったところで、乳輪部分を人差し指と親指で押し、摘み上げられた。そうすると乳首からぴゅーっと白いものが湧き出てきた。
「やっ、なにこれ母乳?」
「はぁ、やっとミルクが飲める」
ふわりと笑いかけられ、ヘレフォードがその愛らしいヘーゼルナッツの瞳で見つめられる。うるうると湿ったような瞳に、胡桃は勝てないのだ。
「飲んでいいだろうか」
「えっと……」
「お願いだ、胡桃」
「……ぇ、ぁの、はい……ど、どうぞ?」
「では、飲むぞ?」
乳首を口に含まれ、優しく吸い上げられた。
「あっ、ンッ、んふぁあっ」
ぢゅるぢゅると音を立てて、私のおっぱいからミルクを飲み干す。熱くなっていたおっぱいは、ヘレフォード様に飲まれたおかげか、大分おさまってきた。
「ヘレフォード様……いったいコレはどういう?」
「……いや、実は…………俺は獣人なんだ」
ヘレフォード様の話によれば、ヘレフォード様は乳牛獣人というやつで、雌に精を放つと相手のおっぱいからミルクが出てくるようになるらしかった。そして、「ミルクを飲ませて欲しい」とは伴侶になって欲しい、つまり獣人的に言うと「番になってほしい」というプロポーズの言葉であったらしい。精を放った雌のおっぱいからミルクを飲んで、番と認められるらしい。
――いや全然聞いてませんけどそんなこと⁉︎初耳ですけど⁉︎
わざと説明せず、プロポーズに頷かせて、なし崩しに既成事実を作ってしまってでも手に入れたかったのだ、とヘレフォードは言った。
今にも泣き出しそうな悲壮感漂う装いで、胡桃の同情を誘う。うぐっと胡桃は狼狽え、そして仕方ないなぁと肩をすくめる。簡単に許し過ぎているとは思う。
だが、惚れた弱みだ。彼にどんな酷いことをされても全て許してしまうかもしれない、と胡桃は思った。同時に彼が胡桃に対して酷いことをすることはない、と直感的に信じている部分もあった。
「胡桃、許してくれるか?」
「はー、もー、しょうのない人。許すのは今回だけだよ。今度からは、ちゃんと全部教えてね」
「!っあぁ!ちゃんと説明する!……だから、だから、俺の……番になってくれるだろうか」
「わたしのミルク飲んだんだから、もう番でしょ」
「!!」
パァッと表情に花が咲いたように明るくなり、胡桃!とガバリと抱きしめられて、唇が顔中に雨のように降ってきた。
この後、またヘレフォードのものが大きさを取り戻し、2人の夜は朝まで続いた。
転移の際、神様が通訳機能を付与してくれた。そのままポイっと異世界へ投げちゃうのは流石に可哀想だから、ということで与えてくれた。言葉を話せたとしても、この世界の習慣や常識は住んでいた日本とは全く違うため、たまに認識違いが起きる。外国人と現地人に齟齬が起きるのと同じだ。私の場合は異世界人だけれども…。
大分生活にも慣れ、この世界のことがわかってきた。
この世界へ来て半年ほど。こんなに早くここの生活に慣れたのは、私を支えてくれた人がいたからだ。この王都で活躍する騎士団副団長ヘレフォード。転移した時に最初にお世話になったのが国が管轄する騎士団である。そのヘレフォードが、私がこの国で世界で生活していくためのサポート役を自ら買って出てくれたのである。平の騎士だと流石に任せられないし、団長以上だと中々本業が忙しく時間が取れないだろう。副団長なら間が取れてちょうどいいという話になった。
最初この国に転移してきて動揺している私に、親身になって支えてくれた。訳がわからないまま始まった新しい生活。新しい環境。友達も親も、知り合いも誰一人としていない。孤独な環境。取り乱して、夜な夜な枕を濡らし、次の日に目が真っ赤になって腫れている私の瞼を、何も言わずに大きな冷たい手でそっと撫でてくれた。落ち込んでいる時には、そっと側にいてくれた。環境変化のストレスで、彼に当たり散らして、酷い言葉をかけたこともあった。でもそれを彼は全て受け止めてくれた。
こんな包容力で身も心も包み込まれて、惚れない女がいたら教えてほしい。実際に包み込まれたこともある。彼の前で大泣きした時はぎゅうっと抱きしめられた。彼のあの分厚い胸板の中に。すっぽりと。
まぁそれは全部、騎士団としての与えられた仕事を真面目にこなしているだけに過ぎないんだろうけど…。
「あぁ~、ヘレフォード様……すき、かっこいいよぉ」
騎士団の紺色の制服に身を包まれた彼を思い出して1人悶絶する。ベッドの上で枕を抱きしめながら、落ち着かせるためにふぅーっと息を吐く。
今日は一緒にディナーに行く予定である。あぁドキドキする。息を何度吐いても治らないこの心臓。静まれ、私の心よ。
いつもよりおしゃれな、ドレスコードがあるレストランに連れて行ってくれるらしい。その時に着るドレスやら靴やら一式前回の買い物に連れ行ってくれた時に買ってくれた。クローゼットにかけたそれらドレスを見つめる。
「コレってデート……なのかなぁ」
――そうだったらいいのに
ドレスの下にある新しい靴をチラと見た。赤みのある、落ち着いた褐色のパンプスを選んだのは、彼の髪の色と同じだったからだ。
流石にドレスの色を赤褐色に選ぶ勇気はなかったから、せめてなにか他の物には彼の色を入れたかった。
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いつも行っている屋台や食堂とは違った、落ち着いた大人なお店でディナーをとった。想いを寄せるヘレフォード様と。
「最後にデザートも食べていこう。ここのは絶品だよ」
「甘いもの大好き!」
薄暗い店内に灯る蝋燭の光が、とても幻想的なロマンチックな雰囲気にさせてくれる。だけど、私は色気より食い気だ。この世界のご飯は美味い。このお店で出てきたもの全て綺麗に平らげた。ましてやデザート。こんなオシャンなお店のなんてもう絶品中の絶品だろう。食べる前からわかる。
「おいし~い!ほっぺたが落ちそう」
「それは今日胡桃を誘った甲斐があったな」
眩しそうに、もぐもぐとデザートをすくったスプーンを口に入れる私の顔を見つめるヘレフォード副団長。外で訓練することが多いからか肌は小麦色に焼けて、ざらりとした赤褐色の髪が馴染んでいる。
彼のベーゼルナッツの少し緑味がかかった神秘的で優しい瞳をもっと見たくて、彼の目にかかるその髪をそっと耳にかけたい衝動に駆られる。その湧きあがった思いを、スプーンを口に入れる手に力を込め、押しとどめた。
(彼のことが好きなのが、胸が苦しい……)
ヘレフォードはきっと胡桃のことをそういった対象には見ていないのだろう。きっと、妹みたいな、親戚の子どもの面倒を見る兄のような、そんな風に見ているのだ。だっていつも一線は越えない。
「さぁ、家まで送るよ」
食事が終わると胡桃の家まで送り届けてくれる。出かける時は毎回だ。家の中に入ってくることはない。家の前まで、が彼の引いた一線であるのだろう。
「ヘレフォード様、いつもありがとう」
まだ彼と離れたくなくて、送ってくれると言う彼の好意を今まで断ったことはない。
ヘレフォードにこの思いを伝えたいと思ったことはある。だけど、断られたらきっとこの心地いい関係が終わってしまう。それが怖くて自分から何も言えない。
「好き」と彼に言えたら、この苦しい胸の痛みから解放されるのだろうか。それとも断られ、さらに激しい胸の痛みを味わうことになるのだろうか。
解りたいけど解りたくない。この生ぬるい心地の場所から動き出せないでいる自分が歯痒い。
「胡桃、お願いがあるんだが、聞いてくれるか」
家の前まで送り届けたら、次回の約束を取り付けて解散となるのがいつもなのだが。真剣な眼差しで胡桃を見つめるヘレフォード。彼の甘いナッツの、この瞳に見つめられるのが自分は弱い。どんな願い事も叶えてしまいたくなる。
(この雰囲気で、このシチュエーションで、もしかして、こっ告白とか?好きって言ってくれたり、付き合って欲しいとか言ってくれるのかな?)
もしかして、もしかして、と胸が高鳴り少し早口になる。期待感で、そしてさっき食べたディナーでお腹いっぱいで気持ち悪くなってきた。
「お願いってなに?」
「実は、その……」
とても言いにくそうに、耳を赤くして口に手を当てながら目を逸らす。
そしてこう言った。
「……ミルクを飲ませてくれないか」
「………………は?」
――……みるく?ミルク?ミルクってなんだっけ?
全く思考が、言葉が理解できない。予想していた言葉とはかけ離れた問いかけに、脳が追いつかない。
「…………えっと、ミルクって飲むミルク?」
「あぁ、そうだ」
――ミルクだ。牛乳?え?わけわからん!
「え、ミルク……今飲みたいってこと?」
「…………飲ませてくれるか?」
長い前髪を片手でかき上げ、照れた顔を見せるヘレフォード。そんな顔もめちゃくちゃカッコいいが、なぜ今ミルクなんだ。言ってることは全然カッコよくない。
お店から歩いたから、喉が乾いちゃったのかな?全然わけがわからないが、無理矢理自分を納得させる。家の冷蔵庫に牛乳があったはずだから、それを飲ませよう。うん、そうだ。そうしよう。マジでわけわからんタイミングだが。
「…………うち、よっていく?」
「……いいのか?」
「いいよ、はいって」
通常時であれば家の中にヘレフォードを入れるのに緊張したりする場面だが、「ミルクを飲ませて欲しい」と言う彼の言葉に動揺してそれどころじゃなかった。
キッチンへ向かい、その胡桃の後ろの後をついてくるヘレフォード。冷蔵庫を開けて、牛乳を取り出そうとする。
「ミルクじゃなくて、紅茶でも……」
いいけど、と続けようとしたその唇をヘレフォードの熱い唇によって閉ざされた。
「……っ!」
突然の甘く、柔らかい感触。顎をヘレフォードの右手で固定され、左手は腰に巻かれてぐいっと体を寄せられた。固くて、弾力のあるその男の体に接した胡桃の体が、カッと熱くなる。
「あっんっ、ふぁ、んんぅ」
何度も角度を、向きを変えて唇を啄まれる。ヘレフォードの舌が胡桃の舌を追いかけ、捕まってじゅるじゅると吸われる。
胡桃の中からとろっとしたものが溢れ出るのを感じた。きゅっとあそこを締めようとしてももう遅い。次々と溢れてくる。その快感に体が耐えられず、そして次の快感を待ち望み、胡桃の腰が揺れる。
腰に回っていたヘレフォードの筋張った大きな手が、背中をゆっくりと這う。それだけで胡桃は快感を拾ってしまい、びくびくと体がはねた。
「あぁっん、んん」
ヘレフォードの右手が胡桃の顎から、首筋、鎖骨をなぞり、ふっくらとした膨らみへと到達した。大きな手のひらがくっと胡桃の胸を掴む。そしてゆっくりとした手つきで全体を揉み込んでいく。
「ぃっあぁ……」
服の上から乳首をきゅっんと摘まれて、胡桃は声を上げた。くりくりと先を転がされ、なすすべもなくまた声をあげた。
「あっあっ……ぁあっん、やだぁ」
「嫌じゃないだろ、こんなに気持ちよさそうにして」
背中を這っていた手も胡桃の反対の乳首を攻め始めた。いつの間にか胡桃の背は冷蔵庫近くの壁に押し付けられ、逃れられない。
ヘレフォードの右膝が胡桃の股の間に押し込まれ、足を閉じられなくされてしまった。
「……湿ってるな?ここ……」
「ゃっ、ちがっ……」
どこがと言われなくてもわかる。その言葉に、羞恥心でかぁっと顔が熱くなるのを感じた。
「違う?……じゃあ確かめさせて」
そう言って、するっとパンツの中に手を入れると、クチュと音が鳴る。
「すっごいな。胡桃の、ぬるぬるだ」
「うそっ、ぃやぁあっ」
「嘘じゃない、ほら」
パンツの中に入れた、胡桃の愛液で濡れた指を見せつけてくる。そして、れろーっと舌を出して指についた愛液を舐めとった。
「これが胡桃の味か……甘い」
胡桃は恥ずかしくなり両手で顔を覆ったが、ヘレフォードがそれを許さない。両手を開かれ、ぐいっと顎をひかれた。
「隠すなよ。俺を見るんだ、胡桃」
茶色の暖かな瞳が、いつもよりギラギラと光って肉食獣のようだ。
履いていたスカートもパンツも下ろされ、濡れそぼった胡桃のものがあらわになる。
その上にある小さな突起をくりくりっとヘレフォードが指の腹で弄る。
「ンンッぅ、あっあっ、ダメ、ダメ、くるっ」
「ん?もうイクか?いいよ、イッて」
「アッアッ……あぁっーイクッ」
ヒクヒクと濡れたひだが痙攣する。ヘレフォードの体にしがみつき、はーはーと息を吐く。
「感じやすいんだな。エロい」
ヘレフォードはするりとしゃがみ込み、絶頂を一度体験した場所へと中指と人差し指を進めた。んぁっと声を上げたが、すんなりとそこはヘレフォードのゴツゴツとした指2本を受け入れた。ぐちぐちと音を立てて前後に動かしながら、ヘレフォードの舌が指を入れたその上の突起に触れた。
「ひぁっ!ンぁ……んっあぅ、んん」
胡桃の体はすぐに次の絶頂へと昇り詰める。指を3本に増やされ、中はぎちぎちに埋まっている。
「これ、きもちいな?」
れろれろと突起を舐めながら、ヘレフォードは胡桃を見上げる。胡桃は嬌声を上げるばかりで答えられない。答えるまで許さない、と言わんばかりに執拗に弱いところを攻められる。時折、「胡桃?」と、顔を見られながら問いかけられる。
「ゃだ、またっ、あっあっ」
「いいよ、イケよ。俺のできもちよくなって、思いっきりイケ」
指を動かされたままぢゅーっと突起を吸われて、大きすぎる快感に甘い声を上げながら胡桃の意識は真っ白に弾け飛んだ。立っていられなくなった胡桃はヘレフォードに体をあずけた。そんな胡桃の体をヘレフォードはぎゅっと抱きしめた。
落ち着いたが、まだ意識がふわふわとしている胡桃の体を持ち上げ、片足を上げさせて背中を壁に押さえつけた。
ガチャガチャとベルトをはずしてズボンを緩め、下着の中からガチガチに勃ったそれを胡桃にあてがった。
「なぁ、いいよな?ミルク飲ませてくれるって言ったよな?」
「…………ぅぇっ?……う、ん?」
まだ意識がしっかりしてないところに質問され、理解が追いつかない。
――またミルク?どういう意味なの……
「ん、もう我慢できない、いれるな?」
「ぅ、はぁッ、ンン」
ずりゅっと、思ったよりすんなりと入った。出し入れされ、胡桃のイイところを探る。
「胡桃?どこが、きもちいい?」
「ふゃ、……ヘレフォードさまっ、あっ、も、まって、まってぇ」
ズン、ズンと一定のリズムで奥を探られ、悶えることしか出来ない。ヘレフォードの腰の動きを少しでも止めようと、彼の腰あたりに手を当て押さえた。だが、鍛え上げた彼の体はそんな制止では止まらない。
「浅いところがイイ?」
奥を探っていたものが、入り口の浅い部分を出入りする。
「ひ、ぅあっん、んっ、もぅ……あっあっ、なんでぇ」
「はぁ、かわいいな。あぁ、すぐいっちゃいそうだ」
かわいい、きれいだ、と耳元で何度も囁かれ、舌で耳をねぶられる。ヘレフォードにされるすべてが、胡桃を絶頂へと押し上げる。
「また、イクッ、いっちゃうっ」
「俺も、あぁっ、イク……」
きゅーっと胡桃が中を締め、どくどくとヘレフォードが痙攣して胡桃の中にその欲を吐き出した。
お互いにはぁはぁと息を切らし、落ち着くまでヘレフォードが胡桃の体を支え、優しく抱きしめる。
「胡桃、寝室へ行こう」
そう言うと、ヘレフォードは繋がったままぐいっと胡桃の体を持ち上げた。
「わぁあっ!ちょっとヘレフォードさまっ」
――いきなりすぎるっ
持ち上げられ、ヘレフォードのものがグッと奥まで届いた。さっき達した彼のものはまだまだ固さと太さを保ったまま、胡桃の中を貫く。
「んんっ、やだっ、こわいぃ」
いきなりの浮遊感に恐怖心が湧き、ぎゅうっとヘレフォードの体につかまった。そうすると、さらに繋がった場所が密着し、ググっと最奥へと到達した。それに合わせて体が震える。
寝室はこっちかな?と耳元で問いかけられ、それだけで感じてしまう。ヘレフォードが一歩進むたびに体が揺れて、その振動に体が疼いた。
寝室のドアノブを開き、いつもの紳士な彼とは違って少し乱暴にドアを足で押し開けた。そんないつもとは違った彼の一面を見て、思わずキュンと胸がときめく。
――いやいや!キュンじゃないよ、自分!この状況やばいでしょ。どうなってるの…
ジェットコースター並みの速さの展開に思考が、ヘレフォードから与えられる甘く切ない疼きに体が、ついていけていない。
ベッドにヘレフォードがどすんと勢い良く座った。その衝撃が胡桃の奥へと伝わり、胡桃は「ああっー!」と声を上げて軽く達してしまった。
――今の、絶対わざとじゃん!
なんなのとキッと睨みつけてやると、ヘレフォードはニヤニヤと悪い顔をして舌舐めずりをした。
――めちゃくちゃ悪い顔してる!紳士な騎士様はどこへ行ったんだ。
今度はベッドの真ん中へと繋がったままそっと寝かせてくれた。そっと頬に手が触れて、大切な宝物の感触を確かめるように慎重に上から下へなぞられる。
さっきの悪い騎士顔は消えて、真剣な眼差しを向けてくる。
「胡桃」
何かを確かめるようにそう呼びかけられる。ゴクリとヘレフォードの喉仏が動く。彼の声に緊張が宿っている。
ふぅと一息吐いて、彼はその緊張を取り除こうとした様だが、少し落ち着く程度で全ての緊張を乗り除くことは敵わなかったようだ。
「胡桃。好きだ……愛してる」
喉奥から絞り出すような、少し苦しさを滲んだ声。
――うそ、ヘレフォード様が私を好き?
あいしてる?、と小さく復唱した胡桃。声に出したことで胸の奥にその言葉が染み込んだ。
それと同時に、じわっと胡桃の目から涙が溢れ出てきた。
「胡桃、好きなんだ」
「わ、わたしも、」
「!胡桃っ」
すき、と続いたはずの声はヘレフォードが性急に口付けで掻き消えた。何度も何度も唇を奪われる。
「ンッあっんん、ふぁっ、んちゅ」
ちゅ、ちゅ、ちゅ、と音を立ててお互いに唇を求め合う。どちらともわからない唾液が2人の口から溢れ出る。
ヘレフォードが口付けながら、腰をいやらしく動かし始めた。ぐりっぐりっと奥をヘレフォードのもので捏ねるように動かされ、奥の弱いところを擦り上げられると、たまらず胡桃の腰が揺れた。ビリビリと痺れるような甘い感覚から逃れようと揺れる腰を、許さないとばかりにヘレフォードの両手で腰を固定され、さらに強くパンっパンっと叩きつけられた。
「ンッンッ、んんっーー!!」
口をキスで塞がれており、声を出してその与えられる快楽を逃すことも出来ず、快感が胡桃の体に蓄積される。
――あぁっ、またいっちゃう……!
もう何度目だろう。快感の波に身を委ねる。胡桃の中が収縮し、ヘレフォードのものを締めるつける。
「クッ!そんな締めつけると、ぅぅっ、出る」
最奥へと打ち付けたヘレフォードのものが中で放たれた。
「えっ?」
下腹部からじわっと熱い何かが上がってきている感触があった。それが上へ上へと這い上がり、両胸へと集中した。
「なにこれぇ、むねがっ……あついょぉ」
「あぁ、きたか」
はじめての感覚に怯える胡桃を落ち着かせるように、頭を撫で、ちゅ、ちゅ、と顔にキスを降らせた。そして、胡桃の両方のおっぱいを優しく揉み込む。
「ふぁぁっ」
乳輪部分から乳首がぐりぐりと強めに摘まれて、全体を捏ねなられる。乳首の固い芯の部分をもみほぐすように念入りに弄られる。乳首の中心が柔らかくなったところで、乳輪部分を人差し指と親指で押し、摘み上げられた。そうすると乳首からぴゅーっと白いものが湧き出てきた。
「やっ、なにこれ母乳?」
「はぁ、やっとミルクが飲める」
ふわりと笑いかけられ、ヘレフォードがその愛らしいヘーゼルナッツの瞳で見つめられる。うるうると湿ったような瞳に、胡桃は勝てないのだ。
「飲んでいいだろうか」
「えっと……」
「お願いだ、胡桃」
「……ぇ、ぁの、はい……ど、どうぞ?」
「では、飲むぞ?」
乳首を口に含まれ、優しく吸い上げられた。
「あっ、ンッ、んふぁあっ」
ぢゅるぢゅると音を立てて、私のおっぱいからミルクを飲み干す。熱くなっていたおっぱいは、ヘレフォード様に飲まれたおかげか、大分おさまってきた。
「ヘレフォード様……いったいコレはどういう?」
「……いや、実は…………俺は獣人なんだ」
ヘレフォード様の話によれば、ヘレフォード様は乳牛獣人というやつで、雌に精を放つと相手のおっぱいからミルクが出てくるようになるらしかった。そして、「ミルクを飲ませて欲しい」とは伴侶になって欲しい、つまり獣人的に言うと「番になってほしい」というプロポーズの言葉であったらしい。精を放った雌のおっぱいからミルクを飲んで、番と認められるらしい。
――いや全然聞いてませんけどそんなこと⁉︎初耳ですけど⁉︎
わざと説明せず、プロポーズに頷かせて、なし崩しに既成事実を作ってしまってでも手に入れたかったのだ、とヘレフォードは言った。
今にも泣き出しそうな悲壮感漂う装いで、胡桃の同情を誘う。うぐっと胡桃は狼狽え、そして仕方ないなぁと肩をすくめる。簡単に許し過ぎているとは思う。
だが、惚れた弱みだ。彼にどんな酷いことをされても全て許してしまうかもしれない、と胡桃は思った。同時に彼が胡桃に対して酷いことをすることはない、と直感的に信じている部分もあった。
「胡桃、許してくれるか?」
「はー、もー、しょうのない人。許すのは今回だけだよ。今度からは、ちゃんと全部教えてね」
「!っあぁ!ちゃんと説明する!……だから、だから、俺の……番になってくれるだろうか」
「わたしのミルク飲んだんだから、もう番でしょ」
「!!」
パァッと表情に花が咲いたように明るくなり、胡桃!とガバリと抱きしめられて、唇が顔中に雨のように降ってきた。
この後、またヘレフォードのものが大きさを取り戻し、2人の夜は朝まで続いた。
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