俺は勇者になりたくて今日もガチャを回し続ける。

横尾楓

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第4章

感謝祭を楽しもう。

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(ふぅ...今日が終わりさえすれば)

明日からは感謝祭が始まる。
前に言っていた“お祭り”とはこの事なのだが
始まってしまえば仕事もひと段落。
繁忙期は今日でひとまず終了なのだ。

届いた荷物が山積みになって今にも崩れそう。
それを一つ一つ配達先へと届けて行く。
いつもは配達に出ないケニーも今日ばかりは
ヴィノに跨って大量の荷を祭りの運営本部へと運ぶ。

「じゃあここは任せたから。次の分運び出しておいて」
「いってらっしゃいケニー」

ヴゥ...ワンワンわんっ!

力強く駆け出して大きな荷車を引っ張るヴィノ。
見た目は犬なのにさすがはライガー。
背中にケニーを乗せると猛スピードで走り去った。

「じゃあカレンは小さいのを向こうへ運んで」
「了解しましたぁ~!」

残された俺達は黙々と作業を進める。
感謝祭の間は店を閉めるから一週間のお休みになるし
働いた分だけボーナスもくれるというので
疲れていてもみんなヤル気に満ち溢れていた。

パンパンッ!
「はい、これで終了。みんなお疲れ様でした」

結局全部終わったのは夜の11時。
でもボーナスに残業手当も付いてホクホクだ。
飲みに行こうと言っていた人達も
グッタリしてみんな真っ直ぐ家に帰った。

「レオ、お祭りって何をやるの~?」
「屋台が出たり、花火が上がったりもするよ」
「はなび?」

意外にも花火を見た事がないらしく
上手く説明ができなかったから端末を開き
画像を検索して見せてあげた。

「本物はもっと綺麗ですごい迫力なんだよ」

目をキラキラ輝かせるカレン。
明日の夜は早速お祭りに出かけようと思う。
(とりあえず今日はもう寝るかな...)

寝る前にいつもの日課である
“女神級アイドル精霊フローリア”のログをチェック。

(ああ可愛いなぁ~癒される...)

写真と共に彼女のポエムも書かれているのだが
それもまたいい。うん。

その後カレンは最近俺達のログの中で始めた
“ウェザーの天気予報”の更新をしている。

「明日の天気は...はれっ!風は強くなくてー」

パチ...パチパチ.....
街の人達は大喜びで一気にフォロワーが増えた。
三人に一人は登録してるんじゃないかな...すごい。
歩いているとよく声をかけられたりする。

「終わった?じゃあ、もう寝ようか」
「うんっ!明日が楽しみだから今日は寝るー!」

めずらしくちゃんと早めに眠る彼女。
二人とも仕事で疲れていたからか
翌朝遅くまで起きることなく眠り続けた。

「おはよぅございますぅ、れお...」
「おはようぅカレン...」

寝すぎてなんだか頭が痛いし
カレンも寝ぼけた顔をしていて調子が悪そう。

お湯を沸かして少し濃いめのシビ珈琲を淹れる。
砂糖を入れなかったから苦味で一気に眼が覚めた。

「そろそろお腹が空きました~!」

でも、もうどちらかと言えば昼食の時間なので
早めに出かけて感謝祭の屋台で食事をする事にした。

昨日の給料で何を食べようかと嬉しそうな彼女は
この後片っ端から屋台の肉料理を平らげては
サーカスを見たり乗り物に乗ったりして
始めての感謝祭を満喫するのであった。
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