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第5章
恐怖は乗り越える事ができる。
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ピロン♪
“メッセージが届いています”
仕事を終えて家に帰る途中
俺の端末に一通のメールが届いた。
“重要: 運営より先日の件について”
例のバグについて調査結果を待っていたのだが
お詫びの石が届いて以降連絡はまだなかった。
あれからもう早一ヶ月半が経ち
ようやく調査が終了したようだ。
“この度は大変申し訳なくー”
(うんうん、そうだよね)
“例の件はシステムのバグにより上級召喚時のー”
(ふむふむ...)
“つきましては獲得した経験値を討伐前のー”
(.........はい?)
“ご了承くださいませ”
(テメェふざけるなよっ!!)
なぜ俺がキレているのかというと
謝罪とバグ報告の中に書かれていた内容
“リザードファフニール討伐時に獲得した経験値”
“これ当然リセットするからね~”
的な事が上から目線で長々と書かれていたのだ。
そもそも連絡を待たせた謝罪もなければ
報告だって難しい言葉で誤魔化された気がする。
メールを読み終えた直後から体がズンと重くなり
レベルが下がったような感覚がした。
早速対応してきたようだ。
(運営ってこういう時だけ仕事が早いよな...)
チャリン♪
不満気にメールを閉じると報告書にも書かれていた
お詫びのコインが電子通帳に振り込まれた。
..........許す。
経験値に関しては仕方がないと思うし
あれは間違いなくブルーの手柄だと思う。
俺は動けない相手に剣を突き刺しただけだ。
討伐に関しては謎が多い。
ガチャで出る魔物と魔獣は低級・中級の他に
レアな当たりとして上級も落ちる。
ただ、“あの人”が亜空間に閉じ込めたのは前者。
上級は人の住むような場所に出没しないから
治安の関係で閉じ込める必要がなかったのだろう。
後者はシステム的な事は不明だが
こちらの世界からピックアップしてくるらしい。
俺が戦った“リザードファフニール”は上級。
こんな使える奴を森にリリースするなんて不自然だ。
それに返却したって中々の金額になるはず。
つまりこれは運営側のミスか何かであり
それを認めているから沢山コインをくれたっぽい。
後味は悪いが悪い気はしない。
(感謝祭でお金を使い過ぎたからなぁ)
「レオ、顔がにやけてるよ?」
「なんでもないよ」
パタン...そっと端末を閉じた。
謝罪の言葉はなんか気に触るけれども
連絡を待たされた間に色々と考えたりして
バグに対する怒りとかは今はない。
この一件で自分の至らなさに気付かされたし
ブルーや教授、ラファエルにも出会えたのだから
討伐に参加して本当に良かったと思っている。
翌日、職場でこの事を話したら皆一様に
“運営許すまじっ!”と言っていた。
運営とは基本的に嫌われる存在なのだ。
システムも二年が過ぎれば不満も出てくる。
その後フィオにも報告したけれど
彼女は大体俺と同じ意見だった。
こんなに大掛かりなシステムを束ねているのだから
どこかでバグが起きない筈がない。
「特訓あるのみですよ、レオナルド」
夕方暗くなるまで剣を振るう。
落ちたレベルの分だけ動きは鈍ったけれど
なんとか食らいついている。
それはリザードファフニールと戦ったという事実が
精神面での経験値を上げているからだ。
「次は絶対に負ける気がしない」
「もう大丈夫そうですね」
ゴク...ゴクゴク...フウォン
ヴァルァァァッ!ゴォゥゥゥゥ!!!
フィオが幻術ポーションを飲んで竜の姿に変身する。
攻撃を仕掛ける度にいつのまにか恐怖感は薄れて
いつかリベンジしたいという“目標”に変わっていた。
“メッセージが届いています”
仕事を終えて家に帰る途中
俺の端末に一通のメールが届いた。
“重要: 運営より先日の件について”
例のバグについて調査結果を待っていたのだが
お詫びの石が届いて以降連絡はまだなかった。
あれからもう早一ヶ月半が経ち
ようやく調査が終了したようだ。
“この度は大変申し訳なくー”
(うんうん、そうだよね)
“例の件はシステムのバグにより上級召喚時のー”
(ふむふむ...)
“つきましては獲得した経験値を討伐前のー”
(.........はい?)
“ご了承くださいませ”
(テメェふざけるなよっ!!)
なぜ俺がキレているのかというと
謝罪とバグ報告の中に書かれていた内容
“リザードファフニール討伐時に獲得した経験値”
“これ当然リセットするからね~”
的な事が上から目線で長々と書かれていたのだ。
そもそも連絡を待たせた謝罪もなければ
報告だって難しい言葉で誤魔化された気がする。
メールを読み終えた直後から体がズンと重くなり
レベルが下がったような感覚がした。
早速対応してきたようだ。
(運営ってこういう時だけ仕事が早いよな...)
チャリン♪
不満気にメールを閉じると報告書にも書かれていた
お詫びのコインが電子通帳に振り込まれた。
..........許す。
経験値に関しては仕方がないと思うし
あれは間違いなくブルーの手柄だと思う。
俺は動けない相手に剣を突き刺しただけだ。
討伐に関しては謎が多い。
ガチャで出る魔物と魔獣は低級・中級の他に
レアな当たりとして上級も落ちる。
ただ、“あの人”が亜空間に閉じ込めたのは前者。
上級は人の住むような場所に出没しないから
治安の関係で閉じ込める必要がなかったのだろう。
後者はシステム的な事は不明だが
こちらの世界からピックアップしてくるらしい。
俺が戦った“リザードファフニール”は上級。
こんな使える奴を森にリリースするなんて不自然だ。
それに返却したって中々の金額になるはず。
つまりこれは運営側のミスか何かであり
それを認めているから沢山コインをくれたっぽい。
後味は悪いが悪い気はしない。
(感謝祭でお金を使い過ぎたからなぁ)
「レオ、顔がにやけてるよ?」
「なんでもないよ」
パタン...そっと端末を閉じた。
謝罪の言葉はなんか気に触るけれども
連絡を待たされた間に色々と考えたりして
バグに対する怒りとかは今はない。
この一件で自分の至らなさに気付かされたし
ブルーや教授、ラファエルにも出会えたのだから
討伐に参加して本当に良かったと思っている。
翌日、職場でこの事を話したら皆一様に
“運営許すまじっ!”と言っていた。
運営とは基本的に嫌われる存在なのだ。
システムも二年が過ぎれば不満も出てくる。
その後フィオにも報告したけれど
彼女は大体俺と同じ意見だった。
こんなに大掛かりなシステムを束ねているのだから
どこかでバグが起きない筈がない。
「特訓あるのみですよ、レオナルド」
夕方暗くなるまで剣を振るう。
落ちたレベルの分だけ動きは鈍ったけれど
なんとか食らいついている。
それはリザードファフニールと戦ったという事実が
精神面での経験値を上げているからだ。
「次は絶対に負ける気がしない」
「もう大丈夫そうですね」
ゴク...ゴクゴク...フウォン
ヴァルァァァッ!ゴォゥゥゥゥ!!!
フィオが幻術ポーションを飲んで竜の姿に変身する。
攻撃を仕掛ける度にいつのまにか恐怖感は薄れて
いつかリベンジしたいという“目標”に変わっていた。
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