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第6章
気分転換には甘いもの。
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♢隣街のメインストリート
大きな街には大きな広告塔がある。
ビルの壁面や柱などに魔術モニターを取り付けて
最近では写真のほか動画広告まで流れる。
「ここもエラー表示が出ていますね...」
これらはネットワークを利用している為
更新したモニターは使えなくなっているようだ。
カランカラン...「いらっしゃいませぇ~」
用事があってとあるお店へ。
壁に貼られた紙のポスターを見て
俺は違う心配をしていた。
“世界初!ライブを生中継で配信決定!”
“女神級アイドル精霊フローリアファーストライブ”
“※ 楽曲のご購入とVer3.0への更新が必要です”
チケット抽選は外れて取れなかったけれど
大人気のため新しいシステムの試験運用も兼ねて
ネットで中継動画を流すらしい。
(だから即アップデートしたのにな.....)
このままでは来週までに直らない可能性もあるが
とりあえず初回限定アルバムを予約する。
「ありがとうございましたぁ~」
これで今日の任務は完了だ。
「こういう娘がレオナルドの好みなのかぁ~」
「.....に、人気があるからだよ!」
艶やかな表情をしたジャケット写真だったから
なぜだか俺は全力で取り繕った。
いつもの可愛い感じもいいけれど
これもまた新鮮で.....
それはともかく情報収集。
返却をやってるお店はどこもクローズ。
ネットやガチャ関連は完全に駄目っぽい。
「レオナルドも俺も用が済んだけど、どうする?」
「あの...私行きたいお店があって...」
フィオがそう言って端末を見せる。
いま流行っているパンケーキのお店らしい。
たしかに美味しそう。
「次の角を左で、その先を渡って右です」
「なんだか人がたくさんいるよー?」
店の前から建物を曲がった所まで凄い行列。
みんなネットもガチャもできなくて暇なのだろう。
「これでは...また今度にしますね」
「いや、並ぼうよ。俺も食べてみたい」
彼女は俺達に気を使って今度にすると言ったが
パンケーキなら食べ終わるのも早いだろうし
大人しく長い列の後ろへ並ぶことに。
「フィオ、お前は少し遠慮し過ぎだぞ?」
「.......マスターはもう少し遠慮してください」
♢パンケーキ屋のテラス席
ようやく順番が来て席に着くと
すぐにパンケーキとエッグパタパタが運ばれた。
並んでいる時にオーダーを受けているからだ。
どれもボリュームが多いから
みんなで皿に取り分けてシェアして食べる。
カレンは甘いの苦手だから玉子の方を。
「いただきまーす.....うまーい!」
「どれどれ...おおっ!コレは中々美味いぞぉ!」
二人ともそれを大絶賛。
俺とフィオはパンケーキからいただく。
山盛りのクリームは意外にも軽くて
甘過ぎないからペロリといける。
「凄いです...このフワフワ感と絶妙な.....」
カレンの第一声とは違い
まるでグルメ記者のような食レポだ。
「美味しかったです...ご馳走さまでした」
「でも俺はこの前のフィオが作った方が好きかな」
頬を少し赤らめて謙遜するフィオ。
お世辞でもなんでもなくて
本当にあの時食べたパンケーキは最高だった。
「また今度作ってよ」
「はい...私ので良ければいつでも」
ウッヴン...
そんな甘い会話に割り込む中年の咳払い。
たしかにちょっと甘過ぎた気がするから
食後の珈琲を三つと紅茶を一つ追加で注文した。
ピロン♪
「これは...魔術ネットワークからですね」
「なんて書いてあるんだい?」
“通信速度規制の解除とアップデートの再開”
“Ver3.0障害は順次修復(予定)”
...だそうだ。
なんとか修復もできるみたいでよかった。
あとはガチャの方だけれども...
“現在システム障害によりメンテナンス中です”
進展はなさそうだが、詫び石の配布告知があった。
(いっそ長引いて十個くらいくれればいいのに...)
結局今夜中には復旧せず
新しいガチャを回すことは出来なかった。
大きな街には大きな広告塔がある。
ビルの壁面や柱などに魔術モニターを取り付けて
最近では写真のほか動画広告まで流れる。
「ここもエラー表示が出ていますね...」
これらはネットワークを利用している為
更新したモニターは使えなくなっているようだ。
カランカラン...「いらっしゃいませぇ~」
用事があってとあるお店へ。
壁に貼られた紙のポスターを見て
俺は違う心配をしていた。
“世界初!ライブを生中継で配信決定!”
“女神級アイドル精霊フローリアファーストライブ”
“※ 楽曲のご購入とVer3.0への更新が必要です”
チケット抽選は外れて取れなかったけれど
大人気のため新しいシステムの試験運用も兼ねて
ネットで中継動画を流すらしい。
(だから即アップデートしたのにな.....)
このままでは来週までに直らない可能性もあるが
とりあえず初回限定アルバムを予約する。
「ありがとうございましたぁ~」
これで今日の任務は完了だ。
「こういう娘がレオナルドの好みなのかぁ~」
「.....に、人気があるからだよ!」
艶やかな表情をしたジャケット写真だったから
なぜだか俺は全力で取り繕った。
いつもの可愛い感じもいいけれど
これもまた新鮮で.....
それはともかく情報収集。
返却をやってるお店はどこもクローズ。
ネットやガチャ関連は完全に駄目っぽい。
「レオナルドも俺も用が済んだけど、どうする?」
「あの...私行きたいお店があって...」
フィオがそう言って端末を見せる。
いま流行っているパンケーキのお店らしい。
たしかに美味しそう。
「次の角を左で、その先を渡って右です」
「なんだか人がたくさんいるよー?」
店の前から建物を曲がった所まで凄い行列。
みんなネットもガチャもできなくて暇なのだろう。
「これでは...また今度にしますね」
「いや、並ぼうよ。俺も食べてみたい」
彼女は俺達に気を使って今度にすると言ったが
パンケーキなら食べ終わるのも早いだろうし
大人しく長い列の後ろへ並ぶことに。
「フィオ、お前は少し遠慮し過ぎだぞ?」
「.......マスターはもう少し遠慮してください」
♢パンケーキ屋のテラス席
ようやく順番が来て席に着くと
すぐにパンケーキとエッグパタパタが運ばれた。
並んでいる時にオーダーを受けているからだ。
どれもボリュームが多いから
みんなで皿に取り分けてシェアして食べる。
カレンは甘いの苦手だから玉子の方を。
「いただきまーす.....うまーい!」
「どれどれ...おおっ!コレは中々美味いぞぉ!」
二人ともそれを大絶賛。
俺とフィオはパンケーキからいただく。
山盛りのクリームは意外にも軽くて
甘過ぎないからペロリといける。
「凄いです...このフワフワ感と絶妙な.....」
カレンの第一声とは違い
まるでグルメ記者のような食レポだ。
「美味しかったです...ご馳走さまでした」
「でも俺はこの前のフィオが作った方が好きかな」
頬を少し赤らめて謙遜するフィオ。
お世辞でもなんでもなくて
本当にあの時食べたパンケーキは最高だった。
「また今度作ってよ」
「はい...私ので良ければいつでも」
ウッヴン...
そんな甘い会話に割り込む中年の咳払い。
たしかにちょっと甘過ぎた気がするから
食後の珈琲を三つと紅茶を一つ追加で注文した。
ピロン♪
「これは...魔術ネットワークからですね」
「なんて書いてあるんだい?」
“通信速度規制の解除とアップデートの再開”
“Ver3.0障害は順次修復(予定)”
...だそうだ。
なんとか修復もできるみたいでよかった。
あとはガチャの方だけれども...
“現在システム障害によりメンテナンス中です”
進展はなさそうだが、詫び石の配布告知があった。
(いっそ長引いて十個くらいくれればいいのに...)
結局今夜中には復旧せず
新しいガチャを回すことは出来なかった。
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