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第8章
穏やかな青い空。
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最後の朝食を食べる。
今日は特別にカレンの大好きな肉料理と
南国の珍しい食べ物が並んだ。
「時間が許す限りごゆっくりどうぞ」
「ありがとうイト」
「お肉だよ~!すごいすごいっ!」
俺は密林特産ミツリンゴのジュースを注ぐ。
ここへ来た時にミトが出してくれたものと同じだ。
家を出てから今日で一週間が経つけれど
ほんの一瞬の出来事だったような気もするし
ずっと暮らしていたようにも思える。
「はい!これ食べてカレン」「これも!」
「待ってぇ...順番に食べるからぁ~(困惑)」
カレンの好きなバイキング形式なのだが
取りに行かずともチビ達が次々と皿を運んでくる。
肉食の女神(精霊)も少し困惑気味だ。
「お前達いいかげんにしなさい!」
「ちゃんと食べるから平気だよー。ありがと」
「ほらっ!カレンもそう言ってるし」
「いってるしっ」「いってるしぃー!」
誰かの影響が蔓延しているのか
言う事を聞かない彼らにイトも降参気味だ。
俺は一人っ子だったからこういった空気は新鮮で
なんだかとても羨ましい。
「ご馳走さまぁ。すごく美味しかったよ~!」
「カレンもう行っちゃうの?」
「おいレオナルド!カレンを置いてけよっ!」
それは無理な話だ。
というか俺を引き留める声はないんだな...
ちょっと悲しい。
「お部屋から荷物をお持ちしますね」
「うん。外で準備してるよ」
「では私達は仕事に行きましょうか」
「はーい!じゃあなレオナルド」
「カレンまた来てね」「また来てカレン!」
チビ達はヨツが客室の清掃に連れて行った。
小さくても貴重な労働力なのだ。
「ミトはもう平気?」
「平気じゃないですけど...兄様に託されたので」
ニトにそそのかされた感じなのだが
一生懸命に村を守ろうとする真っ直ぐな彼女は
後継ぎとして適任なのかもしれない。
立派な兄のイトや賢いヨツもいるから安心だろう。
「おいでロングリフォンッ!」
ニトがグリフォンの背中に跨り
たくさんの敵を倒してレベル上げをしてたから
サイズも三人乗れるほどの大きさに。
ビュゥゥ...ヴィア!ヴィアァァァ!
背中に鞍を付けたら荷物もしっかりと固定。
帰りはグリフォンに乗って家まで戻る。
初めての二人乗りと長距離飛行は不安だけれど
これなら今日中には着くはずだ。
「次のライブは是非一緒に観に行きましょう」
「うん。チケットは争奪戦だろうけどね」
フローリアの一件は騒動になったもの
その一途な想いが女性達から圧倒的な支持をうけ
ファンは減るどころか急増している。
それに彼女は人間ではなく女神級の精霊。
皆を愛して皆に愛される尊い存在なのだから
嫌いになる理由なんて何処にもない。
「出発か。気を付けて行きなさい」
「お世話になりました」
勇者(元)も仕事の手を休めて見送りに来てくれた。
「君はもっと強くなれる。頑張りなさい」
「俺もいつか立派な勇者になります」
笑顔で何度も頷いてくれた。
いつか必ずー
ブワッ...バサバサバサ...
成長したグリフォンの体が宙に浮いて
高度をグングンと上げていく。
ミトが大きく手を振っている。
コテージの二階からヨツや他の子供達も。
その姿はだんだんと小さくなり
やがて見えなくなった。
「雲を超えたよ。カレンしっかり掴まって」
「うん!(ギュッ)」
シュゥ...ブワァッ!!!
急加速して前進するロングリフォンだが
人を乗せるのに慣れたようで以前とは全く違う。
勢いをつけた後はふわっと気流に身を任せ
手を離しても平気な程に安定している。
カレンが俺を掴む手を離した。
その手首には紐のようなモノを巻いている。
「それはどうしたの?」
「あの子達が作ってくれたの。いいでしょー!」
何色かの美しい糸で織られたブレスレットだった。
これが切れたら願い事が叶うのだという。
「なにお願いしようかなぁ~んふふ(ゴシゴシ)」
「駄目だよ擦って切ろうとしちゃ」
彼女は神性を持つ精霊なのに迷信を信じていたり
占いとかも大好きだったりする。
(精霊にも叶えたい夢とかあるのだろうか...)
「風が心地いいね」
雲に覆われていて下は何も見えない。
空はどこまでも真っ青に広がっていて
まるで違う世界のように思えた。
今日は特別にカレンの大好きな肉料理と
南国の珍しい食べ物が並んだ。
「時間が許す限りごゆっくりどうぞ」
「ありがとうイト」
「お肉だよ~!すごいすごいっ!」
俺は密林特産ミツリンゴのジュースを注ぐ。
ここへ来た時にミトが出してくれたものと同じだ。
家を出てから今日で一週間が経つけれど
ほんの一瞬の出来事だったような気もするし
ずっと暮らしていたようにも思える。
「はい!これ食べてカレン」「これも!」
「待ってぇ...順番に食べるからぁ~(困惑)」
カレンの好きなバイキング形式なのだが
取りに行かずともチビ達が次々と皿を運んでくる。
肉食の女神(精霊)も少し困惑気味だ。
「お前達いいかげんにしなさい!」
「ちゃんと食べるから平気だよー。ありがと」
「ほらっ!カレンもそう言ってるし」
「いってるしっ」「いってるしぃー!」
誰かの影響が蔓延しているのか
言う事を聞かない彼らにイトも降参気味だ。
俺は一人っ子だったからこういった空気は新鮮で
なんだかとても羨ましい。
「ご馳走さまぁ。すごく美味しかったよ~!」
「カレンもう行っちゃうの?」
「おいレオナルド!カレンを置いてけよっ!」
それは無理な話だ。
というか俺を引き留める声はないんだな...
ちょっと悲しい。
「お部屋から荷物をお持ちしますね」
「うん。外で準備してるよ」
「では私達は仕事に行きましょうか」
「はーい!じゃあなレオナルド」
「カレンまた来てね」「また来てカレン!」
チビ達はヨツが客室の清掃に連れて行った。
小さくても貴重な労働力なのだ。
「ミトはもう平気?」
「平気じゃないですけど...兄様に託されたので」
ニトにそそのかされた感じなのだが
一生懸命に村を守ろうとする真っ直ぐな彼女は
後継ぎとして適任なのかもしれない。
立派な兄のイトや賢いヨツもいるから安心だろう。
「おいでロングリフォンッ!」
ニトがグリフォンの背中に跨り
たくさんの敵を倒してレベル上げをしてたから
サイズも三人乗れるほどの大きさに。
ビュゥゥ...ヴィア!ヴィアァァァ!
背中に鞍を付けたら荷物もしっかりと固定。
帰りはグリフォンに乗って家まで戻る。
初めての二人乗りと長距離飛行は不安だけれど
これなら今日中には着くはずだ。
「次のライブは是非一緒に観に行きましょう」
「うん。チケットは争奪戦だろうけどね」
フローリアの一件は騒動になったもの
その一途な想いが女性達から圧倒的な支持をうけ
ファンは減るどころか急増している。
それに彼女は人間ではなく女神級の精霊。
皆を愛して皆に愛される尊い存在なのだから
嫌いになる理由なんて何処にもない。
「出発か。気を付けて行きなさい」
「お世話になりました」
勇者(元)も仕事の手を休めて見送りに来てくれた。
「君はもっと強くなれる。頑張りなさい」
「俺もいつか立派な勇者になります」
笑顔で何度も頷いてくれた。
いつか必ずー
ブワッ...バサバサバサ...
成長したグリフォンの体が宙に浮いて
高度をグングンと上げていく。
ミトが大きく手を振っている。
コテージの二階からヨツや他の子供達も。
その姿はだんだんと小さくなり
やがて見えなくなった。
「雲を超えたよ。カレンしっかり掴まって」
「うん!(ギュッ)」
シュゥ...ブワァッ!!!
急加速して前進するロングリフォンだが
人を乗せるのに慣れたようで以前とは全く違う。
勢いをつけた後はふわっと気流に身を任せ
手を離しても平気な程に安定している。
カレンが俺を掴む手を離した。
その手首には紐のようなモノを巻いている。
「それはどうしたの?」
「あの子達が作ってくれたの。いいでしょー!」
何色かの美しい糸で織られたブレスレットだった。
これが切れたら願い事が叶うのだという。
「なにお願いしようかなぁ~んふふ(ゴシゴシ)」
「駄目だよ擦って切ろうとしちゃ」
彼女は神性を持つ精霊なのに迷信を信じていたり
占いとかも大好きだったりする。
(精霊にも叶えたい夢とかあるのだろうか...)
「風が心地いいね」
雲に覆われていて下は何も見えない。
空はどこまでも真っ青に広がっていて
まるで違う世界のように思えた。
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