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第3章
西ノ森野生植物研究所
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「さっきので体力は回復してると思うの」
モリベリーの紅茶を飲みながら
今の状況を説明してくれた。
俺が砕いたガチャを回す時に使う“石”には
前にも言ったように強回復の効果がある。
ただ、毒の影響で魔力の回復と
魔力の自己錬成がほぼ出来ない状態らしい。
「少し落ち着いた?」
「私はブルーム」
「特に名前はありませんが、教授はブルーと呼びます」
薄々気づいてはいたが、彼女も精霊だった。
動揺していてまだ感謝の言葉も伝えていない。
「.....ありがとう。助けてくれて」
「俺はレオナルド。この子はウェザーです」
小声で呟くのが精一杯だった。
「大丈夫だって言ってるでしょ?」
「それに絶対あれはバグなんだから」
バグ...そうだろうね。
「運営には伝えたから、後日連絡が来ると思うわ」
「そんなに自分を責めないで」
俺の肩を慰めるようにポンポンと叩くと
彼女は部屋を出て行った。
ここは何かの研究所のようで
壁にはギッシリと草木や花に関する書籍が並ぶ。
俺は寝ている彼女の手を握り続けて
いつのまにか一緒に眠っていた。
ガタゴトと音がして扉が開く。
「ああ、君かね。迷惑な遭難者というのは」
「教授!失礼です。それに冒険者です」
眼鏡をかけているが
教授というほどの年齢でもなさそうな男だ。
「冒険者か...そうだったね。すまない」
「また迷惑な登山者が来たのかと思ってね」
俺は“ポッケ”に殆どの荷物を入れていたから
軽装で山登りに来たハイカーと間違えたようだ。
「最近多くて。ブームだとかなんとか...」
そう話しながらウェザーを診察する。
「どう思いますか?教授」
「そうだね、キグルミとドラゴンシード、あとー」
ブルームがそれらをメモして
これから薬を作るために研究室へ行くという。
「今日飲んで三日もすれば解毒出来るよ」
「俺に何か手伝える事はありますか...」
「素人にはないね」「失礼ですよ教授」
即答だった。
でもそれは間違いなく正論だ。
彼女は何も出来ない俺を気遣って
“ただ側にいてあげて”と優しい言葉をかけてくれた。
また二人きりだ。
薬が出来上がるまでただただここで待つしかない。
これだけ魔力が低下してもまだ実体化しているのは
彼女の強い意志なのではないかという。
時折ぎゅっと手を握り返して来る。
苦しいのだろう。いたたまれない気持ちになる。
小一時間程で薬が出来上がったが
俺は何時間も待っていたような気がした。
薬を飲ませると様子は少し落ち着き
まだ目は覚めないから俺も眠るようにと
簡易の寝床を用意してくれた。
真っ暗な闇に包まれる。
俺は眠れずに小さな灯りをつけて
壁にある本をいくつか読んだ。
異国の本には彼の手書きの翻訳が書かれている。
その中に綺麗な花の標本画集があり
彼女が目覚めたら見せてあげたいと思った。
モリベリーの紅茶を飲みながら
今の状況を説明してくれた。
俺が砕いたガチャを回す時に使う“石”には
前にも言ったように強回復の効果がある。
ただ、毒の影響で魔力の回復と
魔力の自己錬成がほぼ出来ない状態らしい。
「少し落ち着いた?」
「私はブルーム」
「特に名前はありませんが、教授はブルーと呼びます」
薄々気づいてはいたが、彼女も精霊だった。
動揺していてまだ感謝の言葉も伝えていない。
「.....ありがとう。助けてくれて」
「俺はレオナルド。この子はウェザーです」
小声で呟くのが精一杯だった。
「大丈夫だって言ってるでしょ?」
「それに絶対あれはバグなんだから」
バグ...そうだろうね。
「運営には伝えたから、後日連絡が来ると思うわ」
「そんなに自分を責めないで」
俺の肩を慰めるようにポンポンと叩くと
彼女は部屋を出て行った。
ここは何かの研究所のようで
壁にはギッシリと草木や花に関する書籍が並ぶ。
俺は寝ている彼女の手を握り続けて
いつのまにか一緒に眠っていた。
ガタゴトと音がして扉が開く。
「ああ、君かね。迷惑な遭難者というのは」
「教授!失礼です。それに冒険者です」
眼鏡をかけているが
教授というほどの年齢でもなさそうな男だ。
「冒険者か...そうだったね。すまない」
「また迷惑な登山者が来たのかと思ってね」
俺は“ポッケ”に殆どの荷物を入れていたから
軽装で山登りに来たハイカーと間違えたようだ。
「最近多くて。ブームだとかなんとか...」
そう話しながらウェザーを診察する。
「どう思いますか?教授」
「そうだね、キグルミとドラゴンシード、あとー」
ブルームがそれらをメモして
これから薬を作るために研究室へ行くという。
「今日飲んで三日もすれば解毒出来るよ」
「俺に何か手伝える事はありますか...」
「素人にはないね」「失礼ですよ教授」
即答だった。
でもそれは間違いなく正論だ。
彼女は何も出来ない俺を気遣って
“ただ側にいてあげて”と優しい言葉をかけてくれた。
また二人きりだ。
薬が出来上がるまでただただここで待つしかない。
これだけ魔力が低下してもまだ実体化しているのは
彼女の強い意志なのではないかという。
時折ぎゅっと手を握り返して来る。
苦しいのだろう。いたたまれない気持ちになる。
小一時間程で薬が出来上がったが
俺は何時間も待っていたような気がした。
薬を飲ませると様子は少し落ち着き
まだ目は覚めないから俺も眠るようにと
簡易の寝床を用意してくれた。
真っ暗な闇に包まれる。
俺は眠れずに小さな灯りをつけて
壁にある本をいくつか読んだ。
異国の本には彼の手書きの翻訳が書かれている。
その中に綺麗な花の標本画集があり
彼女が目覚めたら見せてあげたいと思った。
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