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48話『りんかちゃんのヒミツと、ピカピカするアレ』
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「こんにちはー! 久しぶりー!」
明るい声とともに、玄関がぱたんと開く。 その瞬間、ひなのがまっすぐ走っていった。
「りんかちゃーん!」
「ひなの~!」
りんかちゃんはふわふわの三つ編みに、ピンクのリボン。 小さなスーツケースを抱えて、久しぶりの我が家に笑顔満開だった。
「いやー、転勤先どうなるかと思ったけど、意外とあっという間だったわ」
そう言いながら、川島さんも笑顔で立っていた。 髪をまとめてカジュアルなワンピース姿の川島さんは、都会っぽい雰囲気をまとうようになっていたけど、どこか抜け感もあって変わっていない。
「ゆっくりしていって。今、カフェ風サンドイッチ作ってるから」
麻衣がキッチンから手を振ると、
「出た、カフェ風! それ私も真似して作ってみたかったやつー!」
と、川島さんが喜んでダイニングに荷物を置いた。
午後の光がリビングを優しく照らし、子どもたちが積み木とおままごとを全力で混ぜた遊びを展開する中、大人たちはお茶とともにひと息。
「ところでさ、前にうちの近くのカフェで会ったあの占い師っぽい人、いたでしょ? ほら、やたら当たるって話題になってた……」
「ああ、あのちょっと不思議な人。覚えてる。うちのカフェにも前に来たわ」
麻衣がうなずくと、川島さんはスマホを取り出して画面を見せてきた。
「でね、びっくりしたんだけど……この人、実はこのスマホゲームやってたのよ。しかも、“共感系スキル持ち”だったって! 最近、その人のSNSでたまたま見つけたの」
画面には「ひびきのゆうこ@スキル探究中」というアカウントがあり、投稿には〈感情の音が聴こえるようになった日〉など、まるでファンタジーのような話がずらり。
「うわー……私、完全にフィクションかと思ってたけど、これ、ほんとにリアルだったのね……」
「ね! てか麻衣、スキルの進化、どうなってる? 最近ゲームの方、バージョンアップしてるよね? “スキルリンク”とか出てきてるし」
「そこまで見てなかった! ていうか、“リンク”って何!?」
「知らないまま発動しちゃう可能性もあるよ。だって、うちのりんかが――」
その瞬間だった。
「ままー! おへや、ピカピカしたー!」
リビングの一角で、りんかが叫んだ。 見ると、積み木がキラキラと淡い光を放っている。というか、ひなのの持っているぬいぐるみまで、ほのかに発光中。
「……え?」
「え?」
二人の母親が同時に声を出す。
「それ、どういうこと!? りんか、なにしたの!?」
「えっとね、りんかちゃん、ぬいぐるみに“がんばれパワー”送ったの! そしたら、ピカピカーって!」
ひなのが誇らしげに答える。
「がんばれ……パワー……?」
麻衣と川島さん、同時に目を合わせた。
「……これ、まさか、リンク?」
「うそでしょ……?」
スマホゲームの最新アップデートでは、特定のスキルを持つ者同士が、近い感情や目的を持っていると、スキルリンクという共鳴現象が起きる、らしい。
「ってことは、りんかも……?」
「いやいや、うちの子、スキルなんて……でも……」
川島さんがスマホを開き、ゲームアプリの「家族登録」を確認する。 すると、「未確認の共鳴ポイントがあります」という通知が。
「うわ、りんか……感情共鳴系の“ひかりの芽”っていうスキルの片鱗持ってる! でも、ちゃんとした発動じゃなくて、リンクからの感応みたい……」
「ってことは、麻衣のスキルと……子どもたちの“今、楽しい!”って感情がシンクロして――」
「積み木が光ったのか……いやいや、なんだこの現象!?」
まるで魔法の実験みたいなリビングに、大人たちはパニック寸前。 しかし、当の本人たちは大はしゃぎ。
「ひなの、またピカピカやって!」
「じゃあ、おままごとにキラキラジュースつくろ!」
その後、奇跡的に光り輝く「おにぎり」と「ハンバーグ」が完成し、 大人たちは目の前で展開する“スキルおままごとショー”に拍手するしかなかった。
「いや……まさか、子どもたちまで片鱗持ってるとは……」
「しかも、自然にリンクするなんてね。ある意味、私たちより才能あるかも……?」
サンドイッチをつまみながら、麻衣と川島さんは笑い合う。
「でも、やっぱり楽しいわ。このスマホゲーム、変なとこもあるけど、日常がちょっと冒険っぽくなるっていうか」
「うん。ほんとに、ね」
――まさか、このあと近所の電柱が突然光る事件が起きるなんて、このときはまだ誰も知らなかったのだけど。
明るい声とともに、玄関がぱたんと開く。 その瞬間、ひなのがまっすぐ走っていった。
「りんかちゃーん!」
「ひなの~!」
りんかちゃんはふわふわの三つ編みに、ピンクのリボン。 小さなスーツケースを抱えて、久しぶりの我が家に笑顔満開だった。
「いやー、転勤先どうなるかと思ったけど、意外とあっという間だったわ」
そう言いながら、川島さんも笑顔で立っていた。 髪をまとめてカジュアルなワンピース姿の川島さんは、都会っぽい雰囲気をまとうようになっていたけど、どこか抜け感もあって変わっていない。
「ゆっくりしていって。今、カフェ風サンドイッチ作ってるから」
麻衣がキッチンから手を振ると、
「出た、カフェ風! それ私も真似して作ってみたかったやつー!」
と、川島さんが喜んでダイニングに荷物を置いた。
午後の光がリビングを優しく照らし、子どもたちが積み木とおままごとを全力で混ぜた遊びを展開する中、大人たちはお茶とともにひと息。
「ところでさ、前にうちの近くのカフェで会ったあの占い師っぽい人、いたでしょ? ほら、やたら当たるって話題になってた……」
「ああ、あのちょっと不思議な人。覚えてる。うちのカフェにも前に来たわ」
麻衣がうなずくと、川島さんはスマホを取り出して画面を見せてきた。
「でね、びっくりしたんだけど……この人、実はこのスマホゲームやってたのよ。しかも、“共感系スキル持ち”だったって! 最近、その人のSNSでたまたま見つけたの」
画面には「ひびきのゆうこ@スキル探究中」というアカウントがあり、投稿には〈感情の音が聴こえるようになった日〉など、まるでファンタジーのような話がずらり。
「うわー……私、完全にフィクションかと思ってたけど、これ、ほんとにリアルだったのね……」
「ね! てか麻衣、スキルの進化、どうなってる? 最近ゲームの方、バージョンアップしてるよね? “スキルリンク”とか出てきてるし」
「そこまで見てなかった! ていうか、“リンク”って何!?」
「知らないまま発動しちゃう可能性もあるよ。だって、うちのりんかが――」
その瞬間だった。
「ままー! おへや、ピカピカしたー!」
リビングの一角で、りんかが叫んだ。 見ると、積み木がキラキラと淡い光を放っている。というか、ひなのの持っているぬいぐるみまで、ほのかに発光中。
「……え?」
「え?」
二人の母親が同時に声を出す。
「それ、どういうこと!? りんか、なにしたの!?」
「えっとね、りんかちゃん、ぬいぐるみに“がんばれパワー”送ったの! そしたら、ピカピカーって!」
ひなのが誇らしげに答える。
「がんばれ……パワー……?」
麻衣と川島さん、同時に目を合わせた。
「……これ、まさか、リンク?」
「うそでしょ……?」
スマホゲームの最新アップデートでは、特定のスキルを持つ者同士が、近い感情や目的を持っていると、スキルリンクという共鳴現象が起きる、らしい。
「ってことは、りんかも……?」
「いやいや、うちの子、スキルなんて……でも……」
川島さんがスマホを開き、ゲームアプリの「家族登録」を確認する。 すると、「未確認の共鳴ポイントがあります」という通知が。
「うわ、りんか……感情共鳴系の“ひかりの芽”っていうスキルの片鱗持ってる! でも、ちゃんとした発動じゃなくて、リンクからの感応みたい……」
「ってことは、麻衣のスキルと……子どもたちの“今、楽しい!”って感情がシンクロして――」
「積み木が光ったのか……いやいや、なんだこの現象!?」
まるで魔法の実験みたいなリビングに、大人たちはパニック寸前。 しかし、当の本人たちは大はしゃぎ。
「ひなの、またピカピカやって!」
「じゃあ、おままごとにキラキラジュースつくろ!」
その後、奇跡的に光り輝く「おにぎり」と「ハンバーグ」が完成し、 大人たちは目の前で展開する“スキルおままごとショー”に拍手するしかなかった。
「いや……まさか、子どもたちまで片鱗持ってるとは……」
「しかも、自然にリンクするなんてね。ある意味、私たちより才能あるかも……?」
サンドイッチをつまみながら、麻衣と川島さんは笑い合う。
「でも、やっぱり楽しいわ。このスマホゲーム、変なとこもあるけど、日常がちょっと冒険っぽくなるっていうか」
「うん。ほんとに、ね」
――まさか、このあと近所の電柱が突然光る事件が起きるなんて、このときはまだ誰も知らなかったのだけど。
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