少女は自重を知らない~私、普通ですよね?

チャチャ

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9 デネスで新たな事業

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「うーーーーっ、やっと着いたぁー!デネスの街~!」

長旅の疲れもどこへやら、私は胸を張って街を見渡した。

「さて、デネスでは……ポーションを売ろうかな!」

屋台料理もいいけれど、あの“商会スパイ集団”のことを思い出すと――

「……恥ずかしすぎる!あんなに勘違いした上にキレたの、人生初だったよ!」

ぶんぶんと頭を振って気持ちを切り替える。

「よしっ!気分一新!ポーション売って儲けるぞー!」


---

【デネスの街・門前】

「うわー……また長蛇の列かぁ……。」

入場待ちの人で賑わう中、私は順番を待った。

「次の方~!」

「あ、はーい!」

「こんにちは。ギルドカードをお願いします。」

「どうぞっ!」

門番が水晶玉を取り出すと、私に差し出してきた。

「この水晶に触れてください。」

ピカーン――青く光る。

「確認しました。デネスの街へようこそ!」

「ありがとうございます~!」

街に一歩踏み入れた瞬間、私はハッと叫んだ。

「そうだ!街に着いたらやるべきことがあった!」

ルン♪ルン♪と足取り軽く、私は目的地へと向かう。

そう――目的は「食べ歩き」!

「どんな美味しいものがあるのかなぁ~。楽しみ楽しみ~!」

と・こ・ろ・が――

「……なにこれ?パンが黒い。スープは……味しない?え、これ本当に料理?」

一口かじると、バリッと音がした。

「か、硬い!スープは……え、これ、白湯?水?」

「これでお金取るとか、詐欺じゃない?」

周囲を見渡してみると、誰一人、笑顔で食べている人がいない。

「いやもう、全員虚無顔なんだけど……。」

そのとき、店の女性が声をかけてきた。

「お客さん?何かお気に召しませんか?」

「えっ、いえ……ちょっと……料理が、その、こう……」

「どうかされました?」

「いや、ちょっと……味が……ですね……」

「ああ!初めての方なんですね!これ、デネス名物なんですよ!」

「ええっ!?この黒パンと味なしスープが!?」

「ええ、保存が効くので冒険者には人気なんです。味は……まあ、ね?」

「へ、へぇ~……(不味いって言った!)」

「噂では、ワンスの街に美味しい屋台があるって聞いたんですよ」

「えっ!ワンス出身なんですけど、食べたことないです~!探せばよかった~!」

「その屋台の人、あなたくらいの年頃の女性だったって話ですよ?」

「へぇ~、会ってみたいな~!一緒に料理とか出来たら楽しそう!」

「あなたも料理するんですか?」

「はいっ!作るのも食べるのも大好きです!」

「それはいいねぇ。ちょっと、あなたの料理、食べてみたいなぁ」

「うーん……いいですよ?」

「じゃあ、こっちに来てください!」

「えっ、今から!?」


---

連れてこられたのは、店の裏にある一軒家。

その女性――店長のキラさんは金髪に青い瞳のきれいな人だった。

「ここ、私の家なんだけど。遠慮しないでね?」

「お、おじゃましますっ!」

さっそく私は、家のキッチンを借りてポトフを作ることに。

にんじん、じゃがいも、キャベツ……シンプルな具材を丁寧に煮込む。

「どうぞっ!ポトフです!」

「わぁ~!いい匂い……いただきます!」

キラさんは、スプーンを手に一口――

「………………お……いし……い」

ポロッと涙までこぼした。

「……あ、あれ?そんなに?大丈夫ですか!?」

「こんな優しい味、久しぶり……いや、初めてかも……」

……この街にも、何か変化が起こりそう――
そんな予感が私の中に湧き上がっていた。

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