9 / 48
9 デネスで新たな事業
しおりを挟む
「うーーーーっ、やっと着いたぁー!デネスの街~!」
長旅の疲れもどこへやら、私は胸を張って街を見渡した。
「さて、デネスでは……ポーションを売ろうかな!」
屋台料理もいいけれど、あの“商会スパイ集団”のことを思い出すと――
「……恥ずかしすぎる!あんなに勘違いした上にキレたの、人生初だったよ!」
ぶんぶんと頭を振って気持ちを切り替える。
「よしっ!気分一新!ポーション売って儲けるぞー!」
---
【デネスの街・門前】
「うわー……また長蛇の列かぁ……。」
入場待ちの人で賑わう中、私は順番を待った。
「次の方~!」
「あ、はーい!」
「こんにちは。ギルドカードをお願いします。」
「どうぞっ!」
門番が水晶玉を取り出すと、私に差し出してきた。
「この水晶に触れてください。」
ピカーン――青く光る。
「確認しました。デネスの街へようこそ!」
「ありがとうございます~!」
街に一歩踏み入れた瞬間、私はハッと叫んだ。
「そうだ!街に着いたらやるべきことがあった!」
ルン♪ルン♪と足取り軽く、私は目的地へと向かう。
そう――目的は「食べ歩き」!
「どんな美味しいものがあるのかなぁ~。楽しみ楽しみ~!」
と・こ・ろ・が――
「……なにこれ?パンが黒い。スープは……味しない?え、これ本当に料理?」
一口かじると、バリッと音がした。
「か、硬い!スープは……え、これ、白湯?水?」
「これでお金取るとか、詐欺じゃない?」
周囲を見渡してみると、誰一人、笑顔で食べている人がいない。
「いやもう、全員虚無顔なんだけど……。」
そのとき、店の女性が声をかけてきた。
「お客さん?何かお気に召しませんか?」
「えっ、いえ……ちょっと……料理が、その、こう……」
「どうかされました?」
「いや、ちょっと……味が……ですね……」
「ああ!初めての方なんですね!これ、デネス名物なんですよ!」
「ええっ!?この黒パンと味なしスープが!?」
「ええ、保存が効くので冒険者には人気なんです。味は……まあ、ね?」
「へ、へぇ~……(不味いって言った!)」
「噂では、ワンスの街に美味しい屋台があるって聞いたんですよ」
「えっ!ワンス出身なんですけど、食べたことないです~!探せばよかった~!」
「その屋台の人、あなたくらいの年頃の女性だったって話ですよ?」
「へぇ~、会ってみたいな~!一緒に料理とか出来たら楽しそう!」
「あなたも料理するんですか?」
「はいっ!作るのも食べるのも大好きです!」
「それはいいねぇ。ちょっと、あなたの料理、食べてみたいなぁ」
「うーん……いいですよ?」
「じゃあ、こっちに来てください!」
「えっ、今から!?」
---
連れてこられたのは、店の裏にある一軒家。
その女性――店長のキラさんは金髪に青い瞳のきれいな人だった。
「ここ、私の家なんだけど。遠慮しないでね?」
「お、おじゃましますっ!」
さっそく私は、家のキッチンを借りてポトフを作ることに。
にんじん、じゃがいも、キャベツ……シンプルな具材を丁寧に煮込む。
「どうぞっ!ポトフです!」
「わぁ~!いい匂い……いただきます!」
キラさんは、スプーンを手に一口――
「………………お……いし……い」
ポロッと涙までこぼした。
「……あ、あれ?そんなに?大丈夫ですか!?」
「こんな優しい味、久しぶり……いや、初めてかも……」
……この街にも、何か変化が起こりそう――
そんな予感が私の中に湧き上がっていた。
長旅の疲れもどこへやら、私は胸を張って街を見渡した。
「さて、デネスでは……ポーションを売ろうかな!」
屋台料理もいいけれど、あの“商会スパイ集団”のことを思い出すと――
「……恥ずかしすぎる!あんなに勘違いした上にキレたの、人生初だったよ!」
ぶんぶんと頭を振って気持ちを切り替える。
「よしっ!気分一新!ポーション売って儲けるぞー!」
---
【デネスの街・門前】
「うわー……また長蛇の列かぁ……。」
入場待ちの人で賑わう中、私は順番を待った。
「次の方~!」
「あ、はーい!」
「こんにちは。ギルドカードをお願いします。」
「どうぞっ!」
門番が水晶玉を取り出すと、私に差し出してきた。
「この水晶に触れてください。」
ピカーン――青く光る。
「確認しました。デネスの街へようこそ!」
「ありがとうございます~!」
街に一歩踏み入れた瞬間、私はハッと叫んだ。
「そうだ!街に着いたらやるべきことがあった!」
ルン♪ルン♪と足取り軽く、私は目的地へと向かう。
そう――目的は「食べ歩き」!
「どんな美味しいものがあるのかなぁ~。楽しみ楽しみ~!」
と・こ・ろ・が――
「……なにこれ?パンが黒い。スープは……味しない?え、これ本当に料理?」
一口かじると、バリッと音がした。
「か、硬い!スープは……え、これ、白湯?水?」
「これでお金取るとか、詐欺じゃない?」
周囲を見渡してみると、誰一人、笑顔で食べている人がいない。
「いやもう、全員虚無顔なんだけど……。」
そのとき、店の女性が声をかけてきた。
「お客さん?何かお気に召しませんか?」
「えっ、いえ……ちょっと……料理が、その、こう……」
「どうかされました?」
「いや、ちょっと……味が……ですね……」
「ああ!初めての方なんですね!これ、デネス名物なんですよ!」
「ええっ!?この黒パンと味なしスープが!?」
「ええ、保存が効くので冒険者には人気なんです。味は……まあ、ね?」
「へ、へぇ~……(不味いって言った!)」
「噂では、ワンスの街に美味しい屋台があるって聞いたんですよ」
「えっ!ワンス出身なんですけど、食べたことないです~!探せばよかった~!」
「その屋台の人、あなたくらいの年頃の女性だったって話ですよ?」
「へぇ~、会ってみたいな~!一緒に料理とか出来たら楽しそう!」
「あなたも料理するんですか?」
「はいっ!作るのも食べるのも大好きです!」
「それはいいねぇ。ちょっと、あなたの料理、食べてみたいなぁ」
「うーん……いいですよ?」
「じゃあ、こっちに来てください!」
「えっ、今から!?」
---
連れてこられたのは、店の裏にある一軒家。
その女性――店長のキラさんは金髪に青い瞳のきれいな人だった。
「ここ、私の家なんだけど。遠慮しないでね?」
「お、おじゃましますっ!」
さっそく私は、家のキッチンを借りてポトフを作ることに。
にんじん、じゃがいも、キャベツ……シンプルな具材を丁寧に煮込む。
「どうぞっ!ポトフです!」
「わぁ~!いい匂い……いただきます!」
キラさんは、スプーンを手に一口――
「………………お……いし……い」
ポロッと涙までこぼした。
「……あ、あれ?そんなに?大丈夫ですか!?」
「こんな優しい味、久しぶり……いや、初めてかも……」
……この街にも、何か変化が起こりそう――
そんな予感が私の中に湧き上がっていた。
124
あなたにおすすめの小説
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
異世界でまったり村づくり ~追放された錬金術師、薬草と動物たちに囲まれて再出発します。いつの間にか辺境の村が聖地になっていた件~
たまごころ
ファンタジー
王都で役立たずと追放された中年の錬金術師リオネル。
たどり着いたのは、魔物に怯える小さな辺境の村だった。
薬草で傷を癒し、料理で笑顔を生み、動物たちと畑を耕す日々。
仲間と絆を育むうちに、村は次第に「奇跡の地」と呼ばれていく――。
剣も魔法も最強じゃない。けれど、誰かを癒す力が世界を変えていく。
ゆるやかな時間の中で少しずつ花開く、スロー成長の異世界物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる