少女は自重を知らない~私、普通ですよね?

チャチャ

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23 火山エリアとボス

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私たちは、無事に24階層に降りることができた。クローバーのちょっと怖い一面も見たけれど、そんなクローバーも私はやっぱり好きだと思った。

「よし、行こうか。冷寒ポーションもあるし!」

ポーションを飲んで火山エリアを進んでいくと、いきなり岩のような魔物が転がってきた。

「うわっ!? 何あれ!?」

その魔物は「ゲンゴール」と呼ばれる岩の魔物で、通常は動かずじっとしているはずだ。けれど、ここのゲンゴールは自ら転がって襲ってくる。

「ダンジョンのゲンゴールってこんなにアグレッシブなの!?」

驚いていると、クローバーが軽やかに跳び上がって魔物を粉砕してくれた。

「流石クローバー!ゲンゴールが襲ってくることもギルドに報告しなきゃね」

倒したゲンゴールの体が砕け、その中から光るアイテムが現れた。

「これって……銀鉱石?」

市場で出回っている鉱石だけど、最近は鉱山の枯渇で値上がりしていた。これは嬉しい収穫。さらに、その傍にひときわ光るアイテムがあった。

「これって……ミスリル!? でも、クローバーは見えてないのよね……」

〈これとは何ですか?主様が拾った石のことですか?〉

「やっぱり、見えてないかー」

この世界に来てから何度か経験している、私だけに見える「裏ドロップアイテム」。それを拾うと、皆にも見えるようになる不思議な現象。私はミスリルを拾い上げた。

〈わっ!主様の手にいつの間にか石が!? すごいです!〉

「うふふ、びっくりした? 私もどうして見えるのかよく分かってないんだよね~」

クローバーは尻尾をブンブン振りながら感動していた。

そこから先は順調で、私たちは次々と階層を進み、なんと39階層にまで到達していた。

「ここが40階層……ってことは、ボス部屋かな?」

目の前には大きな扉がそびえ立っていた。私とクローバーが手を添えると、自然と扉が開かれていった。

「いくよ、クローバー!」

〈はい、主様!〉

中に入ると、巨大なトカゲのような魔物が現れた。その体は炎に包まれており、圧倒的な存在感を放っている。

「うそ、何あれ? 本でも見たことない魔物なんだけど……」

〈主様、あれはフレムサッシャーという魔物です!火炎系の魔物で、水属性が効きそうに見えますが、実は水には強い耐性があります。弱点は風属性です!〉

「え!? 水が効かないの!? 危なかった、クローバーありがとう!」

私は魔法で攻撃を試みるが、フレムサッシャーはやたらと素早く、攻撃が全然当たらない。

「はぁ、はぁ、全然当たらないわ……疲れた……」

その間、クローバーが必死に相手を引きつけてくれていた。私も何とかしたいと考えていると、あることを思い出した。

「……そうだ、爬虫類って寒さに弱いんじゃなかったっけ?」

思い切って私は魔法で部屋全体を凍らせる。すると、フレムサッシャーの動きが鈍り、ついには完全に停止した。

「今だっ!」

『エアカッター!』

私は風魔法で首元を一閃し、フレムサッシャーの首を切り落とした。

「やった……成功した……!」

〈主様、素晴らしいです!〉

ドロップアイテムは、肉と牙、そして裏ドロップとして――オリハルコンが現れた。

「オリハルコン!? 王宮にひとつしかないって噂の……!」

慌ててそれを収納バッグに押し込み、見なかったふりをする。

ボスを倒したことで部屋の奥に魔法陣が現れ、それに乗ると、ダンジョンの入り口へと転送された。

「はあぁ……帰ってこられてよかった~! 報酬、どのくらいもらえるのかな~♪」

ギルドに報告に行くと、受付嬢はもちろん、周りの冒険者たちも絶句していた。

「な、なんで初心者が……40階層のボスを……?」

案の定、すぐにギルドマスターの部屋に通されることとなった――。


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