36 / 48
36 茂みから出てきたのは
しおりを挟む
《ガサ……ガサガサ……》
静かな森に、不意の物音。私とフウスケさん、クローバーが一斉に草むらへと視線を向ける。
――そして、現れたのは。
「……なにあれ?」
姿はスライムに似ているけれど、どこか違う。プニプニしてるのに、何となく只者ではない気配を放っていた。私は思わず、鑑定スキルを起動する。
---
【鑑定結果】
種族:スニー(レア種)
レベル:1
スキル:擬態/学習
ユニークスキル:ゴッドハンド
名前:なし
---
「種族、スニー?何それ?」
つぶやいたその瞬間――
《ガッシャァァァァァン!!》
後ろから、盛大な物音と共に驚きの声が響いた。
「い、いま……なんて言った!?スニーって……!?」
声の主はもちろん、フウスケさん。振り返ると、彼は口を大きく開けて固まっていた。……あれ、顎外れてない?
「えっ……そんなに驚くことなんですか?この子、スニーって種族みたいなんですけど……」
私が答えると、フウスケさんはゆっくりと、恐る恐る言葉を紡いだ。
「スニーってのは……“神の子”って呼ばれてる伝説の神獣だ。存在自体が幻と言われてる、特級のレアモンスター……!」
「えええええぇぇぇぇぇっっ!!!???」
私の驚きも最高潮! 神獣!幻!神の子!? そ、そんなのって異世界あるあるじゃないですか!?
まさか……私、ほんとにそんな展開に巻き込まれちゃったの!?
「……お前、今“異世界あるある”とか考えただろ」
「えっ!?な、なんでわかるんですか!? もしかして超能力でも使えるとか……?」
動揺した私は思わず身を隠そうと両手で顔を覆ったけれど、次の瞬間――
ゴツン!
「いたっ!」
「バカ。お前の顔に書いてあんだよ、考えてることが」
フウスケさんは溜息をつきながらも、顔を真っ赤にしてそっぽを向いていた。なんだか、ちょっと照れてる……?
「さ、さすがフウスケさん……私、全然かないませんね! それより、この子どうします?」
私たちが話している間に、例の“スニー”はというと……クローバーが食べているご飯をじぃ~っと見つめていた。そして、なんと優しいクローバーは、そのご飯を少しわけてあげていた。
「うちのクローバーはなんて優しいのかしら……! 誰よ、“災害級”の魔獣とか言ったの! まったく、失礼しちゃうわよね!」
私は胸を張ってクローバーをなでなでする。ふわふわでもふもふで、心まで癒される最高のパートナー!
「……」
《※※それを“デビルタイガー”に対して言えるのは、ミサトくらいである※※》
災害級魔獣・デビルタイガー。その存在は、本来なら街ひとつ壊すほどの脅威……それを「優しい」と言える私、わりと末恐ろしい?
「それより、このスニー、どうするんだ?」
フウスケさんの問いかけに、私は再びスニーに目を向ける。
「あれ……寝てる?」
そう、スニーはご飯をもらって満足したのか、クローバーのふわふわな頭の上に乗っかり、すやすやと眠っていた。
「なんかもう……可愛いね、この子」
「お前、なんでもすぐペット扱いすんのな……」
フウスケさんは呆れ顔で私を見る。でも、まんざらでもなさそう。
「ねぇ、クローバー。この子、仲間にしてもいいかな?」
〈もちろんですぅぅぅぅ! もふもふ仲間、大歓迎ですぅ~!〉
クローバーがうれしそうに頷いた瞬間――スニーが小さく光りながら、私の手のひらにぴょこんと飛び乗ってきた。
「わっ、かわいい……!」
こうして、私たちの仲間に“幻の神獣スニー”が加わった。
でもこの時の私は、まだ知らなかった。この子が後に、とんでもない騒動を巻き起こすことになるなんて――
---
静かな森に、不意の物音。私とフウスケさん、クローバーが一斉に草むらへと視線を向ける。
――そして、現れたのは。
「……なにあれ?」
姿はスライムに似ているけれど、どこか違う。プニプニしてるのに、何となく只者ではない気配を放っていた。私は思わず、鑑定スキルを起動する。
---
【鑑定結果】
種族:スニー(レア種)
レベル:1
スキル:擬態/学習
ユニークスキル:ゴッドハンド
名前:なし
---
「種族、スニー?何それ?」
つぶやいたその瞬間――
《ガッシャァァァァァン!!》
後ろから、盛大な物音と共に驚きの声が響いた。
「い、いま……なんて言った!?スニーって……!?」
声の主はもちろん、フウスケさん。振り返ると、彼は口を大きく開けて固まっていた。……あれ、顎外れてない?
「えっ……そんなに驚くことなんですか?この子、スニーって種族みたいなんですけど……」
私が答えると、フウスケさんはゆっくりと、恐る恐る言葉を紡いだ。
「スニーってのは……“神の子”って呼ばれてる伝説の神獣だ。存在自体が幻と言われてる、特級のレアモンスター……!」
「えええええぇぇぇぇぇっっ!!!???」
私の驚きも最高潮! 神獣!幻!神の子!? そ、そんなのって異世界あるあるじゃないですか!?
まさか……私、ほんとにそんな展開に巻き込まれちゃったの!?
「……お前、今“異世界あるある”とか考えただろ」
「えっ!?な、なんでわかるんですか!? もしかして超能力でも使えるとか……?」
動揺した私は思わず身を隠そうと両手で顔を覆ったけれど、次の瞬間――
ゴツン!
「いたっ!」
「バカ。お前の顔に書いてあんだよ、考えてることが」
フウスケさんは溜息をつきながらも、顔を真っ赤にしてそっぽを向いていた。なんだか、ちょっと照れてる……?
「さ、さすがフウスケさん……私、全然かないませんね! それより、この子どうします?」
私たちが話している間に、例の“スニー”はというと……クローバーが食べているご飯をじぃ~っと見つめていた。そして、なんと優しいクローバーは、そのご飯を少しわけてあげていた。
「うちのクローバーはなんて優しいのかしら……! 誰よ、“災害級”の魔獣とか言ったの! まったく、失礼しちゃうわよね!」
私は胸を張ってクローバーをなでなでする。ふわふわでもふもふで、心まで癒される最高のパートナー!
「……」
《※※それを“デビルタイガー”に対して言えるのは、ミサトくらいである※※》
災害級魔獣・デビルタイガー。その存在は、本来なら街ひとつ壊すほどの脅威……それを「優しい」と言える私、わりと末恐ろしい?
「それより、このスニー、どうするんだ?」
フウスケさんの問いかけに、私は再びスニーに目を向ける。
「あれ……寝てる?」
そう、スニーはご飯をもらって満足したのか、クローバーのふわふわな頭の上に乗っかり、すやすやと眠っていた。
「なんかもう……可愛いね、この子」
「お前、なんでもすぐペット扱いすんのな……」
フウスケさんは呆れ顔で私を見る。でも、まんざらでもなさそう。
「ねぇ、クローバー。この子、仲間にしてもいいかな?」
〈もちろんですぅぅぅぅ! もふもふ仲間、大歓迎ですぅ~!〉
クローバーがうれしそうに頷いた瞬間――スニーが小さく光りながら、私の手のひらにぴょこんと飛び乗ってきた。
「わっ、かわいい……!」
こうして、私たちの仲間に“幻の神獣スニー”が加わった。
でもこの時の私は、まだ知らなかった。この子が後に、とんでもない騒動を巻き起こすことになるなんて――
---
111
あなたにおすすめの小説
辺境薬術師のポーションは至高 騎士団を追放されても、魔法薬がすべてを解決する
鶴井こう
ファンタジー
【書籍化しました】
余分にポーションを作らせ、横流しして金を稼いでいた王国騎士団第15番隊は、俺を追放した。
いきなり仕事を首にされ、隊を後にする俺。ひょんなことから、辺境伯の娘の怪我を助けたことから、辺境の村に招待されることに。
一方、モンスターたちのスタンピードを抑え込もうとしていた第15番隊。
しかしポーションの数が圧倒的に足りず、品質が低いポーションで回復もままならず、第15番隊の守備していた拠点から陥落し、王都は徐々にモンスターに侵略されていく。
俺はもふもふを拾ったり農地改革したり辺境の村でのんびりと過ごしていたが、徐々にその腕を買われて頼りにされることに。功績もステータスに表示されてしまい隠せないので、褒賞は甘んじて受けることにしようと思う。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる